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皇国復活編
俺、ネリアが見えたよ!
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昼食をとりながら早まってしまった日程について話すことにした俺達はアルベルドから話を聞いていた、
「魔境を抜けてしまったけど、方角は合ってるのよね?」
「勿論だ、この砂漠をあと一日も歩けばネリアに着くはずだ」
「クーアのおかげでかなり短縮できたな」
「えへへ~」
「あそこを後三日も居ると思うと気が滅入ってたから本当に助かったぜ」
「みんなの役に立てて良かったよ~」
元々俺の魔法を使って飛んで魔境を越える予定だったのが、俺が役立たずになっちゃったせいでこんなに時間が掛かってしまったんだから名誉挽回しないとね!魔力はかなり使っちゃったけど、もう少し休めばまたみんなで飛べるようになるけど。
「また飛んでいこうか?」
「いや、クーアの魔力は大事にしておきたい」
「そうね、この先に何があるか分からないしネリアに着いたら沢山魔法を使わないといけない状況になるかもしれないからね」
「楽しかったけど暫くはおあずけだな」
「は~い」
みんなで一緒に飛ぶのは楽しかったけど、暫くは一緒に飛ぶのは無理そうだね。ネリアがどんな状況になってるか分からないし、この先強大な魔物に合うかもしれないそんな時に備えて魔力は温存しておくよ。
「この先は俺が知ってる砂漠とほぼ変わりは無いみたいだな・・・・あの砂丘を登ればネリアが見えるはずだ」
アルベルドは俺達が向かおうとしている先にある大きな砂丘を指さす。魔境の中とは違って、視界が遮られてないから行き先がしっかり見れるのは本当に有り難いよね。レイランもそう思ったのか、
「行き先が見えるって良いわね」
「あぁとてつもない開放感があるな」
「しかも暗くない、太陽有難いぜ!」
「うんうん、良いよね~それにしても暑くない?」
俺はみんなの体に水の魔法を掛けてあげて、体温とみんなの体にまとわりつく暑い空気を冷やしてあげる。
「さっきまでと比べると、確かに暑いな。これが普通なのか?」
「うむ、もう少し暑いぐらいがここの平均だ」
「そうなのか砂漠は、皇都周辺より暑いな」
「そうね、でもクーアのおかげで何とかなるわ」
「だな、クーアのおかげで体力が有り余ってるし今日の内にネリアに到着できそうだな」
「うむ、先を急ごう」
俺達は水を飲むと立ち上がり、陽射しが降り注ぐ砂漠に向かって俺達は歩きはじめた。砂漠は相変わらず、足場は崩れ踏ん張れず歩きづらいけれどみんなはもう慣れたもので、順調に歩みを進めていく。
魔境と比べたら楽なもんだよね~
目の前にあった砂丘をしっかり踏みしめながら、頂上まで辿り着くとその先にはこの砂漠では見るからに異質な大きく四角い岩が遠くに見えた。その大岩は、何も無い砂漠に高くそして広く聳え立ち、まるで壁が立っているかのように俺達の目に飛び込んできた。
「あれって岩?」
「うむ、あれがネリアだ」
「えぇ~岩にしか見えないけど」
「ネリアは大岩を掘り築いた町なんだ、あの中は空洞になっていて多くの家達が並んでいるぞ」
「不思議な町だね~」
砂丘の頂上から見たネリアはただの岩で人が住むような家は見えなかったけど、あの大岩の中に人が住んでいるんだね。岩の中にある町なんて初めて見たよ。というか、人が住めるぐらい大きな岩って・・・・
「ここから、結構距離あるよな。それなのにこんなにはっきり見えるって凄い大きさだな」
「話には聞いていたが、見てみると圧巻だな」
「あれって、本当に自然に出来た岩なのかしら?自然物にしては大きすぎない?」
ネリアの大岩は、かなり距離があるここからでもはっきり見えるけど周りは霞んで見えるほどの距離。あんな大岩が自然に生じるのは俺でも可笑しいと思う。
「ネリアの歴史は古い、何時からあの大岩が有ったのかは分からないがヴィラス様があの岩を掘り町が生まれたという話だから、遥か昔からあの大岩が有ったのかもしれない。もしくは、ヴィラス様が持ってきたという可能性もあるがな」
