112 / 192
お~凄い施設だな
しおりを挟む
ドーム状の建物はかなり大きく、厳重な扉によって閉ざされている。中に入るには専用の鍵が必要なようで、リリー夫人はポケットから鍵を取り出すと鍵穴に入れて扉を開き中に入れてくれた。
扉が魔道具になっていて、鍵が掛かっている状態だと結界と魔法で絶対に扉が開かないようになっているのか~・・・・しかも扉だけじゃなくて建物の全面に使われれているガラスからも魔力を感じるから、何かしらの付与がされているな。それに重ねるように中から結界の魔道具で耐久力をあげてる感じか。金掛かってるな~・・・・
「随分と厳重ですね」
「この中の植物は危ないものが多いですし、私が調合の実験などもするので誰も入れないようにしておかなければならないのです」
「そんな所に俺が入っても良いんですか?」
「えぇ構いません」
なんでこんな俺を受け入れてくれてるのか謎だけど、良いって言うなら遠慮なく入っちゃお~と。ふむ、ガラスに囲われていて密閉状態になっているはずなのに風が淀んでいない・・・・風の通りもあるみたいだしこれは何か風の魔道具が置いてあるな。中は中央に大きな机に調合に必要な様々な道具と、大きな水の魔道具が置いてあってそれを囲うかのように植物が植えられている。そして、中央から四つの方向に通路が引かれていた。俺達は中央を目指して歩いて行くが、左右に見える植物はどれも特殊な環境と魔力が必要な植物ばかりだ。
「どれも魔力が必要な植物ですね」
「えぇ、ここは魔力や特殊な環境が必要になる植物を育てる場所なんです」
色々な魔力が点在している気配の正体はこれか・・・・
植物によっては火の魔力や水の魔力と言った属性の魔力を糧にして育つものがある。それらは魔法植物と呼ばれるんだが、ここはその魔法植物専用の植物園という訳か。空と時以外の魔力は感じるけど、魔力を発生させる魔道具を八つも揃えてそれを維持する費用だって馬鹿にならないはずだ。
「この建物って前から有ったんですか?」
「私は元々植物の研究をしていましたが、こちらに嫁ぐことが決まり研究も終わりかと思ったのですがその才能を眠らせるのは勿体ないと旦那様がわざわざ作ってくださったのです。そのおかげで、私の知識をこの領に、旦那様の為に使えているのです」
「凄いですね・・・・」
これを一から建てるって相当金掛かってるな~魔道具もどれも質が良い物だし流石はシュナイザー様って感じだな。それに、薬草の知識って言うのは本当に有用でこんな戦いの絶えない町じゃその重要性は遥かに高くなるだろ。だから、ここまで凄いし施設を建てるのも納得がいくし、才能を眠らせておくほど勿体ない物は無いもんな。
「こちらの魔法植物はフォレシアから取り寄せた物が多いのですが、他の場所からも仕入れています。例えばこちらのフロストジュエルなどは、寒冷地にしか実をなさないのですが特注の氷の魔道具を使っています」
「氷の魔道具もあるんですね」
「えぇ、中々無い闇の魔道具もございますよ。見て行かれますか?」
氷は水属性の上位の属性で使える人も魔石も少ないのだが、そこまで用意できるもんなんだな。
表情を緩めながら魔法植物園の紹介をしてくれるリリー夫人はいつもの冷静な姿とは違い、どこか子供らしく目が輝いている。植物の紹介や魔道具の紹介の時は饒舌になるしもしかしてリリー夫人って自分の好きな物を紹介したりしたい人なんだろうな。少し意外な一面を見れて嬉しい俺は、リリー夫人にこの場所を隅々まで案内して貰うことにした。
「えぇ、お願いします」
「そうですかっそれでは早速。闇の植物を育てている場所は奥ですので、まずは中央に向かいましょう」
「はい」
中央には様々な植物が瓶詰めにされていて、机の上に広がっている本には何やら難しい事ばかりが書かれているがどうやらこれはリリー夫人が書いているようだ。
「ここは私が薬草の実験や調合をする場ですね」
「調合と言うことは薬師なんですか?」
「いえ、私は薬師と呼べるほど立派な物ではありませんよ。研究はしていますが、本業の方と比べるとまだまだですから」
薬師を名乗るには何処かの薬師に弟子入りして、長年修行するしかない。代々続いている薬師と言うのは凄いもので、秘薬とも呼べるような薬を作れたりその土地に根付いている植物をすべて把握している。なので、町に一人でも薬師が居ると重宝されると聞いたことがある。
