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未亡人になるまで
裏切りの後で
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「リア…、お前ももう12歳だ。私達が隠そうとしても、真実を知りたがるだろうし、私達が隠そうとすればする程に気になるだろう。
だから今回何があったのか、リアには正直に話すことに決めた。
でも、聞いていて辛くなったら、話すのを止めるから言って欲しい。」
お父様だけは、あの後バーネット伯爵家に残り、ブライアン様本人(旦那様)から話を聞いてから帰って来たようだった。
「…はい。」
「ブライアンは不貞行為をした。…リアという婚約者がいながら、他の女を自分の寝室に呼んだんだ。リアを裏切ったということだ。
相手の女は、あの邸で働いていた使用人のようだ。あの女に誘われたと言っていたが、それが真実かどうかは分からない。
ブライアンに身分違いの恋をしていた使用人が誘ったのかもしれないし、ブライアンが女性に興味を持って寝室に連れ込んだのかもしれない。
バーネット伯爵家では、あの女はクビにして、すぐに追い出すと言っていた。」
「旦那様!もしかして、あの使用人の女と付き合っていたのを引き離す為に、年下のリアに縁談を持って来たのではなくて?リアが年頃になる頃には、女遊びにも飽きてくるだろうと考えたとか?」
「そこまでは聞いていないが…、そんな風に考えることも出来るな。」
「リア…、どうしたい?お父様は、リアが望むようにして欲しいと思っている。」
「……婚約者を辞めたいです。」
「リア、お母様もそれでいいと思うわ。あんなモノを見せられて、許せるものですか!向こうから婚約したいと言いながら、あんな裏切りは許せませんわ!
婚約解消してもまだリアはまだ12歳ですから、やり直せます。」
「…リア、お兄様もそれでいいと思う。お前は、可愛いから、他にもっといい人が見つかるはずだ。」
「お父様、婚約解消をお願いします。」
「分かった。すぐにバーネット伯爵家にはそのように伝えよう。
……リア、すまないな。お父様が決めた婚約者は間違いだったようだ。次はリアを幸せにしてくれる人を探そうな。」
「もう婚約者はいりません…。」
子供ながらに好きだったから傷ついたし、信じていたから許せなかった。
しかし、まだ12歳の私だから良かったのだと思う。
後々振り返って感じたことだが、もしこの出来事が結婚適齢期で、結婚式まであと少しなんて時だったら、泣き叫んで寝込んでいたかもしれない。
今だから言えるのは、この出来事は天真爛漫で夢見がちで、世間知らずのお嬢様だった私の性格を大きく変えるきっかけにはなったと思う。
その後、お父様とお母様は、バーネット伯爵家に向かい、婚約解消の話をしに行ったのだが、なかなか同意を得られなかったようだった。
ブライアン様本人だけでなく、父である伯爵様まで婚約解消はしたくないと言っているようなのだ。慰謝料ならいくらでも払うし、結婚するまでまだ時間があるから、それまで償いをしていきたいと。
お父様とお母様は、騎士として駆け出しのブライアン様の醜聞にしたくないから婚約解消したくないのではと話していた。
私の心の傷のことも考えず、自分達の都合のことしか考えていないなんて…。
解消が無理なら婚約破棄にするしかないのだが、婚約破棄となると、かなりの醜聞になってしまう。女性にとって婚約破棄は痛手なのだ。
婚約解消の話が平行線のまま月日だけが過ぎていく。
そんな私は13歳になっていた。
だから今回何があったのか、リアには正直に話すことに決めた。
でも、聞いていて辛くなったら、話すのを止めるから言って欲しい。」
お父様だけは、あの後バーネット伯爵家に残り、ブライアン様本人(旦那様)から話を聞いてから帰って来たようだった。
「…はい。」
「ブライアンは不貞行為をした。…リアという婚約者がいながら、他の女を自分の寝室に呼んだんだ。リアを裏切ったということだ。
相手の女は、あの邸で働いていた使用人のようだ。あの女に誘われたと言っていたが、それが真実かどうかは分からない。
ブライアンに身分違いの恋をしていた使用人が誘ったのかもしれないし、ブライアンが女性に興味を持って寝室に連れ込んだのかもしれない。
バーネット伯爵家では、あの女はクビにして、すぐに追い出すと言っていた。」
「旦那様!もしかして、あの使用人の女と付き合っていたのを引き離す為に、年下のリアに縁談を持って来たのではなくて?リアが年頃になる頃には、女遊びにも飽きてくるだろうと考えたとか?」
「そこまでは聞いていないが…、そんな風に考えることも出来るな。」
「リア…、どうしたい?お父様は、リアが望むようにして欲しいと思っている。」
「……婚約者を辞めたいです。」
「リア、お母様もそれでいいと思うわ。あんなモノを見せられて、許せるものですか!向こうから婚約したいと言いながら、あんな裏切りは許せませんわ!
婚約解消してもまだリアはまだ12歳ですから、やり直せます。」
「…リア、お兄様もそれでいいと思う。お前は、可愛いから、他にもっといい人が見つかるはずだ。」
「お父様、婚約解消をお願いします。」
「分かった。すぐにバーネット伯爵家にはそのように伝えよう。
……リア、すまないな。お父様が決めた婚約者は間違いだったようだ。次はリアを幸せにしてくれる人を探そうな。」
「もう婚約者はいりません…。」
子供ながらに好きだったから傷ついたし、信じていたから許せなかった。
しかし、まだ12歳の私だから良かったのだと思う。
後々振り返って感じたことだが、もしこの出来事が結婚適齢期で、結婚式まであと少しなんて時だったら、泣き叫んで寝込んでいたかもしれない。
今だから言えるのは、この出来事は天真爛漫で夢見がちで、世間知らずのお嬢様だった私の性格を大きく変えるきっかけにはなったと思う。
その後、お父様とお母様は、バーネット伯爵家に向かい、婚約解消の話をしに行ったのだが、なかなか同意を得られなかったようだった。
ブライアン様本人だけでなく、父である伯爵様まで婚約解消はしたくないと言っているようなのだ。慰謝料ならいくらでも払うし、結婚するまでまだ時間があるから、それまで償いをしていきたいと。
お父様とお母様は、騎士として駆け出しのブライアン様の醜聞にしたくないから婚約解消したくないのではと話していた。
私の心の傷のことも考えず、自分達の都合のことしか考えていないなんて…。
解消が無理なら婚約破棄にするしかないのだが、婚約破棄となると、かなりの醜聞になってしまう。女性にとって婚約破棄は痛手なのだ。
婚約解消の話が平行線のまま月日だけが過ぎていく。
そんな私は13歳になっていた。
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