乙女ゲームの世界じゃない！？

鬼ごっこ4

「椎名さん、凄い！！」


「なあ、どこに隠れてたんだ！？」


椎名楓は現在、クラスメイトに囲まれています。
「椎名さん、凄い！！」と言ったのが白井さん。
「なあ、どこに隠れてたんだ！？」と言ったのが火村蓮。
関わらずに影からこっそりと観察をするつもりだったのに、ばっちりと注目をされています。


「えーとね、白井さんが隠れていた所の近くにいたよ？」


「え！？」


うん、諦めた。
攻略対象やヒロインに関わらずに高校生活を過ごすのは不可能。
だったら開き直ろう。


「凄いね、全く分からなかったよ！」


「ありがとうね。」


「でね、あのね、私………。」


白井さんが顔を赤らめ、もじもじし始めた。
可愛い仕草に周りにいた男子は顔を赤らめる。
男子の赤らめた顔なんて見たくないわ！
しっし！
あっちを向きなさい！！


「椎名さんと、友達になりたいなって……。」


「え！？」


そんなことを言われるとは思っていなかった。
クラスメイトだからあり得なくはないが、
関係はただのクラスメイトから変わると思っていなかった。


「ご、ごめんね！迷惑だったらいいのっ！」


「全然迷惑じゃないよ！」


むしろ、こちらが土下座でお願いしたいくらい。
間近で美男美女のからみを見れるとかどんなご褒美だ。


「ね、香って呼んでいい？」


「うん！私は椎名さんのこと、楓って呼ぶね！」







～作者から～
椎名楓もかなりの美少女なんですが、自覚なしという設定です。
……攻略対象とどういう出会いをさせるか悩み中です。