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二度目の話
お茶会に行こう
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ブレア公爵令息からのお茶会のお誘いを受けることにしたら、お母様が張り切りだして、ドレスや靴、アクセサリーを沢山買ってくれる。
「ここまでしなくても…
沢山持っているのですから。」
「別にブレア様のお茶会に行くからと張り切っているわけではないのよ。
ブレア様以外にもいい人がいたら、お茶をご一緒する機会が沢山あるはずだから、ドレスを沢山買っておくのよ。」
お母様は、私を積極的にお見合いに参加させるつもりなのね…。
「義母上。アナに無理をさせないで下さい。
おっちょこちょいなアナが焦って、変な男と結婚したいなんて言い出したら困りますから。
アナ…。無理に急いで決めなくてもいいんだ。私がいるのだからな。」
お義兄様は今日も私に激甘だった。
「分かっていますわ。
しかし、いつまでも私が結婚せずにいたら、お義兄様の妻になる方に迷惑を掛けてしまいますので、いい殿方がいたら教えて下さいね。」
「可愛いアナを任せたいと思える男を探すのは、なかなか難しいと思う。
どうしても私は厳しい目で見てしまうからな。」
「ふふっ。だからお義兄様に選んでもらいたいのですわ。
お義兄様が選んだ方なら、失敗しないと思うので。」
「考えてはおく…。」
そして、ブレア公爵家のお茶会の日。
お義兄様はお茶会に一緒に行くと言ってくれたが、私がどうしても二人で話をしたいことがあるからと言うと、お母様がお義兄様を止めたこともあって、無理について来ることはなかった。
一人であの邸に行くのは今世では初めてだから、緊張する。
やっぱり私は、お義兄様がいないとダメな人間になっている。早く兄離れしないといけないのに…。
久しぶりに見たブレア公爵家は相変わらず大きかった。
馬車を降りると、ブレア公爵令息以外に、公爵閣下と夫人まで出迎えてくれる。
うーん…。胃が痛くなりそうだわ。
「アナちゃん。お久しぶりね!
今日は来てくれて嬉しいわ。ゆっくり過ごしてちょうだいね。」
「コールマン侯爵令嬢。今日は来てくれてありがとう。楽しんで行ってくれ。」
恐ろしいくらいの笑顔を向けてくるブレア公爵閣下と夫人。
そうだった…。公爵閣下と夫人は割と気さくな人達だったのよね。
「ブレア公爵閣下・夫人。ご無沙汰しておりました。
本日はご招待して下さいまして、ありがとうございます。」
「堅苦しい挨拶はいいのよ。
ほらアル、早くアナちゃんをエスコートしてあげなさい。」
「はい。
コールマン侯爵令嬢、どうぞ中へ。」
「よろしくお願い致します。」
ブレア公爵令息にエスコートされ、庭園の中にあるガゼボに案内される。
陽気がいいから、今日は外でお茶会をするのね。
ここは相変わらず手入れが行き届いていて、綺麗だわ。
席に座ると、公爵家のメイド達が色々なスイーツを運んで来てくれる。
ブレア公爵家はさすが名門だけあって、スイーツのレベルも高いのよね。
この邸で毒を盛られたことがある私は、あまり食べる気は起きないけれど。
前に来た時も気になっていたのだけど、知らないメイドが多い気がする。一度目の時に、私がこの邸で生活してお世話になっていたメイド達の姿が見えないような気がするのよ。
あの時のメイド長とか家令も見ないわね。
「コールマン侯爵令嬢、今日は君に会えて嬉しく思う。
来てくれてありがとう。」
「こちらこそ、素敵なお茶会に招待して下さってありがとうございます。」
久しぶりに顔を合わせたブレア公爵令息は、留学前に会った時よりも大人っぽくなっていて、更に美青年になっていた。
…お義兄様には敵わないけど。
「今日は私達二人だけだから、気を遣わないで欲しい。
スイーツが好きな君のために沢山用意したから、遠慮なく食べてくれ。」
「ありがとうございます。」
メイドが紅茶を淹れてくれる音だけが響く。
「………。」
「……。」
無言になる私達。
もしかして、公爵閣下や夫人がいた方が良かった?
