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プロローグ 2
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騎士団長を勤めていた旦那様は、魔物討伐に行った先で、部下を助けようとして自分が犠牲になってしまったようだ。
すぐに崖下を捜索するが、旦那様は見つからなかったらしい。崖下の川の流れは早く、部下を庇った時に怪我を負っていたから、生存は絶望的と判断された。
そんな状況でも、旦那様の部下達は諦めなかった。行方不明になってからも、1ヶ月以上捜索を続けてくれたのだ。
旦那様は、団員や友人達には好かれていた方だった…。
「奥様、大変申し訳ありませんでした…。
団長を…、団長が愛する奥様の元に連れて帰りたいと思いまして……っ、今まで捜索を続けておりましたが…、結局発見することが出来ませんでした。」
涙を流し、無念だというような表情で報告する副団長。
「……捜索する側も大変危険であったと聞いています。自らの危険を顧みず、旦那様の捜索にあたって下さった団員達には深く感謝いたしますわ。
旦那様は、あなた方のような素晴らしい部下に恵まれておりましたのね…。
副団長様、どうか顔を上げてください。旦那様の意思を引き継ぐ、あなた方の今後のご活躍をお祈り致しておりますわ。」
涙が流れていた…。
泣くつもりはなかったのに。
「………奥様、その言葉、団員達に私から伝えさせて頂きます。」
「副団長様、旦那様が庇ったという団員にこれを渡して頂けますか?」
「これは…、騎士団のピンズ。もしかして、団長のでしょうか?」
「ええ。旦那様が最後まで守り抜こうとしたその団員にお渡し下さい。
彼が今後も騎士として活躍できるように…。副団長様、よろしくお願い致しますわ。」
「団長の大切な形見を頂けるなんて…。
分かりました。これは、私から責任を持って渡すように致します。
奥様、最後になりますが、団長は早く魔物討伐を終えて、奥様の所に帰りたいと…話…して、……っ。」
「…副団長様、これで涙をお拭き下さい。
今はお互い辛いですが…、副団長様の背中を追いかける若い騎士達の為に、涙を拭いて、前を向いていきましょうか。
副団長様、今後の騎士団をよろしくお願い致しますわ…。」
奥様の為にも精一杯やらせて頂きますと言って、副団長は帰って行った。
「…ふっ。……ふふ。…あははっ!」
部屋に1人になった私は笑いが止まらなくなってしまった。
奥様の所に早く帰りたい?どこにお住まいの奥様の話なのかしら?あの人の愛なんて信じられないわ。
婚約を解消したいと何度言っても、認めてくれずに、私の人生を無駄にした憎い旦那様…。
3年子ができなければ、この国では離縁できると聞いて、初夜からずっと隠れて避妊薬を飲み続けていたのに、まさかこんな風に亡くなられるとは…。
最後まで人に迷惑をかける旦那様でしたわね…。
こんな終わり方で旦那様と離れることが出来るなんて、考えてもいなかったわ。
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