「それでも薬の調合が出来るなんて凄いと思いますけどね。俺は毒の調合は出来るんですけど、薬は全然ですよ」
「薬も毒は紙一重ですから、毒が作れるのであれば薬も作れるようになると思いますよ」
うふふと笑いながら言ってくれるけど、毒は殺す目的で作るから用量とかは気にしなくても良いけど薬となると訳が違う。寸分違わず正確に作らないと駄目だから、神経使うんだよな~薬を作るコツを教えて貰いながらさらに先に進むと馴染み深い魔力を感じる。
「ここが闇属性の魔法植物を育てている場所ですね。他の属性と比べると数が少ないのですが・・・・」
「あれって昨日の」
「はい、常闇草です。丁度薬を作るのに必要だったので助かりました」
「闇属性の薬草って意外と必要な事が多いですよね。見つけるのは難しいですけど」
「そうですね。闇属性の薬草で多い効能は、解毒や鎮静作用、心を落ち着かせたりと体の内部に働きかけるものですから使用する頻度は高い方ですね」
魔法植物にも属性ごとに特徴が違っていて、火属性であれば体を温めたり興奮を促す。水属性であれば解熱や体の水を外に出したりと、属性ごとの特徴を加味しながら薬を調合しなければならない。そういう所が難しくて面倒な部分なんだよな~
「それなのに、闇属性の薬草は採取をする時には専用の道具が必要だったり群生地が見つからなかったり一夜で消えてしまう物だったりと随分面倒な植物ですよね」
「そうですね・・・・特段気難しい属性ではありますけど私はそういったと所が面白い所だと思いますよ。例えばこのムーングロウは、月光がよく当たる場所にしか生息せず、月に満ち欠けによって花の形を変える不思議な花です。月の光によって成長し、やがてムーンドロップと言う月の力を集めた宝石を作り出し、闇属性としては珍しく再生の力を司ります。闇なのに光の特徴を持っている・・・・とても不思議で面白いでしょう?」
ムーングロウは満月の夜であれば丸い花を咲かせ、月が完全に隠れた時は花を咲かせないという月の満ち欠けに対応した花の形を咲かせることで有名だ。その花の模様は、空に輝く月と星々の空を表しているかのような深い黒と金色で、見つけにくい事から見つけたら不幸が訪れる知らせだとも言われている。
「植物は本当に奥が深いものなんです。調べれば調べていく程、何故そんな形をしているのか、何故そんな力を秘めているのかを知りたくなるので日々楽しいですよ」
「研究者ですね~」
「そうですね。私は根っからの研究者なのです」
知らない物を知るという楽しみと言うのは俺もよく分かる。分からなければ、調べたくなるし自分で確かめてみたいという気持ちはそうそう抑えられるものじゃないもんな。
「だから、私が私で居られる場所を作ってくれた旦那様には本当に感謝しているんです」
そう言って笑うリリー夫人はまるで大輪の花が咲いたかのような笑顔で、シュナイザー様への愛情に満ちていた。こんな顔をさせるシュナイザー様は罪な男だな~あんまり親しくしている様子を見ないから、落ち着いている関係なのかなと思ったけど、この様子を見るとアツアツみたいだな。
「シュナイザー様は良い人なのは俺も同意見です」
「それとクロガネ様にも感謝しているのですよ」
「え、俺もですか?」
「えぇ、テセウを指導して下さったことに感謝を。初めは傷を作るあの子が心配でしたが、毎日のように明るく元気で子供のようにはしゃぐあの子を見れて私は幸せなんです。それに、この前は私を少し悪戯をしたのですよ」
「その節はすみません・・・・」
やべ、その悪戯って俺が教えたやつだよな・・・・
「いえ、怒ってはいませんよ。あの子は次期当主になると言うことでいつも真面目に勉強や鍛錬に励んでいて遊ぶと言うことをあまりせずにいたから少し心配でしたの。だけど、クロガネ様と会ってからは、毎日が楽しそうで子供らしい様子を見れて安心しました」
「そうなんですか・・・・」
「領主の息子と言うことで同年代の子達は、テセウの事を特別扱いして対等に立てる友人は今まで居ませんでしたから・・・・だから、クロガネ様。テセウの友人となってくれてありがとうございます」
「いや、お礼を言うのは俺の方ですよ。テセウと友人になれて俺も嬉しいですから!」
今は指導役だけど、その役目が終わったとしても俺はテセウとは友人を続けるつもりだ。あんな人が良くて素直な奴なんてそうそう居ないし、一緒に居て楽しいからな!
「そうですか、これからもよろしくお願いしますね」
そう言ったリリー夫人はさっきの深い愛情を持つ乙女の顔では無く、我が子の幸せを喜ぶ母親の顔をしていた。
扉が魔道具になっていて、鍵が掛かっている状態だと結界と魔法で絶対に扉が開かないようになっているのか~・・・・しかも扉だけじゃなくて建物の全面に使われれているガラスからも魔力を感じるから、何かしらの付与がされているな。それに重ねるように中から結界の魔道具で耐久力をあげてる感じか。金掛かってるな~・・・・
「随分と厳重ですね」
「この中の植物は危ないものが多いですし、私が調合の実験などもするので誰も入れないようにしておかなければならないのです」
「そんな所に俺が入っても良いんですか?」
「えぇ構いません」
なんでこんな俺を受け入れてくれてるのか謎だけど、良いって言うなら遠慮なく入っちゃお~と。ふむ、ガラスに囲われていて密閉状態になっているはずなのに風が淀んでいない・・・・風の通りもあるみたいだしこれは何か風の魔道具が置いてあるな。中は中央に大きな机に調合に必要な様々な道具と、大きな水の魔道具が置いてあってそれを囲うかのように植物が植えられている。そして、中央から四つの方向に通路が引かれていた。俺達は中央を目指して歩いて行くが、左右に見える植物はどれも特殊な環境と魔力が必要な植物ばかりだ。
「どれも魔力が必要な植物ですね」
「えぇ、ここは魔力や特殊な環境が必要になる植物を育てる場所なんです」
色々な魔力が点在している気配の正体はこれか・・・・
植物によっては火の魔力や水の魔力と言った属性の魔力を糧にして育つものがある。それらは魔法植物と呼ばれるんだが、ここはその魔法植物専用の植物園という訳か。空と時以外の魔力は感じるけど、魔力を発生させる魔道具を八つも揃えてそれを維持する費用だって馬鹿にならないはずだ。
「この建物って前から有ったんですか?」
「私は元々植物の研究をしていましたが、こちらに嫁ぐことが決まり研究も終わりかと思ったのですがその才能を眠らせるのは勿体ないと旦那様がわざわざ作ってくださったのです。そのおかげで、私の知識をこの領に、旦那様の為に使えているのです」
「凄いですね・・・・」
これを一から建てるって相当金掛かってるな~魔道具もどれも質が良い物だし流石はシュナイザー様って感じだな。それに、薬草の知識って言うのは本当に有用でこんな戦いの絶えない町じゃその重要性は遥かに高くなるだろ。だから、ここまで凄いし施設を建てるのも納得がいくし、才能を眠らせておくほど勿体ない物は無いもんな。
「こちらの魔法植物はフォレシアから取り寄せた物が多いのですが、他の場所からも仕入れています。例えばこちらのフロストジュエルなどは、寒冷地にしか実をなさないのですが特注の氷の魔道具を使っています」
「氷の魔道具もあるんですね」
「えぇ、中々無い闇の魔道具もございますよ。見て行かれますか?」
氷は水属性の上位の属性で使える人も魔石も少ないのだが、そこまで用意できるもんなんだな。
表情を緩めながら魔法植物園の紹介をしてくれるリリー夫人はいつもの冷静な姿とは違い、どこか子供らしく目が輝いている。植物の紹介や魔道具の紹介の時は饒舌になるしもしかしてリリー夫人って自分の好きな物を紹介したりしたい人なんだろうな。少し意外な一面を見れて嬉しい俺は、リリー夫人にこの場所を隅々まで案内して貰うことにした。
「えぇ、お願いします」
「そうですかっそれでは早速。闇の植物を育てている場所は奥ですので、まずは中央に向かいましょう」
「はい」
中央には様々な植物が瓶詰めにされていて、机の上に広がっている本には何やら難しい事ばかりが書かれているがどうやらこれはリリー夫人が書いているようだ。
「ここは私が薬草の実験や調合をする場ですね」
「調合と言うことは薬師なんですか?」
「いえ、私は薬師と呼べるほど立派な物ではありませんよ。研究はしていますが、本業の方と比べるとまだまだですから」
薬師を名乗るには何処かの薬師に弟子入りして、長年修行するしかない。代々続いている薬師と言うのは凄いもので、秘薬とも呼べるような薬を作れたりその土地に根付いている植物をすべて把握している。なので、町に一人でも薬師が居ると重宝されると聞いたことがある。
「それでも薬の調合が出来るなんて凄いと思いますけどね。俺は毒の調合は出来るんですけど、薬は全然ですよ」
「薬も毒は紙一重ですから、毒が作れるのであれば薬も作れるようになると思いますよ」
うふふと笑いながら言ってくれるけど、毒は殺す目的で作るから用量とかは気にしなくても良いけど薬となると訳が違う。寸分違わず正確に作らないと駄目だから、神経使うんだよな~薬を作るコツを教えて貰いながらさらに先に進むと馴染み深い魔力を感じる。
「ここが闇属性の魔法植物を育てている場所ですね。他の属性と比べると数が少ないのですが・・・・」
「あれって昨日の」
「はい、常闇草です。丁度薬を作るのに必要だったので助かりました」
「闇属性の薬草って意外と必要な事が多いですよね。見つけるのは難しいですけど」
「そうですね。闇属性の薬草で多い効能は、解毒や鎮静作用、心を落ち着かせたりと体の内部に働きかけるものですから使用する頻度は高い方ですね」
魔法植物にも属性ごとに特徴が違っていて、火属性であれば体を温めたり興奮を促す。水属性であれば解熱や体の水を外に出したりと、属性ごとの特徴を加味しながら薬を調合しなければならない。そういう所が難しくて面倒な部分なんだよな~
「それなのに、闇属性の薬草は採取をする時には専用の道具が必要だったり群生地が見つからなかったり一夜で消えてしまう物だったりと随分面倒な植物ですよね」
「そうですね・・・・特段気難しい属性ではありますけど私はそういったと所が面白い所だと思いますよ。例えばこのムーングロウは、月光がよく当たる場所にしか生息せず、月に満ち欠けによって花の形を変える不思議な花です。月の光によって成長し、やがてムーンドロップと言う月の力を集めた宝石を作り出し、闇属性としては珍しく再生の力を司ります。闇なのに光の特徴を持っている・・・・とても不思議で面白いでしょう?」
ムーングロウは満月の夜であれば丸い花を咲かせ、月が完全に隠れた時は花を咲かせないという月の満ち欠けに対応した花の形を咲かせることで有名だ。その花の模様は、空に輝く月と星々の空を表しているかのような深い黒と金色で、見つけにくい事から見つけたら不幸が訪れる知らせだとも言われている。
「植物は本当に奥が深いものなんです。調べれば調べていく程、何故そんな形をしているのか、何故そんな力を秘めているのかを知りたくなるので日々楽しいですよ」
「研究者ですね~」
「そうですね。私は根っからの研究者なのです」
知らない物を知るという楽しみと言うのは俺もよく分かる。分からなければ、調べたくなるし自分で確かめてみたいという気持ちはそうそう抑えられるものじゃないもんな。
「だから、私が私で居られる場所を作ってくれた旦那様には本当に感謝しているんです」
そう言って笑うリリー夫人はまるで大輪の花が咲いたかのような笑顔で、シュナイザー様への愛情に満ちていた。こんな顔をさせるシュナイザー様は罪な男だな~あんまり親しくしている様子を見ないから、落ち着いている関係なのかなと思ったけど、この様子を見るとアツアツみたいだな。
「シュナイザー様は良い人なのは俺も同意見です」
「それとクロガネ様にも感謝しているのですよ」
「え、俺もですか?」
「えぇ、テセウを指導して下さったことに感謝を。初めは傷を作るあの子が心配でしたが、毎日のように明るく元気で子供のようにはしゃぐあの子を見れて私は幸せなんです。それに、この前は私を少し悪戯をしたのですよ」
「その節はすみません・・・・」
やべ、その悪戯って俺が教えたやつだよな・・・・
「いえ、怒ってはいませんよ。あの子は次期当主になると言うことでいつも真面目に勉強や鍛錬に励んでいて遊ぶと言うことをあまりせずにいたから少し心配でしたの。だけど、クロガネ様と会ってからは、毎日が楽しそうで子供らしい様子を見れて安心しました」
「そうなんですか・・・・」
「領主の息子と言うことで同年代の子達は、テセウの事を特別扱いして対等に立てる友人は今まで居ませんでしたから・・・・だから、クロガネ様。テセウの友人となってくれてありがとうございます」
「いや、お礼を言うのは俺の方ですよ。テセウと友人になれて俺も嬉しいですから!」
今は指導役だけど、その役目が終わったとしても俺はテセウとは友人を続けるつもりだ。あんな人が良くて素直な奴なんてそうそう居ないし、一緒に居て楽しいからな!
