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第1章 新人編
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【前書き】
あらすじにあるとおり、今作は「白雪姫症候群ースノーホワイト・シンドロームー」の外伝となっております。
本編を読まなくても楽しめるように物語は進行していきますが、読んでいないと一部わかりずらいところが発生してきます。
それでも問題ないよということであれば、そのまま物語をお楽しみください(*´▽`*)
不安だよということであれば、ぜひ本編(第1部まで)をお読みいただけたらなと思います!
それでは、お楽しみください!!
『【外伝】白雪姫症候群 ―スノーホワイト・シンドローム―』スタートです('◇')ゞ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
少年は路地裏に身を隠し、作戦の開始を待っていた。
『キリヤ君、3分後に作戦開始だよ』
キリヤと呼ばれた黒髪の少年は、無線の少女から開始時間を知らされる。
「わかった」
キリヤは少々緊張した声で無線の少女に返した。
『大丈夫? なんか、声震えてない?』
キリヤの声がいつもと違うことを悟った少女は、心配そうにそう告げる。
「だ、大丈夫。たくさん訓練したし、問題ない」
『あはは! まあ何かあれば、私もフォローするから、気楽にいこうよ!』
「う、うん。わかったよ、優香」
(任務の時ってなんだかいつも楽しそうなんだよね、優香ってさ)
自分とは反対になぜか生き生きとする優香を少し羨ましく思うキリヤ。
僕も優香のような鋼のメンタルがほしいものだ、とキリヤは心の中でそう思ったのだった。
『……そろそろ行くよ?』
「うん!!」
そしてキリヤたちは作戦を開始する。
***
20XX年。この世界には、『白雪姫症候群』という超常現象が確認された。
それは10代のうちに起こることが多く、主に思春期の少年少女に起こる不思議な現象だった。空を飛んだり、水や火を操ったりと、普通の人間にはとてもできないようなことができる異能力。
この物語は『白雪姫症候群』の力を宿した桑島キリヤと同じく能力をやどした少女、糸原優香の挑戦と戦いの記録――。
3月で学生を終えたキリヤは、暮らしていた危険度S級クラス保護施設を出て、『白雪姫症候群』の研究をしている研究所にある特別機動隊『グリム』の一員となった。
望まずに『白雪姫症候群』の力を得てしまった子供たちは、その力で無関係の人を巻き込む事件を引き起こしてしまったり、悪人に利用されたりすることが多い。
キリヤの所属する『グリム』という組織は、そう言った能力者たちの救出と更生を目的に陰ながら活動しており、能力者を利用する不当な大人たちが引き起こす事件を解決するための組織である。
そしてその活動は簡単な調査だけではなく、時には危険を伴う事もある為、行動時は常に2人体制であることが決められていた。
そんなキリヤと共に行動するパートナーは、学生時代からの友人の糸原優香。頭脳明晰、スポーツ万能。少し意地が悪いところはあるけれど、キリヤにとってはとても頼りがいがあって信頼している存在だった。
***
「僕一人だったら、きっと今頃ここにはいられないんだろうな……」
キリヤは任務の傍らで昔のことを思い出しながら、いつもそばにいてくれる優香の存在をありがたく思っていた。
『――キリヤ君? 聞いてる??』
「あ、うん。ごめん!!」
今は昔に浸っている場合じゃないよね! 目の前の任務に集中しないと――
そしてキリヤは立ち上がり、走り出した。
これからどんな世界が待っているのかわからないけれど、僕は僕にできることをしよう。能力者の子供たちを救いたいという、僕の願いを叶えるために。
そう思いながら、キリヤは今日も任務に挑むのだった――。
あらすじにあるとおり、今作は「白雪姫症候群ースノーホワイト・シンドロームー」の外伝となっております。
本編を読まなくても楽しめるように物語は進行していきますが、読んでいないと一部わかりずらいところが発生してきます。
それでも問題ないよということであれば、そのまま物語をお楽しみください(*´▽`*)
不安だよということであれば、ぜひ本編(第1部まで)をお読みいただけたらなと思います!
それでは、お楽しみください!!
『【外伝】白雪姫症候群 ―スノーホワイト・シンドローム―』スタートです('◇')ゞ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
少年は路地裏に身を隠し、作戦の開始を待っていた。
『キリヤ君、3分後に作戦開始だよ』
キリヤと呼ばれた黒髪の少年は、無線の少女から開始時間を知らされる。
「わかった」
キリヤは少々緊張した声で無線の少女に返した。
『大丈夫? なんか、声震えてない?』
キリヤの声がいつもと違うことを悟った少女は、心配そうにそう告げる。
「だ、大丈夫。たくさん訓練したし、問題ない」
『あはは! まあ何かあれば、私もフォローするから、気楽にいこうよ!』
「う、うん。わかったよ、優香」
(任務の時ってなんだかいつも楽しそうなんだよね、優香ってさ)
自分とは反対になぜか生き生きとする優香を少し羨ましく思うキリヤ。
僕も優香のような鋼のメンタルがほしいものだ、とキリヤは心の中でそう思ったのだった。
『……そろそろ行くよ?』
「うん!!」
そしてキリヤたちは作戦を開始する。
***
20XX年。この世界には、『白雪姫症候群』という超常現象が確認された。
それは10代のうちに起こることが多く、主に思春期の少年少女に起こる不思議な現象だった。空を飛んだり、水や火を操ったりと、普通の人間にはとてもできないようなことができる異能力。
この物語は『白雪姫症候群』の力を宿した桑島キリヤと同じく能力をやどした少女、糸原優香の挑戦と戦いの記録――。
3月で学生を終えたキリヤは、暮らしていた危険度S級クラス保護施設を出て、『白雪姫症候群』の研究をしている研究所にある特別機動隊『グリム』の一員となった。
望まずに『白雪姫症候群』の力を得てしまった子供たちは、その力で無関係の人を巻き込む事件を引き起こしてしまったり、悪人に利用されたりすることが多い。
キリヤの所属する『グリム』という組織は、そう言った能力者たちの救出と更生を目的に陰ながら活動しており、能力者を利用する不当な大人たちが引き起こす事件を解決するための組織である。
そしてその活動は簡単な調査だけではなく、時には危険を伴う事もある為、行動時は常に2人体制であることが決められていた。
そんなキリヤと共に行動するパートナーは、学生時代からの友人の糸原優香。頭脳明晰、スポーツ万能。少し意地が悪いところはあるけれど、キリヤにとってはとても頼りがいがあって信頼している存在だった。
***
「僕一人だったら、きっと今頃ここにはいられないんだろうな……」
キリヤは任務の傍らで昔のことを思い出しながら、いつもそばにいてくれる優香の存在をありがたく思っていた。
『――キリヤ君? 聞いてる??』
「あ、うん。ごめん!!」
今は昔に浸っている場合じゃないよね! 目の前の任務に集中しないと――
そしてキリヤは立ち上がり、走り出した。
これからどんな世界が待っているのかわからないけれど、僕は僕にできることをしよう。能力者の子供たちを救いたいという、僕の願いを叶えるために。
そう思いながら、キリヤは今日も任務に挑むのだった――。
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