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変化なし
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シュナイザー様と一緒に中に入ると、魔物の気配は無いが中は前と同じよう真っ暗だったので俺はマジックバックからランタンを取り出そうとするとシュナイザー様がライトの魔法を使ってくれた。
「ふむ・・・・狭いな」
「これがあと二階層続いているだけですね」
シュナイザー様の言う通りこのダンジョンは領主館にある人々が自由に訓練できる程度の中庭ぐらいの大きさしかない。いや、この場合中庭が広いのか?それともダンジョンが狭いのか?
「攻略は簡単ということか」
「少しムシムシと暑く暗いですが階層自体は狭くて湧く魔物も種類豊富とは言えません。それに、罠などは前回来た時には確認できませんでしたが、正常な動きをしている際は分かりませんので前回と同じ条件であれば簡単な部類だと思います。ですが、魔物の強さで言えばウォリアーとインセクトマンは少し手強い相手かと」
「三級の上位だからな・・・・ウォリアーは重戦士型だと報告書で読んだが実際戦ってみてどうだった?」
「装甲が硬く生半可な攻撃じゃものともしませんし、強い衝撃を与えたとしても装甲の下に持つ柔軟さで吸収されて厄介でした。相当な攻撃力を持たないと短期戦に持ち込むのは無理ですね。しかも、相手は熟練の重戦士でありながら広範囲に対する魔法を多く持っていました。この狭さだと逃げる場所は限られますし、耐えるか魔法使う前に倒さないと簡単に全滅しますね」
地面を蹂躙する広範囲の岩魔法は俺なら飛んで避けることが出来るけど大抵の人は出来ないし、ジャンプで避けたとしてもその隙を飛ばした岩で狩られるだけだ。岩の合間を抜けるなんてこと、魔法使いには厳しく地面から来る攻撃をタンクが受けるのも大変だ。しかも広範囲となれば味方を守るのは難しい。生半可な攻撃は効かず広範囲を攻撃できる魔法を持ち戦士としても一流。これをこの何も無い狭い広間で相手するのは面倒だ。
「なるほどな~・・・・危険を冒してウォリアーとインセクトマンの素材だけじゃ旨味も少ないか。いや、ウォリアーだけを相手したい奴には良いか?いやそれは需要が限定的過ぎるな。それだと領地に入る金も少ないだろうし整備に掛かる費用と収益のバランスが・・・・なら訓練場に・・・・いやインセクトマン相手じゃ荷が重いか」
何も湧かず静かなダンジョンの中央でぶつぶつと難しい顔をしながら考え込むシュナイザー様。漏れ出ている言葉から察するに、ここを冒険者が利用出来るように道を整備して領地の収益と化すか、それとも衛兵達の訓練場にするか、それともダンジョンを壊してしまうかで悩んでいるんだろうな。だが、一つ疑問がある。
「ダンジョンってギルドの管轄じゃ無いんですか?」
「ん?あぁ、特殊な場合つまり訓練場などにするなど以外はダンジョンの運営はギルドの管轄だが出現した場所を所有している者がダンジョンをどう使うか、もしくは壊すかを決定できるんだ」
「そうなんですか。でも、それだと利益問題が発生しませんか?」
「うむ。ダンジョンの運営が出来ない代わりにギルドが買取などで発生した収益の一定割合がその所有者に入ることになっているんだ。運営などの面倒なことは全てギルドに任せて金が入るのだが・・・・」
「その運営をするための前整備に関する費用はその土地の所有者が払う事になっているんですね」
「そうなのだ。もし費用を出せないのであればギルドがその土地を買い上げる事もしたりするんだがその場合は勿論収益は入ってこない」
「なるほど~」
ダンジョンの前整備にはまず冒険者達が行きやすいように道を作り、ギルドが使用する支部を設置し宿屋や馬車など色々な事が必要になるだろう。こんな森を切り開くためには、伐採担当と道の整備、それにその人達を守る護衛も必要になるだろうし莫大な金が必要だな。そんなの大抵の奴は出せないだろうから土地を売っちまうんだろうけど、シュナイザー様はどうするんだろう。
「長期的に考えれば費用を回収出来ると思うんだが、これほどまでに種類が少なく規模が小さいダンジョンとなると人気が出ず回収までに時間が掛かるだろう。それを考えるとな~・・・・」
「まぁ、旨味は少ないかもですね」
階層と数が少なく敵は強い、それだけを聞くと強者御用達のダンジョンに聞こえるが実際にはウォリアー相手じゃ二級は満足しないだろうし三級の下位では強く危険がある。金にはある程度なるだろうがわざわざ不利な場所で戦う必要もないし、宝箱や他の素材が豊富な他のダンジョンに行った方が良いだろうな。素早く終われるという利点があるが、それだけの為にわざわざここまで来るのもな~
「ウォリアーは金になるが、特別希少って訳でも無いからな。わざわざここまで来ないよな」
「ですね」
「う~ん、悩ましい」
多種多様なウォリアーが出てくれるのであれば、もう少し人気は出るだろうけどビートルのウォリアーだけだもんな~
「訓練場にするには相手が悪すぎますね。マンティスのインセクトマンですから一瞬の油断が命に関わりますし、首狩りトンボなんて衛兵達からしたら悪夢でしょう。ウォリアーは単純に危険すぎますね」
冒険者達用にしないのであれば衛兵の訓練場としてどうかという話だがそれは危険すぎるな。下位の魔物、つまりオークやドール、コボルトやゴブリンなどの魔物が出現するのであれば良い訓練場になると思うけど、相手がインセクトマンだとな~・・・・しかも首狩りトンボとか空を飛ぶ相手はしたく無いだろう。
「そうだよな~・・・・はぁ、色々考えないと駄目そうだ。取りあえず全階層見ておくか」
そういって溜息を付いたシュナイザー様はダンジョンの奥へと進んで行く。休止状態となっているので、魔物や罠が無く何も危険が無いダンジョンをどんどんと下っていくとあっという間に最下層についてしまう。
「本当に狭いし階層が少ないな」
「そうですね~ダンジョンは二回目ですけどプリトのダンジョンと比べると大違いです」
「プリトのダンジョンも全体で言うと小規模な方なんだけどな~」
「そうなんですか」
「あぁ、有名なもので言うとアルカナにある古代都市ダンジョンはこの国以上の規模があると言われてるな。まぁあれは未だ踏破者が居ないダンジョンだけどな」
「へ~是非行きたいですね」
古代都市ダンジョンか~アルカナにそんなダンジョンが在るとは知らなかったぜ。しかも国以上の規模があるってどんだけデカいんだ?世界って不思議な事に溢れてるんだな~よし、アルカナに着いたら絶対に行こう!
「おうおう、行くのは自由だが死なないように気を付けろよ。それと三級ダンジョンだから階級を上げないと入れないぞ」
「げ、まぁアルカナまでに階級は上げるつもりなので・・・・」
「そうか、クロガネ殿なら苦戦する事無くあげられるだろうな」
管理されているダンジョンには階級によって制限が当てられていて、その条件をクリアしないと中に入る事すら出来ないのだ。プリトのダンジョンは上層から中層までは5級程度の魔物しか出ないので5級だ。だが、下っていくにつれて強くなるので、その警告はしっかりと言われる。
もしこのダンジョンにランクを付けるなら~三級かな?階級を付ける基準としては全体的な危険度、つまりは魔物の強さ、数、種類、罠、環境などを総合的に判断するのだ。このダンジョンなら一番上がウォリアーで二番目がインセクトマン、他の奴らは五級でも対処できるレベルだから微妙だけど狭さと強さを考えて三級ってところだろ。
「頑張ります!」
「はは、命は大事にな。さて、最下層まで見れたことだし町へ戻ろうか」
「了解でーす」
最後の最後まで魔物が現れることが無かったダンジョンから出ると外は茜色に染まっていた。このまま夜まで走っても良いけど・・・・
「今日は此処で一晩過ごして明日から帰るとしよう」
「分かりました!」
急いでいるけど、予定通り進んでいる訳だし焦る必要は無いよな。さて、野宿の準備をしないとな。
「ふむ・・・・狭いな」
「これがあと二階層続いているだけですね」
シュナイザー様の言う通りこのダンジョンは領主館にある人々が自由に訓練できる程度の中庭ぐらいの大きさしかない。いや、この場合中庭が広いのか?それともダンジョンが狭いのか?
