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オーレント王国 決断の街イエリ―

魔法を使うためには?

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「出来る人は簡単に出来るんだけど出来ない人は本当に出来ないわよね」

シオンはリリナの言葉にうんうんと頷きながら、同意するとラドは

「俺は魔力放出が出来ないから魔法が使えないからな~グレスは出来ると良いんだが」
「魔力放出」
「そうそう、魔力放出グレスは知ってるか?」
「知らない」
「じゃあ、シオン先生とリリナ先生に詳しく教えてもらおうか」

魔力放出という言葉に反応したグレスにラドは頷きながら質問すると、返答が帰ってきたため詳しく教えて貰おうと2人を先生と呼び笑いながらお願いをする。先生呼びが気に入ったのか、シオンは胸を張りながら胸を叩き

「まっかせなさい」
「先生だなんて・・・でも、教えられることなら何でも教えますよ!」

対照的にリリナは顔を赤らめ恥ずかしそうにしているが声のトーンが上がっているため、満更でもないのだろう。ラドはそんな2人に笑いながらグレスと一緒にお願いしますと頭を下げた。

「それじゃあ、魔力放出について説明するわね。魔力放出は体内を巡っている魔力を体の外に放出することを言うのよ。魔法を発動するためには体内にある魔力を外に出す必要があるから、魔法を使うためには必須の技術なの」
「魔力放出が出来ないと絶対魔法を使うことは出来ないのか?」
「全ての魔法が使えない訳ではありません。例えを挙げると魔力放出が必須な魔法は、火や水などを発現させる魔法など体の外側に何かしらの現象を起こす魔法ですね。逆に魔力放出が必要ではない魔法は身体強化魔法など身体の内部に働きかける魔法です」
「なるほどな~俺でも使える魔法ってあるか?」

シンとリリナは魔力放出について詳しく説明していき、ラドは魔力放出が出来ない自分でも使える魔法があるんじゃないかと希望を抱いたが、リリナとシオンは難しい顔をして

「ん~難しいわね・・・水属性で体内に働きかける魔法って止血する魔法くらいしか思いつかないわね」
「そうですね・・・体内に働きかける魔法自体が少ないですからね・・・」

う~んと期待を込めた目で質問したラドの期待に応えようと自分達が持つ知識を思い出したが、全く思いつかずごめんなさいと謝る2人だがラドは気になっただけだから気にしないでくれと笑うと

「グレスが魔力放出が出来ると良いんだが・・・体内に働きかける魔法で有名な物ってあるのか?」

魔法が使えるとグレスの将来の選択が広がるため、自分よりグレスの事が気になるラド。もしも、魔力放出が出来なかった場合グレスが使える魔法がないかと質問をした。

「有名なものだとやっぱり身体強化魔法ですね。五感が強化され身体能力も強化される代表的な魔法ですね」
「他に有名なものと深紅の騎士の再生魔法ね」
「なんだ?その騎士とか再生魔法って」
「最近有名になってる冒険者の二つ名よ。強い光属性の魔力を持っていて怪我を負ってもたちまち回復してしまう魔法で有名なのよ」
「回復魔法と何が違うんだ?」

知らないな目を出され首を傾げるラドに詳しく説明するシオン。説明を受けたラドはそれは自分の知識にある回復魔法と何が違うのかと、首を傾げ質問するラド

「回復魔法は1回魔力を外に出して、体に働きかけるから光の属性の特徴として光ったりするのだけどその騎士が使う魔法は、光ることなく詠唱も必要とせず体が治るから再生魔法って呼ばれてるのよ」
「噂でその騎士について聞きましたが・・・可能なのですか?そんな事が」
「ん~不可能じゃないわね。体の内側から治しているだけだし。他に言われてるのは光の魔力を多く持っているため自然治癒が桁外れて高いんじゃないかって言われてるけど・・・魔法って説が信憑性が高いわね」
「なるほど・・・確かに光の属性の特徴として自然治癒力が高くなる事が有りますが、人間でそこまでの魔力量を持っているとは考えずらいですし魔法と考えた方が理にかなっていますね」

シオンの話を聞きリリナも疑問に思い、魔法に詳しいシオンに訊くと納得が出来る説明を貰い頷くリリナとジブトは世界が違うんだなと、少し悲しい気持ちになるラドだった。

「他に魔法に必要な物ってあるのか?」
「魔法を発動するには後は、想像力が必要ね」
「想像力?詠唱とか魔法に対する理解力とかじゃないのか?」
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