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密談
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夕食後、王子にと用意された部屋に騎士達が集まっていた。
「特に変わりはなかったか?」
「そうですね。森に近いというのに被害は全くと言っていいほど無いですね。
作物はよく実っており、食料面は問題ないかと。
まあ、実りすぎてるのが難点ですかね。」
「実りすぎてる?」
「村の人数がそんなに多くないのにあんなに実っていては、消費が追いつかないだろうということです。
商人は滅多に此方に来ないらしいので、売るに売れなく、長期保存できるように加工していると。」
「ほう。では、次。」
「俺はそうっすね、村人の衣服の質がいいことくらいですかね。シルクスパイダーの糸を紡いで作ったやつを着ていた人ましたよ。」
「王族でもなかなか手に入れることのできないシルクスパイダーの糸を、か。一応、聞いておいてくれ。」
「りょーかい!」
「………。」
「どうしたんだ、アレク。」
いつも静かで無表情な幼馴染みのアレクが眉間に皺を寄せ、何かを考えている。
何をしても無表情なアレクがそんな顔をしていることが珍しく、声をかけた。
「いや、な、ローブをかぶった人がいたんだ。」
「ローブ?」
「ローブを着た人なんて珍しくないだろ。
辺境の村では数こそ少ないものの、いないわけじゃないじゃないか。」
「それだけだったら悩むわけがない。
問題はローブの質だ。」
「シルクスパイダーの糸の件みたいに、高級なものが使われてるとか?」
「ああ。鑑定妨害をされていて材料が何かは調べられなかったが、少なくとも金貨数10枚はするだろう。
鑑定が妨害されているということは、そういう系統の付与がしてあるか、または本人がそういうスキルを持っているかだ。」
「んー、なんか不思議な村だね。
少なくとも1人はこの村に手練れがいると考えるべきだ。」
「幸い3日は滞在する。
その間は油断せず、視察をするように。」
「「「はっ!」」」
次の日、村の中を歩き回ってみたが、ローブを着ている人はいなかった。
だが、シルクスパイダーの糸を使った服を着ている人を見つけた。事情を聞いてみる。
「すいません。」
「あ、はい。何でしょうか?」
「……随分と質のいい服を着ているなと思いまして。
できれば素材を売ってほしいのですが。」
魔力が多い。上位貴族並みだろう。
どうしてこんなところにいるのか。
それはおいおい聞いていくとしよう。
「ごめんなさいねえ。
キングシルクスパイダーの糸は希少なのよ。
売ることは出来ないの。」
キングシルクスパイダー!?
シルクスパイダーでさえかなり希少なのに。
ほんの少しだけでも欲しい。
「少しだけでも。」
「んー、シルクスパイダーの糸なら多少はくれるかもしれないわ。お金は幾らくらい持ってる?」
アイテムボックスにある硬貨袋を取り出す。
白金貨5枚(5000万)、大金貨5枚(500万)、
金貨5枚(50万)、大銀貨8枚(8万)、銀貨6枚(6000)、
合計で5558万6000があった。
「充分よ。さ、行きましょう。」
~作者から~
この女の人は主人公の母親です。
1日の殆どをベッドの上で過ごしているセシリアを心配し、なんとかして外の世界と関わりを持たせようとしています。
「お母さん、余計なことをしないで。」
うんうん。私もそう思います。
暑い中書きましたので、ぐったり…。
うとうととしていて、今にも寝てしまいそうです(-.-)Zzz・・・・
「特に変わりはなかったか?」
「そうですね。森に近いというのに被害は全くと言っていいほど無いですね。
作物はよく実っており、食料面は問題ないかと。
まあ、実りすぎてるのが難点ですかね。」
「実りすぎてる?」
「村の人数がそんなに多くないのにあんなに実っていては、消費が追いつかないだろうということです。
商人は滅多に此方に来ないらしいので、売るに売れなく、長期保存できるように加工していると。」
「ほう。では、次。」
「俺はそうっすね、村人の衣服の質がいいことくらいですかね。シルクスパイダーの糸を紡いで作ったやつを着ていた人ましたよ。」
「王族でもなかなか手に入れることのできないシルクスパイダーの糸を、か。一応、聞いておいてくれ。」
「りょーかい!」
「………。」
「どうしたんだ、アレク。」
いつも静かで無表情な幼馴染みのアレクが眉間に皺を寄せ、何かを考えている。
何をしても無表情なアレクがそんな顔をしていることが珍しく、声をかけた。
「いや、な、ローブをかぶった人がいたんだ。」
「ローブ?」
「ローブを着た人なんて珍しくないだろ。
辺境の村では数こそ少ないものの、いないわけじゃないじゃないか。」
「それだけだったら悩むわけがない。
問題はローブの質だ。」
「シルクスパイダーの糸の件みたいに、高級なものが使われてるとか?」
「ああ。鑑定妨害をされていて材料が何かは調べられなかったが、少なくとも金貨数10枚はするだろう。
鑑定が妨害されているということは、そういう系統の付与がしてあるか、または本人がそういうスキルを持っているかだ。」
「んー、なんか不思議な村だね。
少なくとも1人はこの村に手練れがいると考えるべきだ。」
「幸い3日は滞在する。
その間は油断せず、視察をするように。」
「「「はっ!」」」
次の日、村の中を歩き回ってみたが、ローブを着ている人はいなかった。
だが、シルクスパイダーの糸を使った服を着ている人を見つけた。事情を聞いてみる。
「すいません。」
「あ、はい。何でしょうか?」
「……随分と質のいい服を着ているなと思いまして。
できれば素材を売ってほしいのですが。」
魔力が多い。上位貴族並みだろう。
どうしてこんなところにいるのか。
それはおいおい聞いていくとしよう。
「ごめんなさいねえ。
キングシルクスパイダーの糸は希少なのよ。
売ることは出来ないの。」
キングシルクスパイダー!?
シルクスパイダーでさえかなり希少なのに。
ほんの少しだけでも欲しい。
「少しだけでも。」
「んー、シルクスパイダーの糸なら多少はくれるかもしれないわ。お金は幾らくらい持ってる?」
アイテムボックスにある硬貨袋を取り出す。
白金貨5枚(5000万)、大金貨5枚(500万)、
金貨5枚(50万)、大銀貨8枚(8万)、銀貨6枚(6000)、
合計で5558万6000があった。
「充分よ。さ、行きましょう。」
~作者から~
この女の人は主人公の母親です。
1日の殆どをベッドの上で過ごしているセシリアを心配し、なんとかして外の世界と関わりを持たせようとしています。
「お母さん、余計なことをしないで。」
うんうん。私もそう思います。
暑い中書きましたので、ぐったり…。
うとうととしていて、今にも寝てしまいそうです(-.-)Zzz・・・・
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