「攻略は簡単ということか」
「少しムシムシと暑く暗いですが階層自体は狭くて湧く魔物も種類豊富とは言えません。それに、罠などは前回来た時には確認できませんでしたが、正常な動きをしている際は分かりませんので前回と同じ条件であれば簡単な部類だと思います。ですが、魔物の強さで言えばウォリアーとインセクトマンは少し手強い相手かと」
「三級の上位だからな・・・・ウォリアーは重戦士型だと報告書で読んだが実際戦ってみてどうだった?」
「装甲が硬く生半可な攻撃じゃものともしませんし、強い衝撃を与えたとしても装甲の下に持つ柔軟さで吸収されて厄介でした。相当な攻撃力を持たないと短期戦に持ち込むのは無理ですね。しかも、相手は熟練の重戦士でありながら広範囲に対する魔法を多く持っていました。この狭さだと逃げる場所は限られますし、耐えるか魔法使う前に倒さないと簡単に全滅しますね」
地面を蹂躙する広範囲の岩魔法は俺なら飛んで避けることが出来るけど大抵の人は出来ないし、ジャンプで避けたとしてもその隙を飛ばした岩で狩られるだけだ。岩の合間を抜けるなんてこと、魔法使いには厳しく地面から来る攻撃をタンクが受けるのも大変だ。しかも広範囲となれば味方を守るのは難しい。生半可な攻撃は効かず広範囲を攻撃できる魔法を持ち戦士としても一流。これをこの何も無い狭い広間で相手するのは面倒だ。
「なるほどな~・・・・危険を冒してウォリアーとインセクトマンの素材だけじゃ旨味も少ないか。いや、ウォリアーだけを相手したい奴には良いか?いやそれは需要が限定的過ぎるな。それだと領地に入る金も少ないだろうし整備に掛かる費用と収益のバランスが・・・・なら訓練場に・・・・いやインセクトマン相手じゃ荷が重いか」
何も湧かず静かなダンジョンの中央でぶつぶつと難しい顔をしながら考え込むシュナイザー様。漏れ出ている言葉から察するに、ここを冒険者が利用出来るように道を整備して領地の収益と化すか、それとも衛兵達の訓練場にするか、それともダンジョンを壊してしまうかで悩んでいるんだろうな。だが、一つ疑問がある。
「ダンジョンってギルドの管轄じゃ無いんですか?」
「ん?あぁ、特殊な場合つまり訓練場などにするなど以外はダンジョンの運営はギルドの管轄だが出現した場所を所有している者がダンジョンをどう使うか、もしくは壊すかを決定できるんだ」
「そうなんですか。でも、それだと利益問題が発生しませんか?」
「うむ。ダンジョンの運営が出来ない代わりにギルドが買取などで発生した収益の一定割合がその所有者に入ることになっているんだ。運営などの面倒なことは全てギルドに任せて金が入るのだが・・・・」
「その運営をするための前整備に関する費用はその土地の所有者が払う事になっているんですね」
「そうなのだ。もし費用を出せないのであればギルドがその土地を買い上げる事もしたりするんだがその場合は勿論収益は入ってこない」
「なるほど~」
ダンジョンの前整備にはまず冒険者達が行きやすいように道を作り、ギルドが使用する支部を設置し宿屋や馬車など色々な事が必要になるだろう。こんな森を切り開くためには、伐採担当と道の整備、それにその人達を守る護衛も必要になるだろうし莫大な金が必要だな。そんなの大抵の奴は出せないだろうから土地を売っちまうんだろうけど、シュナイザー様はどうするんだろう。
「長期的に考えれば費用を回収出来ると思うんだが、これほどまでに種類が少なく規模が小さいダンジョンとなると人気が出ず回収までに時間が掛かるだろう。それを考えるとな~・・・・」
