24 / 39
2度目
お願い
しおりを挟む
王弟殿下とのダンスはとにかく緊張した。足を踏まないように慎重にダンスする私。話をすることも、笑顔を作ることも、そんな余裕はなかった。
それなのに、王弟殿下は楽しそうにしていた。こんなダンスの何が楽しいのか、全く理解出来ないわ!もしかして、焦っている私を見て楽しんでいるとか?
…腹黒か?
ふぅー。何とか一曲踊り終えた私。ほっとしたのが表情に出てしまっていたようだ。
「リーナは慣れないダンスを一生懸命踊っていて、とても可愛いですね。…頑張り屋なところは、全然変わってないな。」
変わってないって言った??この人何者なの?
カーティス!助けてぇー!
ああ、やっぱり私の心の友?じゃなくて、私の護衛騎士にカーティスも入って欲しいわ!
「リーナ?慣れない場で疲れたかな。表情が固いようだ。すこし、休憩してこようか。何か美味しいものでも食べれば、気分も落ち着くと思うから。」
えっ?こんな怖い人達と何か食べても、美味しくないから!
「殿下、少し壁際で休めば大丈夫です。それよりも、私が殿下を独占したら、殿下と踊りたがっている御令嬢の方々に申し訳ないです。私は平気ですから、ぜひ他の御令嬢たちとも交流をしてください。」
「そんな必要は無いかな…。せっかくだから、君が助けて欲しいって陛下にお願いしている、将軍の今後の話とかしたいと思っていたのだけど…。」
ひぃー、腹黒だ!王弟殿下は腹黒で危険。しかし、カーティスのことは絶対に助けたい。
「…分かりました。」
「リーナ、分かってくれて嬉しいよ。じゃあ、別室に行こうか。」
王弟殿下に腰を抱かれ、殿下の側近達に周りを囲まれた私は、別室に案内されるのであった。
部屋に案内されると、すぐに色々な料理やスイーツが運ばれて来る。
うっ!食べる気はなかったのに、美味しそう。しかも、私の好きな物ばかりじゃん!
「リーナ、私がリーナの好きそうな物をとってあげよう。」
胡散臭い笑顔の王弟殿下。
「はい!リーナ、沢山食べて。」
うわ!何で私がパイ包みが好きなの知ってるの?しかも、キッシュによく似たタルトも好きだし、ビーフシチューに似た、肉の煮込み料理も好き。
「…殿下、いただきます。」
食べ物の誘惑に簡単に負けた私だった。
「殿下!とても美味しいです。ありがとうございます。」
ああ、情けない。美味しい物で手懐けられられてしまっているみたい。
大切なお願いもしないと…。
「殿下、このような場でこんなお願いをする失礼をお許し下さい。どうか、将軍様を助けて頂けませんか?あの方は、私の大切な友人なのです。」
殿下の目が一瞬冷たく見えたような気がする。やはり、この人は怖い。
そして、カーティスを助けるということは、私が思っている以上に難しいことなのだと、直感的に思ったのであった。
それなのに、王弟殿下は楽しそうにしていた。こんなダンスの何が楽しいのか、全く理解出来ないわ!もしかして、焦っている私を見て楽しんでいるとか?
…腹黒か?
ふぅー。何とか一曲踊り終えた私。ほっとしたのが表情に出てしまっていたようだ。
「リーナは慣れないダンスを一生懸命踊っていて、とても可愛いですね。…頑張り屋なところは、全然変わってないな。」
変わってないって言った??この人何者なの?
カーティス!助けてぇー!
ああ、やっぱり私の心の友?じゃなくて、私の護衛騎士にカーティスも入って欲しいわ!
「リーナ?慣れない場で疲れたかな。表情が固いようだ。すこし、休憩してこようか。何か美味しいものでも食べれば、気分も落ち着くと思うから。」
えっ?こんな怖い人達と何か食べても、美味しくないから!
「殿下、少し壁際で休めば大丈夫です。それよりも、私が殿下を独占したら、殿下と踊りたがっている御令嬢の方々に申し訳ないです。私は平気ですから、ぜひ他の御令嬢たちとも交流をしてください。」
「そんな必要は無いかな…。せっかくだから、君が助けて欲しいって陛下にお願いしている、将軍の今後の話とかしたいと思っていたのだけど…。」
ひぃー、腹黒だ!王弟殿下は腹黒で危険。しかし、カーティスのことは絶対に助けたい。
「…分かりました。」
「リーナ、分かってくれて嬉しいよ。じゃあ、別室に行こうか。」
王弟殿下に腰を抱かれ、殿下の側近達に周りを囲まれた私は、別室に案内されるのであった。
部屋に案内されると、すぐに色々な料理やスイーツが運ばれて来る。
うっ!食べる気はなかったのに、美味しそう。しかも、私の好きな物ばかりじゃん!
「リーナ、私がリーナの好きそうな物をとってあげよう。」
胡散臭い笑顔の王弟殿下。
「はい!リーナ、沢山食べて。」
うわ!何で私がパイ包みが好きなの知ってるの?しかも、キッシュによく似たタルトも好きだし、ビーフシチューに似た、肉の煮込み料理も好き。
「…殿下、いただきます。」
食べ物の誘惑に簡単に負けた私だった。
「殿下!とても美味しいです。ありがとうございます。」
ああ、情けない。美味しい物で手懐けられられてしまっているみたい。
大切なお願いもしないと…。
「殿下、このような場でこんなお願いをする失礼をお許し下さい。どうか、将軍様を助けて頂けませんか?あの方は、私の大切な友人なのです。」
殿下の目が一瞬冷たく見えたような気がする。やはり、この人は怖い。
そして、カーティスを助けるということは、私が思っている以上に難しいことなのだと、直感的に思ったのであった。
42
お気に入りに追加
1,193
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
外では氷の騎士なんて呼ばれてる旦那様に今日も溺愛されてます
刻芦葉
恋愛
王国に仕える近衛騎士ユリウスは一切笑顔を見せないことから氷の騎士と呼ばれていた。ただそんな氷の騎士様だけど私の前だけは優しい笑顔を見せてくれる。今日も私は不器用だけど格好いい旦那様に溺愛されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる