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二度目の話
私の気持ち
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ブレア様は、私に何か聞きにくいことでもあるのだろうか?
少し間が空く。
「…ブレア様?」
「シア…、君はいいのか?
あの時、殿下とシアは心から愛し合っていて、泣く泣く別れたのだろう?
しかし今世では、今の君と殿下を邪魔する者はいない。
殿下に付き纏う令嬢は沢山いるが、あんな女狐達は大したことはないから、私がいくらでも消してやれる。」
ブレア様は真顔で、赤ドレス軍団の令嬢を消すと言っている…
いやいや、そんな怖いことをする必要はないのよ!
「シア…、殿下の婚約者候補を辞退したらしいが、本当にいいのか?
君に婚約を申し込んでいる私がこんなことを聞くのは変だが、私は君には幸せになって欲しいと思っているんだ。」
また胸がズキズキしている…
こんなにいい人なのに…
どうして私は…
「……シア?」
「…あ、申し訳ありません。
私は確かに、王太子殿下を婚約者として愛していましたわ。
しかし…、殿下とは婚約解消した時に終わったのです。
今だから話せることですが、あの時は沢山泣きました。
でも、あの時に泣いてスッキリしたのが良かったのかもしれません。」
「私はそんな君の気持ちを無視して、強引に婚約して、すぐに結婚した…。
今更だが、酷い男だったと思う。」
「あの時は、急に王命での婚約の話が来て、すぐに公爵家に引っ越して、結婚して…。本当に大変でしたわ。
覚えることは沢山ありましたし、何より、環境の変化についていくのがやっとで、毎日ぐったりでした。」
「本当に申し訳なかった…。」
過去のことだからと、ハッキリと言い過ぎてしまったかしら?
ブレア様が気落ちしたようにガックリしている。
こんな姿は初めて見るわね。どんな時も完璧な振る舞いをする人だったから。
「ふふっ…。ブレア様、もう気にしていませんわ。
あの時の忙しさのお陰で、気づいたら殿下への未練は消えていましたから。
おっちょこちょいな私は気付いていなかっただけで、ブレア様が私を大切に思ってくれていたことが知れたので、それだけで充分です。」
「そう言ってくれるなら助かる。」
「私もつい言い過ぎてしまいました。」
「シア。あの時私は、君の気持ちを考えずに行動したことを反省している。だから今回の婚約の話は、君にゆっくりと考えて欲しいと思っているんだ。
ただ…、私が君を愛しているということは忘れないでくれ。」
「はい。では…、もう少しだけ考えさせて下さい。」
「勿論だ。」
その日は二人で沢山話をして、庭園を案内した後に、ブレア様は帰って行った。
「アナ!ブレア公爵令息と二人きりで何を話したのかしら?
早く婚約の返事をしてしまいなさい。
お母様は、アナの婚約式に着るドレスの注文をしたくてウズウズしているのよ!」
「そんなに慌てるものではないよ。
お父様はアナの考えを尊重するからな。」
そんなことを言いながら、お父様もブレア様との婚約には前向きなのは分かっているのよ…
「義父上も義母上も、騒ぎ過ぎですよ。アナにプレッシャーをかけないで下さい。
アナ、疲れてないか?私がお茶を淹れようか?」
「はい。お義兄様の淹れたお茶が飲みたいですわ。」
「分かった。今日は暖かいから、テラスに行こう。」
お義兄様は、婚約の話に浮かれる両親から、気を遣って私を離してくれたのかもしれない。
お義兄様の淹れてくれたお茶を飲むと、ホッとして気持ちが落ち着くのが分かった。
完璧主義のお義兄様は、気が付くとお茶の淹れ方が上手になっていて、今ではとても美味しいお茶を淹れてくれる。
何をやらせてもすごい人…。
「お義兄様の妻になれるお方は幸せでしょうね。
こうやって疲れている時に、美味しいお茶を淹れてもらえるのですから…。」
「私がお茶を淹れてあげたいと思うのはアナだけだ。
それに、アナの夫になる男はもっと幸せだろう。
アナは美味しいお茶を淹れてくれるだけでなく、具合が悪くなったら、ずっと側にいて看病もしてくれる。
今回の病は本当に辛くて、死を意識するほどだったが…、そんな時にアナが側にいてくれて、私は本当に幸せだった。
おっちょこちょいだけど、そこが可愛いし、優しい子だから、アナを妻に出来る男は世界一幸せだと思う。」
「………。」
私は、どうしてこんなに胸が痛むのかがやっと分かった…
私はお義兄様が好き。
家族として好きだったけど、今は異性として好きになっている。
死ぬ前に別れを伝えられなかったブレア様に未練があるのではなくて、お義兄様が好きで、ブレア様の気持ちに答えられないから、私は胸が痛んでいたことに気づいてしまった…。
少し間が空く。
「…ブレア様?」
「シア…、君はいいのか?
あの時、殿下とシアは心から愛し合っていて、泣く泣く別れたのだろう?
しかし今世では、今の君と殿下を邪魔する者はいない。
殿下に付き纏う令嬢は沢山いるが、あんな女狐達は大したことはないから、私がいくらでも消してやれる。」
ブレア様は真顔で、赤ドレス軍団の令嬢を消すと言っている…
いやいや、そんな怖いことをする必要はないのよ!
「シア…、殿下の婚約者候補を辞退したらしいが、本当にいいのか?
君に婚約を申し込んでいる私がこんなことを聞くのは変だが、私は君には幸せになって欲しいと思っているんだ。」
また胸がズキズキしている…
こんなにいい人なのに…
どうして私は…
「……シア?」
「…あ、申し訳ありません。
私は確かに、王太子殿下を婚約者として愛していましたわ。
しかし…、殿下とは婚約解消した時に終わったのです。
今だから話せることですが、あの時は沢山泣きました。
でも、あの時に泣いてスッキリしたのが良かったのかもしれません。」
「私はそんな君の気持ちを無視して、強引に婚約して、すぐに結婚した…。
今更だが、酷い男だったと思う。」
「あの時は、急に王命での婚約の話が来て、すぐに公爵家に引っ越して、結婚して…。本当に大変でしたわ。
覚えることは沢山ありましたし、何より、環境の変化についていくのがやっとで、毎日ぐったりでした。」
「本当に申し訳なかった…。」
過去のことだからと、ハッキリと言い過ぎてしまったかしら?
ブレア様が気落ちしたようにガックリしている。
こんな姿は初めて見るわね。どんな時も完璧な振る舞いをする人だったから。
「ふふっ…。ブレア様、もう気にしていませんわ。
あの時の忙しさのお陰で、気づいたら殿下への未練は消えていましたから。
おっちょこちょいな私は気付いていなかっただけで、ブレア様が私を大切に思ってくれていたことが知れたので、それだけで充分です。」
「そう言ってくれるなら助かる。」
「私もつい言い過ぎてしまいました。」
「シア。あの時私は、君の気持ちを考えずに行動したことを反省している。だから今回の婚約の話は、君にゆっくりと考えて欲しいと思っているんだ。
ただ…、私が君を愛しているということは忘れないでくれ。」
「はい。では…、もう少しだけ考えさせて下さい。」
「勿論だ。」
その日は二人で沢山話をして、庭園を案内した後に、ブレア様は帰って行った。
「アナ!ブレア公爵令息と二人きりで何を話したのかしら?
早く婚約の返事をしてしまいなさい。
お母様は、アナの婚約式に着るドレスの注文をしたくてウズウズしているのよ!」
「そんなに慌てるものではないよ。
お父様はアナの考えを尊重するからな。」
そんなことを言いながら、お父様もブレア様との婚約には前向きなのは分かっているのよ…
「義父上も義母上も、騒ぎ過ぎですよ。アナにプレッシャーをかけないで下さい。
アナ、疲れてないか?私がお茶を淹れようか?」
「はい。お義兄様の淹れたお茶が飲みたいですわ。」
「分かった。今日は暖かいから、テラスに行こう。」
お義兄様は、婚約の話に浮かれる両親から、気を遣って私を離してくれたのかもしれない。
お義兄様の淹れてくれたお茶を飲むと、ホッとして気持ちが落ち着くのが分かった。
完璧主義のお義兄様は、気が付くとお茶の淹れ方が上手になっていて、今ではとても美味しいお茶を淹れてくれる。
何をやらせてもすごい人…。
「お義兄様の妻になれるお方は幸せでしょうね。
こうやって疲れている時に、美味しいお茶を淹れてもらえるのですから…。」
「私がお茶を淹れてあげたいと思うのはアナだけだ。
それに、アナの夫になる男はもっと幸せだろう。
アナは美味しいお茶を淹れてくれるだけでなく、具合が悪くなったら、ずっと側にいて看病もしてくれる。
今回の病は本当に辛くて、死を意識するほどだったが…、そんな時にアナが側にいてくれて、私は本当に幸せだった。
おっちょこちょいだけど、そこが可愛いし、優しい子だから、アナを妻に出来る男は世界一幸せだと思う。」
「………。」
私は、どうしてこんなに胸が痛むのかがやっと分かった…
私はお義兄様が好き。
家族として好きだったけど、今は異性として好きになっている。
死ぬ前に別れを伝えられなかったブレア様に未練があるのではなくて、お義兄様が好きで、ブレア様の気持ちに答えられないから、私は胸が痛んでいたことに気づいてしまった…。
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