「まぁ、旨味は少ないかもですね」
階層と数が少なく敵は強い、それだけを聞くと強者御用達のダンジョンに聞こえるが実際にはウォリアー相手じゃ二級は満足しないだろうし三級の下位では強く危険がある。金にはある程度なるだろうがわざわざ不利な場所で戦う必要もないし、宝箱や他の素材が豊富な他のダンジョンに行った方が良いだろうな。素早く終われるという利点があるが、それだけの為にわざわざここまで来るのもな~
「ウォリアーは金になるが、特別希少って訳でも無いからな。わざわざここまで来ないよな」
「ですね」
「う~ん、悩ましい」
多種多様なウォリアーが出てくれるのであれば、もう少し人気は出るだろうけどビートルのウォリアーだけだもんな~
「訓練場にするには相手が悪すぎますね。マンティスのインセクトマンですから一瞬の油断が命に関わりますし、首狩りトンボなんて衛兵達からしたら悪夢でしょう。ウォリアーは単純に危険すぎますね」
冒険者達用にしないのであれば衛兵の訓練場としてどうかという話だがそれは危険すぎるな。下位の魔物、つまりオークやドール、コボルトやゴブリンなどの魔物が出現するのであれば良い訓練場になると思うけど、相手がインセクトマンだとな~・・・・しかも首狩りトンボとか空を飛ぶ相手はしたく無いだろう。
「そうだよな~・・・・はぁ、色々考えないと駄目そうだ。取りあえず全階層見ておくか」
そういって溜息を付いたシュナイザー様はダンジョンの奥へと進んで行く。休止状態となっているので、魔物や罠が無く何も危険が無いダンジョンをどんどんと下っていくとあっという間に最下層についてしまう。
「本当に狭いし階層が少ないな」
「そうですね~ダンジョンは二回目ですけどプリトのダンジョンと比べると大違いです」
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「そうなんですか」
「あぁ、有名なもので言うとアルカナにある古代都市ダンジョンはこの国以上の規模があると言われてるな。まぁあれは未だ踏破者が居ないダンジョンだけどな」
「へ~是非行きたいですね」
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「げ、まぁアルカナまでに階級は上げるつもりなので・・・・」
「そうか、クロガネ殿なら苦戦する事無くあげられるだろうな」
管理されているダンジョンには階級によって制限が当てられていて、その条件をクリアしないと中に入る事すら出来ないのだ。プリトのダンジョンは上層から中層までは5級程度の魔物しか出ないので5級だ。だが、下っていくにつれて強くなるので、その警告はしっかりと言われる。
もしこのダンジョンにランクを付けるなら~三級かな?階級を付ける基準としては全体的な危険度、つまりは魔物の強さ、数、種類、罠、環境などを総合的に判断するのだ。このダンジョンなら一番上がウォリアーで二番目がインセクトマン、他の奴らは五級でも対処できるレベルだから微妙だけど狭さと強さを考えて三級ってところだろ。
「頑張ります!」
「はは、命は大事にな。さて、最下層まで見れたことだし町へ戻ろうか」
「了解でーす」
最後の最後まで魔物が現れることが無かったダンジョンから出ると外は茜色に染まっていた。このまま夜まで走っても良いけど・・・・
「今日は此処で一晩過ごして明日から帰るとしよう」
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