裏切られた水龍の俺は皇子達と国を復活させます!~俺を食べようとした奴なんかに水はあげない!~

和吉

文字の大きさ
上 下
37 / 158
皇国復活編

俺、魔法について教えてもらうよ!2

しおりを挟む
「そして何より重要なのはどんな魔法を使うのかをしっかりとイメージすること」
「いくら魔力操作が上手かったとしても、発動する魔法を思い描けなければ意味ないからな」
「だから、これから毎日みんなで魔力操作とイメージの練習をしましょう。解らないところがあれば教えるし、色々な魔法を使えるクーアが居るんだもの訓練するにはもってこいね」
「お~俺も先生?」
「そう、よろしくねクーア先生」
「おぉぉ先生!よ~し何でも聞いてね!」

 俺はまだ知らないことが沢山有るけど、魔法に関してなら任せてね!俺が持ってる属性の魔法は全部自由に使えるし、みんなの魔力を操ることも出来るから色々教えることが出来ると思う。

「みんな魔力の放出はある程度できるから、まずは放出した魔力を掌に集める事から始めていきましょうか」
「うむ、基本だな」
「魔法を使ったら制御できなくて暴走しちゃう可能性があるから、最初は何も魔法を乗せずにただ魔力を放出するだけね」
「俺、これ苦手なんだよな~」

 シャールクは嫌そうにしながらも、魔力を放出して掌に魔力を集めていくけど形が歪だし時々崩れちゃってる。ウォルは魔力を放出することは出来てるけど、掌に集めるのに苦戦してるみたい。

「魔法士を目指す人でもこれが一番難しいですからね。いくら自分の魔力だと言え目に見えないものを感覚だけで操作しないといけませんから」
「・・・・目に見えない?」
「えぇ、高濃度の魔力でなければ目に見えませんからね」

 ・・・・あっそっか!人間は魔力を見る事が出来ないんだった。確かに目に見えない物を、操ったりするのは難しいよね。俺は魔力の流れや空中に散っている魔力、そして自分の魔力も見えるから簡単に操ることが出来るんだよね。
 だったら、みんなも魔力が見えるようになったら簡単に魔法が使えるようになるんじゃないかな。星の魔法を使えばみんなに全ての魔力が見えるようにすることが出来るけど、それはなんか違う気がする。みんな苦戦しながらも、練習してるしそれを俺が何でもかんでもやってあげるのはなんか違うよね。

「魔法を使えば楽なんだけどな~」
「シャールクは魔法の矢を作るのが上手よね」
「うむ、騎士団に入っても問題ないレベルだな」
「あれは見慣れてる物だし、目に見えるからな」
「・・・・」

 アルベルドは苦戦する事無く魔力を掌に集めることが出来てるし、レイランは集めた魔力を色々な形に変えている。ウォルは無言で集中してるけど、中々出来ないみたい。

「皇子日々努力すれば出来るようになりますよ」
「そうか・・・・」
「流石にすぐに出来たら俺落ち込むぜ」

 シャールク達は長年魔法の訓練をしてきたから魔力の操作がある程度出来るのだ。すぐにウォルが出来るようになったら嬉しいけど、ちょっと落ち込んじゃうよね。だけど、ウォルは水の魔法を長年使いたいと思ってたんだし、少しだけ手助けするぐらい良いよね?

「じゃあ、俺が少しだけ手伝ってあげる。操作出来るかはウォル次第だけどね」

 俺はウォルの近くまで行って、ウォルが放出している魔力に星の魔法で色付けをしてあげる。

「これは・・・・」
「この水色に光ってるものがウォルの魔力だよ」
「魔力が見える・・・・!?可視化できる程高濃度じゃないのに!」
「綺麗だな・・・・」
「おお~魔力ってこんな感じなのか」

 今俺がやったのは、ウォルが放出している魔力に色を付けて見えるようにしてるだけ。みんなに魔力が見えるようになる魔法を掛けた訳じゃないし、ウォルの魔力を俺が操った訳でもない。ただ見えるようにしただけ。だから、これを操れるかどうかはウォル次第。

「これで魔力が分かりやすくなったんじゃない?」
「あぁこれなら分かりやすいな、ありがとうクーア」
「うん!」

 ウォルは色付いた魔力をしっかり見ながら集中し魔力がどう流れているのか、今魔力がどういう状態なのかを確認しながら操っている。まだ、掌に集めることは出来ないけど、魔力を操る事は少しずつ出来てきている。

「この方法があれば、魔法を習得する速さが格段に上がるわね。クーアこれはどういう魔法なの?」
「これは星の魔法だよ~少しの間だけウォルから放出される魔力に色付けをしたんだよ。だから、少ししたらまた見えなくなっちゃう」
「星の魔法なのね・・・・それは私には使えないし・・・・あれ、でもクーアの加護で私にも星の属性がっ」
「あっごめん言い忘れた。星の魔法は俺の加護が有っても無理だよ」
「そんな・・・」

 レイランが地面に手を付きながら悲しんでいるけど、ごめんね~いくら俺の加護が有っても星の魔法は無理なんだ。まず、星の魔法を使うには星の意識に触れなきゃいけないから人間の精神には耐えられないから無理なんだよね。あと星の防衛策として例外以外は生きている者は星の意識には触れられないんだ。例外というのが星の属性を持つ者達の事。
 だから、どれだけやっても星の魔法を使う事は無理。けど、俺が今やったことをしたいなら他に方法があるよ。

「レイランそんなに落ち込まないで~」
「大丈夫よ、ただ残念で・・・・あれが出来ればより魔法が習いやすくなるのに」
「やろうと思えば、同じことを他の魔法でも出来るよ?」

 俺はシャールクの傍に行って魔法を発動させる。

「こうやってね」
「おぉ紫!カッコイイな」
「えっどうやって!?」

 俺が今やって見せた魔法は星の魔法じゃなくて闇の魔法と光の魔法の合わせ技。魔法を魔力に纏わせて魔力に反応して光る様に調節すればこんなことだって出来る。

「ただ、魔法でシャールクの魔力に纏わせて光るようにしただけだよ~」
「・・・・そうか!何でそんな単純な事を思いつかなかったの!」
「昔からこの方法だからな、仕方あるまい。それに、魔法を掛ける側は相手の魔力をしっかり把握しないと魔法が発動しないだろ」
「熟練した魔法士なら相手の魔力を感じ取る事程度簡単に出来るわ。皇都に戻ったらすぐにこの事をまとめて報告しないと・・・・」

 魔法は想像力次第で本当に色々なことが出来る。新しい発見をしたり、生活がより豊かになったりね。魔法は万能だけど水で火を起こしたり、風で大地を揺るがしたりとか属性からかけ離れた事は出来ない。

「魔法は楽しい事を考えると使いやすいよ~」
「楽しい事?」
「そう、好きな物や~馴染み深いものその方がイメージしやすいから魔法も使いやすいんだよ
「好きな物・・・・」
「俺はいつも水遊びしたいとか、スナネコちゃんとかウサギちゃんの事を考えて魔法を使うの。そうすれば形や感触が再現しやすいでしょ?」
「はは、クーアらしいな。そうだな、確かに想像しやすい」
「ウォルも魔力の操作が慣れたらすぐに魔法を放つことが出来るようになると思うよ」

 色付けた魔力に集中しならが、ずっと訓練しているウォルを応援しながら色々聞きたそうにしているレイランの質問に答えていくのだった。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

処理中です...