ゴッドブレイカー ~神魔絶滅究極男~

ぎんぺい

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はじまり1

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 それは学校からの帰り道で起こった。

「待てぇぇ!」
「ひぇぇぇぇ!」

 はじめまして。僕の名前は神谷三神。上から読んでも下から読んでもカミヤミカ。みんなから名前負けしてるってよく言われる十六才の高校一年生です。てへっ! なんてしてる場合じゃねぇ!

「誰か助けてぇぇぇぇ!」
「バカが、ここらには結界が張ってある。誰も来やねんだよバハハハハハハ」

 と人の希望をずんどこに落としにかかる、さっきから俺を追いかける黒いやつ。いやとにかく黒いやつとしか言いようがない。しかも翼があって空飛んでるし。なに悪魔? 悪魔的なやつなの? 声もガラガラだし。それとも邪神の手先的なやつ?

「おら捕まえた!」
「何てこと考えてる場合じゃなかったぁ!」

 けっこう距離があったはずなのに一瞬で俺は黒い悪魔的なやつーーとりあえず悪魔にしたーーに首根っこを掴まれてしまった。すると黒悪魔は俺とそこまで身長が変わらないにも関わらず、片手で軽々と俺の体を持ち上げる。
わーい高い。てアホか俺は⁉ めっちゃくちゃピンチじゃねえか! でも大丈夫、こういうときは美少女が助けに来てくれるのがお約束……はいはい現実逃避ですよ。

「嫌だぁ! 童貞のまま死にたくなぁい! 死ぬならせめて美女たちに囲まれて穏やかに老衰したぁい!」
「うるせえなテメエ。静かにしねえと声帯かっ斬るぞ」

 そう言われては黙るしかない所存。女の子とのカラオケデートもしたい所存。

「そうそう、そうやって大人しくしてりゃあこっちも乱暴なことはしねえさ。なあ『神殺し』」

 神殺し? なにそれ? と思っていると急に黒悪魔があさっての方を向いた。
つい気になって俺も同じ方へ顔を向ける。ん? 今なんかキランて光ったような気が……。
そう思った瞬間、俺の視界は強烈な光に包まれた。

「ぐわあああああ!」
「ぎゃあああああ!」

 ちなみに前者が黒悪魔で後者が俺である。

「目が、目がメガやばい!」

 あ、これ流行るかもなんてことを頭の片隅で考えながら、自分の体が落下するのを感じた。

「ゴハァ!」

 尻がアスファルトの地面に叩きつけられた。
 痛え! この尻から脳天まで突き抜ける衝撃! すげぇ痛ぇ!
だが落ちたってことは解放されたわけであって、よっしゃ自由だ!
 唐突に金属同士がぶつかり合う音が聞こえた。
 くそ、まだ目がメガやばい。いやキロやばい。うん止めとこ。
 視界が晴れていく。すると目の前では

「はああッ!」
「ゴラァ!」

 黒悪魔が白くなって、じゃない、同じフォルムだけど違う。特に声が。飲みすぎた次の日のような黒悪魔とは大違いの透き通った声だ。

「てめえ今バカにしやがっただろ!」

 黒悪魔が白悪魔? と戦いながら怒声を飛ばしてくる。そんな滅相もありませんよ。

「隙を見せてよろしいのですか?」

 白悪魔が工事現場のコーンのような、なんだっけあれランスで良いんだっけ? とにかくそれを黒悪魔に突き刺そうとする。

「んなもんねえよ!」

 しかし黒悪魔はそれをいなす。ホウキで。

「魔女っ娘かお前は!」
「黙ってろ「そこッ」ちぃ!」

 なんだろうピンチから一気に逆転したのはいいが俺はどうしたらって、そうだよ逃げりゃあ良いんだ。

「てなわけで……サイナラッ!」
「あ! 待ちやがれ!」
「行かせません!」
「ぐう、『騎士』ごときが邪魔すんな!」

 俺が脱兎の如く逃げてる最中も後ろの方からは二人? が戦っている音が聞こえた。
 サンキュウ白悪魔さんこのご恩ば絶対忘れません。そして黒悪魔、短い間だったどお前にはもう二度会いたくありません。
 走り続けるとなんか空間の一部だけひび割れているところを見つけた。分かってますあれがこの結界とやらの脱出口なんでしょ? 分かってますって。

「ははははは! 脱出じゃあ!」

 勢いそのままひび割れに突っ込むと、バキィとベニヤ板に突っ込んだような衝撃が。
そして俺はーー

      ーー空の上にいた。


「なんでだあああああああッ⁉」
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