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王妃様とのお茶会
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「リア、くれぐれもくれぐれも気を付けるんだよ?」
「イディオス、私はそんなに信用がないのですか?」
「ええ、母上ですから。」
「イオ、王妃様が変なことをするわけないじゃない。
大丈夫だから、魔導師団の訓練に行っておいで?」
「………何かあったら念話をするんだぞ?」
王妃様の目の前だというのに、イオにしつこいほど
念押しされた。
「ふー。」
「ふふふ、愛されているのね。」
「………そうですね。」
「何かあるみたいね。
美味しいお菓子が悪くなっちゃうし、食べてから聞くわ。」
この世界の食の文化は日本には劣るけれども、
それなりには進んでいる。
砂糖がやはり高価で、庶民はなかなか食べれない。
フルーツ食べ放題なんて夢のまた夢だ。
お茶会だからなのか、全て小さめに作られている。
「ふふふ、美味しそうに食べてくれて嬉しいわ。」
「こんな美味しいスイーツが食べれるなんて、
幸せです。」
何種類か食べたので、お茶を飲んで一息つく。
王妃様が話を切り出してきた。
「それで、何を悩んでいるのかしら?」
「……イオは本当に私を好きなのかなって。」
「何を言っているの。
貴女が番でなければあの子はあんなに執着しないわ。」
「その番というのも誤認識なんじゃ無いかと思えて。
だって、あんなにイケメンな人が私に「リアだけを愛している」って言ってくるんですよ?
ちょっと信じられなくて……。」
「のろけね。」
「え!?のろけなんかじゃないですよ。」
「今の話のどこがのろけじゃないのかしらね。
貴女はイオのことをどう思っているの?」
「かっこよくて、優しくて、私には過ぎた人です。」
「じゃあ、あの子の隣に貴女じゃない人が立っていたら、どう?」
「………嫌です。」
「うんうん、それは嫉妬よ。」
「え!?」
「貴女は嫉妬をしたの。
つまりはあの子のことが好きだということ。」
「………。」
私はイオが好きだったのか。
嫌いだったら「あーん」とか、膝抱っことか、
ぎゅーって抱き締められるのも嫌がるもんね。
今思うと凄く恥ずかしい。
「ふふふふ、イディオスが来たわよ。」
そんな手には引っ掛かんないんだから。
私を動揺させるためにイオが来たなどと嘘をついたのだろう。
今イオに会ったら挙動不審な態度を取りそう。
「リア!」
「え、イオ!?」
本当にイオが来てた。
ううう、好きだって自覚したからか顔を見れない………。
「リア、こっちを見て。」
「む、無理!」
「何で?俺のことが嫌いになった?」
「違うの!とにかく無理なの。」
「…………母上に何か言われたのか?」
ギックーン
「母上、リアに何を言ったのです。」
「ほほほほ、ただ自覚させただけよ。
私はもう部屋に戻るわね。」
「母上!」
帰ってしまった。
こんなところに残して行かないでよ。
「リア、冷えるから部屋に戻ろう。」
ほっ
「話はそれからだ。」
腰のところをがっちりと抱き締められていて、
逃げられやしない。
結局、今日のお茶会で王妃様と話したことを全部話させられました。
~作者から~
セシリアがイディオスへの恋心を自覚するところまでの
道のりが、強引すぎたかな?
これからもよろしくお願いしますね!
「イディオス、私はそんなに信用がないのですか?」
「ええ、母上ですから。」
「イオ、王妃様が変なことをするわけないじゃない。
大丈夫だから、魔導師団の訓練に行っておいで?」
「………何かあったら念話をするんだぞ?」
王妃様の目の前だというのに、イオにしつこいほど
念押しされた。
「ふー。」
「ふふふ、愛されているのね。」
「………そうですね。」
「何かあるみたいね。
美味しいお菓子が悪くなっちゃうし、食べてから聞くわ。」
この世界の食の文化は日本には劣るけれども、
それなりには進んでいる。
砂糖がやはり高価で、庶民はなかなか食べれない。
フルーツ食べ放題なんて夢のまた夢だ。
お茶会だからなのか、全て小さめに作られている。
「ふふふ、美味しそうに食べてくれて嬉しいわ。」
「こんな美味しいスイーツが食べれるなんて、
幸せです。」
何種類か食べたので、お茶を飲んで一息つく。
王妃様が話を切り出してきた。
「それで、何を悩んでいるのかしら?」
「……イオは本当に私を好きなのかなって。」
「何を言っているの。
貴女が番でなければあの子はあんなに執着しないわ。」
「その番というのも誤認識なんじゃ無いかと思えて。
だって、あんなにイケメンな人が私に「リアだけを愛している」って言ってくるんですよ?
ちょっと信じられなくて……。」
「のろけね。」
「え!?のろけなんかじゃないですよ。」
「今の話のどこがのろけじゃないのかしらね。
貴女はイオのことをどう思っているの?」
「かっこよくて、優しくて、私には過ぎた人です。」
「じゃあ、あの子の隣に貴女じゃない人が立っていたら、どう?」
「………嫌です。」
「うんうん、それは嫉妬よ。」
「え!?」
「貴女は嫉妬をしたの。
つまりはあの子のことが好きだということ。」
「………。」
私はイオが好きだったのか。
嫌いだったら「あーん」とか、膝抱っことか、
ぎゅーって抱き締められるのも嫌がるもんね。
今思うと凄く恥ずかしい。
「ふふふふ、イディオスが来たわよ。」
そんな手には引っ掛かんないんだから。
私を動揺させるためにイオが来たなどと嘘をついたのだろう。
今イオに会ったら挙動不審な態度を取りそう。
「リア!」
「え、イオ!?」
本当にイオが来てた。
ううう、好きだって自覚したからか顔を見れない………。
「リア、こっちを見て。」
「む、無理!」
「何で?俺のことが嫌いになった?」
「違うの!とにかく無理なの。」
「…………母上に何か言われたのか?」
ギックーン
「母上、リアに何を言ったのです。」
「ほほほほ、ただ自覚させただけよ。
私はもう部屋に戻るわね。」
「母上!」
帰ってしまった。
こんなところに残して行かないでよ。
「リア、冷えるから部屋に戻ろう。」
ほっ
「話はそれからだ。」
腰のところをがっちりと抱き締められていて、
逃げられやしない。
結局、今日のお茶会で王妃様と話したことを全部話させられました。
~作者から~
セシリアがイディオスへの恋心を自覚するところまでの
道のりが、強引すぎたかな?
これからもよろしくお願いしますね!
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