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流石に夜は止まります
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俺達の脅威になるような魔物は出現せず、苦戦する事無く夜になってしまった。
「夜はどうします?俺は夜目が利くのでこのまま走れますけど」
「そうだな~俺も夜は大丈夫だが、今回は二人しか居ないのだし万全な状態にするためにも夜は休もう」
「了解です。薪拾ってきますね」
野宿をするための焚き火を作るために手早く薪になる枝と葉を取って来てしシュナイザー様の元へ戻ると、火付け石を使って火を付ける。その様子を見ていたシュナイザー様が
「火打ち石か、魔道具は使わないのか?」
「魔法系統が使えなくなった時に備えてこういう魔法を使わない火付けに慣れた方が良いと言われてるんです」
「それはまた慎重派だな」
「まぁ、こういうのは出来るようになっておいて損は無いですから」
火を付ける魔道具というのは一般的でありふれた物だ。単純な魔道具は手軽かつ手間も少なく魔石の消費も少ないので、冒険者の必需品であり村や町に住む住人達でも気軽に使うものだ。確かに便利だけど魔法を使ってるということで、魔法が使えない空間だと使えないことが唯一の欠点だ。まぁ、そんな空間は滅多にある物では無いけどな。念のために魔道具を無くしたときに備えてそういう道具を使わなくても火を起こせるようにしてあるんだ。
「確かにそういう知識と技術は覚えておいて損は無いが、今じゃそういう事を覚える奴は少ないだろ?それにブレスト殿は魔法を得意としてるように見受けたのだが」
「確かにブレストは魔法は得意ですね」
「堅実かつ硬派なのだな」
「さぁ、それはどうなんでしょう?」
確かに慎重と言えば慎重だけど、結構大雑把だったりするぞ。面倒なことは力技で何としようとするし、悩むならありとあらゆる力を使ってで片づけてしまおうって感じだからな~
「俺もサバイバル技術はテセウに叩き込んだ方が良いだろうな」
「テセウはシュナイザー様に憧れを持ってますから良いと思いますよ」
「戦い方も俺が教えてやれれば良いんだがな~テセウには悪いが纏まった時間が取れなくてな。あいつには使用人と妻が付いてくれてるが、申し訳ねぇよ」
思い悩むように眉間に皺をよせテセウの事を考えるその姿は、辺境伯として迫力があり威厳のある姿でも自然体の快活で漢らしい姿でも無くただガキの事で悩む父親の姿に見えた。
普通の良い父親ってこういう姿なのかな~?俺には分からないけどな
「少しでも話す時間を取るだけで違うと思いますよ。気に掛けているという事を伝われば、テセウは賢いですから分かってくれますって」
「そうか~?あと少しで学院に行っちまうんだもんな~早いもんだぜ。まだまだ子供だと思ってたんだが、見るたびに大きくなってて本当に子供の成長というのは早いんもんだな」
「ガキの成長は早いですよ」
「その歳で実感が籠ってるな」
「そりゃ、俺が育ったところは俺より下のガキなんて腐る程いましたから」
「確か、クロガネ殿は孤児だったはずだな?」
「えぇ、俺はプリトの街のスラムで育ちましたからガキ共は山程いますよ」
あの大きな街じゃ毎日新しいガキが何人も捨てられる。教会や孤児院、もしくは人の良い奴らに拾われれば幸運で、それ以外は野垂れ死ぬか一人で生きる力が有れば生き残るかのどちらかだ。そういった不運な奴らを見過ごせないベルグのジジイが次から次へと拾ってくるからスラムはいつもガキ共で溢れている。そういう俺もベルグに拾って貰ったんだがな。
「乳を飲むような奴があっという間に歩いて俺達の真似をしやがるんだから驚きですよ」
「そうか、本当に驚かされるよな」
「はい」
「その驚きを逃さないようにしたかったんだがな~」
「まだまだこの先驚かせるようなことが沢山起きると思いますよ」
「それもそうか、後悔しても取り戻せないんだからこれからだな。よし、帰ったらなんとか時間を作ってテセウと少し手合わせをしてやるか」
「喜ぶと思いますよ」
そうそう、過ぎたことを落ち込んでいても仕方が無いって。テセウが生きてる内は傍に居られるんだろうから、まだまだ驚かされることが待ってますよ。俺も街であいつらの成長を見たかったが、その役目は他の奴らに譲ろう。だけど、思い出すと少し帰りたくなるな~・・・・
「だけど、クロガネ殿の役目は奪う気は無いからな」
「戦いはシュナイザー様から教わった方がやる気出すと思いますけど~いや、今もやる気十分なんですけどね」
「まぁそれは少し考えたが、ハッキリ言って構わないぞ。俺の戦い方がテセウに合うと思うか?」
「・・・・思いません」
「だろ。だから、俺が教えるのは無理なんだ」
はっきりと言い切った俺にシュナイザー様は苦笑いを浮かべる。テセウ様は基本に忠実で綺麗かつ硬派な戦法を取るが、シュナイザー様の戦法は本能と直感そして豊富な実戦経験によって鍛えあげられたものだ。あの荒々しい戦法は確実にテセウ様に合わないだろう。
「俺が教えられるのは実戦での心構えと、強者との戦い方、そして汚く生き延びることぐらいさ」
「それが一番大事ですよ。死んじゃ何の意味も無いんですから」
「ふっ、クロガネ殿と俺の考えは少し似てるな」
「えっ」
俺とシュナイザー様って似てるか?戦いに関する心構えっては似てると思うけど俺はこんな豪快じゃ無いぞ。自分でこんな事を言うのはあれだと思うけど、結構慎重派だと思うんだけどな。
「なんだその心外だみたいな顔は」
「そんなこと思ってませんよ」
「ブレスト殿とクロガネ殿も似た者同士だと思うがな」
「え」
「また同じ顔してるぞ」
それこそブレストと俺は正反対だと思うんだけどな。ブレストとシュナイザー様は豪快な所とか人が善い所や凄い力を持っていることは似ていると思うけど、俺はブレスト程の力は持ってないし善人じゃない。
「そういえば、二人は出会って長いのか?」
「もうすぐで半年ですね」
「随分と仲の良さそうに見えたがもっと長いのかと思ったが・・・・時間よりも密度の方が大事か」
「孤児だった俺を拾って付きっきりで冒険者とやって行けるよう訓練して貰いましたからね。そのおかげで今こうやって戦えるようになったのでブレストには感謝してるんです」
「そうか、善い人なのだなブレスト殿は」
「はい」
「それにクロガネ殿は相当な努力家だな。短い期間でそこまでの実力を身に付けるなんてそうそう出来るものでは無いだろう」
「そんなこと」
「いや、よく頑張ったな」
そう言って豪快に笑いながら俺の頭を力強く撫でてくるシュナイザー様。その眼に同情は浮かんでおらずただただ俺への称賛が浮かんでいて純粋だ。ブレストによく撫でられるが、それよりも強く俺よりも遥かに年上であるその姿に俺に父親が居たらこんな感じだったのかもなと、馬鹿みたいな考えが浮かんでしまう。
はぁ、馬鹿なこと考えんじゃねーよ俺の父親はベルグただ一人だ、生んだ親なんか知るもんか。
「ちょっと強いです」
「そうか?」
「身体強化して強いんですからガキの首じゃ折れますよ」
「うげ」
「冗談です」
「吃驚させるなよ・・・・そういう悪戯好きな所は子供だな」
俺の言葉に驚き手を止めたシュナイザー様を笑うと呆れたような顔を見せる。
「そんな事無いですよ」
「いーや子供だな。子供はさっさと寝なさい」
「子供扱いしないでください。先に寝ますけど後で交代しますからね」
「はいはい」
俺をまるで赤ん坊のようにあやそうとするシュナイザー様に文句を言いながらもマジックバックから布を取り出しそれを身体に巻き眠りへと落ちる俺。シュナイザー様が居れば危険は無いだろうけど、いつもで動けるようにしておかないとな。
何時でも動けるように座りながら眠った俺は危険を感じる事無く、交代の時間まで眠り温かい夢を見ていた気がするけどパッと目を覚ますとシュナイザー様と交代する。
「もっと寝てても良いんだぞ」
「十分寝ましたし、少ししか眠らなくても大丈夫な体質なので」
「しっかり眠らないと大きくならないぞ~」
「はいはい」
まだ寝かせようとしてくるシュナイザー様の背中を押して交代した俺は夜風に当たりながら色々な音が鳴る森を楽しんでいた。
「大きくならなくても別に良いし」
別にこの大きさでも不便は無いから筋力がつけば大きくならなくても良いんだよ!少し大きな体は憧れるけど俺の戦い方と隠密的にはこれぐらいの大きさが一番俺には合ってるいるのだ!
