獣人アイスクリーム 獣人だらけの世界で人間のボクがとろとろにされちゃう話

谷村にじゅうえん

文字の大きさ
上 下
43 / 63

41,友情を深め合う*

しおりを挟む
「待て待て! 発情とアイスとどう関係するんだよ」

 類が見つめていたカップを冬夜が手に取った。

「普通のアイスだよな??」
「それが……、獣人用のアイスがぼくの体質に合わなくて、いっぱい食べると……」

(うっ、腰動いちゃう……)

 類は今、冬夜の上にいるわけで、大きくなってしまった性器をつい彼にこすりつけてしまう。

「んんん? つまり……え? 類っちはアイスで発情しちゃう体質なのかよ。うわ、なんだそれー! 可愛すぎ!!」

 冬夜の瞳がキラキラと輝きだした。

「だったらもっと食べよう!」

 彼がアイスをスプーンにすくって類の口に入れる。

「んっ、いや、でもっ、これどうすればいいの……!?」

 口の中で溶けていくひんやりした甘さと酸味を感じながら、類は自分の腰を見下ろした。
 今もうズボンの中がどろどろで、そのうち冬夜のシャツまで染みてしまいそうだ。

「ニンゲンのってこんなおっきくなるのかー!」

 冬夜は感心したように言って、類の腰を持ち上げた。

「えっ、どうするの?」
「脱ごう!」
「……っ……」

 恥ずかしいけれど、このままというわけにもいかなくて、類はしぶしぶ彼の手に自らを委ねることにする。
 冬夜は類の着ているものを脱がせると、彼自身も裸になった。
 類よりいくぶん筋肉のついた、冬夜のしなやかな体がさらされる。

(冬夜って、脱いだらけっこう……)

 この前、温泉でも彼の体は見ていたけれど、お互いに興奮しているせいか、なんだか今日は違って見えた。

「そんなもの欲しそうな顔で見んなよー」

 冬夜は恥ずかしそうに言って、派手な柄のボクサーパンツを脱ぐ。
 ぴんと立った尻尾の付け根と、それから根元が張り出した犬型獣人のペニスにも目が行った。

(尻尾は可愛いけど、前はすごくえっちだ……)

「冬夜……」
「見すぎ!」
「だって」
「はいはい、落ち着け類っち!」

 あぐらをかいて座った彼のひざの上に、腰をまたぐ形で座らされる。
 それから優しく抱きしめキスをされた。
 いつものガツガツした冬夜と違う。そのことに類は少し動揺する。

「なんかこれ、恋人同士みたい……」
「でもイヤじゃないだろ?」

 冬夜の犬歯がキラリと光った。

「うーん、イヤじゃない……かも……?」

 お腹の前で彼の手が、二本まとめてしごき始める。
 さっきから刺激を求めていた類のそこは、すぐに気持ちよくなってしまった。

「あっ、あ……うっ……。でもぼくたち……友達なのに……」
「友達同士でキモチイイことしたっていいだろー? 前もサウナ室でしたし」
「そうだった……」

 話す間にも冬夜の長い指が、丹念に二本のペニスを擦り上げる。

「んっ、いい……いい、とうや……」
「オイラも……類っちがいっぱいヌルヌル出すおかげで……」

 冬夜の目元が赤く染まり、生理的な涙にうるみ始めた。

(冬夜もこんな……エッチな顔するんだ……)

 類は甘い快感にあえぎながら彼を見つめる。
 冬夜がふいにぎゅっと眉根を寄せた。

「類っち、好きだよ」
「それ……今言わないでよ」

 こんなキモチイイ時に言われたら、類だって好きになってしまいそうで困る。
 冬夜が唇を合わせてきた。

「だって……オイラ好きだもん。類っちが、他の誰を好きでもさ」

 鼻先が思わせぶりな角度でこすれ合う。
 類はガマンできずに、両手で彼の頬を捉えて唇を吸った。
 今食べたアイスの味。もっとたくさん感じたくて舌を絡める。

「あ、は……るい……!」

 唾液が顎を伝って冬夜の胸元にこぼれ落ちた。
 追い詰める手の動きが速くなる。

「イキそう」
「うん、いこう」

 類も手を添えて手伝った。
 冬夜の腰がびくびくと震える。
 尻尾も含め、全身に力が入ったのがわかった。

(冬夜……!)

 それから類の手の甲に、ぼたぼたと精液が降ってくる。

「――あっ!」

 それを見た途端、類もしぶきを吹きだした。

 二人一緒にため息をつく。

 それから数十秒後。濡れた体を見て、冬夜が弾んだ声をあげた。

「え……オイラたち、何してたんだっけ?」
「友情を深め合ってた。たぶん……」

 お互いに恥ずかしくて、そんなことを言い合う。

「アイス食いかけだし、溶けちゃってるし。類っちは裸だし」
「冬夜も裸だけどね」
「オイラのバックバージンは無事かー?」

 冗談めかして言っているけれど、どうも冬夜はそのことを心配していたらしい。

(それではじめ怯えてたんだ)

 たぶん類の方がギラギラしていたせいだろう。
 類は立ち上がった冬夜の、尻尾の付け根をそっと眺めた。

(っていうか尻尾可愛い!)

 彼の体を見ていると、まだ少しドキドキしてしまう。

「ぼく、好きかも……?」
「ん?」

 ティッシュ箱に手を伸ばしかけていた冬夜が振り返った。

「冬夜のしっぽ」
「尻はダメだぞ!? いくら類っちでもやらないからな!」

 語尾に被せて言われる。

(“尻”って言ってない。“しっぽ”なんだけど……)

 でも冬夜の慌てぶりがおもしろいので、訂正せずにおく。

「ねえ、ちょっとだけ触らせて?」
「ダメだって、オイラバージンなんだから!」

 類は思わず笑って冬夜の体を抱きしめた。

(う……)

 体中が汗と精液で濡れていて、ぬるっとしていて気持ち悪い。

「あー……、お風呂いこっか」
「うーん、そうだな……」

 冬夜の目が泳ぐ。
 最後まで警戒しているらしい冬夜だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。

えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた! どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。 そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?! いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?! 会社員男性と、異世界獣人のお話。 ※6話で完結します。さくっと読めます。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

処理中です...