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1、転生石に願って眠る夜はどっかの世界で僕は彼と愛しあう

6、僕は勇気を出してキキの中に降りて行く

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翌日、僕は真っ暗な気持ちで学校に行った。
きっと、きっとあのあと、キキはあの男とセックス……ミナレスしたんじゃないか。
僕は、うつろな中で覚えている。
僕は、ふと最後に目覚めたとき、確かに裸で抱かれていた。

緑に話すと、ケツに違和感なければ大丈夫じゃねえ?
って言うんだけど、石の決まり事がどこまでいいのかわかんなくて、僕はそれから2日間、怖くて石を使えなかった。


僕はあれからずっとキキが心配で、ようやく決心が付いて石を握って眠った。
もしかしたら、あの男とのミナレスの真っ最中とかだったら、僕はもう死にそうなんだけど、気がつくとキキはロウソクで照らされた小さな木と布で出来た小屋の中……そうだな、遊牧民の家のような所で、床に干し草と薄い布を敷いて寝ていた。

火をたき、コップで湯を飲む大きな背中が見える。
筋肉が隆として、まるでビルダーのような……あれ?
毛皮のブラに腰にうすいスカート?
これって…………女?


“ あれ、マーム ”


キキの落ち着いた声が心の中でぽつりと響く。

キキ!良かった、無事だったんだね?
あっっつ、肩と足が……、やっぱり噛まれたんだ。
助けてくれた男は?

“ 男?オス?いない。あれ、マーム。
マーム、僕、産んだの。エリスの戦士 ”

お母さんのこと、マームって言うのか。
大丈夫?同族でもオスはメスにひどい目にあうって……

マームが、ふと振り向き気がついたキキに、湯の入った木のコップで、キキの上半身を抱き上げると口から飲ませる。
キキの身体はひどく重怠くて、噛まれた場所の痛みが鈍く続いて力が入らない。
周りを見回すと、他に4人くらいの娘と2人の女の子、3人の赤ん坊に、年の行った女が寝てる。

「マーム、ありがとう」

また寝かされると、キキが母親に素直にそう言った。
マームは大きくて、朗らかな美人でニッと笑い、キキの頭をポンポンと叩く。
そして、首にあるゼノス家の所有を示す首飾りを指さした。

「なにがあったかしらないが、ゼノスの若い方はいい奴だ。
あれの所有なら帰れ。それが良い。うちに血族のオスは置けん。
お前と暮らしていたチノはハンターに捕まった。
市場に出ていたが、フェリクが買ったようだ。
あそこはオスが無理な使われ方はしないから心配無い。
生きてれば、いずれ会うこともあるだろう。
お前はまだ動けない。明日、ゼノスに連絡を走らせる。
金をかけて目を開けるほど大事なのだろうから、迎えに来るだろう。飲んだら寝ろ。
ゴウゴウに噛まれた傷の具合がどうも悪い、切って洗えばいいだろうが、ゼノスにまかせよう。お前は気の力がとても落ちている、ここにいたら死ぬ」

「うん」

マームは大きくてがっしりした身体で、キキを優しく横にして布をかける。
ああ、あの時裸で暖めてくれたのは、マームだったのか。

“ うん、たすけて、くれた。
ちょうど、近くに、パウを張ってたって ”

パウって、この住居か。そっか、運が良かったな。
キキ、身体は大丈夫?

“ ん、大丈夫、じゃ、ない。今日、目覚めた。もう、2の日、寝てたって ”

そうか、ずっと寝てたのか。
ゴメンな、ずっと一緒にいてやれなくて。

“ 大丈夫、子供じゃ、無いから ”

えっ、キキっていくつ?

“ ん、えーと、20と7?9?そのへん。よくわかんない ”

そっか、未経験は幼いって言ってたな。
なんでだろう、幼いままおっさんになるとか、なんか不気味だな~
ミナレスしたら、なんか変わるの?

“ うん、生活に、困らない。
ミナレスで、お金入る。ご主人様も出来る。
初もの、精が薄くて子供、出来にくい、メスに、嫌われる。
キキの年で、初ものなんて、普通、いない。
みんな、お金稼ぎに、獣人に、初もの売りに行く。
キキは、チノいたから、売らなかった ”

ふうん……売春っぽいけど、オスはそれで生活するのが当たり前なのか。
男とセックスして子供が出来やすくなるって、前立腺の働きが良くなるわけ?
わっかんねえ~、不思議な世界だなあ。
キキはいつ家を出たの?

“ 6のとき ”

えっ?なんでそんなに早く親から離れるの?

“ ミナレス、できる、年になると、オス狩りのとき、メスに、おそわれる。
血族は、ダメだから ”

ろ、6才の子を襲うなよーーー!!

“ でもね、オスは、ミナレスのために、生きてる、から ”

ふうん……

キキは色んな話をして教えてくれた。
頻繁に痛いと言う感覚が身体を走る。
でも、二人でそれを耐えていると運命共同体のようで心強い。
キキは、きっと僕がまた消えるのが寂しいんだろうなあと思いながら、いつの間にか眠っていた。


翌日早朝、薄く朝焼けの広がる空を見て、キキの母親は娘を1人ダナファンに連絡へ走らせた。
娘はダナファンの家をうろ覚えで、途中出会ったハンター風の男に聞いた。
ダナファンの家ではキキが消えてからと言う物、ずっと使用人と一緒に彼も早朝から遅くまで森へと探しに出ている。
森からは大勢のキキを呼ぶ声が響き、ダナファンも声を枯らして彼の名を呼び続けた。

娘は森で探す声にこの屋敷だと確信して、近くの大きな屋敷をぐるりと回り、出ていた使用人に声をかけた。
その知らせにダナファンは狂喜して急いで森から館に戻り、知らせの娘に礼を言って、ひたすら謝罪したが、娘はさっさと迎えに来いと多少機嫌が悪いようだ。

止血しているが、ケガがひどいというので家に医者を呼んでおくようにと執事に頼み、馬車に寝具を準備させて、礼にワインをとりあえず何本も積ませ、馬車に乗り込み娘のあとを追っていく。

「良かった。ああ、でも、あの子を失ったら、きっと2度と会えなくなる。
私はどうすればいいんだ……名も知らぬ君……私は…………」

目頭を押さえ、浮かぶ涙を拭いて顔を上げる。
美しい朝日に、手を合わせ無事を願う。
安堵感と、ケガの具合に不安を抱えながら、ダナファンは馬車を急がせた。


だがその頃、1台の馬車がハンターに導かれ、キキの家に向かっていた。
ハンターは、この辺のエリスの巣をほぼ把握している。
昨夜男爵に逃げたエリスを先に見つけろと命令を受けて、メスのエリスにゼノスの家を訪ねられたことでピンときたのだ。

「本当に、あのエリスなんだろうな」

男爵が爪を噛み馬車を急がせる。
どうしても、あの初ものエリスが欲しい。
ケガをしているなら自由が利かないだけに、尚更都合がいい。
媚薬で激しく乱れる姿を想像すると、興奮する。
昔、偶然野良で捕まえた初ものエリスを無理矢理奪った時は、興奮しすぎて殺してしまった。
あのミナレスは特別だ。あの、初ものからの変化は素晴らしい。

案内のハンターが草原にある家を指さす。
男爵が、ゴクンと息を呑んだ。
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