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アンネマリー編〜転生に気付いたのでやり直します
私の大切な人たち
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長期休暇に入ったある日、私はレベッカ達と4人で人気のカフェにお茶をしに来ている。
レポートや卒業認定試験でなかなか来ることが出来なかったので、隣国に旅立つ前に4人で来ようと約束していたのだ。
ここのアフタヌーンティーセットが大好きなのだ。小さめにカットされたサンドウィッチに、かわいいタルトやケーキ、それにロイヤルミルクティーを合わせるのが、私流。
次もまた4人で来よう、その時はみんな結婚してるかな、…なんて話が止まらない。
「3人と出会えて幸せだったわ。いつも守ってくれてありがとう。これから、寂しくなるけど、1人で頑張ってみるわ。」
すると、ローズがニヤニヤして
「1人じゃないでしょ?マディソン様も卒業したら、隣国に留学されるわよね?」
「知ってたの?」
「宰相の家は、貴族学園卒業したら、留学するって有名な話よね。」
レベッカもリーゼも知っていたようだ。私だけ知らなかったの?
「マディソン様なら、アンを守ってくれるからいいと思うな。」
リーゼは今日もストレートだな。
「この先、自分の気持ちがどうなるかは分からないけど、今は尊敬する偉大な先輩よ。」
すると、リーゼは手紙で色々と報告してねー、だって。
「私はアンの護衛騎士様がアンには合っていると思うわ。」
ローズは騎士様が好きよねー。
「アルは好きだけど、家族よ。」
そんな話をしていたら、
「アン、言うか言わないか迷っていたけど…。しばらく会えなくなるから、話しておくわ。」
レベッカが珍しく?真剣だ。
私が婚約を白紙にして少し経った頃に、レベッカの婚約者の魔術師団長の子息を通して、私の仮の元婚約者がレベッカに接触してきたそうだ。話をしたいが、全く会えないので、何とかしてもらいたいと。
彼と顔を合わせたくない私は、とにかく彼に合わないように細心の注意を払った。親友たちは勿論、クラスメイト達まで協力してくれた。
彼が何度か私の教室に尋ねて来たことは知っている。しかし、今まで私の教室に来たことがない彼が来たら、教室近くまで来た時点で目立つ。それに気付いたクラスメイトが知らせてくれ、バルコニーやトイレ、空き教室に避難したことがあった。机の影にしゃがんで隠れたりもした。
昼食は、テイクアウトした物をレベッカ達やクラスメイトが届けてくれたし、教室を移動する時や、行事で同じ空間にいる時は、レベッカ達だけでなく、クラスメイトが私を囲んで、接触しにくいようにしてくれた。
本当にクラスメイト達には頭が上がらない。
そして、シリル様だ。図書室で勉強している時、さり気なく近くにいて勉強を教えてくれていたが、それだけではない気がする。さすがの彼もシリル様には気を遣うのか、図書室に来ることは無かった。しかも、途中からは王宮の図書館を中心に利用していたし。
シリル様と彼はクラスは一緒だが、グループが違う。シリル様は、宰相の家門だけあって、まわりの友人も文官志望の方ばかり。そして彼は国の8つの騎士団をまとめる、防衛の要の家門なので、騎士志望の友人に囲まれている。
知り合いだが、そこまでの仲ではないと言う関係だと思う。卒業後は王太子殿下の側近同士になるはずだが。
話は戻るが、彼がレベッカに接触して来た時に、レベッカは今更何を話すのかと冷ややかに返し、こんな接触はしないで欲しいことを伝えて、話を終わらせたそうだ。
さすがレベッカ!今更話すことなんて何も無いのだ。仮とは言え、婚約者であった頃でも話すことが無かったのだから。
元アラサー婚活女子には、去る者を追う暇はないのだ。
「嫌な思いをさせて、ごめんなさい。これからも、無視していいからねー。」
私の言葉にふふっと笑うレベッカ達。
私はこれから彼とは関わらずに生きていく。貴重な幼少期から青春時代までを、アイツの為に時間を無駄にしたのだ。この恨みはなかなか消えないだろう…と言うことも、レベッカ達に話しておいた。
すると、ローズが
「アンはもう新しい道を見つけて、前を向いているけど、彼はどうかしらね。この前のパーティーも、見てられなかったわよね。」
この前のパーティー?自分が楽しすぎて、彼の存在は忘れてたわ。
せっかくお望み通りに婚約の話が無くなったのだから、取り巻きの令嬢の誰かとよろしくやればいいじゃない、なんて話したら、アンは強いから、隣国でも楽しんで来れるわね、大丈夫そうねと言われた。
親友達と沢山お喋りをし、次回、また4人で会う約束をして別れたのであった。
また会いたいな。私の大切な人たち…。
レポートや卒業認定試験でなかなか来ることが出来なかったので、隣国に旅立つ前に4人で来ようと約束していたのだ。
ここのアフタヌーンティーセットが大好きなのだ。小さめにカットされたサンドウィッチに、かわいいタルトやケーキ、それにロイヤルミルクティーを合わせるのが、私流。
次もまた4人で来よう、その時はみんな結婚してるかな、…なんて話が止まらない。
「3人と出会えて幸せだったわ。いつも守ってくれてありがとう。これから、寂しくなるけど、1人で頑張ってみるわ。」
すると、ローズがニヤニヤして
「1人じゃないでしょ?マディソン様も卒業したら、隣国に留学されるわよね?」
「知ってたの?」
「宰相の家は、貴族学園卒業したら、留学するって有名な話よね。」
レベッカもリーゼも知っていたようだ。私だけ知らなかったの?
「マディソン様なら、アンを守ってくれるからいいと思うな。」
リーゼは今日もストレートだな。
「この先、自分の気持ちがどうなるかは分からないけど、今は尊敬する偉大な先輩よ。」
すると、リーゼは手紙で色々と報告してねー、だって。
「私はアンの護衛騎士様がアンには合っていると思うわ。」
ローズは騎士様が好きよねー。
「アルは好きだけど、家族よ。」
そんな話をしていたら、
「アン、言うか言わないか迷っていたけど…。しばらく会えなくなるから、話しておくわ。」
レベッカが珍しく?真剣だ。
私が婚約を白紙にして少し経った頃に、レベッカの婚約者の魔術師団長の子息を通して、私の仮の元婚約者がレベッカに接触してきたそうだ。話をしたいが、全く会えないので、何とかしてもらいたいと。
彼と顔を合わせたくない私は、とにかく彼に合わないように細心の注意を払った。親友たちは勿論、クラスメイト達まで協力してくれた。
彼が何度か私の教室に尋ねて来たことは知っている。しかし、今まで私の教室に来たことがない彼が来たら、教室近くまで来た時点で目立つ。それに気付いたクラスメイトが知らせてくれ、バルコニーやトイレ、空き教室に避難したことがあった。机の影にしゃがんで隠れたりもした。
昼食は、テイクアウトした物をレベッカ達やクラスメイトが届けてくれたし、教室を移動する時や、行事で同じ空間にいる時は、レベッカ達だけでなく、クラスメイトが私を囲んで、接触しにくいようにしてくれた。
本当にクラスメイト達には頭が上がらない。
そして、シリル様だ。図書室で勉強している時、さり気なく近くにいて勉強を教えてくれていたが、それだけではない気がする。さすがの彼もシリル様には気を遣うのか、図書室に来ることは無かった。しかも、途中からは王宮の図書館を中心に利用していたし。
シリル様と彼はクラスは一緒だが、グループが違う。シリル様は、宰相の家門だけあって、まわりの友人も文官志望の方ばかり。そして彼は国の8つの騎士団をまとめる、防衛の要の家門なので、騎士志望の友人に囲まれている。
知り合いだが、そこまでの仲ではないと言う関係だと思う。卒業後は王太子殿下の側近同士になるはずだが。
話は戻るが、彼がレベッカに接触して来た時に、レベッカは今更何を話すのかと冷ややかに返し、こんな接触はしないで欲しいことを伝えて、話を終わらせたそうだ。
さすがレベッカ!今更話すことなんて何も無いのだ。仮とは言え、婚約者であった頃でも話すことが無かったのだから。
元アラサー婚活女子には、去る者を追う暇はないのだ。
「嫌な思いをさせて、ごめんなさい。これからも、無視していいからねー。」
私の言葉にふふっと笑うレベッカ達。
私はこれから彼とは関わらずに生きていく。貴重な幼少期から青春時代までを、アイツの為に時間を無駄にしたのだ。この恨みはなかなか消えないだろう…と言うことも、レベッカ達に話しておいた。
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せっかくお望み通りに婚約の話が無くなったのだから、取り巻きの令嬢の誰かとよろしくやればいいじゃない、なんて話したら、アンは強いから、隣国でも楽しんで来れるわね、大丈夫そうねと言われた。
親友達と沢山お喋りをし、次回、また4人で会う約束をして別れたのであった。
また会いたいな。私の大切な人たち…。
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