「色々調べてみたいわね~」
「確かに興味がそそられるが、まずはネリアの町への支援が先だ」
「だな!それに住民達と話せばいろいろ知れるかもしれないぜ?たとえ遥か昔の事だとしても、伝承や昔話しとして歴史が残ってるのはよくある事だ」
「うむ、我々白風の一族も生まれを伝承として残している。ネリアもきっとそうだろうな、さて目的地も見えたことだしそろそろ行くぞ」
俺達は砂丘を下り目の前に見えている、大岩に向かって歩き始めた。目的地が見えてるって良いよね~どれだけ自分達が進んでいるのかが分かるし、行き先が見えると心理的余裕が違う。心なしかみんなの足取りも軽いし、圧迫感も無くなったことによってみんなの顔が晴れ晴れしい。
「魔境を抜けると普通の砂漠なのね」
「俺はネリアまでずっと魔境が続くと思ってたぜ」
「同じく」
「魔境はネリアとサイドの間を多く分断する場所なんだ。詳しく言うとネリアとサイドだけでは無く、大地を一直線に分断しているんだ。だからこちらに住む人々が皇都に行くには必ず魔境を越えないといけないんだ」
「うへぇ・・・・それは大変過ぎないか?」
「と言ってもこっち側に住んでいる者達は岩の民と俺達白風の一族ぐらいだかな」
「他には居ないのか?」
「居ないな、人が住めるような環境がネリアとセレルくらいしかないから新たな町が作られることが無いし、この砂漠を放浪しながら過ごすには厳しすぎる。ネリアとセレルが人が暮らせる場所だからこそ、魔境を越える必要が無いんだがな」
「なるほどね~こっちの人達は出てこないとは聞いていたけど、そういう理由なのね」
「ネリアの戦士達なら普通の魔境ぐらいは越えられるが、今の魔境は厳しいだろうな」
「あれは、クーアが居ないと無理だろ。俺達だってクーアが居なかったら無事に抜けられるか分からないぜ」
「だからこそ、物資不足になってるんだろうな。急ごう」
「おう、と言いたいところだが前から団体さんのお出ましだ」
シャールクはそう言って弓を抜き、みんなも武器を構える。視界が開けているから、シャールクが言った敵が見えてるはずだけど・・・・
「なんだ、あの砂煙は」
「上から見てくるよ~」
俺達に向かってくる砂煙が前方に見えたけど、その正体が分からない。だから俺は上から見る事によって正体を探ろうとすると・・・・砂煙の中から先っぽが尖った尻尾が沢山と人を簡単に断ち切ることが出来そうな大きく立派な鋏がぞろぞろと。
「あれ、蠍の集団だね」
「マジか」
「あの数相手は少し厳しいな」
「レイラン、シャールク、ウォル、魔法の準備を一気に殲滅する」
「流石にあの数を殲滅するような魔法を使えないわよ!」
レイランが迫りくる大軍を見て叫ぶ。迫りくる蠍は五十を優に超えるほどの数が砂埃は舞い散らしながら俺達に向かって来てる。それはまるで砂嵐が意識をもって、俺達に襲い掛かろうとしているみたい。あの数を相手するのは流石に大変そうだし俺が手伝ってあげようかな。
「大丈夫だ、みんなは雷と火の魔法を最大威力と範囲で撃てばいい、俺がそれを拡散させる」
「・・・・分かったわ!」
「アルベルドに任せる」
「じゃあ、俺は雷魔法を!」
レイランは杖を置き両手を目の前に突き出し目を瞑り、魔法に集中しシャールクは高濃度の魔力で雷の矢を作り出している。ウォルはまだ広範囲を攻撃出るほどの魔法は使えないから、剣に火の魔力を纏わせて飛ばすみたい。みんなで力を合わせようとしているところ悪いけど・・・・
「俺が倒しちゃおうか~?」
「俺達が失敗したとき後を頼んで良いか?それと討ち漏らした奴の処理も」
「は~い」
そう言うとアルベルドは剣と盾を地面に置き両手を胸の間に構え、その手の中に暴風を圧縮したような風の球体を作り出す。
「もう少し引き付ける!・・・・・・今だ!!!」
アルベルドの号令で、三人は一斉に魔法を発動させた。レイランが発動した魔法は蠍たちの頭上にいきなり現れ太陽のごとき球体が蠍たちを焼き殺し、シャールクが放った矢は、雷雲が無いのに稲妻を起こし蠍たちを焼き焦がす。ウォルが放った斬撃は真っ直ぐ飛び蠍たちを横薙ぎにしていくが・・・・まだ蠍達は残っている。
やっと半分くらいかな~?
三人の魔法で半分くらいは倒せたけど、まだ沢山いるし俺が倒しちゃおうかなと思ってたら、アルベルドがまだ魔法を放っていない事に気付いた。アルベルドの方を見ると、丁度作り上げた暴風の球体を大きく振りかぶり投げる所だった。
ブンッ
という風を切る音と共に勢いよく飛んでいった風の球体は、蠍達の頭上で弾け突風と共に三人の魔法を巻き込み、火と雷、斬撃を含んだ嵐となり残りの蠍達を一網打尽にしていく。逃げようとする蠍達も居たが、風がそれを許さず嵐へと吸い込まれていく。
「おお~すご~い」
「ド派手ね」
「うわ~・・・・あれは絶対くらいたくない」
「・・・・確かにあれなら蠍達を倒せるだろうが威力が強すぎないか?」
嵐が発生て数十秒経った今、もう蠍達は全滅しているが嵐が止む様子はなく、なんだったら俺達の方に段々近づいて来てるように見える。それをアルベルドは無言で表情無く見ていたが、ボソッと
「失敗したな」
俺とシャールクはそれが聞こえて、アルベルドの方を見たがレイランとウォルには聞こえてない。
「クーアすまないが、あれを何とか出来るか?」
「は~い」
俺は嵐を飲み込む程の大きな水を作り出し、嵐の魔力を吸収しながら包み込むことによって嵐は綺麗さっぱり消えたが、地面には酷いものだった。
「・・・・えぐいな」
「流石にこれを放置することは出来ないわね、アルベルドもうちょっと手加減しなさい」
「うむ・・・・」
「回収頼んで良いか?」
「はいは~い」
嵐が止んだ地面は蠍の残骸と、魔法によって抉れた地面で悲惨な状況だ。蠍の体はバラバラになって地面に散らばっているから俺は一気に蠍をポケットの中に入れ、地面も元の状態に戻してあげる。後始末も大事だからね~
「ありがとねクーア、アルベルドも少しは魔法の制御しなさい出来るんでしょ?」
「・・・・・クーア感謝する」
「いえいえ~」
「・・・」
「兎に角、脅威は排除できた急ごう」
アルベルドが呟いた声が聞こえていたシャールクは頭を傾げながらアルベルドを見ているが兎に角進むことを優先したようだ。さて、もうすぐネリアだね~
「魔境を抜けてしまったけど、方角は合ってるのよね?」
「勿論だ、この砂漠をあと一日も歩けばネリアに着くはずだ」
「クーアのおかげでかなり短縮できたな」
「えへへ~」
「あそこを後三日も居ると思うと気が滅入ってたから本当に助かったぜ」
「みんなの役に立てて良かったよ~」
元々俺の魔法を使って飛んで魔境を越える予定だったのが、俺が役立たずになっちゃったせいでこんなに時間が掛かってしまったんだから名誉挽回しないとね!魔力はかなり使っちゃったけど、もう少し休めばまたみんなで飛べるようになるけど。
「また飛んでいこうか?」
「いや、クーアの魔力は大事にしておきたい」
「そうね、この先に何があるか分からないしネリアに着いたら沢山魔法を使わないといけない状況になるかもしれないからね」
「楽しかったけど暫くはおあずけだな」
「は~い」
みんなで一緒に飛ぶのは楽しかったけど、暫くは一緒に飛ぶのは無理そうだね。ネリアがどんな状況になってるか分からないし、この先強大な魔物に合うかもしれないそんな時に備えて魔力は温存しておくよ。
「この先は俺が知ってる砂漠とほぼ変わりは無いみたいだな・・・・あの砂丘を登ればネリアが見えるはずだ」
アルベルドは俺達が向かおうとしている先にある大きな砂丘を指さす。魔境の中とは違って、視界が遮られてないから行き先がしっかり見れるのは本当に有り難いよね。レイランもそう思ったのか、
「行き先が見えるって良いわね」
「あぁとてつもない開放感があるな」
「しかも暗くない、太陽有難いぜ!」
「うんうん、良いよね~それにしても暑くない?」
俺はみんなの体に水の魔法を掛けてあげて、体温とみんなの体にまとわりつく暑い空気を冷やしてあげる。
「さっきまでと比べると、確かに暑いな。これが普通なのか?」
「うむ、もう少し暑いぐらいがここの平均だ」
「そうなのか砂漠は、皇都周辺より暑いな」
「そうね、でもクーアのおかげで何とかなるわ」
「だな、クーアのおかげで体力が有り余ってるし今日の内にネリアに到着できそうだな」
「うむ、先を急ごう」
俺達は水を飲むと立ち上がり、陽射しが降り注ぐ砂漠に向かって俺達は歩きはじめた。砂漠は相変わらず、足場は崩れ踏ん張れず歩きづらいけれどみんなはもう慣れたもので、順調に歩みを進めていく。
魔境と比べたら楽なもんだよね~
目の前にあった砂丘をしっかり踏みしめながら、頂上まで辿り着くとその先にはこの砂漠では見るからに異質な大きく四角い岩が遠くに見えた。その大岩は、何も無い砂漠に高くそして広く聳え立ち、まるで壁が立っているかのように俺達の目に飛び込んできた。
「あれって岩?」
「うむ、あれがネリアだ」
「えぇ~岩にしか見えないけど」
「ネリアは大岩を掘り築いた町なんだ、あの中は空洞になっていて多くの家達が並んでいるぞ」
「不思議な町だね~」
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「ここから、結構距離あるよな。それなのにこんなにはっきり見えるって凄い大きさだな」
「話には聞いていたが、見てみると圧巻だな」
「あれって、本当に自然に出来た岩なのかしら?自然物にしては大きすぎない?」
ネリアの大岩は、かなり距離があるここからでもはっきり見えるけど周りは霞んで見えるほどの距離。あんな大岩が自然に生じるのは俺でも可笑しいと思う。
「ネリアの歴史は古い、何時からあの大岩が有ったのかは分からないがヴィラス様があの岩を掘り町が生まれたという話だから、遥か昔からあの大岩が有ったのかもしれない。もしくは、ヴィラス様が持ってきたという可能性もあるがな」
「色々調べてみたいわね~」
「確かに興味がそそられるが、まずはネリアの町への支援が先だ」
「だな!それに住民達と話せばいろいろ知れるかもしれないぜ?たとえ遥か昔の事だとしても、伝承や昔話しとして歴史が残ってるのはよくある事だ」
「うむ、我々白風の一族も生まれを伝承として残している。ネリアもきっとそうだろうな、さて目的地も見えたことだしそろそろ行くぞ」
俺達は砂丘を下り目の前に見えている、大岩に向かって歩き始めた。目的地が見えてるって良いよね~どれだけ自分達が進んでいるのかが分かるし、行き先が見えると心理的余裕が違う。心なしかみんなの足取りも軽いし、圧迫感も無くなったことによってみんなの顔が晴れ晴れしい。
「魔境を抜けると普通の砂漠なのね」
「俺はネリアまでずっと魔境が続くと思ってたぜ」
「同じく」
「魔境はネリアとサイドの間を多く分断する場所なんだ。詳しく言うとネリアとサイドだけでは無く、大地を一直線に分断しているんだ。だからこちらに住む人々が皇都に行くには必ず魔境を越えないといけないんだ」
「うへぇ・・・・それは大変過ぎないか?」
「と言ってもこっち側に住んでいる者達は岩の民と俺達白風の一族ぐらいだかな」
「他には居ないのか?」
「居ないな、人が住めるような環境がネリアとセレルくらいしかないから新たな町が作られることが無いし、この砂漠を放浪しながら過ごすには厳しすぎる。ネリアとセレルが人が暮らせる場所だからこそ、魔境を越える必要が無いんだがな」
「なるほどね~こっちの人達は出てこないとは聞いていたけど、そういう理由なのね」
「ネリアの戦士達なら普通の魔境ぐらいは越えられるが、今の魔境は厳しいだろうな」
「あれは、クーアが居ないと無理だろ。俺達だってクーアが居なかったら無事に抜けられるか分からないぜ」
「だからこそ、物資不足になってるんだろうな。急ごう」
「おう、と言いたいところだが前から団体さんのお出ましだ」
シャールクはそう言って弓を抜き、みんなも武器を構える。視界が開けているから、シャールクが言った敵が見えてるはずだけど・・・・
「なんだ、あの砂煙は」
「上から見てくるよ~」
俺達に向かってくる砂煙が前方に見えたけど、その正体が分からない。だから俺は上から見る事によって正体を探ろうとすると・・・・砂煙の中から先っぽが尖った尻尾が沢山と人を簡単に断ち切ることが出来そうな大きく立派な鋏がぞろぞろと。
「あれ、蠍の集団だね」
「マジか」
「あの数相手は少し厳しいな」
「レイラン、シャールク、ウォル、魔法の準備を一気に殲滅する」
「流石にあの数を殲滅するような魔法を使えないわよ!」
レイランが迫りくる大軍を見て叫ぶ。迫りくる蠍は五十を優に超えるほどの数が砂埃は舞い散らしながら俺達に向かって来てる。それはまるで砂嵐が意識をもって、俺達に襲い掛かろうとしているみたい。あの数を相手するのは流石に大変そうだし俺が手伝ってあげようかな。
「大丈夫だ、みんなは雷と火の魔法を最大威力と範囲で撃てばいい、俺がそれを拡散させる」
「・・・・分かったわ!」
「アルベルドに任せる」
「じゃあ、俺は雷魔法を!」
レイランは杖を置き両手を目の前に突き出し目を瞑り、魔法に集中しシャールクは高濃度の魔力で雷の矢を作り出している。ウォルはまだ広範囲を攻撃出るほどの魔法は使えないから、剣に火の魔力を纏わせて飛ばすみたい。みんなで力を合わせようとしているところ悪いけど・・・・
「俺が倒しちゃおうか~?」
「俺達が失敗したとき後を頼んで良いか?それと討ち漏らした奴の処理も」
「は~い」
そう言うとアルベルドは剣と盾を地面に置き両手を胸の間に構え、その手の中に暴風を圧縮したような風の球体を作り出す。
「もう少し引き付ける!・・・・・・今だ!!!」
アルベルドの号令で、三人は一斉に魔法を発動させた。レイランが発動した魔法は蠍たちの頭上にいきなり現れ太陽のごとき球体が蠍たちを焼き殺し、シャールクが放った矢は、雷雲が無いのに稲妻を起こし蠍たちを焼き焦がす。ウォルが放った斬撃は真っ直ぐ飛び蠍たちを横薙ぎにしていくが・・・・まだ蠍達は残っている。
やっと半分くらいかな~?
三人の魔法で半分くらいは倒せたけど、まだ沢山いるし俺が倒しちゃおうかなと思ってたら、アルベルドがまだ魔法を放っていない事に気付いた。アルベルドの方を見ると、丁度作り上げた暴風の球体を大きく振りかぶり投げる所だった。
ブンッ
という風を切る音と共に勢いよく飛んでいった風の球体は、蠍達の頭上で弾け突風と共に三人の魔法を巻き込み、火と雷、斬撃を含んだ嵐となり残りの蠍達を一網打尽にしていく。逃げようとする蠍達も居たが、風がそれを許さず嵐へと吸い込まれていく。
「おお~すご~い」
「ド派手ね」
「うわ~・・・・あれは絶対くらいたくない」
「・・・・確かにあれなら蠍達を倒せるだろうが威力が強すぎないか?」
嵐が発生て数十秒経った今、もう蠍達は全滅しているが嵐が止む様子はなく、なんだったら俺達の方に段々近づいて来てるように見える。それをアルベルドは無言で表情無く見ていたが、ボソッと
「失敗したな」
俺とシャールクはそれが聞こえて、アルベルドの方を見たがレイランとウォルには聞こえてない。
「クーアすまないが、あれを何とか出来るか?」
「は~い」
俺は嵐を飲み込む程の大きな水を作り出し、嵐の魔力を吸収しながら包み込むことによって嵐は綺麗さっぱり消えたが、地面には酷いものだった。
「・・・・えぐいな」
「流石にこれを放置することは出来ないわね、アルベルドもうちょっと手加減しなさい」
「うむ・・・・」
「回収頼んで良いか?」
「はいは~い」
嵐が止んだ地面は蠍の残骸と、魔法によって抉れた地面で悲惨な状況だ。蠍の体はバラバラになって地面に散らばっているから俺は一気に蠍をポケットの中に入れ、地面も元の状態に戻してあげる。後始末も大事だからね~
「ありがとねクーア、アルベルドも少しは魔法の制御しなさい出来るんでしょ?」
「・・・・・クーア感謝する」
「いえいえ~」
「・・・」
「兎に角、脅威は排除できた急ごう」
アルベルドが呟いた声が聞こえていたシャールクは頭を傾げながらアルベルドを見ているが兎に角進むことを優先したようだ。さて、もうすぐネリアだね~
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