まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ

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新しい生活

閑話 ブライアン・バーネット

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 陛下との会食会を済ませて邸に戻ると、リアの姿が消えていた。

「も、申し訳ございませんでした。
 突然、王太子妃殿下が親友である奥様を見舞いたいと来られまして…、奥様を王宮で治療したいと言い出して、連れて行かれてしまったのです。
 王太子妃殿下をお止めすることは私達には出来ませんでした。」

「分かった…。もう下がっていい。」

「本当に申し訳ありませんでした。」

 メイド達が退出した部屋で、冷たくなったベッドを見て喪失感に襲われる。

「リア……」

 やっとこの邸に帰って来たのに。2人だけの時間を過ごしていたのに。どうして……

「邪魔するのだ…」




 記憶が戻り、すぐにリアとの死後離婚の取り消しを求めて、教会に必死に頼み、以前と同じ夫婦として認められることになったのに……、愛するリアからは元に戻ることを拒否され、離縁をしたいと言われてしまった。

 仕事が多忙なことや、婚姻前の私の不貞行為の話を持ち出して私を拒絶するリア。
 許されないことをした自覚はあるが、今でもそんなに私を恨んでいるとは思っていなかった。
 リアが私を見る目は、嫌悪しか感じられない。

 どうしてそんな目で私を見る?

 私はただ、昔のリアに戻って欲しくて、必死に償おうとしているだけなのに。私が愛しているのは君だけなのに。


 私が死んだと考えられた後、リアは商家で働き、外の世界を知り、自由を覚えてしまったようだった。

 籠の中の鳥は、籠の中にいるのが1番安全で幸せだと、なぜ気づかないのだ?

 そんなことにも気づかずにいるから、あの有名な阿婆擦れに陥れられそうになったり、下っ端の近衛に襲われそうになるのだ。
 その事件を、王太子殿下やアンブリッジ公爵に助けられたことも気分が悪い。リアは私よりも彼らを信頼しているということなのか…。

 リアの夫は私だ。
 だから、リアには伯爵家に戻ってもらうことにする。


 私は、阿婆擦れや近衛騎士に襲われそうになったリアが心配だからという理由で、強引に邸に連れて来ることに成功した。

 そして私は、リアにある薬を使うことにした。
 私が記憶喪失になり、他国で護衛騎士をしていた時に、護衛騎士の仲間からもらった薬で、睡眠薬によく似たものであるらしい。毒ではないから持っていても罪には問われないし、持っていると便利だと言ってくれた物だった。ある者は毒の代わりに使用し、ある者は媚薬の代わりに使用するとも聞いた。
 
 リアはこの薬で寝込んでしまい、私の所から離れられなくなってしまった。
 私の手を借りて生活するようになったリアが、愛しくて堪らない。
 自分でも歪んでいるのは分かっている。しかし、今までこんな風に長い時間を2人で過ごしたことがなかった私にとっては幸せな時間であったのだ。

 しかし予想外のことが起きた。その薬を繰り返し使用していたら、リアが精神的に参ってしまい、食欲まで落ちてしまって、予想以上に弱り果ててしまったのだ。
 仕事を退職すると言ってくれたのは良かったのだが、痩せ細ったリアは死を意識するような言動が目立つようになる。そして、そんなリアはまた離縁がしたいと言い出すのであった。


『私が貴方という婚約者に縛られ、不自由な生活を送っていた時に、貴方は色々な方とお楽しみだったのでしょう?
 私も自由になりたいのです。この命が尽きる前に、私を解放して下さいませ。』


 どうして、私の愛を分かってくれないのだろう…

 どうして、私から去ろうとするのだろう…

 私はただ、リアと一緒にいたいだけなのに。





 リアが王太子妃に王宮に連れて行かれた後、何度も面会を希望して王宮に向かうが、会わせてもらえることはなかった。


 そんなある日、王太子殿下から通達が届く。

 〝アメリア・バーネットを愛妾として召し上げる〟と。

 目の前が一瞬にして真っ暗になった。

 私のリアを奪われた…




 
 

 
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