私、のんびり暮らしたいんです！

効率のよい魔法放出方法1

風邪による高熱は1週間程度で収まった。
だが、「一時的なものかもしれない。」とイオがベッドから出ることを許可してくれなかったため、
結果的には2週間くらいはベッドのお世話になっていた。

いつもベッドでごろごろしているから、
いつもの状況と変わらないのだけれど。



「眠くない………。」



この約2週間、たっぷりと寝たからか、全く眠くない。
目がぱっちりと覚めていて、シーツをかぶって目をつむるんだけど、寝むれない。

仕方ないので、起きることにした。

さて、神様の言っていた通り、魔力を使用しないと。



こんこんこん



「はーい！」



入ってきたのはイオだった。
そうだ！イオに沢山魔力を使う、攻撃系の魔法じゃない魔法を教えてもらおう！



「ねー、イオ。」


「何だ？」


「沢山魔力を使う魔法って何？攻撃系以外で。」


「そうだな、治癒魔法を広範囲でかけることかな？
元々治癒魔法は消費魔力は多いんだが、広範囲で使用することによって更に消費魔力量が上がる。」


「この城に怪我人なんてそんなにいないでしょ？
他は？」


「そうだな。治癒魔法が駄目となると、あとは広範囲の結界か、魔石生成くらいだ。」


「魔石の生成？」


「ああ。過去に魔石を生成したという王族がいたんだが、生成方法を書き記しておらず、今もなお、研究されている。」


「へえ。魔石が採取される場所ってどこ？」


「普通の山だ。
それなりに高さはあるけれど、高いとは言いがたい。」


「近くに火山があったりしない？」


「ああ、あるな。」


「ふーん、ちょっと実験してみる！」



いつもの場所で試してみよう。

それなりに高さがある山の中ということは、それなりに圧力がかかっているということだ。
火山が近くにあるということは、魔石生成の際に、
熱が加えられているということだ。
[魔]石ということは、石には魔力が込められているということだろう。

以上の点を踏まえて、実験開始！！



「先ずは魔力を放出。」



沢山魔力を使わないとだから、1割くらいでいいか？
おおっ、ごそっと減った！



「熱を加えながら、圧縮。」



むむむむ、むん！

失敗した。
もう少し火力や使用魔力量を上げてみよう。
今度は3割で。



「魔力を放出、熱を加えながら、圧縮！」



むむむむむむむ、むんっ！

出てきたのは、縦5メートル、横2メートルくらいの
巨大な魔石だった。
些か巨大なものの、魔石の生成には成功したと言えるだろう。
ん、鑑定してみたら、[高密度高純度魔鋼石]と出てきた。
………無視無視。

お、イオではないですか。
イケメンがぽかんと口を開けながら、立っている。
他の人達も。デジャブ？



「イオーー！」



ぎゅむっ

いきなり突進してもぐらついたりはしない。
いい香りがする。
くんかくんかする。



「もう驚かない。
リアの規格外な行動には慣れたぞ。」



だから、イオがぼそっと呟いた言葉は聞こえなかった。









～作者から～
魔石は魔道具を作るために必要な物です。
大きさによって込められる魔力量が違い、