「夜はどうします?俺は夜目が利くのでこのまま走れますけど」
「そうだな~俺も夜は大丈夫だが、今回は二人しか居ないのだし万全な状態にするためにも夜は休もう」
「了解です。薪拾ってきますね」
野宿をするための焚き火を作るために手早く薪になる枝と葉を取って来てしシュナイザー様の元へ戻ると、火付け石を使って火を付ける。その様子を見ていたシュナイザー様が
「火打ち石か、魔道具は使わないのか?」
「魔法系統が使えなくなった時に備えてこういう魔法を使わない火付けに慣れた方が良いと言われてるんです」
「それはまた慎重派だな」
「まぁ、こういうのは出来るようになっておいて損は無いですから」
火を付ける魔道具というのは一般的でありふれた物だ。単純な魔道具は手軽かつ手間も少なく魔石の消費も少ないので、冒険者の必需品であり村や町に住む住人達でも気軽に使うものだ。確かに便利だけど魔法を使ってるということで、魔法が使えない空間だと使えないことが唯一の欠点だ。まぁ、そんな空間は滅多にある物では無いけどな。念のために魔道具を無くしたときに備えてそういう道具を使わなくても火を起こせるようにしてあるんだ。
「確かにそういう知識と技術は覚えておいて損は無いが、今じゃそういう事を覚える奴は少ないだろ?それにブレスト殿は魔法を得意としてるように見受けたのだが」
「確かにブレストは魔法は得意ですね」
「堅実かつ硬派なのだな」
「さぁ、それはどうなんでしょう?」
確かに慎重と言えば慎重だけど、結構大雑把だったりするぞ。面倒なことは力技で何としようとするし、悩むならありとあらゆる力を使ってで片づけてしまおうって感じだからな~
「俺もサバイバル技術はテセウに叩き込んだ方が良いだろうな」
「テセウはシュナイザー様に憧れを持ってますから良いと思いますよ」
「戦い方も俺が教えてやれれば良いんだがな~テセウには悪いが纏まった時間が取れなくてな。あいつには使用人と妻が付いてくれてるが、申し訳ねぇよ」
思い悩むように眉間に皺をよせテセウの事を考えるその姿は、辺境伯として迫力があり威厳のある姿でも自然体の快活で漢らしい姿でも無くただガキの事で悩む父親の姿に見えた。
普通の良い父親ってこういう姿なのかな~?俺には分からないけどな
「少しでも話す時間を取るだけで違うと思いますよ。気に掛けているという事を伝われば、テセウは賢いですから分かってくれますって」
「そうか~?あと少しで学院に行っちまうんだもんな~早いもんだぜ。まだまだ子供だと思ってたんだが、見るたびに大きくなってて本当に子供の成長というのは早いんもんだな」
「ガキの成長は早いですよ」
「その歳で実感が籠ってるな」
「そりゃ、俺が育ったところは俺より下のガキなんて腐る程いましたから」
「確か、クロガネ殿は孤児だったはずだな?」
「えぇ、俺はプリトの街のスラムで育ちましたからガキ共は山程いますよ」
あの大きな街じゃ毎日新しいガキが何人も捨てられる。教会や孤児院、もしくは人の良い奴らに拾われれば幸運で、それ以外は野垂れ死ぬか一人で生きる力が有れば生き残るかのどちらかだ。そういった不運な奴らを見過ごせないベルグのジジイが次から次へと拾ってくるからスラムはいつもガキ共で溢れている。そういう俺もベルグに拾って貰ったんだがな。
「乳を飲むような奴があっという間に歩いて俺達の真似をしやがるんだから驚きですよ」
「そうか、本当に驚かされるよな」
「はい」
「その驚きを逃さないようにしたかったんだがな~」
「まだまだこの先驚かせるようなことが沢山起きると思いますよ」
「それもそうか、後悔しても取り戻せないんだからこれからだな。よし、帰ったらなんとか時間を作ってテセウと少し手合わせをしてやるか」
「喜ぶと思いますよ」
そうそう、過ぎたことを落ち込んでいても仕方が無いって。テセウが生きてる内は傍に居られるんだろうから、まだまだ驚かされることが待ってますよ。俺も街であいつらの成長を見たかったが、その役目は他の奴らに譲ろう。だけど、思い出すと少し帰りたくなるな~・・・・
「だけど、クロガネ殿の役目は奪う気は無いからな」
「戦いはシュナイザー様から教わった方がやる気出すと思いますけど~いや、今もやる気十分なんですけどね」
