乙女ゲームに転生したことに気づかない～氷上の舞姫～

三木風雅ルート

邪魔者(白井香side)

　新入生歓迎会のビンゴ大会は生徒会長との接触
イベント。1番最初にビンゴした人に直接賞品を渡す
のだ。


どの賞品を選ぶのかも重要で、大きなぬいぐるみを
選ぶと好感度が上がる。


　1年S組の席順では攻略対象の火村蓮・八重崎蒼真・
時雨樹やサポキャラの森崎友紀とは近づけないため、
逆ハーエンドは諦めた。
私の好みは年上だったし、五来透や三木風雅だけでも
贅沢はできるから問題ない。




「何で………。」




　何であの女が1番最初にビンゴし、大きなぬいぐるみを手渡ししてもらってるの？
本来ならばその場所にいるのはヒロインである私なのに。




「何で？何で何で何で何で！！」




　借り物競争の選手になれなかった。自分が出場するのは綱引き・全員リレー・大縄跳びだけ。


借り物競争で「校長の鬘」を引き、
実際に校長の鬘を持ってゴールする。
面白い子だと注目をされる、一大イベントなのに。




「誰なの？他の転生者は。」




　ヒロインである私に変わって攻略対象と
ハッピーエンドするつもり？
この物語の主人公はヒロインである白井香。
私の役目。




「私の邪魔はさせないんだから。」




　幾つかのイベントを潰された。
本来のゲームにある選択肢を選ぶだけでは
ハッピーエンドに辿り着けない。
ならば別のイベントを起こせばいい。


廊下の曲がり角でぶつかったり、
三木風雅が部長をしているフィギュアスケート部に入るのもいい。




「そうだ！確か明日・明後日・明明後日は
フィギュアスケート部の入部試験があったのよね。」




　運動神経はそれなりにいい方だ。
絶対に入部しないと。