31 / 161
マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
閑話 彼女の為に出来ること
しおりを挟む
アンネマリーが息絶えた後、すぐに悲しみが激しい怒りに変わっていくのがわかった。
この怒りが、不思議と冷静さを取り戻す。今は感情を殺せと本能が訴えているようだ。
これはアンネマリーを亡き者にしようとした者がいるに違いない。そう思った私は、すぐにエリックに依頼し、王都騎士団長にこの事故について地元民と、ここにいる騎士団のメンバーに箝口令を敷くよう伝えてもらうことにした。
事故なんて滅多に起きない道で、侯爵家の優秀な御者が、手入れの行き届いた立派な馬車での不自然な事故。助けたくても、なかなか開かないドア。
思考を巡らせているところに、アンネマリーの母である侯爵夫人が馬車で駆けつける。私はすぐに侯爵夫人に跪く。
「お願いがあります。…これはただの事故ではありません。私がこの事件を調べることをお許し頂きたいのです。アンネマリー嬢の無念を晴らしたいのです。お願い致します。どうか…。」
侯爵夫人は少し沈黙した後、
「……分かりました。王家と侯爵には私から話をしましょう。ただし……、失敗は許さなくてよ。」
愛する娘が亡くなったのだ。泣き叫びたいのを堪えているのだろう。赤い目をして、ハンカチを強く握りしめながらも、毅然とした態度をとる侯爵夫人。さすが王族だ。
侯爵夫人に頼み、アンネマリーの亡骸は、一度侯爵邸に運ぶ事にした。まだ生きていたと言うことにして。
亡骸が傷まないように、侯爵夫人から保護魔法を掛けられたアンネマリーは寝ているようであった。
侯爵夫人から王家に頼んでもらい、アンネマリーは事故で軽い怪我をしたので、数日自宅療養し、その後、隣国に旅立つ予定であると言う噂を流して貰った。また、王家に直接仕えている精神干渉と洗脳が得意な魔導師を派遣してもらう。
アンネマリーの部屋のベッドに亡骸を運び、知らない者から見たら、アンネマリーがベッドに寝ているように見える状態をつくって、ネズミが来るのを待つことにした。
三日後の深夜、ネズミが来たようだと影から報告があり、アンネマリーの部屋で隠れて待つ。アンネマリーのベッドに近づくネズミを背後から襲い、生捕にし、自白剤を飲ませて誰の差金か喋らせた。
雇われた暗殺者のようで、依頼者については詳しくは知らされていないようだ。眠る様に死にゆく、遅延性の毒を使って暗殺がバレないように殺したかったようで、どうやら隣国の貴族が関わっているようだ。
さすが薬学の進んだ国。厄介な毒を持ち込んでくる。
アンネマリーが、隣国に旅立つ前のタイミングで起きたので、予想はしていたのだ。事故に見せかけつつ、暗殺してでも隣国に来て欲しくない者の犯行だと。
侯爵令嬢とは言え、国王陛下の姪に手をだすなんて、一歩間違えば戦争になってもおかしくないというのに、そこまでしても殺したいという強い殺意が感じられる。
王家から派遣された魔導師に指示し、暗殺者には、アンネマリーの暗殺に成功したと思い込ませ、自白剤を飲まされたことなどは、綺麗さっぱり忘れさせた。更に酒に酔って、飲み屋で寝てしまったような状態にして、放置した。
そして酔いから覚め、動き出した暗殺者を、優秀な影2名に追わせ、探らせることにしたのだった。
約2週間後、影が無事に戻ってきた。暗殺者を尾行し、仲介者を掴み、更に暗殺を依頼した者へ辿りつくと…、隣国の公爵令嬢のメイドだとわかったのだ。
公爵令嬢のメイド?令嬢に命令でもされたか。更にその公爵家を調べる。
公爵は元々は自分の妹を、国王陛下に嫁がせたかったが、当時、王太子殿下だった国王陛下が、うちの国に外遊に来た際に、美姫と呼ばれていた第一王女に一目惚れし、すぐに婚約・結婚と至ったことで、叶わなかったようだ。
そして、今度は自分の娘を王太子殿下に嫁がせようと躍起になっていると言う。貴族派の派閥のトップのような存在で、王家からは警戒されている家門。
娘の公爵令嬢は表面的には、完璧な淑女と言われていて、今の王太子殿下の婚約者候補の一人であるらしいが、他の婚約者候補を陥れたりしていると言う黒い噂がある。公爵家という身分があるので、はっきりした証拠がないと罪に問えないので、王家も対応に困っているらしい。
ああ、そう言うことか。
美しくて聡明なアンネマリーが隣国に来られると、自分の地位を脅かす可能性があるから、邪魔になる前に消えて欲しかったと。かつて国王陛下が王妃殿下に一目惚れしたように、王太子殿下がそうなる前に排除してしまえと。流石に王妃の姪に、手を出すことは出来ないので、自国に来る前に始末してやろうと。
そう言うことなのだな。
……許さない。
捜査が一段落したので、やっとアンネマリーをおくることになった。
今まで表面上は平穏な侯爵家を装っていたのだが、ここに来て深い悲しみに包まれることになる。
まだ事件の解決はしていないので、アンネマリーの死因については、事故の後、自分を庇って亡くなった護衛騎士に心を痛めて、衰弱して亡くなったということで侯爵家から世間に知らされることになった。
そして、教会でアンネマリーの葬儀が行われる。
目を腫らした、顔色の悪いアンネマリーの親友やクラスメイト達が沢山参列していた。国王夫妻と王太子殿下とマディソン、ファーエル公爵令嬢とその友人達も。
最後のお別れの際、花と一緒にあのブローチを柩に入れる。結局、直接渡すことが出来なかった。しかし、これはアンネマリーのためのもの。アンネマリーが要らないと言おうが、周りがどう見ていようが関係ないのだ。
私の心はアンネマリーのものなのだから。
アンネマリー、またいつか君に会いたい…。
悲しみの中、葬儀を終えた。
それからしばらくして…
貴族学園の卒業を迎えた私は、隣国へ旅立つ事になった。
旅立ちの前日、王太子殿下に呼び出される。
執務室に入ると、そこには王太子殿下の他に、マディソンと、ファーエル公爵令嬢がいる。
「明日、旅立つらしいけど、気をつけて行ってきてね。隣国の王太子殿下である、私の従兄弟殿が協力してくれることになっているから。君は東国の貴族が亡命してきて、剣の腕を見込まれて、王太子殿下の護衛の一人になったと言うことになっているからね。東国は隣国とは直接国交が無いし、今は内戦中だから、周りにはバレないと思うよ。王太子殿下の近くにいれば、あの公爵令嬢に近づく機会があるだろう。」
「それと、王家の優秀な魔導師を付けるから。この前の暗殺者の時に活躍した魔導師と、戦闘に特化した魔導師の2人ね。その2人を付けるくらい、あの公爵は強者らしいから頑張ってきて。あっ!毒には気をつけてね。伯母上も苦労したらしいから。」
王太子殿下が腹黒の笑みを浮かべている。殿下が色々と配慮してくれたお陰で、私は隣国に行けるのだ。可愛がっていた、アンネマリーの為にここまで動いてくれたのだろうな。
そして、マディソンからは封筒が渡された。
「あの公爵家の詳しい情報だ。公爵家の人物の生育歴から、分家の人物、同じ派閥の貴族と、愛人たちの誕生日まで調べておいた。公爵家と敵対する派閥から得たものだが、知っていた方が動きやすいだろう。それと私も近いうちに隣国に留学するが、随分前から決まっていた留学なので、今更身分を偽れない。恐らく、その公爵家からは警戒される立場になるから、君と直接話す事は出来ないだろう。しかし、宰相家の影を連れていくので、何か情報を得たら影を遣わすようにするよ。」
マディソンからここまで話をされるのは初めてだが、正直、心強いと思った。
ファーエル公爵令嬢は、色褪せた本をくれた。何だこの本は?
「それは、子供の時にアンネマリーが私にプレゼントしてくれた本ですの。その物語の中に出てくる騎士様が、アンネマリーは大好きでしたのよ。」
「公爵令嬢の懐に入りたいなら、その物語の騎士様くらいにならないといけませんわ。」
「その本はアンネマリーの形見の本ですから、帰国した時に必ず返しに来てくださいませ。」
必ず生きて帰って来いってことだな。
それにしても、アンネマリーが好きな騎士様か…。
次の日、私は魔導師や公爵家の影を伴い、遠回りして、隣国へ旅立つのであった。
この怒りが、不思議と冷静さを取り戻す。今は感情を殺せと本能が訴えているようだ。
これはアンネマリーを亡き者にしようとした者がいるに違いない。そう思った私は、すぐにエリックに依頼し、王都騎士団長にこの事故について地元民と、ここにいる騎士団のメンバーに箝口令を敷くよう伝えてもらうことにした。
事故なんて滅多に起きない道で、侯爵家の優秀な御者が、手入れの行き届いた立派な馬車での不自然な事故。助けたくても、なかなか開かないドア。
思考を巡らせているところに、アンネマリーの母である侯爵夫人が馬車で駆けつける。私はすぐに侯爵夫人に跪く。
「お願いがあります。…これはただの事故ではありません。私がこの事件を調べることをお許し頂きたいのです。アンネマリー嬢の無念を晴らしたいのです。お願い致します。どうか…。」
侯爵夫人は少し沈黙した後、
「……分かりました。王家と侯爵には私から話をしましょう。ただし……、失敗は許さなくてよ。」
愛する娘が亡くなったのだ。泣き叫びたいのを堪えているのだろう。赤い目をして、ハンカチを強く握りしめながらも、毅然とした態度をとる侯爵夫人。さすが王族だ。
侯爵夫人に頼み、アンネマリーの亡骸は、一度侯爵邸に運ぶ事にした。まだ生きていたと言うことにして。
亡骸が傷まないように、侯爵夫人から保護魔法を掛けられたアンネマリーは寝ているようであった。
侯爵夫人から王家に頼んでもらい、アンネマリーは事故で軽い怪我をしたので、数日自宅療養し、その後、隣国に旅立つ予定であると言う噂を流して貰った。また、王家に直接仕えている精神干渉と洗脳が得意な魔導師を派遣してもらう。
アンネマリーの部屋のベッドに亡骸を運び、知らない者から見たら、アンネマリーがベッドに寝ているように見える状態をつくって、ネズミが来るのを待つことにした。
三日後の深夜、ネズミが来たようだと影から報告があり、アンネマリーの部屋で隠れて待つ。アンネマリーのベッドに近づくネズミを背後から襲い、生捕にし、自白剤を飲ませて誰の差金か喋らせた。
雇われた暗殺者のようで、依頼者については詳しくは知らされていないようだ。眠る様に死にゆく、遅延性の毒を使って暗殺がバレないように殺したかったようで、どうやら隣国の貴族が関わっているようだ。
さすが薬学の進んだ国。厄介な毒を持ち込んでくる。
アンネマリーが、隣国に旅立つ前のタイミングで起きたので、予想はしていたのだ。事故に見せかけつつ、暗殺してでも隣国に来て欲しくない者の犯行だと。
侯爵令嬢とは言え、国王陛下の姪に手をだすなんて、一歩間違えば戦争になってもおかしくないというのに、そこまでしても殺したいという強い殺意が感じられる。
王家から派遣された魔導師に指示し、暗殺者には、アンネマリーの暗殺に成功したと思い込ませ、自白剤を飲まされたことなどは、綺麗さっぱり忘れさせた。更に酒に酔って、飲み屋で寝てしまったような状態にして、放置した。
そして酔いから覚め、動き出した暗殺者を、優秀な影2名に追わせ、探らせることにしたのだった。
約2週間後、影が無事に戻ってきた。暗殺者を尾行し、仲介者を掴み、更に暗殺を依頼した者へ辿りつくと…、隣国の公爵令嬢のメイドだとわかったのだ。
公爵令嬢のメイド?令嬢に命令でもされたか。更にその公爵家を調べる。
