34 / 106
連載
仕事
しおりを挟む
次の日から、レストランでの仕事が始まった。
このレストランは、富裕層が利用するレストランらしく、従業員もレベルの高いものを求められるようだった。
テーブルのセッティングやナプキンの折り方、言葉遣いなどの接客態度、メニューや使用食材のことなど、覚えることが沢山あって大変だ。
その中で良かったことは、レストランの賄いが食べれるということ。しかも高級なお店の賄いは、すごく美味しい。
賄いが出るから、家に帰って食事の用意をする必要がないからラッキーだし、普通の店で働くより給料も良いって聞いた。
私は、この国で頑張るぞ!!
「リーゼ。メニューを一冊貸し出すから、家で暗記してきなさいね。
3日後にテストするわよ。」
「はい。頑張ります。」
私の仕事の指導係のキャサリンは、とても真面目で仕事に対して厳しい人のようだった。
今は大変だけど、こういう先輩に付いた方が仕事はきちんと覚えられそうだから、良かったと思うことにした。
接客担当のメンバーはその他に、愛らしい美少女のセーラーや、人形のように美しく整ったヘレン、ドSっぽいキツめ美女のエブリンなど、個性的な美女が沢山いる。
そして予想通り、美しい彼女達を目的に来ている客が沢山いるのだ。
「リーゼ。お客様との関係には注意しなさいね。
思わせぶりな態度はダメよ。しつこく誘われても、上手く交わしなさいね。
時々、ストーカーのようになる人もいるから、その時はオーナーに相談するといいわ。」
「はい。気を付けます。」
キャサリンが教えてくれたのは、前にお客様の数人と関係を持って、それがお客様達にバレて修羅場になり、ここをクビになった人がいたということだった。
可愛らしい美少女でそんな風には見えなかったから、皆んなで驚いたらしい。
そんな元気な人がいたことにビックリだったし、お客様で逆ハーレムとか凄すぎるから!
この店のお客様は、お忍びの貴族や裕福そうな商人、騎士などの男性や、イケメンの従業員を見にきたマダムや令嬢などが多い。
そしてこのレストランは、貸切で食事会やパーティーをしたりすることも多く、人気店のようだった。
キャサリンの熱心な指導のおかげで、仕事にも慣れてきた私は、それなりに充実した日々を送っていた。
温暖なグーム国は過ごしやすく、美味しい果物が沢山あるし、海は綺麗だし、私はこの国を気に入りつつある。
「リーゼ。明日の夜は聖騎士団のパーティーがあって、店が貸し切りになっているの。
帰りがいつもより遅くなるから、出勤時間も午後からになるわよ。」
「はい。分かりました。」
「聖騎士団のパーティーは、神官様も参加するから、お酒は出さないの。だから悪酔いして、馬鹿騒ぎする人はいないから安心してね。」
「パーティーなのに、禁酒ですか?
凄いですね。」
「そうね……。パーティーと言うよりも、食事会に近いわね。
お酒の代わりに、色々な種類のジュースやお茶、スイーツを沢山用意するのよ。」
「キャサリン。私はパーティーの仕事は初めてなので、明日もよろしくお願い致します。」
「ええ。明日はよろしくね。」
翌日、パーティーの時間になると、聖騎士団の団員らしき騎士達が沢山やってきた。
この国の聖騎士団は白い騎士服で、街の女の子達にモテモテの職業だとか。
白い騎士服って……、どこか別の場所でも見たことがあるような……?気のせいかな。
「リーゼ。飲み物を配るわよ!」
「はい。」
お酒のないパーティーは、ジュースやお茶を沢山飲まれる方が多く、グラスの補充で忙しくなる。
そして騎士らしく、どの方も沢山食べるようで、料理を出しても、すぐになくなっていくのであった。
そんな忙しい中、美しいキャサリン達は騎士達に話しかけたりして、大変そうだった。
それでも笑顔で対応しているから、みんな凄いと思ってしまう。
「そこのキミ!ちょっといいか?」
そんな時、聖騎士の一人に話しかけられる。
「神官様のいる席の飲み物が少なくなっているから、飲み物を幾つか持って来てほしいのだが。」
「畏まりました。すぐにお持ちします。」
急いで数種類の飲み物を準備し、トレイに乗せて運ぶ。
すると、先程、私に飲み物を依頼して来た聖騎士が待っていてくれたようだった。
「悪いな。あそこの席だ。」
「あちらのお席ですね。」
神官様達のいる席に向かうと、その聖騎士が神官の一人に新しい飲み物を持って来たと声を掛けてくれる。
聖騎士の声で振り向いた神官様は、綺麗な金髪に整った顔立ちのイケオジ風の神官だった。
私の毒親くらいの年代かな。若い頃はモテていたに違いない。
神官様との秘密の恋みたいな……、ふふっ。
神官様と言われていたから、つるっ禿げのお爺さんを想像していた私は、意外すぎて余計な妄想をしてしまっていた。
……えっ?
イケオジ風の神官が、私の顔を見て唖然としているような気がする。
前にどこかで会った?いや、イケオジの顔は忘れないから、私は初めて会う人だよね。
このレストランは、富裕層が利用するレストランらしく、従業員もレベルの高いものを求められるようだった。
テーブルのセッティングやナプキンの折り方、言葉遣いなどの接客態度、メニューや使用食材のことなど、覚えることが沢山あって大変だ。
その中で良かったことは、レストランの賄いが食べれるということ。しかも高級なお店の賄いは、すごく美味しい。
賄いが出るから、家に帰って食事の用意をする必要がないからラッキーだし、普通の店で働くより給料も良いって聞いた。
私は、この国で頑張るぞ!!
「リーゼ。メニューを一冊貸し出すから、家で暗記してきなさいね。
3日後にテストするわよ。」
「はい。頑張ります。」
私の仕事の指導係のキャサリンは、とても真面目で仕事に対して厳しい人のようだった。
今は大変だけど、こういう先輩に付いた方が仕事はきちんと覚えられそうだから、良かったと思うことにした。
接客担当のメンバーはその他に、愛らしい美少女のセーラーや、人形のように美しく整ったヘレン、ドSっぽいキツめ美女のエブリンなど、個性的な美女が沢山いる。
そして予想通り、美しい彼女達を目的に来ている客が沢山いるのだ。
「リーゼ。お客様との関係には注意しなさいね。
思わせぶりな態度はダメよ。しつこく誘われても、上手く交わしなさいね。
時々、ストーカーのようになる人もいるから、その時はオーナーに相談するといいわ。」
「はい。気を付けます。」
キャサリンが教えてくれたのは、前にお客様の数人と関係を持って、それがお客様達にバレて修羅場になり、ここをクビになった人がいたということだった。
可愛らしい美少女でそんな風には見えなかったから、皆んなで驚いたらしい。
そんな元気な人がいたことにビックリだったし、お客様で逆ハーレムとか凄すぎるから!
この店のお客様は、お忍びの貴族や裕福そうな商人、騎士などの男性や、イケメンの従業員を見にきたマダムや令嬢などが多い。
そしてこのレストランは、貸切で食事会やパーティーをしたりすることも多く、人気店のようだった。
キャサリンの熱心な指導のおかげで、仕事にも慣れてきた私は、それなりに充実した日々を送っていた。
温暖なグーム国は過ごしやすく、美味しい果物が沢山あるし、海は綺麗だし、私はこの国を気に入りつつある。
「リーゼ。明日の夜は聖騎士団のパーティーがあって、店が貸し切りになっているの。
帰りがいつもより遅くなるから、出勤時間も午後からになるわよ。」
「はい。分かりました。」
「聖騎士団のパーティーは、神官様も参加するから、お酒は出さないの。だから悪酔いして、馬鹿騒ぎする人はいないから安心してね。」
「パーティーなのに、禁酒ですか?
凄いですね。」
「そうね……。パーティーと言うよりも、食事会に近いわね。
お酒の代わりに、色々な種類のジュースやお茶、スイーツを沢山用意するのよ。」
「キャサリン。私はパーティーの仕事は初めてなので、明日もよろしくお願い致します。」
「ええ。明日はよろしくね。」
翌日、パーティーの時間になると、聖騎士団の団員らしき騎士達が沢山やってきた。
この国の聖騎士団は白い騎士服で、街の女の子達にモテモテの職業だとか。
白い騎士服って……、どこか別の場所でも見たことがあるような……?気のせいかな。
「リーゼ。飲み物を配るわよ!」
「はい。」
お酒のないパーティーは、ジュースやお茶を沢山飲まれる方が多く、グラスの補充で忙しくなる。
そして騎士らしく、どの方も沢山食べるようで、料理を出しても、すぐになくなっていくのであった。
そんな忙しい中、美しいキャサリン達は騎士達に話しかけたりして、大変そうだった。
それでも笑顔で対応しているから、みんな凄いと思ってしまう。
「そこのキミ!ちょっといいか?」
そんな時、聖騎士の一人に話しかけられる。
「神官様のいる席の飲み物が少なくなっているから、飲み物を幾つか持って来てほしいのだが。」
「畏まりました。すぐにお持ちします。」
急いで数種類の飲み物を準備し、トレイに乗せて運ぶ。
すると、先程、私に飲み物を依頼して来た聖騎士が待っていてくれたようだった。
「悪いな。あそこの席だ。」
「あちらのお席ですね。」
神官様達のいる席に向かうと、その聖騎士が神官の一人に新しい飲み物を持って来たと声を掛けてくれる。
聖騎士の声で振り向いた神官様は、綺麗な金髪に整った顔立ちのイケオジ風の神官だった。
私の毒親くらいの年代かな。若い頃はモテていたに違いない。
神官様との秘密の恋みたいな……、ふふっ。
神官様と言われていたから、つるっ禿げのお爺さんを想像していた私は、意外すぎて余計な妄想をしてしまっていた。
……えっ?
イケオジ風の神官が、私の顔を見て唖然としているような気がする。
前にどこかで会った?いや、イケオジの顔は忘れないから、私は初めて会う人だよね。
40
お気に入りに追加
9,751
あなたにおすすめの小説
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。