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まさかの二つ返事
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次の日の朝、起きた俺達は飯を食べているとテセウ様が昨日の依頼のことを話す。するとブレストは何でも無いように
「良いと思いますよ。冒険者ギルドを通すのであれば何事も問題ないですしね」
「感謝する」
「悩む時間も無いのかよ!?」
「テセウ様の言う通りここまでの事態であれば、報告や検証に時間が掛かると思うしその間森で依頼をこなす訳にもいかないから丁度良いだろ。それに、冒険者が指南役になる事はよくある事だし経験しておいて損は無いぞ」
「ブレストが良いなら俺も喜んで受けるけどよ」
「後は父上を説得するだけか」
反対することが一つも無かったからか二つ返事で承諾するブレスト。俺もテセウ様には色々な事を教えたかったし、反対されたら少し困るなって思ってたから別に良いけどよ。ロシェさんは何も言わないってことは、反対する気は無いってことで良いのかな?
「それは、頑張ってください」
「あぁ父上を説得するすべを考えておこう」
「それじゃあ、飯も食べ終わったことだし進みましょうか」
俺達はダンジョンに辿り着くまでの道筋を同じ日数を掛け、怪我無く慎重に進み夜にはテセウ様と色々な事を話すというのを繰り返し仲を深めていく。途中で見つけたフラワーディアに再戦を果たし見事討伐するなど、色々な事があったがようやくウォルマの町が見えてきた。やっと帰って来られたウォルマは出た時と変わりはなさそうだ。
「ふぅ、やっと帰って来れたな。十日程しか離れていないというのに少し懐かしく感じる」
「テセウ様は町を出ることは滅多にありませんでしたから、そう感じるのかもしれません」
「実際は短い期間ですけど、どうでしたか?」
「とても有意義な十日間だった。改めて今回の調査に同行することを許可してくれたこと感謝する」
「そう言ってくれるなら良かったです。これで調査は終わりですけど、これからも結構大変ですよ」
「あぁ、まずは父上に報告しなくてはな」
色々な後処理が残っていることに少し面倒になりながら、門へと近づくと俺達の姿を見た衛兵達が慌ててこちらに向かってくる。周囲に魔物の気配は無いし、何か有ったのか?
「テセウ様!!」
「あぁ、ポポルか」
「よくご無事で!領主様は心配ないとおっしゃっていましたが、ここまでの期間町から離れたことがありませんから・・・・ご無事で何よりです」
「あぁ心配を掛けたな。お二方とロシェのおかげで怪我一つないぞ」
「そうですか・・・・良かったです」
駆け寄ってきた衛兵達はどうやらテセウ様が心配で心配で仕方が無かったみたいだな。そりゃこの森の恐ろしさを嫌という程知っている衛兵からすれば、領主の息子が良く知らない冒険者と長い間森の中に居るなんて気が気じゃ無いよな。領主の息子ってこともあるんだろうけど、ここまで心配されるなんて慕われてるな~
「お母上殿も帰りはまだかと心配されおりましたので、お怪我が無いようで本当に良かったです」
「母上がか、それは急いで戻らなくてはな」
「えぇそうしてください」
そういえば、テセウ様の母親の事はあまり知らないな~食事会の時も見なかったしテセウ様から優しい才女だとは聞いてるけど、どんな人なんだろう?軽い検査をした後門をくぐり町の中に入ると俺達に気付いた住民達が「お帰りさない」と声を掛けてくる。それにテセウ様は笑顔で手を振り答えながら、進んで行き領主館に到着するとメイド達が出迎えてくれたが、大広間にある扉が勢い良く開き走ってくる長い茶髪を編み込んで蔓の柄が入った緑のドレスを着た美人。もしかしてだけど・・・・
「テセウ!」
「母上」
駆け寄ってきたテセウ様のお母さんはギュっとテセウ様を抱きしめると
「心配したのですよ。何処か怪我はありませんか?」
「大丈夫ですよ母上、怪我一つありませんから」
「そうですか・・・・良かったです。全くあの人ったら私の許し無くテセウを調査に行かせるのだから」
「まぁまぁ母上」
テセウ様の無事を確認しすると心配そうに目を伏せていたのが一転して、少し怒ったように頬を膨らませる。
「テセウ、貴方も私に一言も無しで行くなんて一体どういうつもりかしら?」
「いや、それは・・・・」
「おおよそ、私が反対すると思ったのでしょうけどそれは当たり前でしょう?まだ、貴方は子供なのですから森へ調査に行くなんて早すぎます。しっかりと事情を説明さえしてくだされば私も許しましたのに、一言も無しで行くなんて・・・・」
「そ、それは・・・・ごめんなさい」
「はぁ、素直に謝ったので許しましょう。ですが、今後このような事はしないで下さいね。心労で倒れてしまいます」
「はい!」
「本当に無事で良かった」
