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皇国復活編
俺、良い匂いにつられるよ!
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「寝ちゃったわね」
「あぁ、まさかクーアの過去がこんなに酷いものだとは思ってなかった」
「人に裏切られたのに、俺達に協力してくれるなんて本当に・・・・ありがたいな」
「クーアには汚いものに染まらないでそのままであって欲しいわね」
人に裏切られ殺されそうになったにもかかわらず、その心は純粋無垢のまま。生命に対して慈悲に溢れ、水面に反射した輝きのような笑顔で皆を潤し明るくさせる。そんな笑顔がこれからも曇る事が無いよう俺達は出来る事をしなくてはと、穏やかに眠るクーアの頭を撫でる。
「そうだな、クーアは知らなくて良い」
「それにしても、本当にあの国の奴らはろくなことをしないよな」
「大方クーアを殺し、力を身に着けようとしたんだろうな・・・・本当に許し難い」
「許す必要なんて無いでしょ。クーアは気にしていないみたいだけど、私達が許すかどうかは別よ」
「クーアは罰を与えたみたいだが、一応その後どうなっているかは調べた方が良いだろう」
「兄貴に探りを入れるように皇都に戻ったら伝えてみるか」
「そうしてくれると有難い。今は国内の事に忙しく国外まで手が回っていないからな。それに・・・・」
「クーアの事が他の国に伝わってるかもしれないってことだろ?」
「うむ、永遠の果実や汚染された武器を用意出来たという事は、かなり強い立場に居る者が関わっていると考えてよいだろうな」
「それに、クーアの事を魔の森に居た人々が国に伝えるって可能性もあるわね。あの国は未だに竜種に執着してると聞くし」
「今後守護竜様が復活しクーアの事も公になれば必ずこの国は他の国に目を付けられるはずだ。今のうちに対策しておいた方が良いだろう」
「そうね、準備はしておいた方が良いわね」
「うむ、クーアにはこの国の再生を手伝って貰っているんだ人同士の争いは俺達が解決するべきだ」
「人の醜い争いにクーアを巻き込みたくないからな」
竜種の力と言うのは果てしなく、人では絶対に到達できない超常の力だ。人々はそれに焦がれ、望み奪い取ろうと昔の様に必ず行動を起こすだろう。俺達はそれを必ず防がなければならない。俺達は守護竜様に庇護されていた存在だが、もう守られるだけではない。今度は俺達が守る番だ。人のいざこざに巻き込まれる事無く、のびのびと暮らしてもらえるように俺達に出来る事を、全力でしなければならないな。人の争いは俺達が引き受けよう。だから、そのままでいてくれクーア。
賑やかな声が外から聞こえ、良い匂いが部屋の中に入ってきたことによって目覚めた俺はみんなが寝ているのを確認すると、「良い匂いがするから、そこに行ってくるね」と書置きを残し部屋から出て良い匂いがする方へ進んでみた。
香ばしい良い匂いだ~何かを焼いてるみたいだけど、何を焼いてるんだろう?
良い匂いはこの宿の食堂から香ってくるようで、食堂の扉を開けるとそこには第三部隊の人達がテーブルの上にドドンと置いてあるバッファローの丸焼きを美味しそうに食べていた。その中にはコーネスも居て入ってきた俺に気付くと
「お、チビッ子!起きたのか!皇子と副団長はどうしたんだ?」
「寝てるからそのままにしてきたの~良い匂いだね」
「おう、女将さんにハーブとかを使って焼いて貰ったんだ!チビッ子も食え食え!」
「お、皇子の隠し子!」
「違うって言われただろ」
「これ美味いぞ、食え!」
「そういえば、一体チビッ子は何の種族なんだ?」
「水の精霊だよ~」
「精霊だってよ!」
「へ~珍しいな」
第三部隊の人達は豪快に笑って個性豊かだけど、細かい事はそこまで気にすることは無いみたい。精霊って聞いたら、殆どの人が凄く驚くのに全然大したことは無いみたいな反応だ。コーネスも俺が龍だという事を知っているのに初めて会った時から態度や言葉遣いが変わらないし、そういう人の集まりなんだろうね。俺は、こういう反応をしてくれた方が嬉しいから、この人達の賑やかさ楽しい。
「俺も食べて良い?」
「おう!勿論だぜっ」
「いっぱい食って大きくなれよ~」
「くぅ~久々の肉は沁みるぜ!」
「隊長から聞いたけど、俺達を治してくれたのはチビッ子なんだってな!本当にありがとよ!!」
「ありがとな!!!」
「戦いが必要になったら何時でも俺達を呼べよ~どんな敵だって倒してやるからよ!」
「うん、その時はお願いね」
俺はコーネスに肉を取り分けてもらい、肉汁溢れ香ばしく焼けているお肉を口いっぱいに頬張り噛むと、口の中は肉汁で満たされ臭みは一緒に焼いたハーブで完全に抜けていて肉の旨味が口全体に広がった。所々良く焼けている場所がありそれがアクセントになっていて、歯ごたえも抜群。
「美味しい~~~~」
「だろだろ!この肉を食えるのもチビッ子のおかげだぜ」
「野菜も美味いぞ~何も掛けてないのに、自然の甘味で口がさっぱりするぜ」
「このソースで味を変えても美味しいぜ!」
美味しくて体が揺れてしまう俺を見て第三部隊の人達は満面の笑みを浮かべると、テーブルに載っているサラダやスープなど色々な物を俺によそってくれた。俺はその好意に甘え、ちょっとピリ辛なソースを付けて食べてみたり、瑞々しいトマトを食べてみたりと美味しい食事を取っていると、食堂の扉が開かれ
「お、クーア発見」
「早起きだな、お腹が空いたのか?」
「あら、美味しそうね」
「俺達も同伴しても良いか?」
「勿論です!」
起きてきたウォル達も一緒に楽しい食事を取り、お腹を満たすとこれからの話となった。
「コーネス、町の様子はどうだ?」
「だいぶ落ち着いてきてはいますが、まだ熱が冷めないって感じっすね~目立った騒ぎは起きてませんし自然に収まるのを待つつもりっす」
「一応俺達も巡回するつもりですぜ~」
「ふむ、町の警備の事は任せても大丈夫か。では俺達は町を見て周ってみるか」
「そうだな、落ち着いてみることも出来ていないし町に出る事によって色々見える物もあるだろう」
「アルベルドは、ネリアについて詳しいのか?」
「いや、一度しか来ていないからな詳しいとは言えない。コーネスの方がよっぽど詳しいだろうな」
「そうなんだ~コーネスこれからお仕事?」
「おう、巡回するつもりだが・・・・巡回ついでに案内も出来るぜ!副団長達が許してくれたらだけどな」
「ふむ・・・・案内してくれた方が有難いな」
「確かに助かるな」
「えぇ良ければだけど案内してもらいたいわ」
「許しも出たみたいだし、案内役任されたぜ!」
「そうだ、後でサイの姿見せてね~」
「勿論!約束だもんな」
コーネスと交わした約束はちゃんと覚えていてくれたみたい。俺は生まれ変わったネリアを見て周るのを楽しみにしながら、みんなの準備が終わるまで第三部隊の人達に遊んでもらい待つのだった。
「あぁ、まさかクーアの過去がこんなに酷いものだとは思ってなかった」
「人に裏切られたのに、俺達に協力してくれるなんて本当に・・・・ありがたいな」
「クーアには汚いものに染まらないでそのままであって欲しいわね」
人に裏切られ殺されそうになったにもかかわらず、その心は純粋無垢のまま。生命に対して慈悲に溢れ、水面に反射した輝きのような笑顔で皆を潤し明るくさせる。そんな笑顔がこれからも曇る事が無いよう俺達は出来る事をしなくてはと、穏やかに眠るクーアの頭を撫でる。
「そうだな、クーアは知らなくて良い」
「それにしても、本当にあの国の奴らはろくなことをしないよな」
「大方クーアを殺し、力を身に着けようとしたんだろうな・・・・本当に許し難い」
「許す必要なんて無いでしょ。クーアは気にしていないみたいだけど、私達が許すかどうかは別よ」
「クーアは罰を与えたみたいだが、一応その後どうなっているかは調べた方が良いだろう」
「兄貴に探りを入れるように皇都に戻ったら伝えてみるか」
「そうしてくれると有難い。今は国内の事に忙しく国外まで手が回っていないからな。それに・・・・」
「クーアの事が他の国に伝わってるかもしれないってことだろ?」
「うむ、永遠の果実や汚染された武器を用意出来たという事は、かなり強い立場に居る者が関わっていると考えてよいだろうな」
「それに、クーアの事を魔の森に居た人々が国に伝えるって可能性もあるわね。あの国は未だに竜種に執着してると聞くし」
「今後守護竜様が復活しクーアの事も公になれば必ずこの国は他の国に目を付けられるはずだ。今のうちに対策しておいた方が良いだろう」
「そうね、準備はしておいた方が良いわね」
「うむ、クーアにはこの国の再生を手伝って貰っているんだ人同士の争いは俺達が解決するべきだ」
「人の醜い争いにクーアを巻き込みたくないからな」
竜種の力と言うのは果てしなく、人では絶対に到達できない超常の力だ。人々はそれに焦がれ、望み奪い取ろうと昔の様に必ず行動を起こすだろう。俺達はそれを必ず防がなければならない。俺達は守護竜様に庇護されていた存在だが、もう守られるだけではない。今度は俺達が守る番だ。人のいざこざに巻き込まれる事無く、のびのびと暮らしてもらえるように俺達に出来る事を、全力でしなければならないな。人の争いは俺達が引き受けよう。だから、そのままでいてくれクーア。
賑やかな声が外から聞こえ、良い匂いが部屋の中に入ってきたことによって目覚めた俺はみんなが寝ているのを確認すると、「良い匂いがするから、そこに行ってくるね」と書置きを残し部屋から出て良い匂いがする方へ進んでみた。
香ばしい良い匂いだ~何かを焼いてるみたいだけど、何を焼いてるんだろう?
良い匂いはこの宿の食堂から香ってくるようで、食堂の扉を開けるとそこには第三部隊の人達がテーブルの上にドドンと置いてあるバッファローの丸焼きを美味しそうに食べていた。その中にはコーネスも居て入ってきた俺に気付くと
「お、チビッ子!起きたのか!皇子と副団長はどうしたんだ?」
「寝てるからそのままにしてきたの~良い匂いだね」
「おう、女将さんにハーブとかを使って焼いて貰ったんだ!チビッ子も食え食え!」
「お、皇子の隠し子!」
「違うって言われただろ」
「これ美味いぞ、食え!」
「そういえば、一体チビッ子は何の種族なんだ?」
「水の精霊だよ~」
「精霊だってよ!」
「へ~珍しいな」
第三部隊の人達は豪快に笑って個性豊かだけど、細かい事はそこまで気にすることは無いみたい。精霊って聞いたら、殆どの人が凄く驚くのに全然大したことは無いみたいな反応だ。コーネスも俺が龍だという事を知っているのに初めて会った時から態度や言葉遣いが変わらないし、そういう人の集まりなんだろうね。俺は、こういう反応をしてくれた方が嬉しいから、この人達の賑やかさ楽しい。
「俺も食べて良い?」
「おう!勿論だぜっ」
「いっぱい食って大きくなれよ~」
「くぅ~久々の肉は沁みるぜ!」
「隊長から聞いたけど、俺達を治してくれたのはチビッ子なんだってな!本当にありがとよ!!」
「ありがとな!!!」
「戦いが必要になったら何時でも俺達を呼べよ~どんな敵だって倒してやるからよ!」
「うん、その時はお願いね」
俺はコーネスに肉を取り分けてもらい、肉汁溢れ香ばしく焼けているお肉を口いっぱいに頬張り噛むと、口の中は肉汁で満たされ臭みは一緒に焼いたハーブで完全に抜けていて肉の旨味が口全体に広がった。所々良く焼けている場所がありそれがアクセントになっていて、歯ごたえも抜群。
「美味しい~~~~」
「だろだろ!この肉を食えるのもチビッ子のおかげだぜ」
「野菜も美味いぞ~何も掛けてないのに、自然の甘味で口がさっぱりするぜ」
「このソースで味を変えても美味しいぜ!」
美味しくて体が揺れてしまう俺を見て第三部隊の人達は満面の笑みを浮かべると、テーブルに載っているサラダやスープなど色々な物を俺によそってくれた。俺はその好意に甘え、ちょっとピリ辛なソースを付けて食べてみたり、瑞々しいトマトを食べてみたりと美味しい食事を取っていると、食堂の扉が開かれ
「お、クーア発見」
「早起きだな、お腹が空いたのか?」
「あら、美味しそうね」
「俺達も同伴しても良いか?」
「勿論です!」
起きてきたウォル達も一緒に楽しい食事を取り、お腹を満たすとこれからの話となった。
「コーネス、町の様子はどうだ?」
「だいぶ落ち着いてきてはいますが、まだ熱が冷めないって感じっすね~目立った騒ぎは起きてませんし自然に収まるのを待つつもりっす」
「一応俺達も巡回するつもりですぜ~」
「ふむ、町の警備の事は任せても大丈夫か。では俺達は町を見て周ってみるか」
「そうだな、落ち着いてみることも出来ていないし町に出る事によって色々見える物もあるだろう」
「アルベルドは、ネリアについて詳しいのか?」
「いや、一度しか来ていないからな詳しいとは言えない。コーネスの方がよっぽど詳しいだろうな」
「そうなんだ~コーネスこれからお仕事?」
「おう、巡回するつもりだが・・・・巡回ついでに案内も出来るぜ!副団長達が許してくれたらだけどな」
「ふむ・・・・案内してくれた方が有難いな」
「確かに助かるな」
「えぇ良ければだけど案内してもらいたいわ」
「許しも出たみたいだし、案内役任されたぜ!」
「そうだ、後でサイの姿見せてね~」
「勿論!約束だもんな」
コーネスと交わした約束はちゃんと覚えていてくれたみたい。俺は生まれ変わったネリアを見て周るのを楽しみにしながら、みんなの準備が終わるまで第三部隊の人達に遊んでもらい待つのだった。
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