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キングスリー公爵家の夜会
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キングスリー公爵家は名門らしく、豪華で広い邸だった。
私だったら、自分が住むよりもホテルにリノベーションしたくなるな。雰囲気がルー○ル美術館に似ているから、真似して美術館にしてもいいかも。
この公爵家でうちのお義母様はあのように育ったのね……
そんな凄い邸のパーティーホールにローランドのエスコートで入っていくと、今日も周りからの視線が痛い。
「ふふっ……。オルダー伯爵様は御令嬢に人気ですから、皆、伯爵様を見つめていますね。」
「そんなことはない。クリフォード嬢こそ、令息たちが君を熱のこもった目で見ているようだ。
今日は気をつけた方がいい。」
令息より令嬢が怖いのよ。ローランドのファンの令嬢たちを敵に回したくはないから、行動には気をつけよう。
パーティーの主催者であるキングスリー公爵様と夫人に挨拶をし、飲み物をのみながら夜会が始まるのを待つ私達。
ローランドと楽しく会話をしていると、積極的な御令嬢たちが次から次へと私達の周りにやってくる。
これは偏屈義兄といる時にはあり得ない光景だった……
彼女たちは、公爵令嬢の私に無礼にならないように上手く会話に混ざってくる。始めは私に挨拶をすることが目的のようにやって来て、無難に挨拶を済ませた後に『オルダー伯爵様~』と話しかけるのだ。
みんなうちのお義母様のように計算高い女性のようで感心してしまう。
積極的な令嬢たちを当たり障りなくあしらうローランドだが、彼女たちはめげずにグイグイいく。
こんな時にうちの偏屈義兄のように出来れば、令嬢を簡単に撃退することが出来るのだろうけど、優しくて礼儀正しい紳士のローランドは、あの偏屈のような態度は絶対にとらないから人気なのだ。
友人の令嬢に聞いた話だと、姉のジョアンナがいた頃は、強烈な性格のジョアンナを恐れて、ローランドに堂々と近づく令嬢はいなかったらしい。
しかしジョアンナが消えた後は、みんな遠慮するのをやめたようだ。
ローランド争奪戦は誰が勝つのか……?
私は邪魔をせず傍観することに決めた。
そんな傍観者の私に声を掛けてくる人物が現れる。
「クリフォード公爵令嬢。お久しぶりですね。」
後ろから声を掛けられて振り向くと、そこにはスタンフィールド侯爵様がいた。
「スタンフィールド侯爵様。ご機嫌よう。
ご無沙汰しておりました。」
少し前に偏屈義兄といる時に、侯爵様から挨拶をしてくれたことがきっかけで知り合った方だ。
まだ二十代後半くらいの侯爵様は、奥様と死別し息子さんを一人で育てていると聞いた。
柔らかい雰囲気の美形である侯爵様は、ローランドほどではないが人気だと聞いたことがある。
義兄のような冷たくて無愛想なタイプとは真逆で、優しく丁寧な口調で話すから、いい印象を持たれやすいのだと思う。
「クリフォード公爵令嬢の今日のパートナーはオルダー伯爵ですか?
あの義兄君がよく許してくれましたね。」
「ふふっ。義兄は今日は別に予定があるようでして、代わりにオルダー伯爵様がパートナーをして下さっているのですわ。」
「そうでしたか。ところで、うちの息子はサンドイッチが大好きでしてね。クリフォード公爵令嬢の店に行ってみたいと言っているのです。
息子は外出が大好きでして、色々な店に興味があるようです。」
へぇー。そんな話をするなんて、息子さんを可愛がる素敵なパパってことなのかしら?
