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二度目の話
閑話 私が死んだ後 4
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義兄side
アナが亡くなった…。
領地の両親には、アナが危篤だと早馬を飛ばしたが間に合わなかった。
そして…、亡くなったアナの側にいる私は、何も考えられず、ただボーっとしている。
「侯爵様、王太子殿下がいらしております。
お嬢様にお別れをしたいとおっしゃっておりますが…… 」
セバスチャンからの声かけに、ハッとする。
アナの死を知らせたばかりなのに、こんなに早く来て下さったのか…
「…分かった。殿下をこちらへ。」
「「お待ち下さい!」」
目を赤くした、アナのメイド達の声だった。
「侯爵様。王太子殿下には、少しお待ち頂くようにお願い出来ませんでしょうか?
お嬢様は臥せっていたままの状態で眠っております。殿下と最後のお別れをする前に、化粧をして、髪も整え、ドレスにお着替えさせて頂いてもよろしいでしょうか?
お嬢様は今のままの状態で殿下にはお会いしたがらないと思うのです。
勿論、私達は急ぎで準備させて頂きます。」
これは女性じゃないと気がつかないことだ。
「助かる…。私から殿下にお待ち頂けるように頼んでみよう。
お前達は急いで準備してくれるか?頼んだ!」
「「はい!」」
メイド達はアナをいつものように美しくしてくれた。
痩せた姿は誤魔化せなかったが、化粧で血色が良く見えるようにしてくれ、髪も綺麗に整え、アナによく似合う水色の清楚なドレスを着せてくれたのだ。
準備を終えた後、王太子殿下を部屋にお呼びする。
あの殿下が人目を憚らずに涙を流していた。
眠るアナの横に跪き、何度も『ごめん』と言って…
殿下はアナを愛していた。そんな殿下のために、アナは本来の自分らしさを捨てて、厳しい王妃教育も頑張っていたのだ。
婚約が解消になることを、殿下は最後まで反対していたと聞く。婚約解消になった後、殿下の落ち込み方が酷く、隣国王女との結婚予定を少し遅らせたらしい。
殿下との婚約解消により、アナは不幸な結婚をすることになったが、アナ以上に苦しんでいた殿下を咎めることなんて、出来るはずはなかった。
「コールマン侯爵。この度のことは、何も力になれずに申し訳なかった。
侯爵の大切な義妹殿の幸せを願い、王家が勧めた結婚により、こんなことになってしまったことを、大変申し訳なく思う。」
「王太子殿下が協力して下さらなかったら、アナを公爵家から連れ出せなかったでしょう。
私がアナの最期を看取ることが出来たのは、殿下のお陰だと思っております。
どうかお顔を上げてください。」
「私が出来ることは何でもする。
私はアナを不幸にした者達を許さない。」
悔しさを滲ませる殿下…
「殿下、お願いがあります。
ブレア公爵閣下のことですが、緊急事態とはいえ、自分が不在の時に一方的に離縁されたことに対して、納得して下さるか分かりません。
しかし私達家族は、アナが不幸になった原因であるブレア公爵家の者達とは、接触を避けたいと思っております。
静かにアナを見送り、喪に服したいと思っているのです。」
「ブレア公爵家は、私が対応するから大丈夫だ。」
「ありがとうございます。」
これであの男が私達を訪ねてくることはないだろう。
ブレア公爵が来たら、私は冷静に対応が出来る自信がないから良かったと思う。
ブレア公爵がアナを好いていたことはずっと気付いていた。
だが、いくらアナが好きだからと言っても、アナの気持ちを考えずに、あそこまで強引に婚姻を進め、毒を盛られていることに気付かずに、アナを死なせた男を私は許せない。
しかもバーカー子爵令嬢を野放しにして、アナを傷つけたと聞いた時、私は怒りでおかしくなるかと思うほどだった。
バーカー子爵令嬢は、毒殺には関わっていないので罪には問えないらしい。しかし納得出来ない私は、あの女と家門の身辺を調査しているところである。
もし何もなければ、暗殺者でも送ってやるつもりだ。
アナを毒殺したメイド長は公開処刑が決まり、メイド長を借金で狂わせた夫の方は、殿下が始末してくれたらしい。
さらに殿下は、メイド長と一緒になってバーカー子爵令嬢に協力していた、公爵家の使用人達を王都から追放してくれた。
殿下はここまで怒りを露わにするほど、アナを想ってくれていたのだ。
もうこれ以上のことは、私は何も求めない。
「侯爵と前侯爵夫妻の心の傷が癒える日がくることを、私達はずっと願っている。」
「殿下…、ありがとうございました。」
領地から急いでやって来た義両親は、泣き崩れて手がつけられなかった。
娘の幸せのために縁談を進めたはずが、嫁ぎ先で毒を盛られて、ボロボロにされ、離縁した後に死んだのだから当然だろう。
アナの葬儀を王都で執り行った後、落ち込む両親を連れて、私は急ぎで領地に立つことになった。
アナを領地に埋葬することに決めたからである。
アナには、大好きだった領地で静かに眠ってもらいたいと思う。
アナが亡くなった…。
領地の両親には、アナが危篤だと早馬を飛ばしたが間に合わなかった。
そして…、亡くなったアナの側にいる私は、何も考えられず、ただボーっとしている。
「侯爵様、王太子殿下がいらしております。
お嬢様にお別れをしたいとおっしゃっておりますが…… 」
セバスチャンからの声かけに、ハッとする。
アナの死を知らせたばかりなのに、こんなに早く来て下さったのか…
「…分かった。殿下をこちらへ。」
「「お待ち下さい!」」
目を赤くした、アナのメイド達の声だった。
「侯爵様。王太子殿下には、少しお待ち頂くようにお願い出来ませんでしょうか?