あの二人は割と話好きな人達だから、沈黙とは無縁なのよね…。
「コールマン侯爵令嬢、何が食べたい?」
沈黙に耐えきれなくなったらしいブレア公爵令息が口を開く。
どうやらブレア公爵令息が、皿に取り分けてくれるらしい。
あまり食べたいというような気分ではないが…
「それでは、ブレア様のお勧めの物をお願いしますわ。」
「分かった。少し待ってくれ。」
ブレア公爵令息は、沢山あるスイーツの中から、フルーツタルトとチーズケーキに、チョコレートのマカロンを取ってくれた。
こんなに沢山あるスイーツの中から、この三種類を選んでくれたのね。
この人はやはり…
「ここまでしなくても…
沢山持っているのですから。」
「別にブレア様のお茶会に行くからと張り切っているわけではないのよ。
ブレア様以外にもいい人がいたら、お茶をご一緒する機会が沢山あるはずだから、ドレスを沢山買っておくのよ。」
お母様は、私を積極的にお見合いに参加させるつもりなのね…。
「義母上。アナに無理をさせないで下さい。
おっちょこちょいなアナが焦って、変な男と結婚したいなんて言い出したら困りますから。
アナ…。無理に急いで決めなくてもいいんだ。私がいるのだからな。」
お義兄様は今日も私に激甘だった。
「分かっていますわ。
しかし、いつまでも私が結婚せずにいたら、お義兄様の妻になる方に迷惑を掛けてしまいますので、いい殿方がいたら教えて下さいね。」
「可愛いアナを任せたいと思える男を探すのは、なかなか難しいと思う。
どうしても私は厳しい目で見てしまうからな。」
「ふふっ。だからお義兄様に選んでもらいたいのですわ。
お義兄様が選んだ方なら、失敗しないと思うので。」
「考えてはおく…。」
そして、ブレア公爵家のお茶会の日。
お義兄様はお茶会に一緒に行くと言ってくれたが、私がどうしても二人で話をしたいことがあるからと言うと、お母様がお義兄様を止めたこともあって、無理について来ることはなかった。
一人であの邸に行くのは今世では初めてだから、緊張する。
やっぱり私は、お義兄様がいないとダメな人間になっている。早く兄離れしないといけないのに…。
久しぶりに見たブレア公爵家は相変わらず大きかった。
馬車を降りると、ブレア公爵令息以外に、公爵閣下と夫人まで出迎えてくれる。
うーん…。胃が痛くなりそうだわ。
「アナちゃん。お久しぶりね!
今日は来てくれて嬉しいわ。ゆっくり過ごしてちょうだいね。」
「コールマン侯爵令嬢。今日は来てくれてありがとう。楽しんで行ってくれ。」
恐ろしいくらいの笑顔を向けてくるブレア公爵閣下と夫人。
そうだった…。公爵閣下と夫人は割と気さくな人達だったのよね。
「ブレア公爵閣下・夫人。ご無沙汰しておりました。
本日はご招待して下さいまして、ありがとうございます。」
「堅苦しい挨拶はいいのよ。
ほらアル、早くアナちゃんをエスコートしてあげなさい。」
「はい。
コールマン侯爵令嬢、どうぞ中へ。」
「よろしくお願い致します。」
ブレア公爵令息にエスコートされ、庭園の中にあるガゼボに案内される。
陽気がいいから、今日は外でお茶会をするのね。
ここは相変わらず手入れが行き届いていて、綺麗だわ。
席に座ると、公爵家のメイド達が色々なスイーツを運んで来てくれる。
ブレア公爵家はさすが名門だけあって、スイーツのレベルも高いのよね。
この邸で毒を盛られたことがある私は、あまり食べる気は起きないけれど。
前に来た時も気になっていたのだけど、知らないメイドが多い気がする。一度目の時に、私がこの邸で生活してお世話になっていたメイド達の姿が見えないような気がするのよ。
あの時のメイド長とか家令も見ないわね。
「コールマン侯爵令嬢、今日は君に会えて嬉しく思う。
来てくれてありがとう。」
「こちらこそ、素敵なお茶会に招待して下さってありがとうございます。」
久しぶりに顔を合わせたブレア公爵令息は、留学前に会った時よりも大人っぽくなっていて、更に美青年になっていた。
…お義兄様には敵わないけど。
「今日は私達二人だけだから、気を遣わないで欲しい。
スイーツが好きな君のために沢山用意したから、遠慮なく食べてくれ。」
「ありがとうございます。」
メイドが紅茶を淹れてくれる音だけが響く。
「………。」
「……。」
無言になる私達。
もしかして、公爵閣下や夫人がいた方が良かった?
あの二人は割と話好きな人達だから、沈黙とは無縁なのよね…。
「コールマン侯爵令嬢、何が食べたい?」
沈黙に耐えきれなくなったらしいブレア公爵令息が口を開く。
どうやらブレア公爵令息が、皿に取り分けてくれるらしい。
あまり食べたいというような気分ではないが…
「それでは、ブレア様のお勧めの物をお願いしますわ。」
「分かった。少し待ってくれ。」
ブレア公爵令息は、沢山あるスイーツの中から、フルーツタルトとチーズケーキに、チョコレートのマカロンを取ってくれた。
こんなに沢山あるスイーツの中から、この三種類を選んでくれたのね。
この人はやはり…
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