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新しい生活
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「アメリア、昨日のお休みはエリザベスとお茶会をしたのね?」
妃殿下とのお茶会の翌日、王妃殿下からその話を振られて困る私。
「はい。妃殿下と有意義な時間を過ごすことが出来ました。」
「あの情夫も一緒だったのかしら?」
うっ。私の立場で、答えにくいことを聞かないで下さいませ。
「妃殿下が祖国から連れてきたという護衛騎士がいらっしゃいましたわ。」
「そう。エリザベスはアメリアに事情を話したということね…。」
……王妃殿下が怖いわ。
「妃殿下はとても明るく、気さくに話をして下さるお方でしたので、色々と話し込んでしまいましたわ。」
「…アメリア?そんなに怯えないでちょうだい。エリザベスと貴女が仲良くしてくれるのは、私も嬉しいのだから。
エリザベスはこの国に嫁いで来たばかりで、まだ友人も少ないでしょうから仲良くしてあげてちょうだい。」
王妃殿下のその言葉にホッとする私。
「私でよろしければ…。大切光栄でございます。」
「少し前に、高位貴族の夫人や令嬢をお茶会に招待してエリザベスに紹介したのだけれど、ダメだったのよね…。」
「え?それはどういうことでしょうか?」
「みんなルーカスの側室を狙っているようで、エリザベスに対しての態度が酷かったの。
後日、私から抗議の手紙を出したわ。エリザベスの母国からは、沢山の資源を供給してもらっているのに、もしエリザベスの国と揉めたら貴女の責任だとね。」
「それは災難でしたわね。」
望まない婚約者との結婚で、自分は不幸なつもりでいたけど、王族の政略結婚に比べたら、私の前の結婚なんて、何て小さなことなのだろう…。
今更気づいたことだった。
「慌てて令嬢達は謝罪をしてきたけれど、あの令嬢達はしばらくはお茶会に招待はしないわ。ルーカスも嫌っている令嬢達だったようだし。
この国は大国と言われているけど、資源は少なくて輸入に頼っている状態なのに。資源大国の王女だったエリザベスにあんな態度を取るなんて…、どんな教育を受けていたのかしら。」
知らない国に嫁いで来られて、側室を狙う令嬢達に疎まれて、妃殿下もお辛い立場なのね。あの幼馴染だという護衛騎士に助けられているに違いないわ。
「ところで、アメリアはまた結婚する気はないのかしら?」
突然、私に結婚の話を振る王妃殿下。
「私は結婚は望んでおりませんわ。今のまま、王妃殿下の所で働き続けていきたいと思っております。」
「そう…。勿体ないわね。」
その日のお昼休み。
一人で裏庭の隅にあるベンチで読書をしている時だった。
「シャノン嬢?」
この声は…?
どうしてこの方がこんな所に……
「殿下?どうしてお一人でこのような場所に?」
フードを深く被った王太子殿下に突然話しかけられる。
お忍びかしら?フード付きマントで、顔が見られないようにしているようだ。
「気分転換に散歩をしていたら、シャノン嬢が見えたので、声を掛けてしまいました。」
「殿下。お忍びかもしれませんが、護衛なしでは危険ですわ。」
「ふっ!シャノン嬢から注意されてしまいましたね。
大丈夫ですよ。見えない所に護衛がいますから。」
笑った表情が……、とても危険だわ。
何となく顔が熱いような気がする。
「そ、そうでしたか。失礼致しました。」
「シャノン嬢はいつも外でランチを食べているのですか?」
「はい。王宮のレストランは色々な方がいて落ち着きませんので。」
「…ああ。聞いたことがあります。城で働く者達がシャノン嬢に付きまとっていると…。
あまりに酷い時は私が対応しますから、その時は教えてくださいね。」
「ふふ!私のようなつまらない未亡人など、相手にする価値などないと思うのですが、王妃殿下の侍女という肩書きに惹かれるのでしょうか。」
「つまらない未亡人ではありませんよ。
私は一度も貴女をそんな風に思ったことなどない。」
殿下が急に真顔になるのが分かった。
「えっ?」
「シャノン嬢。エリザベスから聞きました。
エリザベスが私達夫婦の事情を、シャノン嬢に打ち明けたと。」
……やはり私が知っては駄目なことだったのでは。
もしかして、この人気の無い場所で暗殺される…?
真顔の殿下が怖いわ。
「…は、はい。妃殿下からお聞きしました。」
「事情を知るなら問題はないですね…。
エリザベスと私は友人のような関係で、共に国を守るパートナーだと思っています。」
「は、はい。」
え?暗殺じゃなくて、また二人の話を聞くのかしら?
「それぞれが別に愛する人を求めていいという約束で、エリザベスは幼馴染の護衛騎士を情夫として側に置いています。」
「…ええ。」
「私はシャノン嬢に側にいて欲しい。
学生の頃から、ずっとシャノン嬢が好きでした。
私の側室になって頂けませんか?」
「……え?」
側室って言った?
