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閑話
男装の麗人と嫉妬の嵐
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女子会で話題になったのは男装の麗人である、
ユーレイル様。
嫉妬深い夫がいるから男性を見てきゃあきゃあ
騒ぐことはできないけど、女性ならばということで
婦女子に人気の《女性》だ。
王族には女性がおり、女性ならではの用事に男性が
付き添うのは………ということで設置されたのが
通称《白薔薇騎士団》。
近接戦闘を得意とした者と遠距離戦闘を得意とした者の混成集団で、遠近両方において高い戦闘能力を
有している。
通称《白薔薇騎士団》で最も行動が男性らしく、
中性的な顔立ちをしているユーレイル様。
他にもそういうような感じの女性はいるし、
そこそこ人気はあるが、ユーレイル様が断トツ!
「ユーレイル様ぁ!」
「きゃあ!こっち向いたわ!」
「ユーレイル様、カッコいい!!!」
男と女で訓練場所は少し離れているけど
それでも聞こえてくる女性の歓声。
番がいない者もおり、俺もとか思ったりするのだが
嫉妬に狂った奴に半殺しにされる未来しか見えない。
というか半殺しで済むのかな?
番がいる男は女性ならば容認という考えで
多少は嫉妬するものの、スルーしている。
「ユーレイル様、カッコいいわあ。」
「心が狭い番の男を伴侶に持ったんだもの。
これくらいの楽しみは許容してほしいわ。」
「そうよね。」
その頃のイディオスの執務室。
手伝いの文官はぷるぷると震えながらも業務を忠実にこなしていた。
何でぷるぷる震えているか、って?
それはイディオスが青筋を浮かべながら、
鬼の形相で仕事をしているから。
こうして感情を表すのは番のことだろう。
書類ストップしてでも早く番の所へ行って機嫌を
直してほしい。
そう言おうにもその怒り?がこっちに向かいそうで
言えない。
トントントン
「イディオス、入るよ?」
天の救いが来た!王子を呼び捨てにしているってことは王族か。
「わあ、荒れてるね。」
「何の用だ、兄上。」
王太子殿下だった。イディオス様が本気で暴走したら
王太子殿下1人では止められないが、
今は暴走はしていないので何とかなるだろう。
「ん~、魔力の乱れを感じてね。
イディオス方面だったから確認しに来たわけ。
どうせ番関連でしょ?」
「………そうだ。」
「母上と一緒にいるって聞いたよ。
心配することなんて無いんじゃないかな。」
「行った場所が問題なんだ!!
白薔薇とはいえ騎士団の訓練を見に行ったんだぞ!!!
落ち着いていられるものか!」
うわあ。地雷を踏み抜いちゃったよ、王太子様。
完全にプッツンしている。
「イディオス、番持ちの先輩として1つの忠告をする。
………男以外のことは寛容であれ。
あまり束縛しすぎると変なところで爆発しかねんからな。」
そう言って去って行った。
この状態のイディオス様を放置したままにしないで
ほしかったなあ!
「………………殿下。」
「何だ?」
今の状態のイディオス様に声をかける猛者がいた。
「女性というのは寛容な男に惚れるものですよ。」
「ほお、狭量な自分は嫌われていると言いたいのか?」
「いえ。寛容な男をアピールすることで女性からは
《優しいのね。》という評価をいただけます。
束縛するだけでなく寛容な姿勢を見せることで
より仲が深まるものかと思います。
出すぎた発言、失礼いたしました。」
お前、勇者だよ。あの状態のに話しかけられるなんて
勇者確定だよ!
その日の夜、イディオスはセシリアと膝を詰めて
話すことにした。
「リア、話がある。」
「なあに?」
「白薔薇騎士団についてだ。」
「まあ!ユーレイル様のこと?カッコよくて、憧れなの。」
「……………今後一切とは言わないが、白薔薇騎士団の
見学をひかえてくれ。」
「何で?相手は女性よ。」
「女性であってもだ。リアが好きで好きで堪らないんだ。そんなリアがあれほどにも入れ込んでいる人がいるなんて…………嫉妬でおかしくなりそうだ。」
「嫉妬だなんて、馬鹿ねえ。
ユーレイル様は女性だし、愛しているのはイオだけよ。
私はユーレイル様の凛とした姿勢が好きで、
そうなりたいと思っているの。」
「…………そうか。」
「イオがそういうならユーレイル様に会うのはひかえるわね。ても時々でいいから見に行くことを許してほしいわ。」
「時々、なら。」
「ありがとう!さ、寝ましょ?」
一悶着あったものの、無事めでたしめでたしで
終われたのでした。チャンチャン、お仕舞い。
ユーレイル様。
嫉妬深い夫がいるから男性を見てきゃあきゃあ
騒ぐことはできないけど、女性ならばということで
婦女子に人気の《女性》だ。
王族には女性がおり、女性ならではの用事に男性が
付き添うのは………ということで設置されたのが
通称《白薔薇騎士団》。
近接戦闘を得意とした者と遠距離戦闘を得意とした者の混成集団で、遠近両方において高い戦闘能力を
有している。
通称《白薔薇騎士団》で最も行動が男性らしく、
中性的な顔立ちをしているユーレイル様。
他にもそういうような感じの女性はいるし、
そこそこ人気はあるが、ユーレイル様が断トツ!
「ユーレイル様ぁ!」
「きゃあ!こっち向いたわ!」
「ユーレイル様、カッコいい!!!」
男と女で訓練場所は少し離れているけど
それでも聞こえてくる女性の歓声。
番がいない者もおり、俺もとか思ったりするのだが
嫉妬に狂った奴に半殺しにされる未来しか見えない。
というか半殺しで済むのかな?
番がいる男は女性ならば容認という考えで
多少は嫉妬するものの、スルーしている。
「ユーレイル様、カッコいいわあ。」
「心が狭い番の男を伴侶に持ったんだもの。
これくらいの楽しみは許容してほしいわ。」
「そうよね。」
その頃のイディオスの執務室。
手伝いの文官はぷるぷると震えながらも業務を忠実にこなしていた。
何でぷるぷる震えているか、って?
それはイディオスが青筋を浮かべながら、
鬼の形相で仕事をしているから。
こうして感情を表すのは番のことだろう。
書類ストップしてでも早く番の所へ行って機嫌を
直してほしい。
そう言おうにもその怒り?がこっちに向かいそうで
言えない。
トントントン
「イディオス、入るよ?」
天の救いが来た!王子を呼び捨てにしているってことは王族か。
「わあ、荒れてるね。」
「何の用だ、兄上。」
王太子殿下だった。イディオス様が本気で暴走したら
王太子殿下1人では止められないが、
今は暴走はしていないので何とかなるだろう。
「ん~、魔力の乱れを感じてね。
イディオス方面だったから確認しに来たわけ。
どうせ番関連でしょ?」
「………そうだ。」
「母上と一緒にいるって聞いたよ。
心配することなんて無いんじゃないかな。」
「行った場所が問題なんだ!!
白薔薇とはいえ騎士団の訓練を見に行ったんだぞ!!!
落ち着いていられるものか!」
うわあ。地雷を踏み抜いちゃったよ、王太子様。
完全にプッツンしている。
「イディオス、番持ちの先輩として1つの忠告をする。
………男以外のことは寛容であれ。
あまり束縛しすぎると変なところで爆発しかねんからな。」
そう言って去って行った。
この状態のイディオス様を放置したままにしないで
ほしかったなあ!
「………………殿下。」
「何だ?」
今の状態のイディオス様に声をかける猛者がいた。
「女性というのは寛容な男に惚れるものですよ。」
「ほお、狭量な自分は嫌われていると言いたいのか?」
「いえ。寛容な男をアピールすることで女性からは
《優しいのね。》という評価をいただけます。
束縛するだけでなく寛容な姿勢を見せることで
より仲が深まるものかと思います。
出すぎた発言、失礼いたしました。」
お前、勇者だよ。あの状態のに話しかけられるなんて
勇者確定だよ!
その日の夜、イディオスはセシリアと膝を詰めて
話すことにした。
「リア、話がある。」
「なあに?」
「白薔薇騎士団についてだ。」
「まあ!ユーレイル様のこと?カッコよくて、憧れなの。」
「……………今後一切とは言わないが、白薔薇騎士団の
見学をひかえてくれ。」
「何で?相手は女性よ。」
「女性であってもだ。リアが好きで好きで堪らないんだ。そんなリアがあれほどにも入れ込んでいる人がいるなんて…………嫉妬でおかしくなりそうだ。」
「嫉妬だなんて、馬鹿ねえ。
ユーレイル様は女性だし、愛しているのはイオだけよ。
私はユーレイル様の凛とした姿勢が好きで、
そうなりたいと思っているの。」
「…………そうか。」
「イオがそういうならユーレイル様に会うのはひかえるわね。ても時々でいいから見に行くことを許してほしいわ。」
「時々、なら。」
「ありがとう!さ、寝ましょ?」
一悶着あったものの、無事めでたしめでたしで
終われたのでした。チャンチャン、お仕舞い。
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