乙女ゲームに転生したことに気づかない~氷上の舞姫~

クロウ

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三木風雅ルート

試験勉強

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 進学校でもあるこの高校はテスト範囲が広く、
重箱の隅をつつくかのように細かいことまで問題に
出してくる。


1学年6クラス・1クラス30名、計180名全員の名前と
総合得点を張り出すという鬼畜っぷり。
最下位になって公開処刑にはなりたくないと
皆は勉学に励む。


Sクラスの人は上位50位以内のランクインを求められる。もしそれ以下だとたとえ点数が良くても補習に参加しなければならない。




「ねえ、皆で勉強でもしない?」


「いいね!幸いにもここには1位から4位の人がいるし。」


「教えるのも上手だとは限らないよ?」


「皆で勉強することに意義があるの!
つまらない勉強も皆でやれば大丈夫。」


「ん~、栞達は入試の成績が良くてSクラスにいる
んでしょ?余程の点数を取らないと入れないって
聞いたけど。」


「猛勉強したからね………もう勉強はしたくない。」


「夏休みは皆で遊びに行こう?
だから補習は避けないと!」


「海水浴に花火。後は女子だけでショッピング!」


「そうだね。イギリスとロシアに訪問しないと
いけないから日程調整をしないと。」


「ほえ~。」


「ほら、図書室に行くよ。」




 最近はフィギュアスケート関連の話をしていないから読者の皆は忘れているかと思うから言っておくけど、
私はプロフィギュアスケーターなのだ。


ロシアには親善大使に任命されていて、
イギリスは王室の人がフィギュアに関心を持っていて
その関係で。


忙しいけど充実した毎日を送らせてもらっている。
前世に全く未練が無いって訳じゃないけど。
兎に角、神様には感謝している。




「人、沢山いるね。」


「皆、考えることは一緒かあ。」




 椅子はうまっていて、ちょこちょこと空いてはいる
けれど6人は座れない。




「あれ?楓ちゃん。」


「あ、風雅先輩。」


「ああ~、もしかして勉強しに来た?
テスト前になると図書室は混むからね。

良かったら生徒会の邸の一室を貸そっか?
部屋は沢山余ってるし。」


「役員でもないのにいいんですか?」


「かわいい後輩の友達達だしね。

ちょっと待ってて。本を返してくるから。」




 風雅先輩は小走りでカウンターまで言った。




「生徒会役員の方々が使っている建物か~。
邸って言うくらいだから豪華なんだろうな。」


「凄かったよ。」


「行ったことあるの?」


「部活関連の話でお邪魔したの。
あそこに住めば登校が楽なのに。」


「楽しみ!」




 そんなこんな話していると風雅先輩が戻ってきた。
一緒に邸へ向かう。


 今日は特に来客はいないので応接室に通してもらった。今は16時。練習があるから18時に帰るとして、
2時間は勉強できる。




「ここが分からない………。」


「ここが……。」


「ここ、教えて?」




 主に教えるだけだったけど楽しかった。
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