妃殿下とのお茶会の翌日、王妃殿下からその話を振られて困る私。
「はい。妃殿下と有意義な時間を過ごすことが出来ました。」
「あの情夫も一緒だったのかしら?」
うっ。私の立場で、答えにくいことを聞かないで下さいませ。
「妃殿下が祖国から連れてきたという護衛騎士がいらっしゃいましたわ。」
「そう。エリザベスはアメリアに事情を話したということね…。」
……王妃殿下が怖いわ。
「妃殿下はとても明るく、気さくに話をして下さるお方でしたので、色々と話し込んでしまいましたわ。」
「…アメリア?そんなに怯えないでちょうだい。エリザベスと貴女が仲良くしてくれるのは、私も嬉しいのだから。
エリザベスはこの国に嫁いで来たばかりで、まだ友人も少ないでしょうから仲良くしてあげてちょうだい。」
王妃殿下のその言葉にホッとする私。
「私でよろしければ…。大切光栄でございます。」
「少し前に、高位貴族の夫人や令嬢をお茶会に招待してエリザベスに紹介したのだけれど、ダメだったのよね…。」
「え?それはどういうことでしょうか?」
「みんなルーカスの側室を狙っているようで、エリザベスに対しての態度が酷かったの。
後日、私から抗議の手紙を出したわ。エリザベスの母国からは、沢山の資源を供給してもらっているのに、もしエリザベスの国と揉めたら貴女の責任だとね。」
「それは災難でしたわね。」
望まない婚約者との結婚で、自分は不幸なつもりでいたけど、王族の政略結婚に比べたら、私の前の結婚なんて、何て小さなことなのだろう…。
今更気づいたことだった。
「慌てて令嬢達は謝罪をしてきたけれど、あの令嬢達はしばらくはお茶会に招待はしないわ。ルーカスも嫌っている令嬢達だったようだし。
この国は大国と言われているけど、資源は少なくて輸入に頼っている状態なのに。資源大国の王女だったエリザベスにあんな態度を取るなんて…、どんな教育を受けていたのかしら。」
知らない国に嫁いで来られて、側室を狙う令嬢達に疎まれて、妃殿下もお辛い立場なのね。あの幼馴染だという護衛騎士に助けられているに違いないわ。
「ところで、アメリアはまた結婚する気はないのかしら?」
突然、私に結婚の話を振る王妃殿下。
「私は結婚は望んでおりませんわ。今のまま、王妃殿下の所で働き続けていきたいと思っております。」
「そう…。勿体ないわね。」
その日のお昼休み。
一人で裏庭の隅にあるベンチで読書をしている時だった。
「シャノン嬢?」
この声は…?
どうしてこの方がこんな所に……
「殿下?どうしてお一人でこのような場所に?」
フードを深く被った王太子殿下に突然話しかけられる。
お忍びかしら?フード付きマントで、顔が見られないようにしているようだ。
「気分転換に散歩をしていたら、シャノン嬢が見えたので、声を掛けてしまいました。」
「殿下。お忍びかもしれませんが、護衛なしでは危険ですわ。」
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大丈夫ですよ。見えない所に護衛がいますから。」
笑った表情が……、とても危険だわ。
何となく顔が熱いような気がする。
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「はい。王宮のレストランは色々な方がいて落ち着きませんので。」
「…ああ。聞いたことがあります。城で働く者達がシャノン嬢に付きまとっていると…。
あまりに酷い時は私が対応しますから、その時は教えてくださいね。」
「ふふ!私のようなつまらない未亡人など、相手にする価値などないと思うのですが、王妃殿下の侍女という肩書きに惹かれるのでしょうか。」
「つまらない未亡人ではありませんよ。
私は一度も貴女をそんな風に思ったことなどない。」
殿下が急に真顔になるのが分かった。
「えっ?」
「シャノン嬢。エリザベスから聞きました。
エリザベスが私達夫婦の事情を、シャノン嬢に打ち明けたと。」
……やはり私が知っては駄目なことだったのでは。
もしかして、この人気の無い場所で暗殺される…?
真顔の殿下が怖いわ。
「…は、はい。妃殿下からお聞きしました。」
「事情を知るなら問題はないですね…。
エリザベスと私は友人のような関係で、共に国を守るパートナーだと思っています。」
「は、はい。」
え?暗殺じゃなくて、また二人の話を聞くのかしら?
「それぞれが別に愛する人を求めていいという約束で、エリザベスは幼馴染の護衛騎士を情夫として側に置いています。」
「…ええ。」
「私はシャノン嬢に側にいて欲しい。
学生の頃から、ずっとシャノン嬢が好きでした。
私の側室になって頂けませんか?」
「……え?」
側室って言った?
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