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オーレント王国 決断の街イエリ―
湯屋5
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sideラド
湯船に行くと多くの人が浸かっていたが、湯は3つに分かれてるが見た目は特に変化はない。
3つに分かれれるけど何処に浸かろうかな・・・・人が少ない方が良いか
ラドは大人が数人入っている一番右の浴槽に決めると、グレスと一緒に歩く。床が滑りやすくなっていてラドは転びそうになったが何とか体制を直すとグレスに向かって、
「滑るから気を付けろよ」
「うん」
グレスに情けない姿を見せずに済んで良かった・・・・
ラドが先に浴槽に入るために、足を先に入れ立とうとすると思っているより深く顔まで使ってしまい慌てて浴槽から上がり息を整えながら、
あぶねぇー溺れるかと思った・・・・それよりこの浴槽深すぎないか!?
「ちょグレス待った!!」
ラドに続こうとグレスも浴槽に入ろうとしたので、ラドは急いでグレスを引き留めると浴槽に座らせた。
俺で顔下まで湯が来るんだからグレスが入ったら全身遣っちまう。子供に危なすぎるだろこの浴槽!全く何を考えてこんなの作ってるんだ。
そんなこと考えながら浴槽を睨むと、入っていた40歳くらいの男が笑いながら、
「兄ちゃん大丈夫かい?」
「あぁ何とか。ここ深すぎないか?危ないだろ」
「こっちは、立ちながら湯船に入ることが出来るのって珍しくないか?ってここの店主が思い立って作ったんだよ」
「アホなのか・・・・」
「はっはっは、確かに発想はアホだけど一部では人気あるんだぜ」
思い付きでこんな危ない物を作るんじゃねーよ全く。確かに発想は面白いけど立ちながら浸かったって体の疲れは取れないだろ・・・・
これを作った店主を罵倒しながら、安全な湯船に入ろうと隣の湯に入ることにしたラドはしっかりと底を確認してからグレスを向かい入れた。
「グレスこっちは入って良いぞ。タオルは湯に入れるなよ」
「うん」
グレスはラドを真似しながら入ると、ラドの横に座り無表情で壁を見続けているが、体が温まってきたのか段々顔が赤くなっていく。
「気持ちいいか?」
「?」
「あぁゆっくり楽になったか?」
「?」
「ん~分からないか、ま悪くなる事は無いだろ」
グレスはラドの質問の意味は分かるが、自分がどう感じているのかが分からず首を傾げるだけだった。そんなグレスに少し悲しくなったラドだが、体に悪い影響を受けることも無いだろと話を切り替えた、
「あんまり長く入ってるとのぼせるから気を付けろよ。熱くなったりくらくらしてきたら言うんだぞ」
「うん」
しばらくの間、湯屋の賑やかな声を聴きながら静かに2人は湯に浸かっていたがラドがグレスを見ながら
「明日から忙しくなるかもな」
「うん」
「もし、本当にあれが起ったら必ず守ってやるからな」
「うん」
今度こそ、この何気ない日常を守り切ってやる。マナとマリナの為にも生き残ったからには、グレスに俺の命を捧げよう。そうすればきっと俺もマナとマリナの所に行けるはず。
ラドはずっと一人生き残ったことに罪悪感を抱いていた、何故生き残ったは自分なんだ守れなかった自分に罰が必要だとマナの身代わりであるグレスを助ければ自分は救われる。もし死んだとしてもぐれすをまもりしんだのであれば、自分は許されマナとマリナと同じ場所に行けると。グレスの事を守るその誓いは一体誰の為の誓いだろう。その誓いの本質をラドも気付いていない。
「そろそろ出るか」
「うん」
十分に体が温まったと、湯船を出て滑るからとグレスと手をつなぐラド。傍から見れば、中の良い親子もしくは兄弟だがその本質は歪んでしまっている。
湯船に行くと多くの人が浸かっていたが、湯は3つに分かれてるが見た目は特に変化はない。
3つに分かれれるけど何処に浸かろうかな・・・・人が少ない方が良いか
ラドは大人が数人入っている一番右の浴槽に決めると、グレスと一緒に歩く。床が滑りやすくなっていてラドは転びそうになったが何とか体制を直すとグレスに向かって、
「滑るから気を付けろよ」
「うん」
グレスに情けない姿を見せずに済んで良かった・・・・
ラドが先に浴槽に入るために、足を先に入れ立とうとすると思っているより深く顔まで使ってしまい慌てて浴槽から上がり息を整えながら、
あぶねぇー溺れるかと思った・・・・それよりこの浴槽深すぎないか!?
「ちょグレス待った!!」
ラドに続こうとグレスも浴槽に入ろうとしたので、ラドは急いでグレスを引き留めると浴槽に座らせた。
俺で顔下まで湯が来るんだからグレスが入ったら全身遣っちまう。子供に危なすぎるだろこの浴槽!全く何を考えてこんなの作ってるんだ。
そんなこと考えながら浴槽を睨むと、入っていた40歳くらいの男が笑いながら、
「兄ちゃん大丈夫かい?」
「あぁ何とか。ここ深すぎないか?危ないだろ」
「こっちは、立ちながら湯船に入ることが出来るのって珍しくないか?ってここの店主が思い立って作ったんだよ」
「アホなのか・・・・」
「はっはっは、確かに発想はアホだけど一部では人気あるんだぜ」
思い付きでこんな危ない物を作るんじゃねーよ全く。確かに発想は面白いけど立ちながら浸かったって体の疲れは取れないだろ・・・・
これを作った店主を罵倒しながら、安全な湯船に入ろうと隣の湯に入ることにしたラドはしっかりと底を確認してからグレスを向かい入れた。
「グレスこっちは入って良いぞ。タオルは湯に入れるなよ」
「うん」
グレスはラドを真似しながら入ると、ラドの横に座り無表情で壁を見続けているが、体が温まってきたのか段々顔が赤くなっていく。
「気持ちいいか?」
「?」
「あぁゆっくり楽になったか?」
「?」
「ん~分からないか、ま悪くなる事は無いだろ」
グレスはラドの質問の意味は分かるが、自分がどう感じているのかが分からず首を傾げるだけだった。そんなグレスに少し悲しくなったラドだが、体に悪い影響を受けることも無いだろと話を切り替えた、
「あんまり長く入ってるとのぼせるから気を付けろよ。熱くなったりくらくらしてきたら言うんだぞ」
「うん」
しばらくの間、湯屋の賑やかな声を聴きながら静かに2人は湯に浸かっていたがラドがグレスを見ながら
「明日から忙しくなるかもな」
「うん」
「もし、本当にあれが起ったら必ず守ってやるからな」
「うん」
今度こそ、この何気ない日常を守り切ってやる。マナとマリナの為にも生き残ったからには、グレスに俺の命を捧げよう。そうすればきっと俺もマナとマリナの所に行けるはず。
ラドはずっと一人生き残ったことに罪悪感を抱いていた、何故生き残ったは自分なんだ守れなかった自分に罰が必要だとマナの身代わりであるグレスを助ければ自分は救われる。もし死んだとしてもぐれすをまもりしんだのであれば、自分は許されマナとマリナと同じ場所に行けると。グレスの事を守るその誓いは一体誰の為の誓いだろう。その誓いの本質をラドも気付いていない。
「そろそろ出るか」
「うん」
十分に体が温まったと、湯船を出て滑るからとグレスと手をつなぐラド。傍から見れば、中の良い親子もしくは兄弟だがその本質は歪んでしまっている。
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