乙女ゲームに転生したことに気づかない~氷上の舞姫~

クロウ

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三木風雅ルート

入学式(白井香side)

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(何で?何で何で何で何で!!)




 私は【ドキラブ~氷上の天使~】のヒロイン。


 前世の記憶が戻ったのは麗龍学院高校の敷地に足を踏み入れようとした時だった。


 三木風雅に造花を着けて貰うイベントは起こらなかった。校舎前にいなかったのだ。
入学式では五来透の挨拶を興味なさげに聞くことで
「何なんだ、こいつ?」と興味を持たれるイベント。
こなしたが直ぐに効果が現れるわけではない。
新入生代表挨拶は首席入学者がするはずなのに
A組の出席番号1番の人がしていた。
本来ならばその位置に立っているのはヒロインである
自分なのに(首席は椎名楓)。


ヒロインに色々な情報を提供してくれる友人ポジションの森崎友紀は他の女子や攻略対象達と仲良く喋っている。




(委員決めもよ。)




 くじ引きで委員長・副委員長を決めるのはゲーム通り。私が委員長で八重崎蒼真が副委員長だったはずなのに、八重崎蒼真が委員長で椎名楓という女が副委員長になった。


 イレギュラーが多すぎる。




(もしかして他にも転生者がいる?)




 目指すは攻略対象の誰かと結婚すること。


 五来透は財閥の御曹司。
三木風雅は母親がデザイナーで資産たっぷり。
二ノ宮祐真は旧華族の家柄で茶華道の家元の一族。
東郷竜也は父親が警視総監で武道に長けている。


結婚は1人としかできないが、世にはポリアモリー(複数恋愛)という考え方があるし、実際にしている人達がいる。逆ハーエンドも可能なのだ。




(この後は迷子イベントがあったのよね。)




 この学校は近くだけど校舎外に生徒会専用の建物があって、彼らはそこで仕事をしているのだ。




「あ、あれ、ここは?
建物に入れば人がいるのかな?」




 ちっ、柵が邪魔だわ。




「おい!何をしている!?」


「あ、迷ってしまっ………え?」




 本来ならば生徒会役員の誰かとの遭遇イベント。
振り向いた私の目に写ったのは明らかに大人な警備員。




「ここは立ち入り禁止だ。」


「え、あの、でも。」




 1度のみならず2度もイベントを失敗してしまっては
今後に影響が出てくる。絶対に成功させないと。




「校舎まで案内してやる。」


「っ……離して、1人で歩けるわよ!」




 こんなに警備が厳重だなんて。そんな描写はなかったのに。


 校舎まで連れて行かれたがこれで諦めるものですか。
再度警備の人の目を掻い潜って敷地内に入ろうとしたが
ビーッビーッという警報音と共に警備員達が現れ、
校舎の生徒指導室に連れて行かれた。




「何なのよ!」




 絶対に逆ハーエンドに辿り着いてみせるんだから!
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