72 / 86
オーレント王国 決断の街イエリ―
湯屋
しおりを挟む
食事を食べ終えて、少し時間が経ったので部屋に戻りましょうとシオンが言うと、ラドとシオンは返事をして立ちリリナも一緒に立ち上がった。
「それじゃあ、湯屋にご案内しますね」
「あら、湯屋が有るのね」
「この街には一つしかないんですが、地脈から直接引いているんですよ」
「良いわね!早く入りたいわ!」
「旅でお疲れでしょうから、ゆっくり休んでくださいね。グレス君とラドさんもご一緒にどうぞ」
旅の汚れを一度落とした方が良いと、リリナはイエリ―の街で一つしかない湯屋に4人で行かないかと提案するとシオンとラドは喜んだが、ラドが有ることに気付く
「お、やったな!でも、グレスの服どうしようか・・・・」
「それは、こちらで用意してあるので大丈夫ですよ」
「は?いや、有難いが迷惑じゃないか?」
「いえいえ、余り物ですので」
リリナは衛兵隊長からグレスの事情を聞いているため、替えの服を持っていないだろうと同じくらいの子どもを持つ衛兵から服を譲ってもらい用意しておいたのだ。シオンは街についてからグレスの服を買おうと思っていたが、詰所から出れなくなってしまいどうしようと思っていたので、リリナの気遣いが有難かった。
「グレスの物まで用意して頂けるなんて・・・・ありがとうございます」
「こちらの都合で3人方を拘束してしまっているので、これぐらいさせて下さい。それじゃあ、休憩室から荷物を取りましたら、行きましょうか」
「はい」
リリナと特に荷物が無いグレスは1階で待ち、シオンとラドは自分の着替えと金を持ってくるために休憩室に戻っている間にリリナは先程の誤解を解くことにした。
「グレス君あの~夕飯の前に、その~怖い顔をしたのはですね部下を引き締めるためでして何時もやっている訳じゃないんですよ!」
「うん」
「だから、怖がらないで欲しいというか~」
「怖くない」
「本当ですか?」
「うん」
「ん~良い子ですねグレス君は」
グレスが自分の事を怖がっていないという事に安心して笑顔になり、頭を撫でているとシオンとラドが2階から降りてく来た。仲良く話している2人の様子を見て、
「何話してたんだ?」
「2人だけの秘密です」
「あら、仲良くなって良かったわねグレス」
「え~気になるな~」
「ヒントをあげるとグレス君が素直でいい子だという事です」
シオンとラドにはあの顔を見られていないため、わざわざ墓穴を掘るようなことを言えないため秘密だと誤魔化したがグレスが良い子だという事には反論が無いため、深く追求することも無かった。グレスは、嘘をつくことが無く裏表がないその為すべてに対して素直だ。その素直さが、リリナと兵士、シオンやラドに好かれる理由だろう。だが、余りにも素直過ぎることは危険であるためリリナは気を付けなければないとグレスへの評価を改めるのだった。
「皆さん集まりましたし、行きましょうか。湯屋はすぐ近くに在るので歩いて7分くらいですよ」
「結構近くに在るのね」
「私達衛兵としては、物凄く有難いんですよね。どうしても汗をかいてしまいますし、汚れを落とすには一番です」
「詰所にシャワー室はないのか?」
「一応有るんですが、水を流すだけですし女性は問題はないんですが男性の方はもう賑やかというか圧が凄いというか・・・・」
「あぁ何となく想像できるな・・・・」
「グレス君とラドさんをあの空間に入らせるのは酷かと思いまして、湯屋にお誘いした訳です」
「気遣いありがとうございます!」
衛兵は男女共に居るが、圧倒的に男の数が多い全員が筋肉が付き体格良いため退勤後の時間はシャワー室が混み賑やかになるのは想像に難くない。ラドはまだ何とかなるだろうが、グレスでは押し潰されしまうだろうとリリナは詰所のシャワー室ではなく湯屋に誘ったのであった。
「それじゃあ、湯屋にご案内しますね」
「あら、湯屋が有るのね」
「この街には一つしかないんですが、地脈から直接引いているんですよ」
「良いわね!早く入りたいわ!」
「旅でお疲れでしょうから、ゆっくり休んでくださいね。グレス君とラドさんもご一緒にどうぞ」
旅の汚れを一度落とした方が良いと、リリナはイエリ―の街で一つしかない湯屋に4人で行かないかと提案するとシオンとラドは喜んだが、ラドが有ることに気付く
「お、やったな!でも、グレスの服どうしようか・・・・」
「それは、こちらで用意してあるので大丈夫ですよ」
「は?いや、有難いが迷惑じゃないか?」
「いえいえ、余り物ですので」
リリナは衛兵隊長からグレスの事情を聞いているため、替えの服を持っていないだろうと同じくらいの子どもを持つ衛兵から服を譲ってもらい用意しておいたのだ。シオンは街についてからグレスの服を買おうと思っていたが、詰所から出れなくなってしまいどうしようと思っていたので、リリナの気遣いが有難かった。
「グレスの物まで用意して頂けるなんて・・・・ありがとうございます」
