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4.入学
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ユフラシオン世界で一番でかい大国ユーラ。その王都にある
王都魔法学院。
俺は今、その学校に入学のため来ている。
在校生はざっと3000人はいるマンモス校。
ほぼ在学する学生は魔力を所持し、言い換えれば魔力があるもの
の12歳から18歳までの若者は殆どがこの学校の
在学生として国中から集まって通っている。
国中から集まるので学生は9割以上が寮生。
3000人も生徒がいるので寮もいくつもの棟に分けられていて
まずは学校区分である12歳から15歳までの初等部、
入学してきたばかりの子供たちの住む寮の区分と
高等部の15歳から18歳までに寮を区切られ
それからそれぞれの魔力値と家柄で住む部屋のクラスを分けられる。
優秀で家柄のいいものはより広い部屋へ分けられる。。
大体、学校のクラス分けにも関係するのだが、
魔力のあるものというのは半数以上がこの国の貴族かその傍系になる。
貴族でないにしても元をたどるとどこそこの家に繋がる。
もともと、魔力のある魔法使いがこの国の礎を支えてきた歴史が
あるのでそれらは不思議なことではない。
そしてその才能のある者たちもやはり名のある魔法使いの子孫が
多くより有力貴族に生まれる可能性が高い。
つまりこの学校に通う生徒は自ずと上流階級の人間が多いことになる。
そう言う家は大抵、幼児の頃からある程度の礼儀作法。
教養は家で習ってくる。この学校の初等といっても大体は読み書き。
簡単な計算やこの国の歴史、魔法の初歩は習得済みのものが多い。
だいたい、俺の前世の記憶だと入学時に日本で言うところの小学校
を卒業したくらいの知識は有しているのだ。
だけれどそれらは家単位での教育方針で水準はまちまちで
また庶民の家に隔世遺伝的に生まれてしまった無教養の学生も
この学校には存在する。
そう言う学生の学識と魔力保持量など細かなデータから
生徒たちはクラス分けされていて、SSSからまでGクラスまで
前クラス10クラスほどある。上のクラスほど人数は少なく
下のクラスほど人数が多い。Gクラスにいたっては酷い時は
生徒数が80人を超える場合もあるほどだ。
ほぼ二クラス分を一クラスに押し込んでいる計算で
SSSは対して20人そこそこしかいない。
落ちこぼれれば当然、落第、退学もあり得る。
俺はそのクラス分けで一番上のSSS。ついでに今年の新入生代表に
うっかりだがなってしまった。
いやー、入学試験俺一番?って考えてなかったけど連絡来た時
ちょっと驚いた。予想外だけどいいことだし嬉しかった。
でも家柄は侯爵家でまあまあだし、嵌っちゃった魔法訓練と
筋肉鍛錬はいつの間にかエスカレートして11歳で師に教えを
乞うだけじゃ飽き足らなくてギルドに押しかけて冒険者になっちゃって
色々、モンスター討伐とかもやっちゃったんだよね。
普通、冒険者ってここの学校卒業してからが定番らしいけど
師匠がノリよくて、子供でも保護者(師匠)同伴でまあいいかって
いい加減なギルドマスターが許可してくれて。
1泊2日くらいまでなら外泊もありで、なんだかんだでPTくんだり
ギリドで活動するようになって俺の知り合いの輪はだいぶ広がった。
だからまあ、首席合格もありだったのかもしれない。
だいぶ脳筋やら魔法オタクやら詳細不明の人も多かったけど
楽しい毎日だった。
で、俺は魔法学園の合格と入学を報告したついでに
新入生代表の挨拶のアドバイスを貰いに言ったのがギルドに行った最後だ。
ギルドでも自分で考えろという大人はいたが、考えられるんなら相談しない。
ぶっちゃけ、俺も大概脳筋で代表挨拶なんてものをスラスラ言えるタイプじゃない。
なんでギルドにいる頭の良さそうな人に例文を書いてもらって
それを丸写ししようと考えたんだ。
運よく、得意な大人がいていっぱい愚痴られたが何とか書いてもらえた。
俺はだるいが他の生徒より一足先に、早めに校舎に入り挨拶のため
職員室へと来ていた。
「ああ、君か。大役頑張ってね。イーニアス・マクレガード君」
職員室を訪れて用件を言うと知らない先生の席に案内された。
どういう先生か知らないが、他の先生に比べて若そうなのに机の上が汚い。
メガネの奥に眠たげな眼で、俺の名前を口にしてニカっと笑った。
イーニアス・マクレガード、それが俺の名前。
え、今頃名前が出たって?俺も驚きだよ。今頃かよって。まあそれはおいておいて
席を立った先生の後について俺は入学式が行われる体育館へと付いて行く。
教室へ行く前に、軽く予行練習をしてくれるらしい。
差し迫っての説明は俺が学校に着いたのが昨日遅くだからだ。
日本では桜の季節の入学式。このユーラでも春の季節の花がある。
白く小さな野花のそれは国花にもなる花で、新入生を歓迎する花でもある。
俺にも在校生が歓迎に胸に付けてくれた花をちらりと見て
これから始まる新生活に胸を膨らませた。
ユフラシオン世界で一番でかい大国ユーラ。その王都にある
王都魔法学院。
俺は今、その学校に入学のため来ている。
在校生はざっと3000人はいるマンモス校。
ほぼ在学する学生は魔力を所持し、言い換えれば魔力があるもの
の12歳から18歳までの若者は殆どがこの学校の
在学生として国中から集まって通っている。
国中から集まるので学生は9割以上が寮生。
3000人も生徒がいるので寮もいくつもの棟に分けられていて
まずは学校区分である12歳から15歳までの初等部、
入学してきたばかりの子供たちの住む寮の区分と
高等部の15歳から18歳までに寮を区切られ
それからそれぞれの魔力値と家柄で住む部屋のクラスを分けられる。
優秀で家柄のいいものはより広い部屋へ分けられる。。
大体、学校のクラス分けにも関係するのだが、
魔力のあるものというのは半数以上がこの国の貴族かその傍系になる。
貴族でないにしても元をたどるとどこそこの家に繋がる。
もともと、魔力のある魔法使いがこの国の礎を支えてきた歴史が
あるのでそれらは不思議なことではない。
そしてその才能のある者たちもやはり名のある魔法使いの子孫が
多くより有力貴族に生まれる可能性が高い。
つまりこの学校に通う生徒は自ずと上流階級の人間が多いことになる。
そう言う家は大抵、幼児の頃からある程度の礼儀作法。
教養は家で習ってくる。この学校の初等といっても大体は読み書き。
簡単な計算やこの国の歴史、魔法の初歩は習得済みのものが多い。
だいたい、俺の前世の記憶だと入学時に日本で言うところの小学校
を卒業したくらいの知識は有しているのだ。
だけれどそれらは家単位での教育方針で水準はまちまちで
また庶民の家に隔世遺伝的に生まれてしまった無教養の学生も
この学校には存在する。
そう言う学生の学識と魔力保持量など細かなデータから
生徒たちはクラス分けされていて、SSSからまでGクラスまで
前クラス10クラスほどある。上のクラスほど人数は少なく
下のクラスほど人数が多い。Gクラスにいたっては酷い時は
生徒数が80人を超える場合もあるほどだ。
ほぼ二クラス分を一クラスに押し込んでいる計算で
SSSは対して20人そこそこしかいない。
落ちこぼれれば当然、落第、退学もあり得る。
俺はそのクラス分けで一番上のSSS。ついでに今年の新入生代表に
うっかりだがなってしまった。
いやー、入学試験俺一番?って考えてなかったけど連絡来た時
ちょっと驚いた。予想外だけどいいことだし嬉しかった。
でも家柄は侯爵家でまあまあだし、嵌っちゃった魔法訓練と
筋肉鍛錬はいつの間にかエスカレートして11歳で師に教えを
乞うだけじゃ飽き足らなくてギルドに押しかけて冒険者になっちゃって
色々、モンスター討伐とかもやっちゃったんだよね。
普通、冒険者ってここの学校卒業してからが定番らしいけど
師匠がノリよくて、子供でも保護者(師匠)同伴でまあいいかって
いい加減なギルドマスターが許可してくれて。
1泊2日くらいまでなら外泊もありで、なんだかんだでPTくんだり
ギリドで活動するようになって俺の知り合いの輪はだいぶ広がった。
だからまあ、首席合格もありだったのかもしれない。
だいぶ脳筋やら魔法オタクやら詳細不明の人も多かったけど
楽しい毎日だった。
で、俺は魔法学園の合格と入学を報告したついでに
新入生代表の挨拶のアドバイスを貰いに言ったのがギルドに行った最後だ。
ギルドでも自分で考えろという大人はいたが、考えられるんなら相談しない。
ぶっちゃけ、俺も大概脳筋で代表挨拶なんてものをスラスラ言えるタイプじゃない。
なんでギルドにいる頭の良さそうな人に例文を書いてもらって
それを丸写ししようと考えたんだ。
運よく、得意な大人がいていっぱい愚痴られたが何とか書いてもらえた。
俺はだるいが他の生徒より一足先に、早めに校舎に入り挨拶のため
職員室へと来ていた。
「ああ、君か。大役頑張ってね。イーニアス・マクレガード君」
職員室を訪れて用件を言うと知らない先生の席に案内された。
どういう先生か知らないが、他の先生に比べて若そうなのに机の上が汚い。
メガネの奥に眠たげな眼で、俺の名前を口にしてニカっと笑った。
イーニアス・マクレガード、それが俺の名前。
え、今頃名前が出たって?俺も驚きだよ。今頃かよって。まあそれはおいておいて
席を立った先生の後について俺は入学式が行われる体育館へと付いて行く。
教室へ行く前に、軽く予行練習をしてくれるらしい。
差し迫っての説明は俺が学校に着いたのが昨日遅くだからだ。
日本では桜の季節の入学式。このユーラでも春の季節の花がある。
白く小さな野花のそれは国花にもなる花で、新入生を歓迎する花でもある。
俺にも在校生が歓迎に胸に付けてくれた花をちらりと見て
これから始まる新生活に胸を膨らませた。
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