私、のんびり暮らしたいんです!

クロウ

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夢の中

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神様の話に乗せられて異世界に来てしまったが、
元の世界への未練はあまりない。

家族、友人の顔はぼんやりとは思い出せるのだけれど、
決定的に思い出せたわけではないし、名前すらも思い出せない。



「ヤッホーです!」


「うわ……。」


「もうひどいな、楓ちゃんったら!」


「こういうやり取りはいいから、さっさと本題を話してくれる?
転生をしてから1度も接触がなかったのに今になって
こうやって現れたからには、何かしらの理由があるんでしょ?」



ああ、面倒だ。
いつもみたいに寝させてくれればいいのに。



「色々と便利な機能をつけてあげたよね。」


「うん。」


「魔力が多すぎて人の身には害なんだ。
定期的に魔力を使用してほしいって言うのを伝え忘れてね。」


「どうせ様子は見てるんでしょ?
寝る時は防音とか防御の結界を張ってるし、
移動するのが面倒だから転移の魔法を使ってる。
で、本当の用事は?」


「……世界の魔素の調整。
魔素が満ちすぎず、かといって少なすぎないように調整してほしい。」


「ふーん。」


「世界の魔素は膨大な量になる。
故に身体に負担がかかり、睡眠の量が増えたんだ。」


「そゆこと。
いくら私が寝ることが好きでも、あんなに寝れるのはおかしいって思ったんだよね。
寝すぎると眠りにつきにくくなるとか言うじゃん?」


「………こちらの都合で迷惑をかけている以上、
何もしないわけにはいかない。
周囲の環境を整えたりと出来る限りのことはしている。
今後も何かしてほしいことがあったら、言って。」


「ありがとね。」


「じゃあ、これで………。」



目が覚めた。
イディオスさんはソファーで寝ている。
一緒のベッドで寝ると我慢できなくなると力説されて、
私が折れた。
かなり大きいのだからぶつかったりしないだろうに。

私を番と認識しているのは神様の設定のせいなのか。
私に迷惑をかけているお詫びにと、王族の比護下に置かせようとそう設定したのか。

裏切ってるみたいで後ろめたくなる。

と、後ろからぎゅっと抱き締められた。



「イディオス様?」


「イオでいいよ。愛しの番。」



私みたいな子供のどこが好きなのか。
王子で見目が麗しいから選び放題だろうに。



「何を悩んでいるの?」


「………。」


「……今は何も言わなくていい。
だけど、いつかはその思いを打ち明けてほしい。
本当に君のことが心から好きなんだ。」



その一言で吹っ切れたわけではないが、
少しだけ心が軽くなった。









~作者から~
ネタが切れてきた!
せめて5万文字はいきたいです!!
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