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はじまり2
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拝啓、お父様お母様。お日柄もよろしい今日この頃お元気にしていらっしゃるでしょうか。俺はいま鳥になりたぁぁぁぁい!
「いやあああああッ!」
もう無理、絶対死んだ。だってものすげぇ高さだもん。下の建物とか小さく見えるもん。あと空気の抵抗感が半端じゃない。
ああ、思えばろくでもない人生だった。……あれ? 人生悲観するために振り返ろうとしたけど、そこまで悪い思い出も無いな。なんだけっこう良い人生送ってんじゃんはははははは……ってなお未練残るわぁ!
「だから輝けぇ! 俺の中の何かぁ! こう超能力とか気とか魔力とか翼が生えるとかしてくれえぇ!」
すると、なんも起きなかった。ですよね。「ねえちょっと」ハイなんでしょか。
「キミ、カミヤミカで合ってる?」
はいそうです私が神谷三神ですよっと、真横から話しかけられたのでそちらに顔を向ける。俺の全身に電流が走ったような気がした。そこにいたのは俺がこれまで見たことないほどの美少女だった。
耳にかかるくらいの長さにした金髪。なめらかそうな白い肌。ちょっときつめな印象を受けるがキラリと光る青い瞳。すらっと通った鼻筋に小さな唇。
やべえめちゃくちゃ可愛い。
「あのすいませんこれから時間あります? もし良かったら俺と近場でお茶でもいかがですか?」
今までナンパなんて一度もしたことない俺がやってしまった。それだけ可愛い。もう一度言おう、それだけ可愛い。もしかしてこれが一目惚れってやつなのか⁉
心臓が波打つのを感じながら返答を待つ。
「かまわないけど」
よっしゃぁ‼ 大幸運期時代の到来じゃあ!
俺は喜びのあまり両手でガッツポーズする。
「じゃあどこでお茶しましょうか。アレとかコレとか色々近くにありますけど」
「よく分からないけど、このままだとあの世が一番近いんじゃない」
アノヨ? そんな店あったかな……て、あの世か!
真下に視線を戻すと大分地上に近づいていた。オウマイガッ!
しまった、あまりの美少女に夢中ですっかり忘れてた! 死にそうなんだった!
チクショウ、せっかくお近づきになれたっていうのにそんな暇がねえ。ううっ。
「すいません本当はめちゃくちゃご一緒したいんですけど、また次回ということでアレ?」
美少女がいなくなっていた。
ま、そりゃあこっちから誘っておいてやっぱ無理なんて言われりゃあ怒るよな。ああ勿体ないことした。あんな美少女そうそう通りかかることなんてって、
「なんで美少女が通りかかってんだ⁉」
「うるさいからちょっと寝てて」
そのあり得なさに気づき叫んだ俺の背後で、先程の美少女の声が聞こえた。俺の視界が真っ暗になった。
「いやあああああッ!」
もう無理、絶対死んだ。だってものすげぇ高さだもん。下の建物とか小さく見えるもん。あと空気の抵抗感が半端じゃない。
ああ、思えばろくでもない人生だった。……あれ? 人生悲観するために振り返ろうとしたけど、そこまで悪い思い出も無いな。なんだけっこう良い人生送ってんじゃんはははははは……ってなお未練残るわぁ!
「だから輝けぇ! 俺の中の何かぁ! こう超能力とか気とか魔力とか翼が生えるとかしてくれえぇ!」
すると、なんも起きなかった。ですよね。「ねえちょっと」ハイなんでしょか。
「キミ、カミヤミカで合ってる?」
はいそうです私が神谷三神ですよっと、真横から話しかけられたのでそちらに顔を向ける。俺の全身に電流が走ったような気がした。そこにいたのは俺がこれまで見たことないほどの美少女だった。
耳にかかるくらいの長さにした金髪。なめらかそうな白い肌。ちょっときつめな印象を受けるがキラリと光る青い瞳。すらっと通った鼻筋に小さな唇。
やべえめちゃくちゃ可愛い。
「あのすいませんこれから時間あります? もし良かったら俺と近場でお茶でもいかがですか?」
今までナンパなんて一度もしたことない俺がやってしまった。それだけ可愛い。もう一度言おう、それだけ可愛い。もしかしてこれが一目惚れってやつなのか⁉
心臓が波打つのを感じながら返答を待つ。
「かまわないけど」
よっしゃぁ‼ 大幸運期時代の到来じゃあ!
俺は喜びのあまり両手でガッツポーズする。
「じゃあどこでお茶しましょうか。アレとかコレとか色々近くにありますけど」
「よく分からないけど、このままだとあの世が一番近いんじゃない」
アノヨ? そんな店あったかな……て、あの世か!
真下に視線を戻すと大分地上に近づいていた。オウマイガッ!
しまった、あまりの美少女に夢中ですっかり忘れてた! 死にそうなんだった!
チクショウ、せっかくお近づきになれたっていうのにそんな暇がねえ。ううっ。
「すいません本当はめちゃくちゃご一緒したいんですけど、また次回ということでアレ?」
美少女がいなくなっていた。
ま、そりゃあこっちから誘っておいてやっぱ無理なんて言われりゃあ怒るよな。ああ勿体ないことした。あんな美少女そうそう通りかかることなんてって、
「なんで美少女が通りかかってんだ⁉」
「うるさいからちょっと寝てて」
そのあり得なさに気づき叫んだ俺の背後で、先程の美少女の声が聞こえた。俺の視界が真っ暗になった。
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