「まあ! お待ちしておりますわ。
ところでご子息は何歳でしょうか?」
「息子は七歳になります。」
ティーナの一つ上かな? 同世代になるのね。
「ちょうど可愛い時期ですわね。」
「落ち着きがなくて困りましたよ。
元気が良すぎて、遊びに付き合うと私がグッタリしてしまいます。」
「ふふっ! 元気なことは素晴らしいですわ。」
話をしていると夜会が始まる時間になり、ダンスの曲が流れている。
するとローランドは、自分を囲んでいた令嬢たちをかき分けて私のところにやってくると、ダンスを申し込んでくれたのだった。
私だったら、自分が住むよりもホテルにリノベーションしたくなるな。雰囲気がルー○ル美術館に似ているから、真似して美術館にしてもいいかも。
この公爵家でうちのお義母様はあのように育ったのね……
そんな凄い邸のパーティーホールにローランドのエスコートで入っていくと、今日も周りからの視線が痛い。
「ふふっ……。オルダー伯爵様は御令嬢に人気ですから、皆、伯爵様を見つめていますね。」
「そんなことはない。クリフォード嬢こそ、令息たちが君を熱のこもった目で見ているようだ。
今日は気をつけた方がいい。」
令息より令嬢が怖いのよ。ローランドのファンの令嬢たちを敵に回したくはないから、行動には気をつけよう。
パーティーの主催者であるキングスリー公爵様と夫人に挨拶をし、飲み物をのみながら夜会が始まるのを待つ私達。
ローランドと楽しく会話をしていると、積極的な御令嬢たちが次から次へと私達の周りにやってくる。
これは偏屈義兄といる時にはあり得ない光景だった……
彼女たちは、公爵令嬢の私に無礼にならないように上手く会話に混ざってくる。始めは私に挨拶をすることが目的のようにやって来て、無難に挨拶を済ませた後に『オルダー伯爵様~』と話しかけるのだ。
みんなうちのお義母様のように計算高い女性のようで感心してしまう。
積極的な令嬢たちを当たり障りなくあしらうローランドだが、彼女たちはめげずにグイグイいく。
こんな時にうちの偏屈義兄のように出来れば、令嬢を簡単に撃退することが出来るのだろうけど、優しくて礼儀正しい紳士のローランドは、あの偏屈のような態度は絶対にとらないから人気なのだ。
友人の令嬢に聞いた話だと、姉のジョアンナがいた頃は、強烈な性格のジョアンナを恐れて、ローランドに堂々と近づく令嬢はいなかったらしい。
しかしジョアンナが消えた後は、みんな遠慮するのをやめたようだ。
ローランド争奪戦は誰が勝つのか……?
私は邪魔をせず傍観することに決めた。
そんな傍観者の私に声を掛けてくる人物が現れる。
「クリフォード公爵令嬢。お久しぶりですね。」
後ろから声を掛けられて振り向くと、そこにはスタンフィールド侯爵様がいた。
「スタンフィールド侯爵様。ご機嫌よう。
ご無沙汰しておりました。」
少し前に偏屈義兄といる時に、侯爵様から挨拶をしてくれたことがきっかけで知り合った方だ。
まだ二十代後半くらいの侯爵様は、奥様と死別し息子さんを一人で育てていると聞いた。
柔らかい雰囲気の美形である侯爵様は、ローランドほどではないが人気だと聞いたことがある。
義兄のような冷たくて無愛想なタイプとは真逆で、優しく丁寧な口調で話すから、いい印象を持たれやすいのだと思う。
「クリフォード公爵令嬢の今日のパートナーはオルダー伯爵ですか?
あの義兄君がよく許してくれましたね。」
「ふふっ。義兄は今日は別に予定があるようでして、代わりにオルダー伯爵様がパートナーをして下さっているのですわ。」
「そうでしたか。ところで、うちの息子はサンドイッチが大好きでしてね。クリフォード公爵令嬢の店に行ってみたいと言っているのです。
息子は外出が大好きでして、色々な店に興味があるようです。」
へぇー。そんな話をするなんて、息子さんを可愛がる素敵なパパってことなのかしら?
「まあ! お待ちしておりますわ。
ところでご子息は何歳でしょうか?」
「息子は七歳になります。」
ティーナの一つ上かな? 同世代になるのね。
「ちょうど可愛い時期ですわね。」
「落ち着きがなくて困りましたよ。
元気が良すぎて、遊びに付き合うと私がグッタリしてしまいます。」
「ふふっ! 元気なことは素晴らしいですわ。」
話をしていると夜会が始まる時間になり、ダンスの曲が流れている。
するとローランドは、自分を囲んでいた令嬢たちをかき分けて私のところにやってくると、ダンスを申し込んでくれたのだった。
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