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閑話 王弟アルベルト
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リーゼの恋人の話なんて聞きたくない。
記憶喪失になり、異国で一人ぼっちで苦労していたリーゼに、上手く取り入っただけの運のいい男だろう? 私はそんな男は認めたくない。
だが……、今のリーゼのことを知るためには辛くても聞くしかない。
私のこの思いが、この場の雰囲気を重くしているのは分かっていたが……
叔父上の様子が何だかおかしい気がする。
叔父上はリーゼに幸せになって欲しいと言っていたが、その恋人を認めていないのか?
「……孤児院にいる者たちや聖騎士の間では、色々な噂話があるようだ。」
「叔父上。リーゼに恋人がいるという話は、ただの噂話なのですか?」
「リーゼが噂になっている男は、神殿に沢山の寄付をしてくれる信仰心の厚い筆頭侯爵家の嫡男で、聖騎士団の次期騎士団長だと言われているストークス卿という人物だ。
リーゼの親代わりをしている私に、リーゼと親しくさせてもらっていると挨拶をしてきたことがあった。」
侯爵令息? 平民ではなかったのか。
しかし、なんて図々しい男だ!
「ただの友人の一人でしかないのに、叔父上に挨拶をしてきたのですか?」
「それが……、孤児院から帰るリーゼをエスコートして、邸まで送って来るらしい。
リーゼもストークス卿の身分が高いことを知ってなのか、強く断ることが出来ないと困っていた。
ストークス侯爵家は神殿とは良好な関係だし、ストークス卿本人も騎士として優秀で、真面目で誠実な男だから、私も複雑な思いだった。」
「叔父上! 親代わりなら五月蝿く飛び回る虫から、リーゼを守ってくれないと困ります!」
イライラしていた私は、無意識に声を荒げていた。
「殿下、落ち着いて下さい。
ベネディクト神官様。では、そのストークス卿という男は、エリーゼの恋人や婚約者ではないのですね?」
「今のところは……。
リーゼはあまり恋愛や結婚に興味はなさそうだ。それより子供たちと過ごすことが好きらしく、孤児院の職員たちからの評判がいい。」
「叔父上。『今のところは』とは、どういう意味でしょう?」
リーゼのことになると熱くなってしまう私に、叔父上はとんでもないことを話す。
「アルベルト……、君はリーゼが好きなんだな。
王弟として私情を出さぬよう教育されているはずなのに、そこまで取り乱すほどリーゼが好きで、ここまで迎えに来たということか。
このタイミングで、アルベルトとクリフォード公爵令息が迎えに来てくれたのは良かったのかもしれない……」
「叔父上。それは、どういうことですか?」
「リーゼには内緒だが、ストークス侯爵家から縁談の話がきている。
私はリーゼが結婚を望んでいないことを知っていたから、身分の違いを理由に断っているのだが、私の養女にすれば問題ないとか、それが無理なら知り合いの貴族の養女にしてもらうとか言い出して、何度も婚約の申込みをしてきている。
更に他の神官たちを味方につけて、神殿に多額の寄付をしてくれるストークス侯爵家との縁は結ぶべきだと言われて困っていた。」
「ベネディクト神官様。筆頭侯爵家がエリーゼをそこまで強く望むのはなぜでしょう?」
「侯爵は、リーゼは子息が初めて望んだ人だと話していた。
孤児院で働くリーゼを侯爵と夫人がお忍びで見に行き、気に入ったとも言っていた。
ストークス侯爵と夫人は慈善事業に熱心だから、孤児院で働くリーゼに好感を持っただろう。
それに二人は、恋愛結婚で結ばれた仲の良い夫婦だから、息子の恋を応援したいのかもしれないな……」
ますます気に入らない……
「殿下、あまりイライラしないで下さい。
エリーゼの身分が我が国の公爵令嬢だと明かせば、いくらグーム国の筆頭侯爵家であっても今後は強く出ては来れないでしょう。
それにエリーゼとの結婚は、我が国の国王陛下の許可が必要になりますから難しいでしょうね。
何より、エリーゼ自身が望んでいないのですから心配ありません。」
「そうだな……。ただ、記憶のないリーゼは、この国での生活を楽しんでいるように見えた。
帰国したくないと言い出したら、私はどうすれば……」
「……」
その後、時間が迫っていたこともあり、私達はグーム国の王宮に向かった。
グーム国王は、私達を貴賓としてもてなしてくれる。
探していた人物が見つかったことを報告すると、夜会や茶会を開くので、ぜひグーム国の貴族と交流をして欲しいと言われてしまう。
大国から来た、私とクリフォード卿と繋がりを持ちたいと考えている貴族が多いらしい。
ここに来て社交なんてしたくなかったが、リーゼの捜索活動をするために、国王が各地の騎士団に協力を要請し、捜索がスムーズにいくように準備をしてくれていたことを聞いたら、無下には出来なかった。
しかしその翌日、叔父上から緊急の文が届く。
その手紙には、リーゼが伯爵令嬢から暴行を受けて意識を失い、病院に運ばれたことが書いてあった。
怒りに震える私と、静かに殺気を放っているクリフォード卿。そんな私達を見て顔色を悪くするグーム国の関係者。
国王陛下から謝罪を受けた後、私達は急ぎでリーゼの病院に向かう。
リーゼを心配して来た私だったが、病室に入れるのは家族のクリフォード卿と後見人の叔父上だけだと言われてしまった。
意識のない患者の部屋には、家族以外の者は入れない決まりがあるらしい。
私はリーゼを愛しているのに、顔すら見ることも出来ないのか……
緊急時に、他人という立場はこんなに苦しいものなのだな……
病室の外にいた私は、偶然、孤児院の院長と再会した。
院長は、リーゼが伯爵令嬢に暴行を受けた時に直ぐに駆けつけ、伯爵令嬢をその場に引き留めて、騎士団に引き渡してくれた人物だ。
「殿下。その伯爵令嬢は、ストークス卿と仲良くしていたクリフォード公爵令嬢に嫉妬したようです。
孤児院で働いている令嬢を平民と勘違いして、暴行したようでした。
近くにいながら令嬢をお守りすることが出来ず、大変申し訳ございませんでした。」
この国にもジョアンナ・オルダーのような悪女が存在するようだ。
勝手に勘違いして嫉妬に狂い、リーゼに危害を加えた悪女をどうしてくれようか……
「院長がその場で令嬢を引き留めて、騎士団に引き渡してくれたから助かった。
逃げられて、上手く誤魔化されたら罪に問えなくなるからな。
それよりリーゼが暴行を受けたと知ったら、孤児院の子供たちはショックを受けるだろう。上手く見守ってやってくれ。」
「ご厚情痛み入ります。」
院長と話し込んでいると、白い騎士服を着た男が慌てた様子でこっちに走って来る姿が見えた。
「殿下……、あの方がストークス卿です。」
やはり来たか……
記憶喪失になり、異国で一人ぼっちで苦労していたリーゼに、上手く取り入っただけの運のいい男だろう? 私はそんな男は認めたくない。
だが……、今のリーゼのことを知るためには辛くても聞くしかない。
私のこの思いが、この場の雰囲気を重くしているのは分かっていたが……
叔父上の様子が何だかおかしい気がする。
叔父上はリーゼに幸せになって欲しいと言っていたが、その恋人を認めていないのか?
「……孤児院にいる者たちや聖騎士の間では、色々な噂話があるようだ。」
「叔父上。リーゼに恋人がいるという話は、ただの噂話なのですか?」
「リーゼが噂になっている男は、神殿に沢山の寄付をしてくれる信仰心の厚い筆頭侯爵家の嫡男で、聖騎士団の次期騎士団長だと言われているストークス卿という人物だ。
リーゼの親代わりをしている私に、リーゼと親しくさせてもらっていると挨拶をしてきたことがあった。」
侯爵令息? 平民ではなかったのか。
しかし、なんて図々しい男だ!