旅の間は大人っぽい姿を見ていたけど、こういう所を見るとちゃんと子供なんだな~テセウ様の頭を撫で姿勢を正すとこっちに体を向き直し
「お見苦しい所をお見せして申し訳ございません。お二人がテセウの事を護衛して下さった冒険者の方ですね?私はリリー・シュナイザー、テセウの母です。この度はテセウを怪我無く家に帰して下さり本当にありがとうございます」
「いえいえ、母親ならば子供の心配をするの当たり前のことです。それに俺達は冒険者として務めを果たしたにすぎません」
俺とブレストは姿勢を正し頭を下げる。
「お二人はテセウを守ってくださったのでそんな畏まらなくて大丈夫ですよ。ロシェ貴方もテセウを守ってくれてありがとう」
「勿体なきお言葉です」
凛とした顔立ちだが目は優しく一つ一つの所作が綺麗なシュナイザー夫人は、優しく言うと俺達は顔を上げる。ブレストが何か言おうとした時、また扉が開かれ快活な声と共にシュナイザー様とサピロさんがやって来た
「おう、ようやく戻って来たか。思ったより時間が掛かったな!さぁ執務室へ来い報告を聞かせて貰おうか」
「貴方、今私がお話しています」
「あっすまん」
「ですが、皆様が調査してきた内容というのはとても大事な物ですので私も気になります。なので私も同席します」
「そうか、それじゃあこっちだ」
あれ、もしかしてシュナイザー様って奥さんの尻に敷かれてる?
シュナイザー様の案内で屋敷の奥へと行き、品の良い革張りのソファーに艶やかで植物の意匠がされているテーブル、そして奥に執務机が置いてある部屋に入り促されるまま席に座る。
「まずは、無事の帰還を称賛しよう。テセウ、ロシェ、クロガネ殿、ブレスト殿よく無事で帰って来てくれた。その様子を見ると、何か掴んで帰ってきたようだな」
「はい、色々と」
「詳しく聞かせて貰おうか」
「はい、まず結論から申し上げますとこの森で起きている原因を突き止めました」
「なるほど、それは何だ?」
報告はリーダーであるブレストがすることになっている。なので俺は暇だから不敬の無いように姿勢を正しなら、周囲を見渡しシュナイザー様達を観察することにした。この部屋に居るのはシュナイザー様とサピロさん、それに夫人と俺達だ。他に従僕とかが居ないのを考えるとこの件をかなり重く考えているみたいだな。何か重大な前兆だとしてそれが他者に漏れたら危険だもんな。
あれサポロさんまた目の奥がほんの僅かに光ってる。鑑定は俺達には効かないはずだし、前にも試してたはずだけどな。
「それは、ダンジョンです」
「!」
「どういうことだ?」
ブレストは森で調査をしている最中に遭遇した魔物の話から、インセクトマンがまた出現したこと、そして森の奥へ調査に向かいダンジョンを発見しこの異変がスタンピードによって起こされていたことを一から十まで余すことなく説明していく。話を聞いている内に夫人は難しそうな顔になり顎に手を当て考え込み、シュナイザー様は頭を痛そうに抱えてしまった。
「はぁ・・・・思ってた以上だな」
「まさかそんなことが・・・・」
ダンジョンを見つけたという事を話した時点で、シュナイザー様は大きく溜息を吐き背もたれへと体を預けてしまった。そして一瞬隣に立っているサピロさんに視線を送るとサテロさんも視線を送る。
あ~なるほどな。
ダンジョンを発見し、スタンピードが起きていたなんて突拍子の無い話をこうも素直に信じて良いのかと思ってたけどサピロさんがスキルを使って真偽を判断していたのか。恐らくだけと、サピロさんは教会や冒険者ギルドに置いてある真実の宝珠のようなスキルを持っているんだろう。つまり鑑定眼に真偽を見抜く力も兼ね備えてるってことか~滅茶苦茶貴重な人材だな。
鑑定眼があるだけで職に困らないってのに、真偽を見分ける力もあるとか王城に直接雇われるぐらい貴重な人だろ。
「しかし、いくら規模が小さいとは言えスタンピードが起きているのであれば直ぐに対処をしなければ」
「あ、それは心配いりません」
「何でだ?」
「スタンピードを収めてきましたから」
「はぁ!?」
まぁそういう反応になるよな
「良いと思いますよ。冒険者ギルドを通すのであれば何事も問題ないですしね」
「感謝する」
「悩む時間も無いのかよ!?」
「テセウ様の言う通りここまでの事態であれば、報告や検証に時間が掛かると思うしその間森で依頼をこなす訳にもいかないから丁度良いだろ。それに、冒険者が指南役になる事はよくある事だし経験しておいて損は無いぞ」
「ブレストが良いなら俺も喜んで受けるけどよ」
「後は父上を説得するだけか」
反対することが一つも無かったからか二つ返事で承諾するブレスト。俺もテセウ様には色々な事を教えたかったし、反対されたら少し困るなって思ってたから別に良いけどよ。ロシェさんは何も言わないってことは、反対する気は無いってことで良いのかな?
「それは、頑張ってください」
「あぁ父上を説得するすべを考えておこう」
「それじゃあ、飯も食べ終わったことだし進みましょうか」
俺達はダンジョンに辿り着くまでの道筋を同じ日数を掛け、怪我無く慎重に進み夜にはテセウ様と色々な事を話すというのを繰り返し仲を深めていく。途中で見つけたフラワーディアに再戦を果たし見事討伐するなど、色々な事があったがようやくウォルマの町が見えてきた。やっと帰って来られたウォルマは出た時と変わりはなさそうだ。
「ふぅ、やっと帰って来れたな。十日程しか離れていないというのに少し懐かしく感じる」
「テセウ様は町を出ることは滅多にありませんでしたから、そう感じるのかもしれません」
「実際は短い期間ですけど、どうでしたか?」
「とても有意義な十日間だった。改めて今回の調査に同行することを許可してくれたこと感謝する」
「そう言ってくれるなら良かったです。これで調査は終わりですけど、これからも結構大変ですよ」
「あぁ、まずは父上に報告しなくてはな」
色々な後処理が残っていることに少し面倒になりながら、門へと近づくと俺達の姿を見た衛兵達が慌ててこちらに向かってくる。周囲に魔物の気配は無いし、何か有ったのか?
「テセウ様!!」
「あぁ、ポポルか」
「よくご無事で!領主様は心配ないとおっしゃっていましたが、ここまでの期間町から離れたことがありませんから・・・・ご無事で何よりです」
「あぁ心配を掛けたな。お二方とロシェのおかげで怪我一つないぞ」
「そうですか・・・・良かったです」
駆け寄ってきた衛兵達はどうやらテセウ様が心配で心配で仕方が無かったみたいだな。そりゃこの森の恐ろしさを嫌という程知っている衛兵からすれば、領主の息子が良く知らない冒険者と長い間森の中に居るなんて気が気じゃ無いよな。領主の息子ってこともあるんだろうけど、ここまで心配されるなんて慕われてるな~
「お母上殿も帰りはまだかと心配されおりましたので、お怪我が無いようで本当に良かったです」
「母上がか、それは急いで戻らなくてはな」
「えぇそうしてください」
そういえば、テセウ様の母親の事はあまり知らないな~食事会の時も見なかったしテセウ様から優しい才女だとは聞いてるけど、どんな人なんだろう?軽い検査をした後門をくぐり町の中に入ると俺達に気付いた住民達が「お帰りさない」と声を掛けてくる。それにテセウ様は笑顔で手を振り答えながら、進んで行き領主館に到着するとメイド達が出迎えてくれたが、大広間にある扉が勢い良く開き走ってくる長い茶髪を編み込んで蔓の柄が入った緑のドレスを着た美人。もしかしてだけど・・・・
「テセウ!」
「母上」
駆け寄ってきたテセウ様のお母さんはギュっとテセウ様を抱きしめると
「心配したのですよ。何処か怪我はありませんか?」
「大丈夫ですよ母上、怪我一つありませんから」
「そうですか・・・・良かったです。全くあの人ったら私の許し無くテセウを調査に行かせるのだから」
「まぁまぁ母上」
テセウ様の無事を確認しすると心配そうに目を伏せていたのが一転して、少し怒ったように頬を膨らませる。
「テセウ、貴方も私に一言も無しで行くなんて一体どういうつもりかしら?」
「いや、それは・・・・」
「おおよそ、私が反対すると思ったのでしょうけどそれは当たり前でしょう?まだ、貴方は子供なのですから森へ調査に行くなんて早すぎます。しっかりと事情を説明さえしてくだされば私も許しましたのに、一言も無しで行くなんて・・・・」
「そ、それは・・・・ごめんなさい」
「はぁ、素直に謝ったので許しましょう。ですが、今後このような事はしないで下さいね。心労で倒れてしまいます」
「はい!」
「本当に無事で良かった」
旅の間は大人っぽい姿を見ていたけど、こういう所を見るとちゃんと子供なんだな~テセウ様の頭を撫で姿勢を正すとこっちに体を向き直し
「お見苦しい所をお見せして申し訳ございません。お二人がテセウの事を護衛して下さった冒険者の方ですね?私はリリー・シュナイザー、テセウの母です。この度はテセウを怪我無く家に帰して下さり本当にありがとうございます」
「いえいえ、母親ならば子供の心配をするの当たり前のことです。それに俺達は冒険者として務めを果たしたにすぎません」
俺とブレストは姿勢を正し頭を下げる。
「お二人はテセウを守ってくださったのでそんな畏まらなくて大丈夫ですよ。ロシェ貴方もテセウを守ってくれてありがとう」
「勿体なきお言葉です」
凛とした顔立ちだが目は優しく一つ一つの所作が綺麗なシュナイザー夫人は、優しく言うと俺達は顔を上げる。ブレストが何か言おうとした時、また扉が開かれ快活な声と共にシュナイザー様とサピロさんがやって来た
「おう、ようやく戻って来たか。思ったより時間が掛かったな!さぁ執務室へ来い報告を聞かせて貰おうか」
「貴方、今私がお話しています」
「あっすまん」
「ですが、皆様が調査してきた内容というのはとても大事な物ですので私も気になります。なので私も同席します」
「そうか、それじゃあこっちだ」
あれ、もしかしてシュナイザー様って奥さんの尻に敷かれてる?
シュナイザー様の案内で屋敷の奥へと行き、品の良い革張りのソファーに艶やかで植物の意匠がされているテーブル、そして奥に執務机が置いてある部屋に入り促されるまま席に座る。
「まずは、無事の帰還を称賛しよう。テセウ、ロシェ、クロガネ殿、ブレスト殿よく無事で帰って来てくれた。その様子を見ると、何か掴んで帰ってきたようだな」
「はい、色々と」
「詳しく聞かせて貰おうか」
「はい、まず結論から申し上げますとこの森で起きている原因を突き止めました」
「なるほど、それは何だ?」
報告はリーダーであるブレストがすることになっている。なので俺は暇だから不敬の無いように姿勢を正しなら、周囲を見渡しシュナイザー様達を観察することにした。この部屋に居るのはシュナイザー様とサピロさん、それに夫人と俺達だ。他に従僕とかが居ないのを考えるとこの件をかなり重く考えているみたいだな。何か重大な前兆だとしてそれが他者に漏れたら危険だもんな。
あれサポロさんまた目の奥がほんの僅かに光ってる。鑑定は俺達には効かないはずだし、前にも試してたはずだけどな。
「それは、ダンジョンです」
「!」
「どういうことだ?」
ブレストは森で調査をしている最中に遭遇した魔物の話から、インセクトマンがまた出現したこと、そして森の奥へ調査に向かいダンジョンを発見しこの異変がスタンピードによって起こされていたことを一から十まで余すことなく説明していく。話を聞いている内に夫人は難しそうな顔になり顎に手を当て考え込み、シュナイザー様は頭を痛そうに抱えてしまった。
「はぁ・・・・思ってた以上だな」
「まさかそんなことが・・・・」
ダンジョンを見つけたという事を話した時点で、シュナイザー様は大きく溜息を吐き背もたれへと体を預けてしまった。そして一瞬隣に立っているサピロさんに視線を送るとサテロさんも視線を送る。
あ~なるほどな。
ダンジョンを発見し、スタンピードが起きていたなんて突拍子の無い話をこうも素直に信じて良いのかと思ってたけどサピロさんがスキルを使って真偽を判断していたのか。恐らくだけと、サピロさんは教会や冒険者ギルドに置いてある真実の宝珠のようなスキルを持っているんだろう。つまり鑑定眼に真偽を見抜く力も兼ね備えてるってことか~滅茶苦茶貴重な人材だな。
鑑定眼があるだけで職に困らないってのに、真偽を見分ける力もあるとか王城に直接雇われるぐらい貴重な人だろ。
「しかし、いくら規模が小さいとは言えスタンピードが起きているのであれば直ぐに対処をしなければ」
「あ、それは心配いりません」
「何でだ?」
「スタンピードを収めてきましたから」
「はぁ!?」
まぁそういう反応になるよな
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※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
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