ゴッドブレイカー ~神魔絶滅究極男~

ぎんぺい

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はじまり7

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 拝啓、ご両親さま。啖呵きったものは良いもののなかなかビームが来ません。いやめっちゃ眩しかったからやられたはずなんだけどなぁ。
 恐る恐る目を開ける。

「えぇええぇ⁉」

 俺は驚いた。なんでかって? そりゃあなんせ。

「お、おうぐッ……!」

 いままさに俺たちを殺そうとしてたルシファーが地べたに這いつくばっていたからだ。
 え、なに? もしかして助っ人が乱入してくれた系⁉
と思って辺りを見渡すけど誰もいない。

「き、貴様。いま、なにをしたぁ」

 ルシファーへ視線を戻すともう起き上がってた。さっきまでの笑みはどこへやら、めちゃくちゃ顔を歪めてこっちを睨んでくる。
 え? 私なんかしましたかね? いやしたはしたけどなにもそんな目くじら立てなくても。
 冷や汗がダラダラ出てきた。まずいって敵さんすごく不機嫌だよ。

「死ねぇ!」
「ひえぇっ!」

 さっきの俺どこ行ったと自分でも情けない声をあげたと思う。さっきのビームよりは細いけど、それはものすごい早さで俺の胸に命中した。ハートブレイクッ! ハートどころか胸部パーツ全部持ってかれそうだけどな! て、あれ?
 全然痛くない。むしろなにも感じない。胸元を見てみる。
結論から言おう。バッチリ当たってましたよビーム。なにこれ痛くないけどめちゃくちゃ気持ちわるっ、すっごい不安になる。そしたら、
バタッ。
と物音がしたので顔をあげる。ルシファーが前のめりで倒れてた。しかも。

「ぜぇ、ぜぇ、っ!」

 すごい肩で息してる。いった「いったい何が起こってるんだ」そうそう。ん、と思い後ろを振り向く。そこではなんとヨタヨタとしながらも立っているユーリちゃんの姿が!
 俺はすぐに駆け寄った。

「ユーリちゃんそんな体で無理しちゃダ「そんなことより」え?」

 ユーリちゃんが俺の両肩を掴む。そして顔が鼻先まで近づいてくる。え、なにまさかの夢の続き「どうしてキミは無事なんだ」ですよねー。そこですよねー。

「どうしてヤツの方が倒れているんだ!」
「いや俺に聞かれても」

 分からないと続けようとしたら「おのれぇぇぇッ‼」と地獄の底から喚いたかのような怒号が聞こえてきた。嫌だなぁと思いながらギギギッと首を後ろに回す。

「この天使のなかで最も尊き我輩様を、この『光を帯し者』『明けの明星』と讃えられる我輩様を一度ならず二度までもっ……!」

 なにかブツブツ言ってるがよく聞こえない。ただすんごくまずいって事は誰だって分かるわこんなもん!

「その罪、万死億死兆死、否! 無量大数宇宙が滅びるまで死に続けてもまだ値しない!」
「ボクどんだけの罪を背終わらされたの⁉」

《剣光》

 ルシファーの手に光が集まると、それが一本の剣になった。うわぁおっきい。

「故に光栄に思え。我輩様は貴様を美しく消滅させてやるようなことはしない。貴様にはその醜い死に様を晒す栄誉をくれてやる!」
「んなもんいるかぁ!」

 ルシファーが剣を振り上げながら飛んでくる!
まずいなんとか避けガシッ!
後ろから誰かの腕が俺の胴に回される。わーい動けない。
見る。そこには当然ユーリちゃん。

「ユーリちゃんなにやってんの⁉」
「良いからこのままヤツの攻撃を受けるんだ」
「ええぇ⁉」

 ひどい、いくらなんでもあんまりだ! 死んでほしいほど迷惑だったの俺のアプローチ⁉
けどユーリちゃんの顔は真剣でどこか不安を混ぜたものだった。

「僕を信じてくれとは言わない。正直、僕自身も信じきれれていない。けど信じてほしい……!」

 なにを? と言うのは野暮だろうか。

「……ダメだったら何してくれる?」
「その時はーー」

 ユーリちゃんの腕の力が強くなる。すいません意地悪なこと言ってすいません。だから痛くしないで。
そして、ユーリちゃんはハッキリとこう言った。

「ーーキミとどこまでも付き合うよ」
「かかって来やがれこのクソナルシスト野郎ぉ‼」

 俺の覚悟は決まった。

「うるさい死ねぇ!」
「でもやっぱ怖ええ!」

 刃物はやめてぇ! ルシファーが剣を降り下ろしてくる。その時、俺の脳裏に一つの言葉が浮かび上がった。

『真剣白羽取り』

 思ったときには行動していた。そして見事にスカした。

「ああッ! 俺のバカーァ!」

 剣が迫る。そして当たる。当たった。けど……痛くない。当たってる感触はあるけど。

「な、なぜ」

 ルシファーの目がこれでもかと見開かれる。目の前で起こったことが信じられないみたいだ。当たり前だ。俺だって信じられねえもん。

「このぉ!」

 ルシファーが剣を振り回し俺にどんどん斬りかかってくる。しかしどれもこれも全く効かない。むしろルシファーの方が疲れてきていた。さっきから思ってたんだがこいつ体力無いな。

「賭けは、こちらの勝ちのようだね」

 ユーリちゃんが言う。なぁるほどぉ。
俺はユーリちゃんから離れてルシファーへ歩を進める。
 理屈はよく分からない、が、よぉく分かった。自分の顔が歪む。口角がどうしてもつり上がる!

「おのれ人間がぁ!」

 剣をつえ代わりにして休んでいたルシファーだったが、俺の笑みに腹をすえかねたのか、またも斬りかかってくる。けどなルシファー。
 降りかかっきた剣を片手で受け止める。
 頭にきてるのはテメエだけじゃないんだぜ?
 空いた片手の拳を握る。固く固く握る。そして。

「うおおおおォ!」

 その握った拳を俺はルシファーの顔面めがけて思いっきり振り抜いた! しかしルシファーは余裕の表情だった。避けようとする動作も見せない。

「愚かな。天使の肉体と《装光》で守られた我輩様にそのような貧じゃぐぼあぁぁぁぁッ⁉」

 拳はルシファーの鼻っ柱に直撃した。ざまみろよっしゃあァ‼ 
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