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1巻
1-1
しおりを挟むプロローグ
その日、私はある令嬢から呼び出しを受けていた。
「ねぇー。私、今日の放課後にリアン様から呼び出されているの。校舎の裏庭なんて、人気がない場所だから、恋人同士の逢瀬にピッタリな場所よねぇ。ふふっ……。きっと私は、リアン様から愛の告白を受けるわ。良かったら見に来てもいいわよ。リアン様が私に愛を囁いている姿を見れば、親が決めただけの、愛のない婚約者であるアンタは、リアン様を潔く諦められるでしょ? あら、やだー! そんな目で見ないでぇ。私達は……、ただ愛し合ってしまっただけなのよぉ。お飾りの婚約者様、放課後待ってるわよ。またねー!」
ぱっちりしたピンクの目に、小さくて可愛らしい容姿のミリア・ゾグラフ男爵令嬢は、自分の言いたいことだけを言うと、すぐにその場を去って行ってしまった。
「……っ!」
ここは貴族学園。私は一人の淑女として、絶対に人前で泣いてはいけないのだ。
どこで誰が私を見ているのかわからないのだから、表情を崩しては絶対にダメ。他者に弱みを握られるのだけは許せない。
たとえ、私の愛した婚約者が、ほかの令嬢に心変わりをしたとしても……
◇ ◇ ◇
幼い頃からの婚約者である、ジュリアン・ハリス侯爵令息と私は、お互いを思い合う、仲の良い婚約者同士であったと思う。
優しくて素敵なジュリアン様が、私の婚約者であることはとても嬉しかったし、このまま何も変わらず、学園を卒業した後に結婚するものだと思っていた。
しかし、私が貴族学園に入学すると同時に、ある令嬢が現れたことによって、私達の関係はすぐに変わってしまった。
ジュリアン様の遠縁であるゾグラフ男爵令嬢は、ジュリアン様の邸宅から学園に通うことになったらしく、彼女の面倒を見るという都合で、二人は一緒に過ごす時間が増えていた。
ゾグラフ男爵令嬢は、市井で生活をしていた元平民らしく、貴族令嬢らしからぬ行動が目立つ。加えてジュリアン様の婚約者である私を、一方的に敵視するような性格の持ち主だった。
ジュリアン様は、ゾグラフ男爵令嬢のそのような自由な性格に惹かれたのかもしれない。
気がつくと二人は、誰が見ても惹かれ合う男女のようになっていたのだ。
何をするにもゾグラフ男爵令嬢を優先し、私を顧みないジュリアン様に、私の心はズタズタにされてしまった。
そして、そんな灰色の日々を送る私に、ゾグラフ男爵令嬢が接触してきた。
彼女は、自分が放課後にジュリアン様から愛の告白を受けるであろうということを、わざわざ私に伝えたのだ。
散々迷った挙げ句、二人の関係の真実を知りたかった私は、放課後に校舎の裏庭に来てしまった。
大きな木の陰に隠れて待っていると、私の婚約者であるジュリアン様がやって来て、そのすぐ後にゾグラフ男爵令嬢が来るのがわかった。
私のいる場所から二人は少し離れていて、会話がハッキリと聞こえない。ジュリアン様は後ろ姿しか見えなかった。
私から見えるのは、ジュリアン様と嬉しそうに話をする、ゾグラフ男爵令嬢の表情だけ。
私に対しての当たりがキツい令嬢ではあるが、ジュリアン様や他の令息達には、愛想がいいと聞く。
上目遣いで、あんな風に可愛らしく見つめられたらジュリアン様は……
次の瞬間、二人の顔が重なる。
あれはもしかして……、口づけ……?
「……っ、痛い」
その瞬間、これまで感じたことのないズキズキした頭の痛みに襲われ、今の自分とは違う人物の記憶のようなものを思い出していた。
この記憶はもしかして……
それよりも、私は今すぐにここから離れた方がよさそうだ。長居をすれば二人に気付かれるかもしれない。
私は頭の痛みに耐えながらその場からよろよろと離れ、迎えに来ているはずの、自分の家紋の馬車まで急いだ。
「……レティシア? 顔色が悪い。どうした?」
いつも顔を合わせても会話すらしない義兄が、私に話しかけてくるなんて珍しいこともあるのね。
そんなに私は酷い顔してるのかしら?
普段は帰宅する時間が異なるため、二台の馬車が別々に迎えにきている。
今日に限って、帰りの時間が義兄と一緒になるなんて、私は相当運に見放されているようだ。
「何でもないですわ」
「何でもないって顔じゃないだろう! 何で泣いているんだ?」
義兄がしつこい。
いつも私のことなんて、興味ないくせに!
「……疲れました。ただ、それだけですわ」
「疲れた? 何に疲れたというのだ?」
「私、婚約を解消したいのです。そうなれば、私は家を追い出されますか? でも、出て行けと言われれば、すぐに出て行く覚悟はありますから」
「急に何を言っている?」
頭の切れる義兄が、訳がわからないというような目で私を見つめる。
いつもは冷静な私が、こんな風に取り乱すことは珍しいから、義兄には滑稽に見えるのかもしれない。
「ふふっ。お義兄様が気になさることではありませんわね。申し訳ありません。私が言ったことは、どうかお忘れになってください」
兄は何か言いたげではあったが、そのままお互い無言になり、気がつくと邸に到着していた。
自分の部屋に帰って来た私は、部屋で一人になり、更に憂鬱な気分だ。
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家出を決意した私が、バッグにお金と少しの着替えに宝石を詰めていると、ドアがノックされた。慌ててバッグを隠す。
「どうぞ」
「お嬢様。大変です! 突然、ハリス侯爵令息がいらっしゃいました!」
メイドのエレンが焦った様子で告げる。
はっ……?
どうして急に来るの?
私の家になんてずっと来なかったくせに。
「気分が悪くて臥せっているから、会えないって断ってくれるかしら?」
「それが、どうしてもすぐに会いたいと言って……、部屋まで来そうな勢い……大変! 階段を上ってきています!」
あの男には絶対に会いたくない。
「エレン、ごめんなさい。私、行くわ!」
「えっ、お嬢様?」
私は窓から外に逃げて、あの男が帰るまで敷地内の離れの邸にでも隠れていることに決めた。
急いでバルコニーに出て木の枝に掴まり、そのまま下に降りようとする。
しかし前世の体とは違って、今世の貴族令嬢の体は、そこまでの動きには対応できなかったようだった。
ドスン!
私は二階のバルコニーから落ちてしまったようだ。
「お、お嬢様が……、お嬢様が落ちて……。いやぁぁー。お嬢様ぁー!」
エレンが叫んでいる声が聞こえる。
体の痛みを感じる中、私は意識を失ってしまった。
第一章 記憶喪失になったけど、兄はイケメンでした。
やっと残業が終わったし、何か美味しいものでも買って帰ろう。明日は休みだから、ダラダラとのんびり寝てようかなー!
うーん……。寝すぎちゃったかな? 頭痛いかも。
パチっと目覚めた私は、軽く散らかっていた自分のワンルームマンションとは違う部屋にいることに気付く。
えっと……、ここはどこだ?
あっ! さっき見た夢は、日本で社蓄だった頃の私の記憶だ。
今世の私は確か……、バルコニーから落ちたんだ! でも、何で落ちたんだっけ?
日本での前世の記憶を思い出して、普通の社畜でいた頃の記憶はあって、今世でバルコニーから落ちたことは覚えているのに……、ほかの記憶がない。今の私の名前は何だっけ?
ヤバいわ。何も思い出せない。
その時、ガチャっと扉が開く音がする。誰かが部屋に入って来たようだ。
「……お、お嬢様! 目覚められたのですね! ああ、神様……。今すぐ、旦那様達を呼んできます!」
元気なメイドさんだ。あの態度を見る限り、私とは仲が良かったっぽいよね。しかし、あのメイドさんが誰なのか、全く思い出せないんだけどー。
すると、部屋の外からバタバタと騒がしい音がする。さっきのメイドさんが、旦那様とやらを呼んできたかな?
「レティシア! ああ、良かった。目覚めたのだな」
「……うっ、うっ。レティシア、良かったわ!」
普通に美男美女の、お上品な旦那様とその奥様らしき人達が来た。
しかし、誰だかわからない私から見たら、ただの初対面の人達だ。
「レティシア、どうした? まだ体は辛いか? すぐに侍医が来るから、しっかり診てもらおうな」
「そうね。目覚めたとはいえ、まだ体が心配だからしっかり診てもらいましょう」
恐らく、今世の私の両親だと思うのだけど……
「……あの、お二人は私の両親なのでしょうか?」
「な、何を言って?」
「レティシア? お父様とお母様を忘れてしまったの? ……なんてこと!」
両親らしき二人は顔が蒼白になってしまった。
その後、すぐに侍医に診てもらい、両親や使用人達のことを全て忘れている私は、記憶喪失になったのだろうと診断された。
頭を強く打っているので、その時の後遺症らしい。記憶が戻るかはわからないが、しばらく療養して様子を見ようということになった。
落ち込む両親やメイド達が私の部屋を出て行き、私は部屋で一人きりになる。
よし! これから一人作戦会議をしようか。
とりあえず、さっき両親が教えてくれた、自分自身の情報。
私の名前はレティシア・ロバーツ。
侯爵家の令嬢で、十六歳になる貴族学園の一年生。家族はさっきの両親と、二つ上に兄がいるらしい。兄はまだ帰って来てないので、顔は知らない。
バルコニーから落ちた私は、十日くらい意識を失っていたようだ。
それよりもすごいのは、なんと今世の私は驚くほど可愛い美少女だった。
ストロベリーブロンドの綺麗な髪。長いまつ毛に、ぱっちりしたサファイアのような綺麗な目。白い肌にプルンとした唇。かなり可愛いよ! ラッキー!
家は金持ちみたいだし、可愛いし、今世は楽しい人生を過ごせそう。
ふふっ! 生まれながらの勝ち組よ!
鏡に映った自分の顔を見てニヤけていると、ドアがノックされる。
「はい」
ニヤけた顔を見せたくない私は、慌てて表情を引き締めて返事をした。
「失礼いたします。お嬢様、お茶をお持ちしました」
さすが金持ち貴族だわ! 可愛いメイドさんが来て、高そうなティーカップにいい香りの紅茶を注いでくれた。
「いい香り。ありがとうございます」
「……いえ」
このメイドさんは私を見て、なぜ悲しそうな表情をしているのだろう?
それよりも……、紅茶がすっごく美味しい。いい茶葉を使っていて、淹れ方も上手なのね。
さすが金持ち! メイドさんのレベルも高いらしい。
「とっても美味しいです」
美味しい紅茶を淹れてくれたメイドさんに、笑顔で紅茶の感想を伝えるのだが……
「……うっ、うっ。……ううっ」
メイドさんが泣いている。えぇー、何で?
「どうかしました? 何かあったのですか?」
「も、申し訳……ありません。お嬢様が記憶を失くされ、雰囲気まで……っ、変わってしまって」
泣いてくれるくらい、私と仲が良かったということなのかもしれないな。ありがたい存在だよね。
「私のために涙を流してくれているのね。それなのに、私は貴女のことも忘れてしまったのね……。ごめんなさい。改めて、貴女の名前を教えてもらってもいいですか?」
「私はエレンと申します。お嬢様は、私をエレンと呼んでくださっていました」
「そうなのね。じゃあ、これからもエレンって呼ぶわね」
「はい」
毎日私の側にいるメイドさんは、きっと私の強い力になってくれるはず……
「エレンにお願いがあるのだけど」
「はい。何でしょうか?」
「エレンと私は、仲が良かったのよね?」
「私のような者が、お嬢様と仲が良かったなどと言っていい立場ではありませんが、お嬢様にはとても良くしていただいておりました」
記憶を失う前の私は、やはりエレンとの関係は良好だったらしい。
「じゃあ、エレンの立場で私の忘れてしまったことをいろいろと教えてくれると助かるわ。よろしくね」
「はい。私の知っていることでしたら」
「ありがとう。頼りにしているわね」
このメイドさんは、私が目覚めた時にかなり喜んでくれていたから信用できそうだ。
エレンとおしゃべりをしていると、またドアがノックされる。
……誰だろう?
「どうぞ」
私が返事をした直後に部屋に入って来たのは、驚く程のイケメンだった。
栗色の髪に青みのかかったグレーの瞳、整った顔とすらりとした長身。
……タイプだわ!
「レティシア。目が覚めたと聞いたから、顔を見に来た。大丈夫か?」
声もステキ!
誰なの? 私を呼び捨てで呼ぶ、このイケメンは?
「……」
イケメンに見惚れてしまい、返事すらできない私。
「レティシア?」
「お、お嬢様! こちらはレティシアお嬢様のお義兄様であるクリストファー様です」
エレンが早速助けてくれる。
しかし、この人が兄なの? 同じ屋根の下にこんなイケメンが住んでるの?
イケメンすぎて、兄だなんて思えないのだけど。
あまりにも衝撃的すぎて、言葉が出てこない私。
「レティシア、私のことも忘れてしまったのか?」
私が記憶喪失になってそんなに悲しそうな顔をしてくれるなんて、私達は仲が良かったってことかな?
だけど、悲しそうな表情ですらヤバいくらいにカッコいい。
「あの、私のお兄様なのですね? 記憶が失くなってしまい、ご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくお願いします」
「……よろしくお願いします? 初対面みたいだな」
寂しそうにフッと笑う、私の兄だというイケメン。
「申し訳ありません」
「謝らなくていい。体調が戻るまでゆっくり過ごすようにな」
イケメンのお兄様は、そう言って部屋から出て行った。
これって、もしかして何かのご褒美だったりする?
前世では、みんなから社畜と呼ばれるくらいお仕事を頑張っていたから、今世では金持ちの家で、のんびり美少女ライフを過ごしていいよってことかな。
ついでに、私好みのイケメン兄をオマケにつけておいたよって、神様が私にプレゼントしてくれた?
そうだったら嬉しいけど!
「お嬢様……、大丈夫でしょうか? 突然、クリストファー様が部屋にいらしたので、驚かれましたか?」
あっ、いけない! お兄様があまりにも私の好みのタイプすぎて、ボーっと考え込んでしまっていたわ。
鼻の下が伸びていたかな? エレンにみっともない顔を見られちゃったかもしれない。
「だっ、大丈夫よ。同世代の兄妹は、ちょっとだけ気を使うなぁって思っていただけよ。それよりも、さっきは私のお兄様だと教えてくれて助かったわ。ありがとう」
私がお礼を伝えると、エレンの表情が柔らかくなる。
「それは当然のことですから。それよりも、さっきはお嬢様が変わってしまったと泣いてしまい、申し訳ありませんでした。お嬢様は記憶を失くされていても、私に優しく接してくれるところは以前と一緒ですね。お嬢様はお嬢様です! 私はお嬢様に仕えることができて幸せです」
なんて嬉しいことを言ってくれるのー!
「エレン。私こそ、記憶喪失になってしまったけれど、貴女が側にいてくれて幸せだと思っているわ」
「お嬢様ー、大好きです!」
記憶はないけど、私とエレンはこれからも変わらずに、仲良くできそうだと思った瞬間だった。
だけど、さっきのお兄様は反則だよね。あそこまでイケメンだと、自分の兄であっても緊張してしまうよ。
ダラダラした性格の私には、ちょっと小太りで、人の良さそうなお兄ちゃんがちょうどいいんだけどな……
でもこの年齢だから、一緒に遊んだりすることはないだろうし、それぞれ行動は別だろうから、そこまで関わることはないよね?
イケメン兄は、観賞用として楽しむようにしようっと。
しかし、私の予想は大きく外れた。イケメン兄は私の世話を焼きに、頻繫に私の部屋に来てくれるようになったのだ。
イケメン兄が優しくしてくれたり、構ってくれたりしたら、つい嬉しくなって笑顔になってしまう元社畜。
私って、本当にチョロい女だわ……
「シア! 今日は、王都で一番流行っていると噂の店のケーキを買ってきた。学園帰りに近くを通ったら、店がまだ開いていたから、運が良かったよ。今から一緒に食べよう」
初対面で私をレティシアと呼んでいたはずなのに、気付いたらシアって呼んでくれるようになり、学園から帰ってくると、真っ先に私の部屋に会いに来てくれる兄。しかも、わざわざ有名店のスイーツまでお土産に買ってくるという、細やかな配慮も忘れない。
イケメンで優しくて、ここまで気遣いができるなんて……。きっとイケメン兄はモテるだろうね。
良くないとは理解していても、いい歳してブラコンになっちゃうよー。
「お兄様、おかえりなさいませ。流行りのお店のケーキだなんて、とても嬉しいですわ。ありがとうございます」
「シアの口に合うようなら、そのうち店を予約するから、二人で行こう」
「本当ですか? 私、お兄様と一緒にお店に行ってみたいですわ」
「そうか! では、シアが元気になったら、二人でその店に行こうな」
ああ、笑顔が尊い。思わず手を合わせて拝みたくなっちゃうレベル。
二人で行こうだってー! ちょっとしたデートみたい。
お兄様は選ぶのが難しいくらいたくさんの種類のケーキを買ってきてくれた。私はその中からクリームとフルーツがたくさん入ったショートケーキを選ぶ。
優しく微笑んで今日も当たり前のように私の隣の席に座り、私がケーキを食べる様子をジーっと見ている。
食べている姿を見られるのは恥ずかしいし、ちょっと距離が近い気がするんだけど……
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