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閑話
閑話 ゾグラフ男爵令嬢
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リアン様は、領地で謹慎していると噂話になっていた。そんなリアン様を久しぶりに見たけど、相変わらずカッコよかった。ただ、少し痩せたような気がする。
レティシアとの婚約解消を望んでいたと思っていたのに。痩せてしまうほど、婚約解消がショックだったってこと…?
ますますレティシアが憎い。あの女は毎日、楽しそうに過ごしているじゃない。しかも、前に絡んだ時、婚約解消のことなんて、全く気にしていないようだった。
私とリアン様の恋を邪魔したくせに、あの女だけが幸せそうで本当にムカつく。
あの女…。実家が侯爵家だからって、みんなにチヤホヤされて!金持ちの令息とも仲良くしているし、目障りだわ。私はこんなに惨めに過ごしているのに。
リアン様と偶々すれ違うことがあり、話しかけようとするが…、
「この阿婆擦れ!ジュリアンに近づくな!あの映像をバラされたくないのか?」
「ひっ!」
事情を知っていると思われる、リアン様の親友らしき子息に追い払われてしまう。
私はこんなに好きなのに。別に2番目でも、愛人でもいいって思っているのに。やっぱり、レティシアの存在が全て悪いのよ。
そんな時、レティシアが派手な先輩令嬢に絡まれているところを見てしまった。
ふふっ!もっと虐められればいいのよ。隠れてその様子を見ていると…。えっ?何で?
ジュリアン様がさっと走って来て、レティシアを助けていた。…どうして、今更レティシアに優しくするのよ?
後日、レティシアを見かけた時に文句を言ってやったら、周りの友人やお兄さんに守られているし。
この時に気がつくべきだったのだ。私がいくらレティシアを憎んでも、ただの無駄な嫉妬であるということに…。
ある日、お父さんから手紙が届く。
もうすぐデビュタントだから、寮にドレスを届けに来るという。親戚のお下がりドレスだから、自分でサイズ直しをするように、デビュタント前に届けるので、週末は出掛けないで待っているようにと書いてあった。
はあー。リアン様と婚約して、リアン様の選んだドレスを着て参加するつもりでいたのに。お下がりのドレスって…。
週末、寮でお父さんを待っていると、ドアがノックされる。お父さんかと思いドアを開けてみると、そこにいたのは……
「…姉さん!会いたかった。」
どうして義弟が…?
「えっ…、お父さんは?」
義弟は、嬉しそうな表情を隠さずに教えてくれた。
「父上も母上も食べ物に中ったらしくてさ。体調が良くないみたいだから、俺が代わりに来たんだよ。来年は俺も学園に入学するし、下見もしたくてさ。
このトランクにドレスが入っているって。…中に運んでもいい?」
「う、うん。」
食中りって何を食べたのよ?
義弟はトランクを運び入れる為に、私の部屋の中に入ってきた。その瞬間、私を抱き締める。
うわー!やっぱりこの義弟はヤバいわ。
「姉さん、ずっと会いたかった。手紙も待ってたのに。どうして…?父上は身分違いの恋に溺れているって話していたけど、ウソだよな?」
私、アンタの姉なんだっては!
「し、心配かけてごめんなさい。」
面倒だから謝っておく?お父さんと奥さんに嫌われている私としては、ヤバい義弟くらいは味方につけておきたいし。
「姉さん、ここ触って?姉さんを抱きしめただけて、こんなだよ。」
ハァー。仕方がない。やりたい盛りだもんね。どうせ田舎の男爵家では、他に相手にしてくれそうな女の子はいないだろうから。
「わざわざ来てくれたから、ご褒美をあげる。」
そんな嬉しそうな顔しなくても。
「姉さん、俺には姉さんだけだ。愛してるよ。
乗り合い馬車は明後日に予約を入れているから、それまでここに泊まっていい?姉さんを沢山抱きたいんだ。」
使用人の寮だから、管理人はいないし、泊まっても平気だろうけど。明後日までいるのー?
「…もう!あまり困らせちゃダメよ。」
「ごめん!…姉さん、今すぐ抱くよ!」
義弟は獣のように私を抱き続けた後に、泣きそうな顔で領地に帰って行った。
もう来んな!
レティシアとの婚約解消を望んでいたと思っていたのに。痩せてしまうほど、婚約解消がショックだったってこと…?
ますますレティシアが憎い。あの女は毎日、楽しそうに過ごしているじゃない。しかも、前に絡んだ時、婚約解消のことなんて、全く気にしていないようだった。
私とリアン様の恋を邪魔したくせに、あの女だけが幸せそうで本当にムカつく。
あの女…。実家が侯爵家だからって、みんなにチヤホヤされて!金持ちの令息とも仲良くしているし、目障りだわ。私はこんなに惨めに過ごしているのに。
リアン様と偶々すれ違うことがあり、話しかけようとするが…、
「この阿婆擦れ!ジュリアンに近づくな!あの映像をバラされたくないのか?」
「ひっ!」
事情を知っていると思われる、リアン様の親友らしき子息に追い払われてしまう。
私はこんなに好きなのに。別に2番目でも、愛人でもいいって思っているのに。やっぱり、レティシアの存在が全て悪いのよ。
そんな時、レティシアが派手な先輩令嬢に絡まれているところを見てしまった。
ふふっ!もっと虐められればいいのよ。隠れてその様子を見ていると…。えっ?何で?
ジュリアン様がさっと走って来て、レティシアを助けていた。…どうして、今更レティシアに優しくするのよ?
後日、レティシアを見かけた時に文句を言ってやったら、周りの友人やお兄さんに守られているし。
この時に気がつくべきだったのだ。私がいくらレティシアを憎んでも、ただの無駄な嫉妬であるということに…。
ある日、お父さんから手紙が届く。
もうすぐデビュタントだから、寮にドレスを届けに来るという。親戚のお下がりドレスだから、自分でサイズ直しをするように、デビュタント前に届けるので、週末は出掛けないで待っているようにと書いてあった。
はあー。リアン様と婚約して、リアン様の選んだドレスを着て参加するつもりでいたのに。お下がりのドレスって…。
週末、寮でお父さんを待っていると、ドアがノックされる。お父さんかと思いドアを開けてみると、そこにいたのは……
「…姉さん!会いたかった。」
どうして義弟が…?
「えっ…、お父さんは?」
義弟は、嬉しそうな表情を隠さずに教えてくれた。
「父上も母上も食べ物に中ったらしくてさ。体調が良くないみたいだから、俺が代わりに来たんだよ。来年は俺も学園に入学するし、下見もしたくてさ。
このトランクにドレスが入っているって。…中に運んでもいい?」
「う、うん。」
食中りって何を食べたのよ?
義弟はトランクを運び入れる為に、私の部屋の中に入ってきた。その瞬間、私を抱き締める。
うわー!やっぱりこの義弟はヤバいわ。
「姉さん、ずっと会いたかった。手紙も待ってたのに。どうして…?父上は身分違いの恋に溺れているって話していたけど、ウソだよな?」
私、アンタの姉なんだっては!
「し、心配かけてごめんなさい。」
面倒だから謝っておく?お父さんと奥さんに嫌われている私としては、ヤバい義弟くらいは味方につけておきたいし。
「姉さん、ここ触って?姉さんを抱きしめただけて、こんなだよ。」
ハァー。仕方がない。やりたい盛りだもんね。どうせ田舎の男爵家では、他に相手にしてくれそうな女の子はいないだろうから。
「わざわざ来てくれたから、ご褒美をあげる。」
そんな嬉しそうな顔しなくても。
「姉さん、俺には姉さんだけだ。愛してるよ。
乗り合い馬車は明後日に予約を入れているから、それまでここに泊まっていい?姉さんを沢山抱きたいんだ。」
使用人の寮だから、管理人はいないし、泊まっても平気だろうけど。明後日までいるのー?
「…もう!あまり困らせちゃダメよ。」
「ごめん!…姉さん、今すぐ抱くよ!」
義弟は獣のように私を抱き続けた後に、泣きそうな顔で領地に帰って行った。
もう来んな!
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