「こちらの都合で3人方を拘束してしまっているので、これぐらいさせて下さい。それじゃあ、休憩室から荷物を取りましたら、行きましょうか」
「はい」
リリナと特に荷物が無いグレスは1階で待ち、シオンとラドは自分の着替えと金を持ってくるために休憩室に戻っている間にリリナは先程の誤解を解くことにした。
「グレス君あの~夕飯の前に、その~怖い顔をしたのはですね部下を引き締めるためでして何時もやっている訳じゃないんですよ!」
「うん」
「だから、怖がらないで欲しいというか~」
「怖くない」
「本当ですか?」
「うん」
「ん~良い子ですねグレス君は」
グレスが自分の事を怖がっていないという事に安心して笑顔になり、頭を撫でているとシオンとラドが2階から降りてく来た。仲良く話している2人の様子を見て、
「何話してたんだ?」
「2人だけの秘密です」
「あら、仲良くなって良かったわねグレス」
「え~気になるな~」
「ヒントをあげるとグレス君が素直でいい子だという事です」
シオンとラドにはあの顔を見られていないため、わざわざ墓穴を掘るようなことを言えないため秘密だと誤魔化したがグレスが良い子だという事には反論が無いため、深く追求することも無かった。グレスは、嘘をつくことが無く裏表がないその為すべてに対して素直だ。その素直さが、リリナと兵士、シオンやラドに好かれる理由だろう。だが、余りにも素直過ぎることは危険であるためリリナは気を付けなければないとグレスへの評価を改めるのだった。
「皆さん集まりましたし、行きましょうか。湯屋はすぐ近くに在るので歩いて7分くらいですよ」
「結構近くに在るのね」
「私達衛兵としては、物凄く有難いんですよね。どうしても汗をかいてしまいますし、汚れを落とすには一番です」
「詰所にシャワー室はないのか?」
「一応有るんですが、水を流すだけですし女性は問題はないんですが男性の方はもう賑やかというか圧が凄いというか・・・・」
「あぁ何となく想像できるな・・・・」
「グレス君とラドさんをあの空間に入らせるのは酷かと思いまして、湯屋にお誘いした訳です」
「気遣いありがとうございます!」
衛兵は男女共に居るが、圧倒的に男の数が多い全員が筋肉が付き体格良いため退勤後の時間はシャワー室が混み賑やかになるのは想像に難くない。ラドはまだ何とかなるだろうが、グレスでは押し潰されしまうだろうとリリナは詰所のシャワー室ではなく湯屋に誘ったのであった。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
追放された最弱ハンター、最強を目指して本気出す〜実は【伝説の魔獣王】と魔法で【融合】してるので無双はじめたら、元仲間が落ちぶれていきました〜
里海慧
ファンタジー
「カイト、お前さぁ、もういらないわ」
魔力がほぼない最低ランクの最弱ハンターと罵られ、パーティーから追放されてしまったカイト。
実は、唯一使えた魔法で伝説の魔獣王リュカオンと融合していた。カイトの実力はSSSランクだったが、魔獣王と融合してると言っても信じてもらえなくて、サポートに徹していたのだ。
追放の際のあまりにもひどい仕打ちに吹っ切れたカイトは、これからは誰にも何も奪われないように、最強のハンターになると決意する。
魔獣を討伐しまくり、様々な人たちから認められていくカイト。
途中で追放されたり、裏切られたり、そんな同じ境遇の者が仲間になって、ハンターライフをより満喫していた。
一方、カイトを追放したミリオンたちは、Sランクパーティーの座からあっという間に転げ落ちていき、最後には盛大に自滅してゆくのだった。
※ヒロインの登場は遅めです。
辺境伯令嬢に転生しました。
織田智子
ファンタジー
ある世界の管理者(神)を名乗る人(?)の願いを叶えるために転生しました。
アラフィフ?日本人女性が赤ちゃんからやり直し。
書き直したものですが、中身がどんどん変わっていってる状態です。
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
デブだからといって婚約破棄された伯爵令嬢、前世の記憶を駆使してダイエットする~自立しようと思っているのに気がついたら溺愛されてました~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
デブだからといって婚約破棄された伯爵令嬢エヴァンジェリンは、その直後に前世の記憶を思い出す。
かつてダイエットオタクだった記憶を頼りに伯爵領でダイエット。
ついでに魔法を極めて自立しちゃいます!
師匠の変人魔導師とケンカしたりイチャイチャしたりしながらのスローライフの筈がいろんなゴタゴタに巻き込まれたり。
痩せたからってよりを戻そうとする元婚約者から逃げるために偽装婚約してみたり。
波乱万丈な転生ライフです。
エブリスタにも掲載しています。
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる