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54,ビーチチェア
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「なあ類、こっち来いよ」
「えっ、なんですか……!?」
隣のビーチチェアから腕を引っ張られて慌てる。
「わわっ!」
そして次の瞬間、バランスを崩した類は虎牙の体の上に転がった。
そしてそのまま腕の中に拘束される。
「待って! 人見てますって」
「見てねえよ」
虎牙は片手を伸ばし、自分たちの姿を隠すようにビーチパラソルの日よけの部分を引き寄せた。
「いや……これ逆に、中で何やってるのかなってあやしまれますって!」
「類は想像力豊かだな」
虎牙はニヤニヤ笑う。
「なあ、何考えてるのか言ってみ?」
「えーっと……」
追及され、類の体温は一気に上昇した。
「じゃ、それやろう」
「えっ、やるって何をですか?」
「今おまえが考えてること」
そんなふうに言われたら、妄想はますます膨らんでしまう。
「もう……虎牙さんのばか……」
類は彼の腰に跨がり、さっきから気になっていたシャツの胸元へ手を伸ばした。
「お、そう来たか」
彼は少し驚いた顔をしている。
「虎牙さんがっ、していいって言いました……」
ボタン全開のシャツの胸元へ手を入れて、たくましい胸筋の触り心地を確かめる。
そこはしっとりしていて弾力があって、類の手のひらをしっかり押し返した。
「へえ、類も男のカラダに興味あるんだな?」
下から見上げている虎牙が、からかうように言ってくる。
「それは……ありますよ。好きな人のカラダなら」
彼の呼吸と胸の鼓動が、手のひらに伝わってくる気がした。
けれども胸元に差し込んだ片手だけでは、それをしっかり捉えきれない。
(これじゃ足りない!)
類は衝動的に、彼の着ているシャツのすそをめくった。
するとお目当ての胸筋より先に、硬く引き締まった腹筋がさらされる。
「ああ……虎牙さんのカラダ、すごくえっちだ……」
形のいいへそが呼吸して、類を誘っているようだった。
両手で腹筋に触れ、そのへそにキスをする。
「……あっ、類っ」
めずらしく虎牙が慌てた声をあげた。
類は素肌へのキスを続ける。
すると手の下で、たくましい腹筋が波打った。
「類っ、ちょっと……そこくすぐったい」
「それなら、どこならいいんですか?」
さらにシャツをめくり上げ、筋肉に覆われた美しい上半身を眺める。
「……全部おいしそう……」
「類もそういうエロい顔するんだな」
虎牙は呆れたように笑っていた。
「まあ、好きにしていいけど」
「ぼく『も』ってなんですか? 今まで虎牙さんのカラダを好きにした人、どれくらいいるんですか?」
厚い胸板の上で慎ましやかにしている、ふたつの乳首に手をかける。
「えっ……なんでそんな話になる?」
「だって、虎牙さんは年上でこんなに魅力的で……ズルいです。ぼくだけのものに、なってくれないし」
「あっ、類……!?」
また腹筋が脈打った。
「いや……、類が思ってるほどモテないって」
「絶対ウソだ」
「おまえのものになる気もあるし、もうなってるつもりだし」
「それ、この乳首に聞いてもいいですか?」
「いや、ちょ、待っ……!?」
彼の呼吸が大きく乱れる。
「誰かが虎牙さんのここ、開発したと思うと妬けちゃいます」
「そんなんじゃねーって」
「でも乳首、感じてますよね?」
「それはおまえが可愛い指で触るからだろー。ああもう! 俺ばっか責められるのはイヤだ!」
類の腰に虎牙の片脚が巻き付いた。
(えっ!?)
体が勢いよく回転する。
そして次の瞬間には、ビーチチェアの上でふたりの位置が入れ替わっていた。
仰向けになった類の上に、虎牙が跨がる。
「狭いな」
パラソルが頭に当たり、彼は苦笑いを浮かべた。
それから一呼吸置き、虎牙は類を見下ろして言う。
「類の乳首見せて」
「……っ、ここで!?」
類は慌てた。
「その方が平等だろ?」
(た、確かに……)
虎牙に恥ずかしい思いをさせておいて、自分だけイヤとは言いにくい。
「で、でも……」
類は思わず周囲を見回した。
波打ち際に駆けていく水着のカップル。ボードを持って移動していく人……。パラソルの陰から見るに、こちらに注目している人はいない。
視線を転じると、期待のまなざしで見下ろしている虎牙と目が合った。
「………………」
「……っ、虎牙さん……」
視線の圧に逆らえず、類はゆっくりとシャツのすそを持ち上げる。
虎牙の視線は外れない。
焼け付くような視線を肌で感じた。
「……っ……」
シャツの布地が乳首に擦れる。
「もうちょい」
両方の胸元が外気にさらされた。
緊張から無意識に詰めていた息を、類はそっとはき出す。
「こ、これでいいですか?」
「よくないな」
「え……?」
彼の右手が、類の左の乳首をつまんでこねた。
「あんっ、だめ……」
彼も大きく息をつく。
「やっぱヤメよ」
「え、なんで?」
触られたら感じてしまうし、もっとって期待する。
「外でするには刺激が強すぎる……」
赤い顔をした虎牙に、さっとシャツのすそを直された。
「えっ、なんですか……!?」
隣のビーチチェアから腕を引っ張られて慌てる。
「わわっ!」
そして次の瞬間、バランスを崩した類は虎牙の体の上に転がった。
そしてそのまま腕の中に拘束される。
「待って! 人見てますって」
「見てねえよ」
虎牙は片手を伸ばし、自分たちの姿を隠すようにビーチパラソルの日よけの部分を引き寄せた。
「いや……これ逆に、中で何やってるのかなってあやしまれますって!」
「類は想像力豊かだな」
虎牙はニヤニヤ笑う。
「なあ、何考えてるのか言ってみ?」
「えーっと……」
追及され、類の体温は一気に上昇した。
「じゃ、それやろう」
「えっ、やるって何をですか?」
「今おまえが考えてること」
そんなふうに言われたら、妄想はますます膨らんでしまう。
「もう……虎牙さんのばか……」
類は彼の腰に跨がり、さっきから気になっていたシャツの胸元へ手を伸ばした。
「お、そう来たか」
彼は少し驚いた顔をしている。
「虎牙さんがっ、していいって言いました……」
ボタン全開のシャツの胸元へ手を入れて、たくましい胸筋の触り心地を確かめる。
そこはしっとりしていて弾力があって、類の手のひらをしっかり押し返した。
「へえ、類も男のカラダに興味あるんだな?」
下から見上げている虎牙が、からかうように言ってくる。
「それは……ありますよ。好きな人のカラダなら」
彼の呼吸と胸の鼓動が、手のひらに伝わってくる気がした。
けれども胸元に差し込んだ片手だけでは、それをしっかり捉えきれない。
(これじゃ足りない!)
類は衝動的に、彼の着ているシャツのすそをめくった。
するとお目当ての胸筋より先に、硬く引き締まった腹筋がさらされる。
「ああ……虎牙さんのカラダ、すごくえっちだ……」
形のいいへそが呼吸して、類を誘っているようだった。
両手で腹筋に触れ、そのへそにキスをする。
「……あっ、類っ」
めずらしく虎牙が慌てた声をあげた。
類は素肌へのキスを続ける。
すると手の下で、たくましい腹筋が波打った。
「類っ、ちょっと……そこくすぐったい」
「それなら、どこならいいんですか?」
さらにシャツをめくり上げ、筋肉に覆われた美しい上半身を眺める。
「……全部おいしそう……」
「類もそういうエロい顔するんだな」
虎牙は呆れたように笑っていた。
「まあ、好きにしていいけど」
「ぼく『も』ってなんですか? 今まで虎牙さんのカラダを好きにした人、どれくらいいるんですか?」
厚い胸板の上で慎ましやかにしている、ふたつの乳首に手をかける。
「えっ……なんでそんな話になる?」
「だって、虎牙さんは年上でこんなに魅力的で……ズルいです。ぼくだけのものに、なってくれないし」
「あっ、類……!?」
また腹筋が脈打った。
「いや……、類が思ってるほどモテないって」
「絶対ウソだ」
「おまえのものになる気もあるし、もうなってるつもりだし」
「それ、この乳首に聞いてもいいですか?」
「いや、ちょ、待っ……!?」
彼の呼吸が大きく乱れる。
「誰かが虎牙さんのここ、開発したと思うと妬けちゃいます」
「そんなんじゃねーって」
「でも乳首、感じてますよね?」
「それはおまえが可愛い指で触るからだろー。ああもう! 俺ばっか責められるのはイヤだ!」
類の腰に虎牙の片脚が巻き付いた。
(えっ!?)
体が勢いよく回転する。
そして次の瞬間には、ビーチチェアの上でふたりの位置が入れ替わっていた。
仰向けになった類の上に、虎牙が跨がる。
「狭いな」
パラソルが頭に当たり、彼は苦笑いを浮かべた。
それから一呼吸置き、虎牙は類を見下ろして言う。
「類の乳首見せて」
「……っ、ここで!?」
類は慌てた。
「その方が平等だろ?」
(た、確かに……)
虎牙に恥ずかしい思いをさせておいて、自分だけイヤとは言いにくい。
「で、でも……」
類は思わず周囲を見回した。
波打ち際に駆けていく水着のカップル。ボードを持って移動していく人……。パラソルの陰から見るに、こちらに注目している人はいない。
視線を転じると、期待のまなざしで見下ろしている虎牙と目が合った。
「………………」
「……っ、虎牙さん……」
視線の圧に逆らえず、類はゆっくりとシャツのすそを持ち上げる。
虎牙の視線は外れない。
焼け付くような視線を肌で感じた。
「……っ……」
シャツの布地が乳首に擦れる。
「もうちょい」
両方の胸元が外気にさらされた。
緊張から無意識に詰めていた息を、類はそっとはき出す。
「こ、これでいいですか?」
「よくないな」
「え……?」
彼の右手が、類の左の乳首をつまんでこねた。
「あんっ、だめ……」
彼も大きく息をつく。
「やっぱヤメよ」
「え、なんで?」
触られたら感じてしまうし、もっとって期待する。
「外でするには刺激が強すぎる……」
赤い顔をした虎牙に、さっとシャツのすそを直された。
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