「まぁそれは少し考えたが、ハッキリ言って構わないぞ。俺の戦い方がテセウに合うと思うか?」
「・・・・思いません」
「だろ。だから、俺が教えるのは無理なんだ」
はっきりと言い切った俺にシュナイザー様は苦笑いを浮かべる。テセウ様は基本に忠実で綺麗かつ硬派な戦法を取るが、シュナイザー様の戦法は本能と直感そして豊富な実戦経験によって鍛えあげられたものだ。あの荒々しい戦法は確実にテセウ様に合わないだろう。
「俺が教えられるのは実戦での心構えと、強者との戦い方、そして汚く生き延びることぐらいさ」
「それが一番大事ですよ。死んじゃ何の意味も無いんですから」
「ふっ、クロガネ殿と俺の考えは少し似てるな」
「えっ」
俺とシュナイザー様って似てるか?戦いに関する心構えっては似てると思うけど俺はこんな豪快じゃ無いぞ。自分でこんな事を言うのはあれだと思うけど、結構慎重派だと思うんだけどな。
「なんだその心外だみたいな顔は」
「そんなこと思ってませんよ」
「ブレスト殿とクロガネ殿も似た者同士だと思うがな」
「え」
「また同じ顔してるぞ」
それこそブレストと俺は正反対だと思うんだけどな。ブレストとシュナイザー様は豪快な所とか人が善い所や凄い力を持っていることは似ていると思うけど、俺はブレスト程の力は持ってないし善人じゃない。
「そういえば、二人は出会って長いのか?」
「もうすぐで半年ですね」
「随分と仲の良さそうに見えたがもっと長いのかと思ったが・・・・時間よりも密度の方が大事か」
「孤児だった俺を拾って付きっきりで冒険者とやって行けるよう訓練して貰いましたからね。そのおかげで今こうやって戦えるようになったのでブレストには感謝してるんです」
「そうか、善い人なのだなブレスト殿は」
「はい」
「それにクロガネ殿は相当な努力家だな。短い期間でそこまでの実力を身に付けるなんてそうそう出来るものでは無いだろう」
「そんなこと」
「いや、よく頑張ったな」
そう言って豪快に笑いながら俺の頭を力強く撫でてくるシュナイザー様。その眼に同情は浮かんでおらずただただ俺への称賛が浮かんでいて純粋だ。ブレストによく撫でられるが、それよりも強く俺よりも遥かに年上であるその姿に俺に父親が居たらこんな感じだったのかもなと、馬鹿みたいな考えが浮かんでしまう。
はぁ、馬鹿なこと考えんじゃねーよ俺の父親はベルグただ一人だ、生んだ親なんか知るもんか。
「ちょっと強いです」
「そうか?」
「身体強化して強いんですからガキの首じゃ折れますよ」
「うげ」
「冗談です」
「吃驚させるなよ・・・・そういう悪戯好きな所は子供だな」
俺の言葉に驚き手を止めたシュナイザー様を笑うと呆れたような顔を見せる。
「そんな事無いですよ」
「いーや子供だな。子供はさっさと寝なさい」
「子供扱いしないでください。先に寝ますけど後で交代しますからね」
「はいはい」
俺をまるで赤ん坊のようにあやそうとするシュナイザー様に文句を言いながらもマジックバックから布を取り出しそれを身体に巻き眠りへと落ちる俺。シュナイザー様が居れば危険は無いだろうけど、いつもで動けるようにしておかないとな。
何時でも動けるように座りながら眠った俺は危険を感じる事無く、交代の時間まで眠り温かい夢を見ていた気がするけどパッと目を覚ますとシュナイザー様と交代する。
「もっと寝てても良いんだぞ」
「十分寝ましたし、少ししか眠らなくても大丈夫な体質なので」
「しっかり眠らないと大きくならないぞ~」
「はいはい」
まだ寝かせようとしてくるシュナイザー様の背中を押して交代した俺は夜風に当たりながら色々な音が鳴る森を楽しんでいた。
「大きくならなくても別に良いし」
別にこの大きさでも不便は無いから筋力がつけば大きくならなくても良いんだよ!少し大きな体は憧れるけど俺の戦い方と隠密的にはこれぐらいの大きさが一番俺には合ってるいるのだ!
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※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
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