空っぽ少年と色深き者たち ～世界を彩る物語～

オーレント王国 決断の街イエリ―

世知辛い懐事情

久々にまともな飯を食べることが出来るとなり、シオンはウキウキで2人が目覚めるまで装備と金の確認をし始めたが1つ1つ装備を確認していく内に段々と落ち込んだ気持ちになっていく

薬の消費が多いわね・・・火傷用の薬が少なくなってるし、魔除けの香も残り1個か。火傷薬は調合できるからいいけど魔除けの香は買わなきゃ駄目ね。魔物の素材を持って来れれば換金出来たけど燃やしちゃったしな・・・有るのはゴブリンとかオークの魔石だけね。オーガの魔石は、急いでたから取れなかったしあれ絶対お金になったはずなのに

冒険者組合に魔物の素材を監禁してもらえるが、今回は長旅だったため魔物の素材を持ってくる事が出来ず価値のある物を置いてきてしまったことに後悔しながら、今後の予定を考えていく

ポーションも使っちゃったから補充しなきゃね。回復ポーションは良いけど、魔法強化ポーションが高いのよね・・・素材と施設が有れば自分で作れるけど今回はそんな暇もなさそうだし買った方が良いわね。もしも、魔物の蹂躙が起きたら物資の補充は難しいだろうから早めに買いたいけど、お金がなぁ・・・

今シオンが持ってい金は金貨2枚と銀貨が7枚これでは3人で生活していくには厳しい、ラドも金はある程度持っているようだったが、物資を補充するためには足りないだろう・・・

依頼をこなすしかないわね・・・グレスの服も買いたいし出来るなら装備も買いたいのよね何時魔物の蹂躙が起こるか分からないもの。レツ草を売ればお金にはなるけど、これからを考えると薬は多めに持っておきたいしな～

魔物の蹂躙の準備をしたいが、現実的な問題に直面したシオンは頭を痛めるが何をするにも金が必要だと考え冒険者組合で依頼をこなそうと思うが少し不安が残る。

依頼こなしてる間グレスはどうしようから・・・ラドが居るなら安心して置いていくことが出来るんだけど、これからラドはどうするのかしら？

グレスを安心して置いていける場所が無ければ、依頼に連れて行くことになるが流石にそれは危険すぎる。今までは何とかなったが依頼に出るたび不測の事態が起こる可能性が有るため出来れば連れて行きたくはない。

待っててってお願いすればグレスは動かないだろうけど、それはそれで可哀そうよね・・・う～ん

これからの事に、頭を悩ませていると隣の布団が動き出した。

「おはようラド良く寝れたかしら？」

シオンは音がしたことに気付き、ベットの方を見るとラドが目を擦りながら体を起こしていた。

「おはよう・・・あれ？俺いつの間に寝たんだ？グレスの傍に居た気が・・・」
「グレスのベットに寄り掛かって寝てたから私が運んだのよ」

寝たときの記憶が無いのか自分がベットで寝ていることを不思議そうにしていると、シオンが運んだことを伝えると顔を真っ赤にして、

「本当にすまない・・・この年になって子供みたいなことするとは」
「ふふ、仕方ないわよ一日中移動してたんだもの」

シオンは笑いながら、気にしないでと伝えるがラドは恥ずかしさが静まらずシオンの方をまともに見れなくなってしまった。顔が熱くなるのを落ち着かせていると、ラドの隣で音がする。

「あらグレスも起きたのね。良く寝れたかしら？」
「うん」
「それは良かったわ。無理させちゃってごめんなさいね」
「大丈夫」

シオンはグレスのベットまで歩いていき起きたのを確認すると、体調と怪我の具合を確認していく。

「怪我もほとんど治ってきたわね」
「うん」

怪我を確認しているとグゥ～と大きな音が鳴った。シオンは大きな音に驚きグレスを見るがグレスは無表情のままだった。ラドもグレスの方を見ておりシオンと目が合うと、2人は吹き出してしまった。


「はははっ良い音鳴ったなグレス」
「ふふっあんなに走ったらお腹空いちゃうわよね。朝食を用意しているみたいだから食べに行きましょうか」
「うん」