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皇女の到着

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やっと王国の王都に到着した。
王国の領土は広すぎるし、陣で移動できないから馬車での移動だったしで大変だった。

私は皇女であるがゆえに王都の宿屋ではなく、
王城の一室に泊まることになっている。



「ふふふ、私こそが貴方に相応しいのだと皆に知らしめないと。」



長旅なため動きやすいドレスを着ていたが着替えよう。
職人が私には赤色が似合うと言うので、赤っぽい色のドレスを沢山新調させた。

髪は先っぽだけ縦ロールにすることにした。

白粉は真珠の粉末入りの高級な物。
高いけれど化粧ののりがいいし、粉末を入れないよりも白っぽく見えるのだ。

紅は薔薇の油分を入れた物。
薔薇から抽出される油分は少なく、1万本くらいの薔薇を使って、やっと小さい瓶1本分になる。
それだけ手に入れるのが大変なのだが、その分効果は高い。
保湿は勿論、香りがほのかに香るのだ。
香水は別に振りかけるけど。



「私は城内を散歩しているわ。」



先程から城の中を歩いているのだが、皆に注目をされている。
チラチラと此方を見ている男性が複数いる。



(私は美しいもの。
目を奪われるのは仕方がないことだわ。)



実際は濃い化粧と離れていても匂ってくる強烈な香水の匂いに眉をひそめているのだが。

王子は魔導師団員だそうだから、訓練場にいるのだろうか。
無駄骨になったら嫌だから、使用人に聞くことにした。



「そこのあなた。」



それなりに見目がよく、貴族らしい男性がいたので声をかけた。



「あなたに私をイディオス様の元へと案内する栄誉を
与えるわ。」


「………申し訳ありませんが、王子様は仕事等で常々移動されております。故に何処にいるか分からないのです。
申し訳ありません。
(この人が噂の我が儘皇女様か。俺は貴族の正装をしているんだがな。
よくそんな上から目線で対応できるな。)」


「あら、そう。
じゃあ、分かる方の所まで案内して頂戴。」


「申し訳ありませんが王に謁見するために城へと来たのです。時間が押していますのでこれで失礼致します。
(逃げるが勝ちだ!というか、これ、王子に報告した方がよくないか?)」



それから何人かに声をかけたのだが仕事が急がしいだの、王子の居場所は分からないだの、
結局は聞き出せなかった。



「もういいんだからっ!
魔導師団の訓練場に行くわ!」



魔導師団の訓練場の場所は行ったことがあるので分かる。
その場所へと向かうのだが、一向に着かない。
歩けども歩けどもあてがわれた自室に戻ってくる。

魔導師団のエリート達が城に[皇女が無闇に出歩き、
騒ぎを起こさないように]幻術をかけているのだが、
皇女は知るよしもない。
何でか聞こうにも会いに行けないのだから。










~作者から~
食欲不振で7月くらいから体重が4㎏も減りました!
水分を飲みすぎても水太りで体重が増えてしまうので、
飲み物を飲むのは最低限に。

皆さんも体調を崩したりしないように!
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