「ただの友人の一人でしかないのに、叔父上に挨拶をしてきたのですか?」
「それが……、孤児院から帰るリーゼをエスコートして、邸まで送って来るらしい。
リーゼもストークス卿の身分が高いことを知ってなのか、強く断ることが出来ないと困っていた。
ストークス侯爵家は神殿とは良好な関係だし、ストークス卿本人も騎士として優秀で、真面目で誠実な男だから、私も複雑な思いだった。」
「叔父上! 親代わりなら五月蝿く飛び回る虫から、リーゼを守ってくれないと困ります!」
イライラしていた私は、無意識に声を荒げていた。
「殿下、落ち着いて下さい。
ベネディクト神官様。では、そのストークス卿という男は、エリーゼの恋人や婚約者ではないのですね?」
「今のところは……。
リーゼはあまり恋愛や結婚に興味はなさそうだ。それより子供たちと過ごすことが好きらしく、孤児院の職員たちからの評判がいい。」
「叔父上。『今のところは』とは、どういう意味でしょう?」
リーゼのことになると熱くなってしまう私に、叔父上はとんでもないことを話す。
「アルベルト……、君はリーゼが好きなんだな。
王弟として私情を出さぬよう教育されているはずなのに、そこまで取り乱すほどリーゼが好きで、ここまで迎えに来たということか。
このタイミングで、アルベルトとクリフォード公爵令息が迎えに来てくれたのは良かったのかもしれない……」
「叔父上。それは、どういうことですか?」
「リーゼには内緒だが、ストークス侯爵家から縁談の話がきている。
私はリーゼが結婚を望んでいないことを知っていたから、身分の違いを理由に断っているのだが、私の養女にすれば問題ないとか、それが無理なら知り合いの貴族の養女にしてもらうとか言い出して、何度も婚約の申込みをしてきている。
更に他の神官たちを味方につけて、神殿に多額の寄付をしてくれるストークス侯爵家との縁は結ぶべきだと言われて困っていた。」
「ベネディクト神官様。筆頭侯爵家がエリーゼをそこまで強く望むのはなぜでしょう?」
「侯爵は、リーゼは子息が初めて望んだ人だと話していた。
孤児院で働くリーゼを侯爵と夫人がお忍びで見に行き、気に入ったとも言っていた。
ストークス侯爵と夫人は慈善事業に熱心だから、孤児院で働くリーゼに好感を持っただろう。
それに二人は、恋愛結婚で結ばれた仲の良い夫婦だから、息子の恋を応援したいのかもしれないな……」
ますます気に入らない……
「殿下、あまりイライラしないで下さい。
エリーゼの身分が我が国の公爵令嬢だと明かせば、いくらグーム国の筆頭侯爵家であっても今後は強く出ては来れないでしょう。
それにエリーゼとの結婚は、我が国の国王陛下の許可が必要になりますから難しいでしょうね。
何より、エリーゼ自身が望んでいないのですから心配ありません。」
「そうだな……。ただ、記憶のないリーゼは、この国での生活を楽しんでいるように見えた。
帰国したくないと言い出したら、私はどうすれば……」
「……」
その後、時間が迫っていたこともあり、私達はグーム国の王宮に向かった。
グーム国王は、私達を貴賓としてもてなしてくれる。
探していた人物が見つかったことを報告すると、夜会や茶会を開くので、ぜひグーム国の貴族と交流をして欲しいと言われてしまう。
大国から来た、私とクリフォード卿と繋がりを持ちたいと考えている貴族が多いらしい。
ここに来て社交なんてしたくなかったが、リーゼの捜索活動をするために、国王が各地の騎士団に協力を要請し、捜索がスムーズにいくように準備をしてくれていたことを聞いたら、無下には出来なかった。
しかしその翌日、叔父上から緊急の文が届く。
その手紙には、リーゼが伯爵令嬢から暴行を受けて意識を失い、病院に運ばれたことが書いてあった。
怒りに震える私と、静かに殺気を放っているクリフォード卿。そんな私達を見て顔色を悪くするグーム国の関係者。
国王陛下から謝罪を受けた後、私達は急ぎでリーゼの病院に向かう。
リーゼを心配して来た私だったが、病室に入れるのは家族のクリフォード卿と後見人の叔父上だけだと言われてしまった。
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院長は、リーゼが伯爵令嬢に暴行を受けた時に直ぐに駆けつけ、伯爵令嬢をその場に引き留めて、騎士団に引き渡してくれた人物だ。
「殿下。その伯爵令嬢は、ストークス卿と仲良くしていたクリフォード公爵令嬢に嫉妬したようです。
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近くにいながら令嬢をお守りすることが出来ず、大変申し訳ございませんでした。」
この国にもジョアンナ・オルダーのような悪女が存在するようだ。
勝手に勘違いして嫉妬に狂い、リーゼに危害を加えた悪女をどうしてくれようか……
「院長がその場で令嬢を引き留めて、騎士団に引き渡してくれたから助かった。
逃げられて、上手く誤魔化されたら罪に問えなくなるからな。
それよりリーゼが暴行を受けたと知ったら、孤児院の子供たちはショックを受けるだろう。上手く見守ってやってくれ。」
「ご厚情痛み入ります。」
院長と話し込んでいると、白い騎士服を着た男が慌てた様子でこっちに走って来る姿が見えた。
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やはり来たか……
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