お嬢様は臥せっていたままの状態で眠っております。殿下と最後のお別れをする前に、化粧をして、髪も整え、ドレスにお着替えさせて頂いてもよろしいでしょうか?
お嬢様は今のままの状態で殿下にはお会いしたがらないと思うのです。
勿論、私達は急ぎで準備させて頂きます。」
これは女性じゃないと気がつかないことだ。
「助かる…。私から殿下にお待ち頂けるように頼んでみよう。
お前達は急いで準備してくれるか?頼んだ!」
「「はい!」」
メイド達はアナをいつものように美しくしてくれた。
痩せた姿は誤魔化せなかったが、化粧で血色が良く見えるようにしてくれ、髪も綺麗に整え、アナによく似合う水色の清楚なドレスを着せてくれたのだ。
準備を終えた後、王太子殿下を部屋にお呼びする。
あの殿下が人目を憚らずに涙を流していた。
眠るアナの横に跪き、何度も『ごめん』と言って…
殿下はアナを愛していた。そんな殿下のために、アナは本来の自分らしさを捨てて、厳しい王妃教育も頑張っていたのだ。
婚約が解消になることを、殿下は最後まで反対していたと聞く。婚約解消になった後、殿下の落ち込み方が酷く、隣国王女との結婚予定を少し遅らせたらしい。
殿下との婚約解消により、アナは不幸な結婚をすることになったが、アナ以上に苦しんでいた殿下を咎めることなんて、出来るはずはなかった。
「コールマン侯爵。この度のことは、何も力になれずに申し訳なかった。
侯爵の大切な義妹殿の幸せを願い、王家が勧めた結婚により、こんなことになってしまったことを、大変申し訳なく思う。」
「王太子殿下が協力して下さらなかったら、アナを公爵家から連れ出せなかったでしょう。
私がアナの最期を看取ることが出来たのは、殿下のお陰だと思っております。
どうかお顔を上げてください。」
「私が出来ることは何でもする。
私はアナを不幸にした者達を許さない。」
悔しさを滲ませる殿下…
「殿下、お願いがあります。
ブレア公爵閣下のことですが、緊急事態とはいえ、自分が不在の時に一方的に離縁されたことに対して、納得して下さるか分かりません。
しかし私達家族は、アナが不幸になった原因であるブレア公爵家の者達とは、接触を避けたいと思っております。
静かにアナを見送り、喪に服したいと思っているのです。」
「ブレア公爵家は、私が対応するから大丈夫だ。」
「ありがとうございます。」
これであの男が私達を訪ねてくることはないだろう。
ブレア公爵が来たら、私は冷静に対応が出来る自信がないから良かったと思う。
ブレア公爵がアナを好いていたことはずっと気付いていた。
だが、いくらアナが好きだからと言っても、アナの気持ちを考えずに、あそこまで強引に婚姻を進め、毒を盛られていることに気付かずに、アナを死なせた男を私は許せない。
しかもバーカー子爵令嬢を野放しにして、アナを傷つけたと聞いた時、私は怒りでおかしくなるかと思うほどだった。
バーカー子爵令嬢は、毒殺には関わっていないので罪には問えないらしい。しかし納得出来ない私は、あの女と家門の身辺を調査しているところである。
もし何もなければ、暗殺者でも送ってやるつもりだ。
アナを毒殺したメイド長は公開処刑が決まり、メイド長を借金で狂わせた夫の方は、殿下が始末してくれたらしい。
さらに殿下は、メイド長と一緒になってバーカー子爵令嬢に協力していた、公爵家の使用人達を王都から追放してくれた。
殿下はここまで怒りを露わにするほど、アナを想ってくれていたのだ。
もうこれ以上のことは、私は何も求めない。
「侯爵と前侯爵夫妻の心の傷が癒える日がくることを、私達はずっと願っている。」
「殿下…、ありがとうございました。」
領地から急いでやって来た義両親は、泣き崩れて手がつけられなかった。
娘の幸せのために縁談を進めたはずが、嫁ぎ先で毒を盛られて、ボロボロにされ、離縁した後に死んだのだから当然だろう。
アナの葬儀を王都で執り行った後、落ち込む両親を連れて、私は急ぎで領地に立つことになった。
アナを領地に埋葬することに決めたからである。
アナには、大好きだった領地で静かに眠ってもらいたいと思う。
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