公爵は元々は自分の妹を、国王陛下に嫁がせたかったが、当時、王太子殿下だった国王陛下が、うちの国に外遊に来た際に、美姫と呼ばれていた第一王女に一目惚れし、すぐに婚約・結婚と至ったことで、叶わなかったようだ。
そして、今度は自分の娘を王太子殿下に嫁がせようと躍起になっていると言う。貴族派の派閥のトップのような存在で、王家からは警戒されている家門。
娘の公爵令嬢は表面的には、完璧な淑女と言われていて、今の王太子殿下の婚約者候補の一人であるらしいが、他の婚約者候補を陥れたりしていると言う黒い噂がある。公爵家という身分があるので、はっきりした証拠がないと罪に問えないので、王家も対応に困っているらしい。
ああ、そう言うことか。
美しくて聡明なアンネマリーが隣国に来られると、自分の地位を脅かす可能性があるから、邪魔になる前に消えて欲しかったと。かつて国王陛下が王妃殿下に一目惚れしたように、王太子殿下がそうなる前に排除してしまえと。流石に王妃の姪に、手を出すことは出来ないので、自国に来る前に始末してやろうと。
そう言うことなのだな。
……許さない。
捜査が一段落したので、やっとアンネマリーをおくることになった。
今まで表面上は平穏な侯爵家を装っていたのだが、ここに来て深い悲しみに包まれることになる。
まだ事件の解決はしていないので、アンネマリーの死因については、事故の後、自分を庇って亡くなった護衛騎士に心を痛めて、衰弱して亡くなったということで侯爵家から世間に知らされることになった。
そして、教会でアンネマリーの葬儀が行われる。
目を腫らした、顔色の悪いアンネマリーの親友やクラスメイト達が沢山参列していた。国王夫妻と王太子殿下とマディソン、ファーエル公爵令嬢とその友人達も。
最後のお別れの際、花と一緒にあのブローチを柩に入れる。結局、直接渡すことが出来なかった。しかし、これはアンネマリーのためのもの。アンネマリーが要らないと言おうが、周りがどう見ていようが関係ないのだ。
私の心はアンネマリーのものなのだから。
アンネマリー、またいつか君に会いたい…。
悲しみの中、葬儀を終えた。
それからしばらくして…
貴族学園の卒業を迎えた私は、隣国へ旅立つ事になった。
旅立ちの前日、王太子殿下に呼び出される。
執務室に入ると、そこには王太子殿下の他に、マディソンと、ファーエル公爵令嬢がいる。
「明日、旅立つらしいけど、気をつけて行ってきてね。隣国の王太子殿下である、私の従兄弟殿が協力してくれることになっているから。君は東国の貴族が亡命してきて、剣の腕を見込まれて、王太子殿下の護衛の一人になったと言うことになっているからね。東国は隣国とは直接国交が無いし、今は内戦中だから、周りにはバレないと思うよ。王太子殿下の近くにいれば、あの公爵令嬢に近づく機会があるだろう。」
「それと、王家の優秀な魔導師を付けるから。この前の暗殺者の時に活躍した魔導師と、戦闘に特化した魔導師の2人ね。その2人を付けるくらい、あの公爵は強者らしいから頑張ってきて。あっ!毒には気をつけてね。伯母上も苦労したらしいから。」
王太子殿下が腹黒の笑みを浮かべている。殿下が色々と配慮してくれたお陰で、私は隣国に行けるのだ。可愛がっていた、アンネマリーの為にここまで動いてくれたのだろうな。
そして、マディソンからは封筒が渡された。
「あの公爵家の詳しい情報だ。公爵家の人物の生育歴から、分家の人物、同じ派閥の貴族と、愛人たちの誕生日まで調べておいた。公爵家と敵対する派閥から得たものだが、知っていた方が動きやすいだろう。それと私も近いうちに隣国に留学するが、随分前から決まっていた留学なので、今更身分を偽れない。恐らく、その公爵家からは警戒される立場になるから、君と直接話す事は出来ないだろう。しかし、宰相家の影を連れていくので、何か情報を得たら影を遣わすようにするよ。」
マディソンからここまで話をされるのは初めてだが、正直、心強いと思った。
ファーエル公爵令嬢は、色褪せた本をくれた。何だこの本は?
「それは、子供の時にアンネマリーが私にプレゼントしてくれた本ですの。その物語の中に出てくる騎士様が、アンネマリーは大好きでしたのよ。」
「公爵令嬢の懐に入りたいなら、その物語の騎士様くらいにならないといけませんわ。」
「その本はアンネマリーの形見の本ですから、帰国した時に必ず返しに来てくださいませ。」
必ず生きて帰って来いってことだな。
それにしても、アンネマリーが好きな騎士様か…。
次の日、私は魔導師や公爵家の影を伴い、遠回りして、隣国へ旅立つのであった。
54
お気に入りに追加
1,714
あなたにおすすめの小説
【完結】用済みと捨てられたはずの王妃はその愛を知らない
千紫万紅
恋愛
王位継承争いによって誕生した後ろ楯のない無力な少年王の後ろ楯となる為だけに。
公爵令嬢ユーフェミアは僅か10歳にして大国の王妃となった。
そして10年の時が過ぎ、無力な少年王は賢王と呼ばれるまでに成長した。
その為後ろ楯としての価値しかない用済みの王妃は廃妃だと性悪宰相はいう。
「城から追放された挙げ句、幽閉されて監視されて一生を惨めに終えるくらいならば、こんな国……逃げだしてやる!」
と、ユーフェミアは誰にも告げず城から逃げ出した。
だが、城から逃げ出したユーフェミアは真実を知らない。
【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】
戻る場所がなくなったようなので別人として生きます
しゃーりん
恋愛
医療院で目が覚めて、新聞を見ると自分が死んだ記事が載っていた。
子爵令嬢だったリアンヌは公爵令息ジョーダンから猛アプローチを受け、結婚していた。
しかし、結婚生活は幸せではなかった。嫌がらせを受ける日々。子供に会えない日々。
そしてとうとう攫われ、襲われ、森に捨てられたらしい。
見つかったという遺体が自分に似ていて死んだと思われたのか、別人とわかっていて死んだことにされたのか。
でももう夫の元に戻る必要はない。そのことにホッとした。
リアンヌは別人として新しい人生を生きることにするというお話です。
【完結】愛に裏切られた私と、愛を諦めなかった元夫
紫崎 藍華
恋愛
政略結婚だったにも関わらず、スティーヴンはイルマに浮気し、妻のミシェルを捨てた。
スティーヴンは政略結婚の重要性を理解できていなかった。
そのような男の愛が許されるはずないのだが、彼は愛を貫いた。
捨てられたミシェルも貴族という立場に翻弄されつつも、一つの答えを見出した。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
“用済み”捨てられ子持ち令嬢は、隣国でオルゴールカフェを始めました
古森きり
恋愛
産後の肥立が悪いのに、ワンオペ育児で過労死したら異世界に転生していた!
トイニェスティン侯爵令嬢として生まれたアンジェリカは、十五歳で『神の子』と呼ばれる『天性スキル』を持つ特別な赤子を処女受胎する。
しかし、召喚されてきた勇者や聖女に息子の『天性スキル』を略奪され、「用済み」として国外追放されてしまう。
行き倒れも覚悟した時、アンジェリカを救ったのは母国と敵対関係の魔人族オーガの夫婦。
彼らの薦めでオルゴール職人で人間族のルイと仮初の夫婦として一緒に暮らすことになる。
不安なことがいっぱいあるけど、母として必ず我が子を、今度こそ立派に育てて見せます!
ノベルアップ+とアルファポリス、小説家になろう、カクヨムに掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる