25 / 39
2度目
再会
しおりを挟む
王弟殿下の感情の読めない目が怖い。
この人、まだ20歳そこそこだよね?なんか、修羅場を沢山切り抜けたようなベテラン弁護士とか、大企業の取締役とかにいそうな目をしている。とにかく、隙がなさ過ぎて怖い。ついでに、黙って同席している側近達も。
「君が将軍を大切な人だと言って、陛下に助けて欲しいと頼んでいたことは聞いている。しかし、リーナ個人の事情があるにしても、私や戦場で戦った騎士達から見たら、ただの憎き敵の司令官でしかない。私は、この戦争で沢山の仲間の命を失ったのだ。あの将軍は、自国の国王に命令されて来たのは分かるが、敵国の将軍という立場であった人間を生かしてはおけない。だから、リーナのお願いは聞けない。分かって欲しい。」
無理なの?この人達には何を言っても無理そうだね。どうしよう。やっぱり国王陛下に泣きながらお願いするしかないかな。
「……そうですか。……ごめんなさい。私、パーティー会場に戻りますね。失礼します。」
この場にいたら泣いちゃいそうだから、賑やかなパーティー会場の隅にでもいよう。
「リーナ、待って!」
聞こえないフリをして、さっさと退出する私。ここにいるのは、危険だ。
そして、パーティー会場に戻る私。どっか身を上手く隠せる場所は…
「…聖女様!ご機嫌麗しゅうございます。私のことを覚えていますか?」
最悪な気分の時に、誰だよアンタ?って言いたいが…
「バーナード卿、ご機嫌よう。お元気そうですね。」
ああ、1人になりたいのに。
「覚えていてくださって嬉しいです。聖女様のご活躍を聞くたびに、胸が高鳴っていました。ああ、今日も何て美しいのだろう。聖女様、私と友達になって下さいませんか?」
どんな友人だよ?
「もうすでに、友人の1人だと思っていますから。」
「ありがとうございます。聖女様、前に花を沢山贈りすぎて迷惑をかけてしまったようですね。申し訳ありませんでした。それで、聖女様のお好きな物は何でしょうか?今度は聖女様が喜んでくれる物を贈りたいのです。」
ああ、ウザい。
「でしたら、孤児院や教会に寄付をお願いしたいのですが。」
遠回しに、要らないって意味だけど分かったかな?
「聖女様、なんて素晴らしい方なんだ……」
「バーナード卿、貴方1人で聖女様を独占しないで下さる?」
えっ?誰か令嬢が助けに来てくれた?声の方を見ると…。うそっ!
「聖女様、お話中に申し訳ありません。しかし、バーナード卿は話が長過ぎるので、つい声をお掛けしてしまいましたわ。私はアリア・スコットと申します。」
公爵令嬢なの?
1度目に召喚された時に、仲良しだったメイドのマリーそっくりなんだけど。声も、話し方までも!
「スコット公爵令嬢、話に割り込むなんて失礼だ!」
「バーナード卿。私、せっかくですので、御令嬢方とも交流がしたいです。」
「…聖女様がそう言うなら、私はまた後ほど。」
いや、もう来なくていいからねー。
「スコット公爵令嬢、私はリーナと申します。よろしくお願いします。」
「リーナ様とお呼びしてもよろしいでしょうか?私のことは、アリアとお呼び下さい。」
「リーナって呼び捨てでいいですよ。私もアリアと呼びますから。」
「嬉しいですわ。ところで…、ガルシア卿はお元気でしょうか?」
やっぱり!!
この人、まだ20歳そこそこだよね?なんか、修羅場を沢山切り抜けたようなベテラン弁護士とか、大企業の取締役とかにいそうな目をしている。とにかく、隙がなさ過ぎて怖い。ついでに、黙って同席している側近達も。
「君が将軍を大切な人だと言って、陛下に助けて欲しいと頼んでいたことは聞いている。しかし、リーナ個人の事情があるにしても、私や戦場で戦った騎士達から見たら、ただの憎き敵の司令官でしかない。私は、この戦争で沢山の仲間の命を失ったのだ。あの将軍は、自国の国王に命令されて来たのは分かるが、敵国の将軍という立場であった人間を生かしてはおけない。だから、リーナのお願いは聞けない。分かって欲しい。」
無理なの?この人達には何を言っても無理そうだね。どうしよう。やっぱり国王陛下に泣きながらお願いするしかないかな。
「……そうですか。……ごめんなさい。私、パーティー会場に戻りますね。失礼します。」
この場にいたら泣いちゃいそうだから、賑やかなパーティー会場の隅にでもいよう。
「リーナ、待って!」
聞こえないフリをして、さっさと退出する私。ここにいるのは、危険だ。
そして、パーティー会場に戻る私。どっか身を上手く隠せる場所は…
「…聖女様!ご機嫌麗しゅうございます。私のことを覚えていますか?」
最悪な気分の時に、誰だよアンタ?って言いたいが…
「バーナード卿、ご機嫌よう。お元気そうですね。」
ああ、1人になりたいのに。
「覚えていてくださって嬉しいです。聖女様のご活躍を聞くたびに、胸が高鳴っていました。ああ、今日も何て美しいのだろう。聖女様、私と友達になって下さいませんか?」
どんな友人だよ?
「もうすでに、友人の1人だと思っていますから。」
「ありがとうございます。聖女様、前に花を沢山贈りすぎて迷惑をかけてしまったようですね。申し訳ありませんでした。それで、聖女様のお好きな物は何でしょうか?今度は聖女様が喜んでくれる物を贈りたいのです。」
ああ、ウザい。
「でしたら、孤児院や教会に寄付をお願いしたいのですが。」
遠回しに、要らないって意味だけど分かったかな?
「聖女様、なんて素晴らしい方なんだ……」
「バーナード卿、貴方1人で聖女様を独占しないで下さる?」
えっ?誰か令嬢が助けに来てくれた?声の方を見ると…。うそっ!
「聖女様、お話中に申し訳ありません。しかし、バーナード卿は話が長過ぎるので、つい声をお掛けしてしまいましたわ。私はアリア・スコットと申します。」
公爵令嬢なの?
1度目に召喚された時に、仲良しだったメイドのマリーそっくりなんだけど。声も、話し方までも!
「スコット公爵令嬢、話に割り込むなんて失礼だ!」
「バーナード卿。私、せっかくですので、御令嬢方とも交流がしたいです。」
「…聖女様がそう言うなら、私はまた後ほど。」
いや、もう来なくていいからねー。
「スコット公爵令嬢、私はリーナと申します。よろしくお願いします。」
「リーナ様とお呼びしてもよろしいでしょうか?私のことは、アリアとお呼び下さい。」
「リーナって呼び捨てでいいですよ。私もアリアと呼びますから。」
「嬉しいですわ。ところで…、ガルシア卿はお元気でしょうか?」
やっぱり!!
45
お気に入りに追加
1,191
あなたにおすすめの小説

女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?


転生したので猫被ってたら気がつけば逆ハーレムを築いてました
市森 唯
恋愛
前世では極々平凡ながらも良くも悪くもそれなりな人生を送っていた私。
……しかしある日突然キラキラとしたファンタジー要素満載の異世界へ転生してしまう。
それも平凡とは程遠い美少女に!!しかも貴族?!私中身は超絶平凡な一般人ですけど?!
上手くやっていけるわけ……あれ?意外と上手く猫被れてる?
このままやっていけるんじゃ……へ?婚約者?社交界?いや、やっぱり無理です!!
※小説家になろう様でも投稿しています

記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる