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恋だとか、痛みだとか、サボりだとか
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ジリジリと暑い夏。
私はピアスを開けた。よく考えたらこんな汗をかくような季節にする事ではないのに。
でも今、開けたかった。あの人に少しでも近づきたかったから。
少し太いファーストピアスが刺さる耳たぶはたまにヒリヒリするけれど、これがあの人と同じ痛みなのかもしれないと思ったら、それも嬉しかった。そんな事に喜びを感じてしまうなんて、思いもしなかった。これは私が大人になったのか、それともただ青春とやらを拗らせているだけなのか。
その人は先生にしては珍しくピアスをしていた。多分普通の学校ならダメだっただろう。でもこの学校は髪を染めるのもピアスを開けるのも自由。全て自己責任。この自由とはある程度の見守りの中で社会の仕組みや反応を試してみる事ができる。別にそれが目当てで入学した訳ではなかったが、それも一つの魅力であった事は確か。
可能性と選択肢はあればあるだけいい。それだけ試せるし、迷えるし、自分を見つけられるかもしれないから。
私はピアスを開けた。よく考えたらこんな汗をかくような季節にする事ではないのに。
でも今、開けたかった。あの人に少しでも近づきたかったから。
少し太いファーストピアスが刺さる耳たぶはたまにヒリヒリするけれど、これがあの人と同じ痛みなのかもしれないと思ったら、それも嬉しかった。そんな事に喜びを感じてしまうなんて、思いもしなかった。これは私が大人になったのか、それともただ青春とやらを拗らせているだけなのか。
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