「そうですか、これからもよろしくお願いしますね」
そう言ったリリー夫人はさっきの深い愛情を持つ乙女の顔では無く、我が子の幸せを喜ぶ母親の顔をしていた。
1
お気に入りに追加
184
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
パーティーを追放された落ちこぼれ死霊術士だけど、五百年前に死んだ最強の女勇者(18)に憑依されて最強になった件
九葉ユーキ
ファンタジー
クラウス・アイゼンシュタイン、二十五歳、C級冒険者。滅んだとされる死霊術士の末裔だ。
勇者パーティーに「荷物持ち」として雇われていた彼は、突然パーティーを追放されてしまう。
S級モンスターがうろつく危険な場所に取り残され、途方に暮れるクラウス。
そんな彼に救いの手を差しのべたのは、五百年前の勇者親子の霊魂だった。
五百年前に不慮の死を遂げたという勇者親子の霊は、その地で自分たちの意志を継いでくれる死霊術士を待ち続けていたのだった。
魔王討伐を手伝うという条件で、クラウスは最強の女勇者リリスをその身に憑依させることになる。
S級モンスターを瞬殺できるほどの強さを手に入れたクラウスはどうなってしまうのか!?
「凄いのは俺じゃなくて、リリスなんだけどなぁ」
落ちこぼれ死霊術士と最強の美少女勇者(幽霊)のコンビが織りなす「死霊術」ファンタジー、開幕!
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
【第一章完結】相手を間違えたと言われても困りますわ。返品・交換不可とさせて頂きます
との
恋愛
「結婚おめでとう」 婚約者と義妹に、笑顔で手を振るリディア。
(さて、さっさと逃げ出すわよ)
公爵夫人になりたかったらしい義妹が、代わりに結婚してくれたのはリディアにとっては嬉しい誤算だった。
リディアは自分が立ち上げた商会ごと逃げ出し、新しい商売を立ち上げようと張り切ります。
どこへ行っても何かしらやらかしてしまうリディアのお陰で、秘書のセオ達と侍女のマーサはハラハラしまくり。
結婚を申し込まれても・・
「困った事になったわね。在地剰余の話、しにくくなっちゃった」
「「はあ? そこ?」」
ーーーーーー
設定かなりゆるゆる?
第一章完結
ぽっちゃり令嬢の異世界カフェ巡り~太っているからと婚約破棄されましたが番のモフモフ獣人がいるので貴方のことはどうでもいいです~
碓氷唯
ファンタジー
幼い頃から王太子殿下の婚約者であることが決められ、厳しい教育を施されていたアイリス。王太子のアルヴィーンに初めて会ったとき、この世界が自分の読んでいた恋愛小説の中で、自分は主人公をいじめる悪役令嬢だということに気づく。自分が追放されないようにアルヴィーンと愛を育もうとするが、殿下のことを好きになれず、さらに自宅の料理長が作る料理が大量で、残さず食べろと両親に言われているうちにぶくぶくと太ってしまう。その上、両親はアルヴィーン以外の情報をアイリスに入れてほしくないがために、アイリスが学園以外の外を歩くことを禁止していた。そして十八歳の冬、小説と同じ時期に婚約破棄される。婚約破棄の理由は、アルヴィーンの『運命の番』である兎獣人、ミリアと出会ったから、そして……豚のように太っているから。「豚のような女と婚約するつもりはない」そう言われ学園を追い出され家も追い出されたが、アイリスは内心大喜びだった。これで……一人で外に出ることができて、異世界のカフェを巡ることができる!?しかも、泣きながらやっていた王太子妃教育もない!?カフェ巡りを繰り返しているうちに、『運命の番』である狼獣人の騎士団副団長に出会って……
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる