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はじまり8
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俺の鉄拳がルシファーのイケメンフェイスをクラッシュ! 同時に俺の拳もクラッシュ! 痛え!
初めて人いや、天使か。とにかく誰かを殴ったことなんてなかったけど上手く当たってよかった。
「う、うう……」
だがルシファーはまだ意識があるようで立ち上がってこようとする。あの野郎まだやるつもりか。俺は身構える。その時だ。
何かこっちへ飛んでくるってあれは!
それはついさっき見たことがあるものだった。
「バカなこれは我輩様が消滅させたはくぅぅ~ッ!」
そうそれはルシファーに消されたはずの眼鏡のひとが操作してたドローンとまるっきり同じものだった。
ドローンが前と同じように光を放出してルシファーを閉じ込めた。大丈夫か? と不安だったが今度はどうやら効果があるらしく倒れたまま立ち上がってこない。
「無駄だ。今のお前ではそう簡単に抜け出せないだろう」
どこからともなく声がする。すると急に地面に亀裂が入り、そこへガコッという音ともに穴が開く。穴から誰か出てくる。地底人じゃないよな。
「そう、神気が抜けたお前ではな」
「ええ⁉ 眼鏡のひとォ⁉」「影明!」
「その眼鏡のひとって呼称やめてくれないか?」
驚いたことにそれはなんと、あの囮になるためにやられたはずの眼鏡のひとだった。
「生きてたの⁉」
「ああ、この通りピンピンしてるし足もある」
驚きはこれだけじゃなかった。
「それが『神殺し』の力ということか」
穴の中からさらに声がする。まさか! とユーリちゃんと目を合わせる。そしてまた穴の方へ視線を戻す。
「オジサン⁉」「隊長!」
「まだ俺はオジサンじゃないぞ」
そこから出てきたのは眼鏡のひと同様、ルシファーにやられたはずのオジサンの姿だった。いや、オジサンだけじゃない。
「そう言うんだったらもっと若々しく振る舞いなさい。嫌ねホント、私まで老けて見られちゃうわ」
その隣には真理さんがオジサンに肩を貸すような形で出てきた。
「真理さん!」
「はぁい三神くん、ユーリ……二人にまた会えて良かったわ」と真理さんが微笑みながら言う。
「しかし三人ともどうやって?」とユーリちゃん。
そうだ、三人ともルシファーの攻撃でやられたはずなのに。
「みんな、安心するのはまだ早い。まずは大天使がどうなったかを確認するのが先だ」
と、オジサンが言う。たしかにまたいつドローンがやられてもおかしくないしな!
「いま不要なこと考えてないかキミ」
「ハハッそんなことありませんよ」
「ホントか?」
眼鏡のひとが疑いの眼差しを向けてくる。鋭いなこの人。「これはいったい?」ん?
すると先に行ったユーリちゃんの困惑したような声が聞こえてきた。ユーリちゃんだけではなく他の二人も眉をひそめている。どうしたんだ?
「俺たちも行こう」と言う眼鏡のひとと一緒に俺は皆のもとへ向かった。
見たままだけで言えばルシファーは無力化されてると思う。ただ……小さくなってた。いや態度とか姿勢とかそういうのではなくて、俺より頭ひとつくらい高かったはずの身長がハッキリと縮んでいた。ざっと五十センチくらい。それだけじゃない。髪の毛も銀色だったはずが黒く変色していた。そして
「おのれぇ『神殺し』……!」
声まで違ってた。だいぶ高いソプラノボイスだ。ていうか……。
ぶかぶかになった服をまとい、こっちを涙目で睨んでくるルシファー? を見ながら俺は思った。
これ…………女の子じゃね?
初めて人いや、天使か。とにかく誰かを殴ったことなんてなかったけど上手く当たってよかった。
「う、うう……」
だがルシファーはまだ意識があるようで立ち上がってこようとする。あの野郎まだやるつもりか。俺は身構える。その時だ。
何かこっちへ飛んでくるってあれは!
それはついさっき見たことがあるものだった。
「バカなこれは我輩様が消滅させたはくぅぅ~ッ!」
そうそれはルシファーに消されたはずの眼鏡のひとが操作してたドローンとまるっきり同じものだった。
ドローンが前と同じように光を放出してルシファーを閉じ込めた。大丈夫か? と不安だったが今度はどうやら効果があるらしく倒れたまま立ち上がってこない。
「無駄だ。今のお前ではそう簡単に抜け出せないだろう」
どこからともなく声がする。すると急に地面に亀裂が入り、そこへガコッという音ともに穴が開く。穴から誰か出てくる。地底人じゃないよな。
「そう、神気が抜けたお前ではな」
「ええ⁉ 眼鏡のひとォ⁉」「影明!」
「その眼鏡のひとって呼称やめてくれないか?」
驚いたことにそれはなんと、あの囮になるためにやられたはずの眼鏡のひとだった。
「生きてたの⁉」
「ああ、この通りピンピンしてるし足もある」
驚きはこれだけじゃなかった。
「それが『神殺し』の力ということか」
穴の中からさらに声がする。まさか! とユーリちゃんと目を合わせる。そしてまた穴の方へ視線を戻す。
「オジサン⁉」「隊長!」
「まだ俺はオジサンじゃないぞ」
そこから出てきたのは眼鏡のひと同様、ルシファーにやられたはずのオジサンの姿だった。いや、オジサンだけじゃない。
「そう言うんだったらもっと若々しく振る舞いなさい。嫌ねホント、私まで老けて見られちゃうわ」
その隣には真理さんがオジサンに肩を貸すような形で出てきた。
「真理さん!」
「はぁい三神くん、ユーリ……二人にまた会えて良かったわ」と真理さんが微笑みながら言う。
「しかし三人ともどうやって?」とユーリちゃん。
そうだ、三人ともルシファーの攻撃でやられたはずなのに。
「みんな、安心するのはまだ早い。まずは大天使がどうなったかを確認するのが先だ」
と、オジサンが言う。たしかにまたいつドローンがやられてもおかしくないしな!
「いま不要なこと考えてないかキミ」
「ハハッそんなことありませんよ」
「ホントか?」
眼鏡のひとが疑いの眼差しを向けてくる。鋭いなこの人。「これはいったい?」ん?
すると先に行ったユーリちゃんの困惑したような声が聞こえてきた。ユーリちゃんだけではなく他の二人も眉をひそめている。どうしたんだ?
「俺たちも行こう」と言う眼鏡のひとと一緒に俺は皆のもとへ向かった。
見たままだけで言えばルシファーは無力化されてると思う。ただ……小さくなってた。いや態度とか姿勢とかそういうのではなくて、俺より頭ひとつくらい高かったはずの身長がハッキリと縮んでいた。ざっと五十センチくらい。それだけじゃない。髪の毛も銀色だったはずが黒く変色していた。そして
「おのれぇ『神殺し』……!」
声まで違ってた。だいぶ高いソプラノボイスだ。ていうか……。
ぶかぶかになった服をまとい、こっちを涙目で睨んでくるルシファー? を見ながら俺は思った。
これ…………女の子じゃね?
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