85 / 104
新しい生活
離縁したい私
しおりを挟む
仕事を退職した私は精神的に落ち込み、ますます体調が悪くなるのであった。
一日のほとんどをベッドで横になって過ごす日々。
食欲もなく、ゲッソリと痩せてしまう。
「リア、食事にしようか。」
「バーネット様、今は食欲がないので後で頂きますわ。」
「ダメだ。そう言ってリアは全く食べないだろう?
ほら、私が食べさせてやろう。」
バーネット様はいつものように、ベッドに横になっている私を起こしてくれる。
この人は、私の世話を焼くことが苦にならないのかしら?ここまで長期で臥せっている私は、かなりの負担になっているはずなのに。
「食欲がなくても、我慢して食べないといつまでも元気になれないだろう?
シェフが野菜を柔らかく煮込んだスープを作ってくれたんだよ。
使用人達もみんなリアを心配しているんだ。少しでいいから食べてくれないか?」
「バーネット様…、私はこんな体では伯爵夫人は務まりませんわ。
私と離縁してくださいませ。」
「……離縁はしない。私は完璧な伯爵夫人が欲しいのではなくて、リアに側にいて欲しいと思っている。
跡取りの心配をしているのかもしれないが、跡取りなんて、親族にいくらでも子供がいるのだから、養子に迎えればいいのだ。
私はリアと2人でいれるなら、他に何も要らない。
もう離縁の話はしないでくれ。」
本当に愛しているならば、夫にこんなことを言われたら、嬉しくて涙を流していたかもしれない。
でも私はこの人を愛してないし、何を考えているのか分からないから、ゾクっとするのだ。
何よりこの男を信用出来ない…。
「そう言って、外で子供を作ってくるのでしょう?」
「違う!そんなことするはずがない。」
「離縁後の私のことを心配して下さっているのでしょうが、私は大丈夫です。今まで働いて得た蓄えがありますので、贅沢をしなければ何とかなると思いますわ。」
「リア!その話は終わりだ。」
急に声が低くなるバーネット様。怒ったのかしら?でも関係ない。
この人は私を飼い殺しにでもしたいのかもしれない。
「バーネット様、私は離縁がしたいのです。
ここまで親切にして下さったことには感謝しておりますわ。
しかし、このまま役立たずの伯爵夫人で居続けることは、私を惨めにさせているということに気付いて下さいませ。
返事は待ちますので、少し考えて頂けませんか?
よろしくお願い致します。」
「……リアはそこまで私と離縁したいのか。
私はここまで君を愛しているのに、どうして分かってくれない?」
「私はあの日に貴方への想いがなくなったと話したはずですわ。
私が貴方という婚約者に縛られ、不自由な生活を送っていた時に、貴方は色々な方とお楽しみだったのでしょう?
私も自由になりたいのです。この命が尽きる前に、私を解放して下さいませ。」
「………すまない。少し離れる。」
バーネット様は険しい表情で部屋を出て行ってしまった。
自分でもお世話になっているバーネット様に対して、酷いことを言っているのは理解している。でも私の気持ちも分かって欲しい。
体がこんな風になって、この先どれくらい生きられるのか分からないからこそ、早くここを出て行きたいと思う。
両親や友人達に手紙を出したはずなのに、返事がなかなか来ないから、今は頼りには出来ないし、この邸の使用人達はみんな親切だけど、バーネット様の使用人である以上はそこまで信用出来ない。
体は辛いけど、何とかギリギリ体を動かせるうちにこの邸を出て行きたいのに、どうしようかしら…。
バーネット様は、私があそこまで酷いことを話したのにもかかわらず、時間が経つと何事もなかったかのような態度に戻っていた。
「リア、夕飯はきちんと食べような。
明日は陛下との会食会が入っているから、リアの側にいることが出来ないが、終わったら直ぐに帰ってくるから。」
「バーネット様。陛下や他の貴族の方々との交流は大切にして下さいませ。
私は大丈夫ですから。」
夕飯を食べて少し経つと、またあの倦怠感がきて、私はまた寝込んでしまうのであった。
一日のほとんどをベッドで横になって過ごす日々。
食欲もなく、ゲッソリと痩せてしまう。
「リア、食事にしようか。」
「バーネット様、今は食欲がないので後で頂きますわ。」
「ダメだ。そう言ってリアは全く食べないだろう?
ほら、私が食べさせてやろう。」
バーネット様はいつものように、ベッドに横になっている私を起こしてくれる。
この人は、私の世話を焼くことが苦にならないのかしら?ここまで長期で臥せっている私は、かなりの負担になっているはずなのに。
「食欲がなくても、我慢して食べないといつまでも元気になれないだろう?
シェフが野菜を柔らかく煮込んだスープを作ってくれたんだよ。
使用人達もみんなリアを心配しているんだ。少しでいいから食べてくれないか?」
「バーネット様…、私はこんな体では伯爵夫人は務まりませんわ。
私と離縁してくださいませ。」
「……離縁はしない。私は完璧な伯爵夫人が欲しいのではなくて、リアに側にいて欲しいと思っている。
跡取りの心配をしているのかもしれないが、跡取りなんて、親族にいくらでも子供がいるのだから、養子に迎えればいいのだ。
私はリアと2人でいれるなら、他に何も要らない。
もう離縁の話はしないでくれ。」
本当に愛しているならば、夫にこんなことを言われたら、嬉しくて涙を流していたかもしれない。
でも私はこの人を愛してないし、何を考えているのか分からないから、ゾクっとするのだ。
何よりこの男を信用出来ない…。
「そう言って、外で子供を作ってくるのでしょう?」
「違う!そんなことするはずがない。」
「離縁後の私のことを心配して下さっているのでしょうが、私は大丈夫です。今まで働いて得た蓄えがありますので、贅沢をしなければ何とかなると思いますわ。」
「リア!その話は終わりだ。」
急に声が低くなるバーネット様。怒ったのかしら?でも関係ない。
この人は私を飼い殺しにでもしたいのかもしれない。
「バーネット様、私は離縁がしたいのです。
ここまで親切にして下さったことには感謝しておりますわ。
しかし、このまま役立たずの伯爵夫人で居続けることは、私を惨めにさせているということに気付いて下さいませ。
返事は待ちますので、少し考えて頂けませんか?
よろしくお願い致します。」
「……リアはそこまで私と離縁したいのか。
私はここまで君を愛しているのに、どうして分かってくれない?」
「私はあの日に貴方への想いがなくなったと話したはずですわ。
私が貴方という婚約者に縛られ、不自由な生活を送っていた時に、貴方は色々な方とお楽しみだったのでしょう?
私も自由になりたいのです。この命が尽きる前に、私を解放して下さいませ。」
「………すまない。少し離れる。」
バーネット様は険しい表情で部屋を出て行ってしまった。
自分でもお世話になっているバーネット様に対して、酷いことを言っているのは理解している。でも私の気持ちも分かって欲しい。
体がこんな風になって、この先どれくらい生きられるのか分からないからこそ、早くここを出て行きたいと思う。
両親や友人達に手紙を出したはずなのに、返事がなかなか来ないから、今は頼りには出来ないし、この邸の使用人達はみんな親切だけど、バーネット様の使用人である以上はそこまで信用出来ない。
体は辛いけど、何とかギリギリ体を動かせるうちにこの邸を出て行きたいのに、どうしようかしら…。
バーネット様は、私があそこまで酷いことを話したのにもかかわらず、時間が経つと何事もなかったかのような態度に戻っていた。
「リア、夕飯はきちんと食べような。
明日は陛下との会食会が入っているから、リアの側にいることが出来ないが、終わったら直ぐに帰ってくるから。」
「バーネット様。陛下や他の貴族の方々との交流は大切にして下さいませ。
私は大丈夫ですから。」
夕飯を食べて少し経つと、またあの倦怠感がきて、私はまた寝込んでしまうのであった。
299
あなたにおすすめの小説
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
冷遇夫がお探しの私は、隣にいます
終日ひもの干す紐
恋愛
愛人がいるなら、さっさと言ってくれればいいのに!
妻に駆け落ちされた、傷心の辺境伯ロシェのもとへ嫁いでほしい。
シャノンが王命を受け、嫁いでから一年……とんでもない場面に立ち会ってしまう。
「サフィール……またそんなふうに僕を見つめて、かわいいね」
シャノンには冷たいの夫の、甘ったるい囁き。
扉の向こうの、不貞行為。
これまでの我慢も苦労も全て無駄になり、沸々と湧き上がる怒りを、ロシェの愛猫『アンブル』に愚痴った。
まさかそれが、こんなことになるなんて!
目が覚めると『アンブル』になっていたシャノン。
猫の姿に向けられる夫からの愛情。
夫ロシェの“本当の姿”を垣間見たシャノンは……?
* * *
他のサイトにも投稿しています。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
王子様への置き手紙
あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯
小説家になろうにも掲載しています。
婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。
目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。
「あなたは、どなたですか?」
その一言に、彼の瞳は壊れた。
けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。
セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。
優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。
――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。
一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。
記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。
これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる