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21章 終わりを見失う
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~屋敷 道場~
道場内で斬撃音が響き渡る。屋敷裏で尚且つ離れていたせいか辺りは不気味なほどに静かだった
ハロス「何一つ避けないんだな」
フィロ「無闇やたらにそんなもの振り回されてんだ…下手に避けてこの場所を壊されたくないんでな」
ハロスの体格よりも大きな鎌…容姿や服装も相まってまるで死神の様だった
フィロ「それにしても大鎌なんてまた厄介な武器にしたなぁ」
ハロス「一番性に合ってたものでね」
フィロ「黄金の瞳を持つ者は命を刈り取る…輝きを失い何を求めたんだ?」
ハロス「そんなの…お前の命だけだ!」
黒煙が広がる…空間を切り裂くような音が響きまた斬撃音が続いた。一進一退…互角…ではないのだろう、明らかにフィロは遊んでいた…
フィロ「ハハハ!焦りが見えて攻撃が荒くなってるぞ?」
ハロス「うるさい…」
フィロ「俺を殺す?お前が?雑魚が俺の命を取れると思うか!?」
ハロス「うるさい…うるさい」
フィロ「妹すら守れなかったのに…w」
冷静さを欠いたハロスに急接近しフィロは小さく嘲笑った《わらった》
ハロス「うるさい…うるさいうるさい!黙れよ!」
獣の咆哮…体中を電気が走ったかの様な感覚に包まれ空気が振動する
ハロス「ラルカは…お前のせいで…お前が!」
フィロ「なら何故…ラルカの所に行かなかった?今なら助け出せたかも知れないのに…」
ハロス「っ!それは…」
フィロ「俺への憎悪…復讐に囚われて優先事項を見失ったか?」
ハロス「囚われてなんか…!」
フィロ「なら…怖かったのか?愛する妹が自分の事を忘れている…その現実に向き合うのが…留まるのが!」
全てを見透かしていた…だからこそフィロは憤っている…本気で戦える相手が出来たと思ったのに…彼にとって恨みのみで切りかかって来るハロスの刃は裏切りに近かったのだ
フィロ「今のお前は酷くつまらないな…」
ハロス「なっ…どこへ!?」
道場内からフィロの姿も気配も消えた。慌てて外へ出ると屋敷は崩れ始めていた…
ハロス「何が起こってたんだ…?」
フィロ「呆けている場合か?俺を殺したいんだろう?」
ハロス「っ…まて!」
また一瞬だけ現れては姿を消したフィロを追ってハロスは瓦礫の中を走り始めた
ハロス「クソ…また見えなくなった…」
フィロ「さて…あんまり遊び過ぎるのもなぁ…にしても屋敷ボロボロだな…どーしようかw」
ハロス「捉えた…!」
フィロ「っ!へ~やるじゃん…気配消してたんだwんじゃまた再開かな?」
ハロス「なっ…まて…クソが!こんな事続けてたら朝になるぞ…致命傷を与え続けるしか無いのか…?」
何度も繰り返す行為は終わりが無いように見えた。逃げ続けるフィロと追い続け、見つけては攻撃するのを繰り返すハロス…フィロに勝つ意志はないのだろう。時間を稼ぐ事を目的とするような行動だった
ハロス「はぁ…はぁ…ようやく追い詰めた、これで首を飛ばせる」
フィロ「そんなもの振り回してよく何回も追いつけたな?w」
まだ日は登らない…だが屋敷の奥にいた二人の光景は終わりが近い事を告げていた。息を切らしボロボロになりながらもハロスは座り込み傷だらけで血を流すフィロの首元に刃を向けていた
ハロス「これで終わりだ、第一…今俺から逃げた所でいずれ他の二人も追い付いてくる」
フィロ「追い付く…?無理だと思うがな?w確かにあの二人は強いけどあんまり俺等をナメるなよ?」
ハロス「どういう意味だ…」
フィロ「俺を殺せた所でお前らは負けるんだよw」
ハロス「悪足掻き?関係ねぇよ…とにかくお前は俺が殺すだけだ」
血管が浮き出て傷口からは血が滲む…首を刎ねようと大鎌を振り翳した瞬間乾いた笑い声が辺りに響いた
フィロ「ハハハハ!」
ハロス「っ!?急に笑い出すとか…本気で壊れたのか?」
フィロ「いや……俺を超える奴は初めてだからさ…」
もう声に力は入っていなかった…抵抗する訳でもない。ただ…会話を望んでいるような…
ハロス「だとしても…この現状で笑うとか…イカれてるな…」
フィロ「ハ…ハハハ…俺の予想通り、やっぱり面白い事になったなぁ…なぁ?お前なんて言ったっけ?」
ハロス「なんで今更?…ハロス…ハロスだよクズ野郎」
フィロ「…あぁそうか。ハロス…」
泣きそうな瞳でハロスを見つめていたが少し諦めたかのように口を開く
フィロ「…お前はどこで間違えたと思う?w」
ハロス「間違えた…だって?」
フィロ「これで終わりだと思わねぇ方がいいぜ?w」
ハロス「…知らねぇよ…お前が俺に負けたのは事実なんだから」
肉を…骨を断ち切る鈍い音…足元は血に染まっていった。未来を狂わせた張本人を殺して…本当にハロスの時間は…終わるのだろうか?
道場内で斬撃音が響き渡る。屋敷裏で尚且つ離れていたせいか辺りは不気味なほどに静かだった
ハロス「何一つ避けないんだな」
フィロ「無闇やたらにそんなもの振り回されてんだ…下手に避けてこの場所を壊されたくないんでな」
ハロスの体格よりも大きな鎌…容姿や服装も相まってまるで死神の様だった
フィロ「それにしても大鎌なんてまた厄介な武器にしたなぁ」
ハロス「一番性に合ってたものでね」
フィロ「黄金の瞳を持つ者は命を刈り取る…輝きを失い何を求めたんだ?」
ハロス「そんなの…お前の命だけだ!」
黒煙が広がる…空間を切り裂くような音が響きまた斬撃音が続いた。一進一退…互角…ではないのだろう、明らかにフィロは遊んでいた…
フィロ「ハハハ!焦りが見えて攻撃が荒くなってるぞ?」
ハロス「うるさい…」
フィロ「俺を殺す?お前が?雑魚が俺の命を取れると思うか!?」
ハロス「うるさい…うるさい」
フィロ「妹すら守れなかったのに…w」
冷静さを欠いたハロスに急接近しフィロは小さく嘲笑った《わらった》
ハロス「うるさい…うるさいうるさい!黙れよ!」
獣の咆哮…体中を電気が走ったかの様な感覚に包まれ空気が振動する
ハロス「ラルカは…お前のせいで…お前が!」
フィロ「なら何故…ラルカの所に行かなかった?今なら助け出せたかも知れないのに…」
ハロス「っ!それは…」
フィロ「俺への憎悪…復讐に囚われて優先事項を見失ったか?」
ハロス「囚われてなんか…!」
フィロ「なら…怖かったのか?愛する妹が自分の事を忘れている…その現実に向き合うのが…留まるのが!」
全てを見透かしていた…だからこそフィロは憤っている…本気で戦える相手が出来たと思ったのに…彼にとって恨みのみで切りかかって来るハロスの刃は裏切りに近かったのだ
フィロ「今のお前は酷くつまらないな…」
ハロス「なっ…どこへ!?」
道場内からフィロの姿も気配も消えた。慌てて外へ出ると屋敷は崩れ始めていた…
ハロス「何が起こってたんだ…?」
フィロ「呆けている場合か?俺を殺したいんだろう?」
ハロス「っ…まて!」
また一瞬だけ現れては姿を消したフィロを追ってハロスは瓦礫の中を走り始めた
ハロス「クソ…また見えなくなった…」
フィロ「さて…あんまり遊び過ぎるのもなぁ…にしても屋敷ボロボロだな…どーしようかw」
ハロス「捉えた…!」
フィロ「っ!へ~やるじゃん…気配消してたんだwんじゃまた再開かな?」
ハロス「なっ…まて…クソが!こんな事続けてたら朝になるぞ…致命傷を与え続けるしか無いのか…?」
何度も繰り返す行為は終わりが無いように見えた。逃げ続けるフィロと追い続け、見つけては攻撃するのを繰り返すハロス…フィロに勝つ意志はないのだろう。時間を稼ぐ事を目的とするような行動だった
ハロス「はぁ…はぁ…ようやく追い詰めた、これで首を飛ばせる」
フィロ「そんなもの振り回してよく何回も追いつけたな?w」
まだ日は登らない…だが屋敷の奥にいた二人の光景は終わりが近い事を告げていた。息を切らしボロボロになりながらもハロスは座り込み傷だらけで血を流すフィロの首元に刃を向けていた
ハロス「これで終わりだ、第一…今俺から逃げた所でいずれ他の二人も追い付いてくる」
フィロ「追い付く…?無理だと思うがな?w確かにあの二人は強いけどあんまり俺等をナメるなよ?」
ハロス「どういう意味だ…」
フィロ「俺を殺せた所でお前らは負けるんだよw」
ハロス「悪足掻き?関係ねぇよ…とにかくお前は俺が殺すだけだ」
血管が浮き出て傷口からは血が滲む…首を刎ねようと大鎌を振り翳した瞬間乾いた笑い声が辺りに響いた
フィロ「ハハハハ!」
ハロス「っ!?急に笑い出すとか…本気で壊れたのか?」
フィロ「いや……俺を超える奴は初めてだからさ…」
もう声に力は入っていなかった…抵抗する訳でもない。ただ…会話を望んでいるような…
ハロス「だとしても…この現状で笑うとか…イカれてるな…」
フィロ「ハ…ハハハ…俺の予想通り、やっぱり面白い事になったなぁ…なぁ?お前なんて言ったっけ?」
ハロス「なんで今更?…ハロス…ハロスだよクズ野郎」
フィロ「…あぁそうか。ハロス…」
泣きそうな瞳でハロスを見つめていたが少し諦めたかのように口を開く
フィロ「…お前はどこで間違えたと思う?w」
ハロス「間違えた…だって?」
フィロ「これで終わりだと思わねぇ方がいいぜ?w」
ハロス「…知らねぇよ…お前が俺に負けたのは事実なんだから」
肉を…骨を断ち切る鈍い音…足元は血に染まっていった。未来を狂わせた張本人を殺して…本当にハロスの時間は…終わるのだろうか?
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