男女比崩壊世界で逆ハーレムを

クロウ

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夜会

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 王家の威厳を見せるために1シーズン、つまり3ヶ月に1回は夜会を主催しなければならない。
もちろん【最低3ヶ月に1回】だから1回以上であれば何回主催してもいい。ただやり過ぎると有り難みが薄れるというか、お金がとにかくかかる。


まあ、とにかく、今日は夜会!
ファウストにぴったりとくっつきながら参加するファウスティーナ。カッシーナは相変わらず睨み付けては来るが、他の令嬢はそうでもない。カッシーナ×女の人数とか面倒だしね。




「ファウスティーナ様」




 あの女がやってきた。




「今まで貴女に接する態度が良くなかったと思うの。
ごめんなさいね」




 「ごめんなさい」って思っているような態度じゃないけど。目は口ほどに物を言うって言葉がある。
カッシーナの目は全く友好的ではなかった。




「仲直りの印に乾杯でもしましょう。
流石は王家主催の夜会ね。良いものばかりだわ」




 受け取った。




「ああ、もちろん酒精のあるものではないわ。
さあ、乾杯」




コクコクコク




 飲んでいる所を凝視されている。【何か】を入れたの、バレバレだよ?




「う……」




 目がキラキラしてる。




「ファウスト、これ美味しいね」


「!!?」


「ああ。飲みたいなら普段の食事にでも出してもらうか?」


「ん~、たまにでいい」


「ど、どうして!?どうして倒れないの!?」




 ああ、折角穏便に済ませようと思っていたのに。
自ら罪を告白するとは。




「カッシーナ」




 侯爵が来た。




「お父様……」


「カッシーナ、侍医が渡した薬はビタミン剤だ。
元気になることはあっても倒れることはない」


「………………」


「侯爵、続きは別室で」


「お気遣い、感謝いたします」




 別室に移動し、話すことになった。




「カッシーナ、お前が薬を盛るようなことをしなければ今までの態度は目をつむると仰ってくださっていたんだ。………信じていたのだがな」


「だって!ファウスト様は私と結婚するに相応しいかただわ!!」


「侯爵、王族の結婚について話されていないのか?」


「いえ、話しました。ええ、確実に」


「お父様、どういうこと?」


「…………」


「教育が至らぬばかりに迷惑をかけてしまって…………
カッシーナ、王族は第1夫というのが暗黙の了解だ」


「え?」


「女性に夫を選ぶ権利があるとはいえ、身分が重要視される貴族社会だ。第2夫以降は第1夫より身分が低い者が望ましいとされている。
つまり、既に夫がいるお前は王子殿下の妻となれないのだ」


「じゃ、じゃあ!離婚するわ!」


「離婚した者を王族の妻にするわけにはいかないだろう!!…………殿下、もう沙汰を言い渡してください」


「そうだな。…………カッシーナ=デルベス、貴様を王子妃暗殺容疑で逮捕。今後一切王宮に出入りすることを禁じる」


「いやあっ!!!!」




 カッシーナは夫と離婚はしなかったものの、周囲に冷ややかな目で見られるようになり、屋敷に閉じ籠るようになったとか。
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